飼ってる鳥のにおいをかぐのが好きという人は割と多い。
犬や猫はどうだか知らないが(いちど実家の猫のをかいだことがあるが、シャンプー直後だったので甘ったるいにおいにくらくらしただけだった)、何というか、鳥の身体からは独特のにおいがする。毎日水浴びしている文鳥もこれはあったから、不潔が原因とかではなく、もともと持っているものらしい。
当然ながら、我が家の鳥どもにもにおいがある。水浴び嫌いのベルカはちょっと甘い、ナッツか何かを思わせるにおい、ブロッサム、通称ちびころは日に干した布団のにおい、ぎっくちゃんは微妙にほこりっぽいにおい……ヒューストンは鼻を近づけようものなら流血の惨事になるので未確認だが、いずれにしろ、羽毛の柔らかい感触と相まって必ずしも不快ではない。
なので人間様も、時々ほおずりをしたりしながらどさくさにまぎれて鳥どものにおいをかいでいる。
……よく考えてみたら、肩に飛んできたりスカートをよじのぼってきたりするものが悪臭を放っていたらそれこそ悪夢以外のなにものでもないわけで、そういう意味では、鳥のにおいを人が不快に感じないのはとても重要なことなのかもしれない。