ぎっくの朝

 ぎっくちゃんの朝は、警戒のポーズで始まる。
 かぶせている布を取ると、緊張のオーラを揺らめかせながら、姿勢を低くして一触即発で身構えている。毎朝毎朝、1年365日必ずそうやっている。
 仕方ないので人間様がしゃがんで目を合わせてやると、ようやくぎっくちゃんはそこで何かに気付くらしく、身体は低い姿勢のまま首だけむくりとコブラのように持ち上げ「あ、おはよー」という顔をする。
 いい加減覚えろと言いたいところだが、ベルカなんぞは10年以上たっても「朝は人間様が忙しいので外には出さない」というのが覚えられないでいるので、これが鳥頭の限界かとも思ってみたりする。

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