例によって、人間様.には見えない何かを警戒しているブロッサム、通称ちびころ。
……もしかして、人間様の頭上を見てないか?
『出口のない海』を見てきた。
いや、なんか普通に面白かった気がいたしますよ。最後は落としどころに困ってお手軽感漂うラストになったのがアレだけど。1ヶ月経ったら死体は腐乱してませんか普通。
折角魔球まで引っ張ったのに、いきなりテンション落ちて、そのへんはちょっとがっくりでした。画竜点睛を欠くを地でいった感じかも。
しかし海老蔵28歳で21~2の大学生はさすがに無理っぽさありましたな。事業服とか学生服とかひとりだけ変に違和感漂ってて笑った。もっとも、海老蔵の演技だったから映画に落ち着きが出たっていうのはあるかもしれないが。
しかし初めて回天の操縦を見たが(って普通見るようなもんじゃないが)、すごいですな。当然っちゃ当然だが全部手動ですよ。
舵は自転車のペダルみたいなのを(チェーンもついてる)手で右とか左とかに回して動かしてるし、操縦はもちろん、出力調整とかも全部人間が頃合いを判断して、手でちまちまとバルブ開け閉め、ハンドル操作をしなくてはならない。でそれをしながらさらに潜望鏡で目標を観測して、距離と方位を計算して当たりにいく。つまりこれは「人間魚雷」なんていう簡単なものじゃなくて、まさに人間をシステムの中枢として組み込んだ新機軸の兵器と言っていい。相当イヤンな新機軸だけど。
そういう部分を素人にも分かるようにある程度描いているのが「魚雷に乗せられて体当たりを強いられた悲惨な人たち」という見方と一線を画していたんじゃないかと思う。
回天で出られなかった(死ねなかった)と泣き、絶望する若者たちの姿は、現代人の目から見ると相当異様なものに移る。だが、それは、我々が現代人だからそう思うのであって、当時の人にとっては自然なものであったろう。そして、それをとやかく言う権利は、現場を知らない我々にはない。
……そういえばこの映画、大和やバルトと違ってひとりで来てるおじいちゃんが結構目立ったんだけど、何だったんかな。
回天同世代の皆さんなのかな。