ちょっと。
人間様、身動き取れないんですが。
硫黄島シリーズ第1弾『父親たちの星条旗』を見てきた。
隣で『ナチョ・リブレ 覆面の神様』(いきなり雄叫びが上がるから、クリックには気をつけてね)をやっていて、激しく心が動いたのだが、とりあえずは当初の予定を遵守。
いや、映像すげえですわ。彩度を抑えたモノトーン調なのが雰囲気出ている。たまーに出てきたマネキン丸出しの生首とか死体とか以外は。
内容も、変にひねりもなくて、正面からストレートに作ってある感じ。若干ストレートすぎる部分もあるけど、難解なインテリ映画を見たい訳ではないので別にいい。夜間に白兵しかけてくる日本兵が若干ニンジャっぽくて笑ったが、それほど不自然ではないし、多分、当時のアメリカ兵には、こう見えてたんだろうとある意味納得したりして。
ただ、ラストの息子のモノローグはかなり微妙。多分、原作者が実際に「星条旗の6人」のひとりの息子ってこともあって、兵士たちの名誉をアピールする意味で入っているんだろうが、それまでの戦場&作られた英雄の流れでできてた緊張感がいきなりだれた感じ。
『出口のない海』でも思ったが、ラストを決めるって難しいのねん。
多分これは、アメリカ人だったら何か深いものを感じたんではという気はする。「硫黄島に立つ星条旗」は、アメリカでは切手になったほど有名な、勝利を象徴する場面だった。それをこういう形で切り込んだというのは、賛にしろ否にしろ、アメリカ人なら何らかの問題提起的なものを映画の奥に見たと思う。
ただ、日本人の目で見ると「今更何を言ってるんだ?」ってのが割とあるのも確か。
でもあの時期にアメリカが戦費に苦労してたとか、アメリカ人が戦争に嫌気がさしてたとか、それは知らなかった。週刊空母とかやってたぐらいだから、あの人たち戦争の間中やる気満々だと思ってたし(笑)。
そういえば硫黄島に偉い人が上陸した時、「海軍長官」と字幕がついてたんだが、こんな役職あったんだだろうか?
とりあえず、いちばん素敵だと思ったのは軍曹のマイクでした。
で、この映画の後、12月公開の硫黄島シリーズ第2弾『硫黄島からの手紙』の予告をやったんだが、予告の段階で明らかにこの映画とはトーンが違ってる。画面の色調すらも違ってる。日本人の観客を変に意識してるとしたら(って明らかにそうなんだけど)、微妙に大和っぽい感じになりそうでちょっと不安な印象。
まあ、だとしてもイーストウッドだから、大和よりは確実に上の作品になるだろうが。
おまけ。
噂には聞いていたが、まさか本当に上映しているとは……。