間違った条件付け


 ティッシュ囓りに夢中のビビ。

 どさくさにまぎれて頭を掻いてやる。

 うっとり。
 ショップで掴まれたのがいやだったか、ビビは指を前に出しても乗らずに恐がって後ずさってしまう。
 手乗りに戻すには、まずこの恐怖心をなんとかしなくてはならないので、別に手が恐くないということを分からせるために、折に触れて頭を掻いてやることにした。
 すると効果があったらしく、段々手を恐がらなくなってきたのはいいのだが、今度は指を出すと、乗らずに頭を下げて掻いてくれるのを待つようになってしまった。
 ……世の中、なかなか思い通りにいかないものである。

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