ヒューストンを病院に連れていった帰りにソフマップで古いデジカメを買い取りに出したら、見積に2時間かかると言われた。
明日に出直そうかと思ったが、明日は中古の日でものすごい買い取りは込みますよとのこと。それならと覚悟を決めて待つことにしたのだが、実はこの時点ですでに家をでてから2時間半。基本的に外出中はエサも水もやらないので、ヒューストンもそろそろお腹がすいてきている頃である。
あの図体なので、小さなインコのように数時間食べないと即命の危険にさらされるとかはないものの、やはりこれだけ長時間ご飯なしというのはヒューストンも連れ回す人間様もちょっと切ない。
そこで人間様、カロリーの高いヒマワリの種をそのへんで購入し、どこかひとけのないお手洗いで食べてもらうという作戦を考えた。幸い、ヒューストンはヒマワリの種なら人間様の手から食べてくれるので、空腹しのぎにもご機嫌取りにも最適と思ったのである。
が、実行してみるとこれがけっこう大変だった。
ヒマワリの種購入はスムーズに終了し、デパートのひとけのないお手洗いも見つけてさて開けようと思ったところ、これがなんと袋に「切り口」がなく、昔ながらの真ん中を持って引っ張って開けるタイプ。しかもこれがやたらがっちりのり付けしてあって、いくら頑張っても開かない。
そこで今度は開封するものを買いに文房具ショップへGO。105円のカッターを購入してさっきのお手洗いにもどったら何と人がいる。
まあお手洗いで赤ちゃんに授乳できるぐらいだから、お手洗いでインコにエサをやっても別にいいのだろうが、デパートはペット持ち込み禁止の所が多いので、通報されでもしたら確実に怒られる。ここは仕方なく諦めて他に人のいないお手洗いを探すことにした。
が、何しろ金曜日の夕方ということもあり、どこへ行っても利用者がいたり、ヒマワリを出して開けようとすると図ったように入ってきたりする。そのたびに人間様はそそくさと片付けて逃げ出すことになる。
そうやっていい加減挙動不審を繰り返した後、ようやく人の来ないお手洗いを見つけてヒューストンにおやつ配給となった。
……ものすごく何か言いたそうな目をしながらも、鳴きも騒ぎもせず素直にヒマワリを受け取って食べるヒューストンがちょっと不憫だった。