ヒューストンは最近、カゴのすぐ後ろにあるカーテンにぶら下がるのが好きである。
外に出してやるとすぐ自分のカゴの上によじのぼり、そこからカーテンにしがみついてはぶら下がってなにやら遊んでいる。普通はよじのぼって上に行くだろうと思うのだが、なぜかヒューストンにとっては、よじのぼるよりぶら下がるほうが楽しいらしい。
ただ、このぶら下がり遊び、ちょっとした危険もはらんでいる。ヒューストンのカゴには防寒用のビニールシートが貼ってあるので、一旦カーテンに移ってしまうと、戻ろうにも足がかりもくちばしがかりもないのだ。しかも、カゴとカーテンのすき間が10センチくらいしかないため、毛引き防止のエリザベスカラーをつけたヒューストンはすぐ身動きできなくなってしまう。
そしてふと気付くと、カゴの向こうでカーテンにぶら下がったまま、無言で何か言いたげな目をしているヒューストンと視線が合ったりする。
たまーに気付かないままになってしまい、力尽きて床に落ちてなにやらごそごそやっていることもある。