とまりたかったけど……

 外に出したぎっくちゃんを放置して台所で洗い物をしていたら、バババババ……とこちらに向かって飛んでくる羽音が後ろから聞こえてきた。
 来るな、と思ってひそかに身構えた人間様だったが、いつもならはっしと頭にしがみつくぎっくちゃんが、なぜかこの時はなかなか止まらない。何かを迷っているような羽音がバババババ……としばらく右往左往した挙げ句、またUターンして去っていってしまった。
 どうやら、人間様がたまたまヘアクリップで髪を上げていたので定位置にとまれず、どうしたらいいか分からなくなってそのまま戻ったらしい。
 ……頭がだめなら次は肩、とか考えないんだろうか?

帰ってきたの?

 人間様の帰りが遅いので、どうやらぎっくちゃんは爆睡してしまったらしい。
 いつもならドアが開いた瞬間大声で鳴いたり走ったり大騒ぎなのに、人間様を見てもノーリアクションできょとんとしているだけ。

「あ、あれ……?」
 あまり不思議そうに眺めているので、「お帰りなさい走りは?」と言ってみたら、思い出したように1往復だけしてくれた。
 ……ありがとう。

なにを見ている

 誰がどう見てもぎっくちゃんは頭が悪いのだが、それでも年齢を重ねたせいか、最近は頭が悪いなりに小知恵を使うようになってきた。

 一見、無邪気に眠るように見えるのだが……

 角度を変えるとなにげに薄目を開けてこっちを観察しているので恐い。

まあいっか

 お尻の羽づくろいをしたいのだが、カメラが気になって仕方がない。

 ちょっと睨んでみているらしい。

 効果がないので困ってしまったらしい。

 とりあえず、気にしないで羽づくろいすることにしたらしい。
 ……お前らしい判断だね、ぎっくちゃん。

寝ようかな

 出たと思ったら早くも寝る気満々のぎっくちゃん。

 体型が平行四辺形。
 垂れる癖のあるぎっくちゃんにとっては、止まり木よりもこういう場所のほうが寝やすいらしい。
 気持ちは分かるが何かが激しく間違っている気もしないでもない。

落ちていく

 例によってカーテンレールで遊んでいたら、上げてあったのれんの上に乗ってバランスを崩したぎっくちゃん。
 あわててのれんにしがみついたらば、今度はのれんごとずるずると下降していってしまった。

 爆笑している人間様を見つめて目を白黒させるぎっくちゃん。
 何が起ったか全く分かってないらしい。

 助けてやってもまだきょとんとしている。
 本当に鈍いんだな、お前は。

飾りのない表情

 ぎっくちゃんは他の3羽に比べて順応性が高いのか鈍いのか、一眼レフの前でも割とナチュラルな表情を見せてくれる。

 なんか寄ってきたと思ったら。

 おもむろに思いっきり身震い。
 一応カメラの前なんだし、もう少しとり繕ってくれてもいいんじゃないかと少し思う。

爪切り

 インコの爪。
 野生なら木や岩で自然に削られていくんだが、飼われているとそうもいかないから、たまにお手入れが必要になる。

 爪を眺めては気になる部分を丁寧に囓っていくぎっくちゃん。
 見てると削られた爪の粉がパラパラ落ちてくる。
 頭の鞘羽はやりっぱなしでも平気なくせに、爪はきれいにしていたいらしく、結構頻繁にこうやってお手入れをしている。
 ……多分頭は自分で見えないからだろうな。