ノーカラーヒューちゃん

 これは完全に人間様の勝手な言い分だが、ヒューストンはカラーがあるほうがかっこいいような気がする。

 なんだかのっぺりした感じになっちゃって。
 相変わらず時々よろよろしているが、それ以外は良く食う良く寝る良く遊ぶで、普段とまったく変わりがない。
 あんまり普通なので先生もちょっと困り気味の模様。
 でも鳥はあっという間に悪くなって死んだりするので、元気でも油断できない。

鎖プレイ

 カラーつきの時に頭を掻くのに愛用していたオモチャの鎖。
 もうカラーがなくなったんだから、なにもそんなものに頼って掻かなくても……。

「でもこれ気持ちいいし」
 鳥といえどもいちど身に付いた習慣を変えるのは難しいらしい。

飲みたくないなあ

 さて、昨日から抗生物質治療を始めたヒューストン。
 エサも水も普通に食べるので、鳥と人間様双方の安全のために飲み水に溶いて与えるタイプになっているのだが、これがどうやらヒューストン的にはかなりまずいらしい。
 飲むのを拒否するほどではないものの、水を飲みたくなるとまず水入れをのぞきこみ、次いで人間様のほうをものすごく何か言いたそうな顔でじっと見つめてくる。
 で、人間様が何も反応しないと、あきらめたように渋々水に口をつけるのである。
 なんか溜息でもつきそうなその姿に、かわいそうと思いつつついつい笑ってしまう。

ふらふらするから

 カラーを取りました。
 といっても毛引きが治ったわけではなくて、少し前から足腰がおぼつかなくなるという症状が出始めたので、そっちの治療を優先するため。

 久しぶりにせいせいと羽づくろいをしたりしている。
 お腹のハゲはもうこのままっぽい。
 でもまだ原因は不明なので、とりあえず抗生物質をあげて様子を見ることになった。
 ちなみに料金は検査費+レントゲン代+注射代+診察代+薬で計2万円。所持金ぎりぎり。あぶねー。
 家を出るとき財布をのぞいて「これだけあればちょっときりつめれば給料日までだいじょぶ」と思っていたのだが、一瞬にして吹っ飛んでしまった。

水浴びのポリシー

 霧を吹かれると、乾くまで身じろぎもせずに待っているのがヒューストン流。

「あと少し我慢……」
 これが実は結構困りもの。
 普通のインコは大体半乾きになると羽づくろいをはじめるので、乾く頃にはふわふわのつやつやになっているのだが、ヒューストンは濡れたら濡れっぱなしで完全に乾くまでそのまんまにしておくので、ぼさぼさ度が増すだけでちっともきれいにならない。
 しかも鞘羽とかほったらかしだし。

黙って見つめる

 パソコンをやっていて、ふと気付いたらこんなになっているヒューストンと目が合った。
 ……何かお前に隅っこからそんな顔で見られるようなことしたか?

「…………」
 ヒューストンは何か言いたいことがあっても自己主張をしないので時々困る。

外出先のおやつ

 ヒューストンを病院に連れていった帰りにソフマップで古いデジカメを買い取りに出したら、見積に2時間かかると言われた。
 明日に出直そうかと思ったが、明日は中古の日でものすごい買い取りは込みますよとのこと。それならと覚悟を決めて待つことにしたのだが、実はこの時点ですでに家をでてから2時間半。基本的に外出中はエサも水もやらないので、ヒューストンもそろそろお腹がすいてきている頃である。
 あの図体なので、小さなインコのように数時間食べないと即命の危険にさらされるとかはないものの、やはりこれだけ長時間ご飯なしというのはヒューストンも連れ回す人間様もちょっと切ない。
 そこで人間様、カロリーの高いヒマワリの種をそのへんで購入し、どこかひとけのないお手洗いで食べてもらうという作戦を考えた。幸い、ヒューストンはヒマワリの種なら人間様の手から食べてくれるので、空腹しのぎにもご機嫌取りにも最適と思ったのである。
 が、実行してみるとこれがけっこう大変だった。
 ヒマワリの種購入はスムーズに終了し、デパートのひとけのないお手洗いも見つけてさて開けようと思ったところ、これがなんと袋に「切り口」がなく、昔ながらの真ん中を持って引っ張って開けるタイプ。しかもこれがやたらがっちりのり付けしてあって、いくら頑張っても開かない。
 そこで今度は開封するものを買いに文房具ショップへGO。105円のカッターを購入してさっきのお手洗いにもどったら何と人がいる。
 まあお手洗いで赤ちゃんに授乳できるぐらいだから、お手洗いでインコにエサをやっても別にいいのだろうが、デパートはペット持ち込み禁止の所が多いので、通報されでもしたら確実に怒られる。ここは仕方なく諦めて他に人のいないお手洗いを探すことにした。
 が、何しろ金曜日の夕方ということもあり、どこへ行っても利用者がいたり、ヒマワリを出して開けようとすると図ったように入ってきたりする。そのたびに人間様はそそくさと片付けて逃げ出すことになる。
 そうやっていい加減挙動不審を繰り返した後、ようやく人の来ないお手洗いを見つけてヒューストンにおやつ配給となった。
 ……ものすごく何か言いたそうな目をしながらも、鳴きも騒ぎもせず素直にヒマワリを受け取って食べるヒューストンがちょっと不憫だった。

咳払い

 ヒューストンは移動中大変大人しいので、電車に乗る時や店に入る時にとても楽である。
 かのベルカは狭いケージの中をひっきりなしにカタコトカタコト右往左往しっぱなし、外出好きのセキセイインコのぽちに到っては、ご機嫌で延々さえずり続けてまわりの人に不審がられる程だったのだが、ヒューストンはケージに入る時こそ嫌がるものの、目隠しの手提げにおさまって一旦外に連れ出されてしまうと、あとは静かに居眠りしたり、羽づくろいをしたりして過ごしている(らしい)。
 そんなヒューストンが唯一反応するのは人間様の咳払い。咳払いをすると、手提げの中から一声、大声で返事を返してくる。
 しかもこれが、周囲がどんなに騒がしくても100%聞き分けるという精度の良さである。
 でも、咳払い以外の人間様の声は、周囲がどんなに静かでも完全無視する。
 一体どこに返事の基準があるんだか。
 というか、なんでそういう時だけ返事をするんだ。

春の戦い

 ティッシュ箱と戦っているヒューストン。

 これまでヒューストンの遊び場というと自分のカゴの上限定だったのだが、最近またこうやって床で遊ぶようになった。
 どうやら季節や換羽などの関係で、定期的にこういう気分になるらしい。
 が、うっかり側に立つといきなり足に噛みつきにくるので油断できない。