妖怪アンテナ

 なんか1本だけ立っております。

 ベルカはトサカを触られるのが嫌いである。
 頭を掻いてやっている時、どさくさにまぎれてトサカをつまむと「いや?!」とでも言うように首をくねらせてはずそうとする。
 そういえば、インコやオウムのトサカは一体何の役に立っているのだろう?
 ニワトリの場合は、オスの印とか強さを誇示するとかなんかいろいろあるようだが、インコの場合オスでもメスでも同じトサカだし(というか冠毛という羽毛なので、ニワトリのトサカとは根本的に違う)、感情に応じて立ったり寝たりしてるくらいしか使っているのを見たことがない。しかも、モモイロインコとかに至っては、ぱっと見てトサカがあるのかどうかすら分からない。
 触られると嫌がるから大事な物だとは思うのだが、一体何に使っているのかいちど聞いてみたいものである。
「単に感情を表現するためです」とかいう答えが返ってきそうだが。

鬼のいぬ間に

 無心に新聞を囓るベルカ。

 実はベルカもこの場所は結構気に入っているらしく、ブロッサム、通称ちびころが遊んでいるのを時々うらやましそうな目で眺めている。
 そして、彼女がいない時を見計らっては囓りに行っている。
 それだけでおさめておいてくれれば世界も平和でいいのだが、何を考えるのか時々ブロッサム通称ちびころがいる時にも囓りに行ってしまい、その度にやる気満々の彼女に叩き出されて自分のカゴに逃げ帰っている。
 ……お前は学習ということをしないのか?

にがい

 ヒューストンがピーナッツの渋皮をくわえて遊んでいる。
 苦くないのかと思いながら見ていたら、突然渋皮を放り出すと猛烈な勢いで頭をぷるぷる振り始めた。
 やっぱりちょっと苦かったらしい。

いたずらの後

 いたずらを見つかってお仕置きにカゴに放り込まれたベルカ。
 何か言いたそうな顔をしながらもなんとなーく目をそらし気味。

 ベルカは分かっていて悪いことをする時「ぎゅぎゅ、ぎゅぎゅ」という低い独特の声を出す。
 以前は「これ!」と自分で自分を怒っていたのだが、それだとすぐにばれると思ったのか何なのか、いつの間にか鳴き方を変えるようになった。
 もっとも「悪いことをする時には鳴く」という基本はそのまんまなので、相変わらずすぐ見つかってはこうやってお仕置きされている。
 進歩してるのかしてないのか……。

ベルカの威嚇

 カゴのすみっこはベルカのくつろぎスペースになっている。
 気配がしないと思うとそこに引っ込んで、ひとり静かに羽づくろいをしたり床に敷いてある新聞紙をかじったりしている。
 ベルカにとってはここは誰の介入も許さないプライベートなスペース(のつもり)らしく、人間様がのぞこうものならこうやって羽を半開きにし「フッ、フッ」と声を出しながら左右にゆらゆら揺れて威嚇する。

 でも威嚇しているうちに段々気分が乗ってきてしまうらしく、気がつくと威嚇の姿勢のまま、上機嫌になって何やらごじょごじょさえずり始めている。
 ……まあ、機嫌のいい時とポーズはほぼ一緒だからね。

光害

 ヒューストンのエリザベスカラー全体像。
 かなり大きいが、付け方がゆるいので普段の動作にはそれほど支障はないらしく、この姿でカゴの金網をがしがし登ったり降りたりしている。


 ちなみにこのカラー、やや柔らかめのプラ板でできている。
 で、このプラ板が結構電灯の光を反射する。こうやってパソコンをやっている時など、ヒューストンとの位置関係で不意に視界の隅がチカチカ光り出したりするのでちょっぴりびっくりしたりする。
 まあ、ヒューストンが悪い訳では全くないのだが。

掻いてちょうだい

 一部で有名なオカメインコの「掻いてちょうだい」ポーズ。

 食事中の人は動かないということを知っているベルカは、食事を始めると必ずそばにやってくる。
 そして「ぴょん……ぴょん……」と甘えた声を出し、床から人を見上げている。
 人間様としては、食事の時くらいはテレビのひとつものんびり見たいのだが、今こそ自分の時間だと思っているベルカはそれを許してくれない。目があうとすかさず頭を下げ、人が掻いてくれるのをじっと待っている。
 ……ああ、またご飯がさめてしまう……。

足へのこだわり

 カメラを向けたらちょっと翼を広げてポーズを取っているベルカ。
 なぜいちいちポーズを取るのかは不明。

 こんな立派な翼を持つベルカだが、実は移動は飛ぶより歩くほうが多い。
 もちろん、飛ばなくては行けない場所へはちゃんと飛んでいくが、歩いて行ける所ならまず確実に歩くほうを彼は選ぶ。遊び場所も高い所より低い所のほうが好きで、中でもいちばん好きなのは床をただうろうろすることである。
 まあベルカが変なのは今に始まったことではないので人間様もとやかく言わないことにしているが、人が歩くとわざわざその前を小走りで逃げていく癖だけは、ハトじゃあるまいし邪魔なのでやめてほしいと思う。
 そのうち蹴飛ばしても知らんぞ。

微妙な関係

 自分のカゴのすぐそばで遊んでいるベルカをじっと見つめるヒューストン。
 でもベルカは知らんぷり。

 あからさまに敵対意識満々なぎっくちゃんとブロッサム、通称ちびころに比べて、この2羽はなんとなーく微妙な関係である。
 普段から何も考えてないベルカはまあいいとしても、ヒューストンのほうはベルカに対してちょっと複雑な感情を持っているらしい。自分がカゴの中にいる時にベルカが来ると、良くこうやってそばに行っては眺めている。
 ただ、あまり近付かれるのも一応イヤなようで、目が合うと口を開けて威嚇してみせたりする。が、どうもあまり本気ではなく、とりあえず挨拶代わりにガンとばしてみましたという感じである。
 一方で、外に出ている時にベルカの姿が見えると、ヒューストンはさりげなくカゴの中に逃げ戻ってしまう。
 たまーに気付くのが遅れてまともに出くわしてしまうと、「あっちへ行けー!」とばかりに羽を広げ、ベルカが飛んでいってしまうまで追い回している。