ブロードテイル

 見返りブロッサム、通称ちびころ。

 彼女のしっぽは普通のインコにくらべるとかなり幅が広い。
 これはオーストラリア原産のクサインコ類の特徴で、その名も「ブロードテイル」と呼ばれるらしい。ブロードソードとか、ブロードバンドとかのブロードである。
 で、このブロードテイルだが、見ているとブロッサム通称ちびころは結構もてあましてることが多い。何しろ身体と同じかそれ以上の長さがある上に、太いから結構弾力がある。なので何かにつけてひっかかったりはさまったり、乱れて広がってしまったりする。その度にブロッサム通所ちびころは懸命に脱出したりお尻をふってもとどおりに羽を直したりしている。
 さらに、見てのとおりブロッサム通称ちびころのくちばしは小さい。羽づくろいの時など、一生懸命足をふんばってしごいていかないと、途中ですっぽ抜けたりよろけてこけたりする。
 もうちょっと細いしっぽか、せめて短ければ扱いもしやすいだろうに、なぜこんな風にアンバランスなことになってるのか不思議だが、まあ自然のやることだし、何かの意味はあるのだろう。
 あまり期待はしてないけど。
 ちなみに、オスはこんなに派手な色

衝突

 カゴの外に出すと、ベルカは部屋の中を我が物顔に飛び回る。
 いつもの事なので気にもせず人間様は片づけをしていたのだが、床の本を拾ってひょいと頭を上げた瞬間、飛んできたベルカが側頭部に激突。
 ……涙が出るほど痛かったです。

ご機嫌バロメータ

 ベルカの変な正面顔。


 オカメインコの機嫌は非常に分かりやすい。
 基準になるのはとさかと姿勢。興奮している時やビックリしている時、恐い時などは、とさかをばさばさになるほどぴんと立て、ついでに自分も細くなって直立している。
 くつろいでいる時や機嫌のいい時は、このようにぺったりととさかが寝てしまい、自分もなんとなく低い姿勢になっている。
 これがもっと機嫌が良くなると、一層ひらべったくなって羽を半開きにし、なにやらごじょごじょさえずり始める。
 ベルカだけの変な癖なのかと思っていたら、どうもどこのオカメインコもやる仕草らしく、一説によれば「あじの開き」と俗称されているんだとか。

ゆるんでます

 人の膝の上でゆるみきっているぎっくちゃん。
 しまりのない羽毛と垂れた翼がポイント。

 不思議なことに、鳥どもがくつろいでいるのを見ていると、こっちまで眠くなってくる。
 今は亡き文鳥のちびっこは良く人の手のひらの中で昼寝をしていたものだが、そのうち見ている人間様も一緒になって居眠りしてしまうということが時々あった。
 ひょっとしてこれが動物の持つ癒し効果という奴なのだろうか?

かまって

 最近のヒューストンは、気がつくとカーテンにぶら下がってこっちを見つめている。
 仕方ないので助けてカゴの上に戻すのだが、しばらくするとまたぶら下がってこっちを見つめている。
 ……もしかして、かまってほしいのか?

ぎっくの鳴く日は

 なんだかぎっくちゃんがいやに騒いでいた。
 普段からぴよぴよと良くひとりごとを言ってる奴なのだが、一体なにを要求したいのか、カゴの金網に貼り付いてひっきりなしにわたしを呼び続けている。たまに止まり木に戻る時があっても、目が合うとすぐにまた貼り付いては鳴き始める。さらに、わたしがぎっくちゃんの視界からはずれた所に行こうものなら、こっちがびっくりするような大声でぴよんぽよん呼び立て、顔を見せてやるまで黙らない。
 今日に限ってなにをそんなに落ち着かないのかと思っていたら、23時過ぎ頃に北海道で地震。
 日本海中部地震の時はあいにく外出中で確認できなかったが、今度当てたら地震予知インコの称号をあげよう。

はじめての豆

 単調な鳥どもの食生活に変化を与えるべく、人間様は日々努力している。
 今回買ったのは「お好み豆」。なんだか酒のつまみのようなネーミングだが、乾燥させた白エンドウ豆やら緑エンドウ豆やらグリーンピースやらが数種類パックになっていて、水で一晩ふやかしてあげるとインコたちが喜びます、というもの。それじゃ喜ばせてやろうと早速それぞれに与えてみた。
・結果
ブロッサム、通称ちびころ
 やや警戒したものの、基本的には人間様が差し出す物は全て食べて良いものと思っているため、すぐに食す。だが少しかじってやめてしまった所を見ると気に入らなかったらしい。
ベルカ
 完全無視。そもそも食べ物とすら認識していない模様。
ヒューストン
 一目散に逃走。カゴの中に逃げ込んで威嚇しまくり。
ぎっくちゃん
 すぐにくちばしをのばしてきたが、どうやら濡れているのがイヤらしく、ちょっと触っては首をぷるぷる振ったり止まり木にくちばしをこすりつけたりしている。
・結論
 総じてあまり評判はよろしくない。
 ……うーむ、1キロも買っちゃったよ。

びしょぬれぎっく

 なんだかささくれ立っている水浴び後のぎっくちゃん。
 これだけぬれてもまだ物足りないようで、ひとしきりぴよんぽよん鳴いて催促していた。

 ぎっくちゃんの写真ばかり最近多いのは、彼が唯一、カメラを向けてもニュートラルでいてくれるので撮りやすいため。
 他の鳥どもは怖がって逃げてしまったり(ヒューストン)、怖がらないまでも気になって気になってそわそわしっぱなしだったり(ブロッサム、通称ちびころ)、喜んで寄ってきてしまったり(ベルカ)で、どうも普通の姿を撮ることができない。
 どこかで読んだ話によれば、どうもレンズが“自分をねらっている目”に見えるらしいとのことだが、ならば常に寄ってきてしまうベルカは一体どういう心境なのだろう。

雪崩

 ブロッサム、通称ちびころが、床に積み上げてあるタオルの山を制覇しようと狙っている。
 最初はよじのぼろうとしていたのだがふと考えを変えたらしく、軽く飛ぶと山の途中にしがみついた。
 ところがそこは丁度不安定な所だったらしく、重みでタオルの山そのものがゆっくりと彼女のほうへ崩れだしたのである。あわてたブロッサム通称ちびころは、丁度下りエスカレーターを駆け上る人のごとく懸命に崩れる山を登っていったのだが、とうとうまきこまれてタオルもろとも下に連れていかれてしまった。
 ……ひょっとして、飛んで逃げれば良かったんじゃないか?