男の選択

 これから寒くなるのにそうそう膝掛けをインコごときに使わせておくわけにもいかないので、ぎっくちゃん用に安いフリースを買ってきた。

 中国製ポリエステル100%。1050円。
 ちなみに今まで使っていたのはルーマニア製ウール100%。値段は忘れた。

 まず上からじっくり観察。

 外観を把握した後、試用にかかる。

 でも視線は前のウールへ……。

「やっぱりこっち」
 ……なんとなくそういうオチになるような気はしていたよ。

惨劇の前

 ブロッサム、通称ちびころの視線に注目。

 例によってカゴの上からブロッサム、通称ちびころを脅しつけていたぎっくちゃんだったが、彼女が無視しているので飽きて羽づくろいを始め、次第に熱中。
 と、その瞬間、上に何か気になる物を見つけたらしいブロッサム、通称ちびころが突然飛び立ったのでぎっくちゃんはびっくり仰天。奇声を上げてどこかへ吹っ飛んでいった。
 お前……。

ビビと膝掛け

 すいません。昨日は渡辺多恵子の『風光る』を読んでたら日を回ってました。
 いや、新撰組なんて確か沖田総司が結核で死にましたっけぐらいしか知らないし、いわゆる「ファン」というものの存在にはっきり言うと不気味な印象しかないので近付こうとも思わないのだが、この人のは前に別の作品を読んで割と面白かったので手を出してみた次第。
 実は新撰組物コミックは岩崎陽子の『無頼』も読んでるのだが(やっぱり別作品から流れた)、なんか両作品とも主人公の視点がほとんど同じなのが(もちろん人物は全く違う)ちょっと微笑ましかった。
 多分エピソード作りのネタにしてる資料が一緒なんだろうなあ。
 それはさておき。
 そんなマンガを読みながら例によってビビをおやつコーナーに出していたのだが、いつもならヒマワリを食べ飽きると戻してほしいとやってくるビビが、今日に限って寄ってこない。
 別に入りたくない訳ではないようで、遠くのほうから心細げにテーブルの上のカゴを見上げたり人間様を見上げたりはしているので、一体どうしたんだろうと思っていたら、どうやら人間様が使用中の膝掛けが恐くてたまらないらしいことが判明。
 人間様が膝をずらしてフリンジが動いたりするたびに、びくっとなって逃げている。
 ……お前まで膝掛けは使うなと……?

ぎっくちゃんと膝掛け

 急に寒くなったので膝掛けを出してきたら、それを見たぎっくちゃんがものすごい勢いで騒ぎ始めた。
 どうやら去年の冬、この中に散々もぐって楽しく遊んだことをちゃんと覚えていた模様。
 ……どうでもいいことは覚えてるんだな、お前。
 しょうがないので、人間様とぎっくちゃんでかわりばんこにつかうことにした。
 まずはぎっくちゃんの番。

「うれしい」
 で、ひとしきり遊ばせてから追い払って今度は人間様が使い始めたら、なんか戻ってきて探している。

「……どこ?」
 ……つまり、人間様は別のを買えと?

鳥の都合

 咳も鼻水も喉の痛みもないのに、寒気がすると思って体温を測ったら38度あった。
 でもこういう時に限ってインコどもがカゴに全く入ってくれない。
 ……まあ、人間様の都合などお前たちにとっては考慮に値しないってことは分かるけどね。

およちゃん専用キリム

 ブロッサム、通称ちびころに似合うキリムを、売ってる人に見立ててもらった。
 なんかどんどん深みにはまっている気がするが、まあ考えないことにしよう。
 ちなみに、このキリムは安かった。

 緑色の羽を引き立て、同時に翼や頭の赤い部分にしっくりなじむ茜色のキリム。

 早速ヒマワリの種で上におびきよせて撮ってみる。
 初めて見る物なのでちょっとびくびく。

 慣れてきたのでポージングしてみる。
「どう?」
 とりあえずお約束だが、乗っても3倍速く動ける訳ではないので念のため。