深爪

 セーターの上を歩くブロッサム、通称ちびころが、引っかかって転び転びしているので、つかまえて足の爪を切ってやった。
 ところが、良く確かめないで切ったら、深爪になってしまって大出血。

 止まり木血だらけ。

「痛い……」
 ごめんよ、ごめんよ。

勇敢なおまわりさん

 コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』に、主人公がこんなことを考える場面がある。
 時は中世のとある村。ペストが持ち込まれて人々が死んでいく中、ひとりの神父が彼らを救うために単身奮闘し、その果てに、自らもペストに感染して無惨な死を遂げる。
 一方で、同じ村の貴族の屋敷で働く臆病で怠け者の召使いは、続出する病人と死人に怖じ気づき、早々に逃げ出して行方をくらます。
 こうやって、勇気と正しい心を持つ人は、それゆえに自らを危険にさらしてこの世から消え、一方、使用人のような者はそれゆえに自らの安寧だけを図って生き延び、子孫を増やす。そして、次の世を作っていく。
 板橋で、頭のおかしい自殺志願女を救おうとして電車にはねられた警官が、本日亡くなったと聞いて、なんとなく思い出した話。

 コンパクトになっているブロッサム、通称ちびころ。

年寄りのなんとか

 はえてきた。

 実はブロッサム、通称ちびころは、歳を取るにつれて少しずつしっぽが細くなってきている。
 昔はブロードテイルの名前のとおり、歩くのに邪魔になるほど太い立派なしっぽだったのだが、今はその頃の太さの2/3ぐらい。
 特にこの2~3年で急に細くなってきたのが、何となく年齢を感じさせたりする。
 いい歳こいて、ぎっくちゃんから喧嘩を買っては本気でどつきまわすのはそろそろやめたほうがいいと思う。

裏表のある鳥

 カメラが近付くのがいやで、なにげに逃れようとして表になったり裏になったりしているぎっくちゃん。
 でもなぜか、飛んで逃げればいいということは思いつかないらしい。

 表側。

 裏側。
 というかお前、他の場所ではカメラなんて全然気にしてないじゃないか。

でぶヒュー

 お前、なんか最近輪郭丸い気がするんだけど、太った?

「そう?」
 まあ、もともと飛ぶのが下手でもっぱら歩いてしか移動しない上に、鳥はダイエットなどという贅沢思考とは縁のない生物なので、仕方ないといえば仕方ない話ではあるのだが。
 念のために別アングルからも撮ってみた。

「なによ」
 ……やっぱり丸いねえ。

新・なわばり宣言

 全く羽づくろいになっておりませんがな。

「?」
 最近、なわばりをパソコンデスクからテーブルに変えたらしいブロッサム、通称ちびころ。
 何が楽しいのか分からんが、てとてと、てとてと足音を立てながら、ひとりで楽しげに歩き回っている。
 でもって、人間様がうっかりテーブルに手を乗せると、すぐさま寄ってきて当然のように頭を下げて待っている。

「……掻いてくれるんでしょ?」
 ……最近思うのだが、どうもしつけを間違えただろうか?

しっぽの不自由な魚

 しっぽがすっかり溶け落ちてしまったコンゴ・テトラ。

 しかし、こんな有様でも、ちゃんと相方と同じスピードで泳いで、同じようにエサを食べ、同じ生活をすることができる。
 しかも、良く見ると新しいしっぽが出てきつつある。
 生物の力ってちょっとすごい。

キャベツを食べる

 浅漬け用のキャベツをおすそわけ。

 わざわざそんな足で掴んで食べにくい格好せんでもいいと思うが。
 最初は一口かじって「いらない」という調子だったのだが、最近は入れるとすぐに大喜びでやってくる。
 そして葉っぱがしおれるまで、暇を見てはシャクシャクシャク、モグモグモグ、シャクシャクシャク、モグモグモグと音を立てて食べている。
 なんでそんな兎みたいな音がするんだ?