胸の話

 干してある洗濯物の上から人間様を見おろしているブロッサム、通称ちびころ。
 セキセイインコは結構胸が突き出しているいわゆる「鳩胸」なのだが、この鳥はつい触りたくなる扁平胸。
 というか、あんな風に胸が突き出しているのはむしろセキセイインコだけっぽい。

 なんか妙に腰が引けてるが、また人間様には見えない何かでも見たのだろう。

私はここよ

 昼間にベランダの窓を網戸にしていたら、外で野良猫がニャーニャー鳴き出した。
 このあたりの野良猫は、近所にエサをやっている人がいるせいでなかなかずうずうしく、油断するといつの間にか網戸に鼻をおっつけて、部屋の中のインコどもを眺めていたりする。
 なので来たら即撃退だなと思って用心していたところ、その猫の鳴き声に必死で「ぴよ!」「ぴよ!」返事をし始めたのは誰あろうぎっくちゃん。
 ……お前って奴は……。
 …………
 ところで、猫の身体に忌避剤がかかると、その猫はどうなるのかがちょっと気になる今日この頃。

住居事情あれこれ

 ところで、人間様が現在住んでいるのは、1Kのアパートである。
 当然ながら、インコどもも熱帯魚も同じ部屋で暮らしを共にしている。まあにぎやかでいいといえばいいのだが、夜中にぎっくちゃんが寝言で吹く口笛にぎょっとして目が覚めるような環境というのは、やはり何かが間違ってるような気がするわけで。
 せめて、人間部屋とそれ以外の生物の部屋を分けられたらと考えて探しているのだが、そんなこのアパートになんと夫婦というか、カップルで住んでいる人がいるのを発見してしまった。
 ごめんなさい、人間様が贅沢でした。

愛は懲りない


 今日も今日とて、ぎっくちゃんは愛の告白にやってくる。
 いい加減うっとおしいんですが。

 で、離れてもらおうと指ではじいたら、ちょっと力を入れすぎたようですっ飛んでしまった。

 さすがにこれにはびっくりしたらしく、様子をうかがうぎっくちゃん。
「…………」

「でも好き」
 ……そうかい。

朝のあいさつ

 朝、カゴカバーを取るとき、人間様は必ず前もってインコどもに一声かけることにしている。
 無言でいきなり取ると必ずびっくりして暴れる奴が出るので、それ防止のためなのだが、この時必ず嬉しそうに「ぎっくー」と返事をするのがぎっくちゃん。
 でもカバーを取ると、びくびくしながら低くなって警戒体勢を取っている。
 お前には学習能力がないのか。