赤ん坊の頃、神社で当時妻子を亡くしたばかりだった養父に拾われ実の娘のように育てられた。 家族は陸軍士官の父、政信とばあやの喜和(きわ)の二人(自由設定より) |
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裕福な士族のひとり娘としてなに不自由なく育てられたため、比較的おっとりとしていて行儀もいい。ものの見方もまっすぐでひねくれたところがなく、よく言えば素直、悪く言えば単純な印象がある。が、意外と意志が強く、物事を冷静に計算して実行する行動力も持っている。 周囲から見ると、養父(とばあや)に溺愛されさしたる苦労も知らずのびのびと生きているようだが、身元の知れない捨て子で異人、しかも得体の知れない力を持つという自分自身に対してかなり強い引け目を抱いている。その裏返しか、肉親や親しい人への情は人一倍強い。 異人だからと後ろ指を指されないようにと、士族の娘として恥ずかしくないだけの家事や教養は仕込まれている。 また、生まれつき妖を呼び操ることができる。呼び出す妖は蛇、猫など身近な動物か、人々の間でなじみ深いいわゆる「妖怪」に似た形をしたものであることが多い。 実はそれらの妖は、実際には「呼び出して」いるのではなくゆき乃自身が「作り出して」いるのだが、本人はその違いに気付いていない。 仁科政信(にしな・まさのぶ)49歳・男性 ゆき乃の養父。陸軍の大佐で、一見厳格だが面倒見が良く、特にゆき乃には大甘の父でもある。妻を産褥で、生まれた娘もわずか数ヶ月後に病で失い、人生投げかけていた時に近所の神社でゆき乃を拾う。その後、周囲の反対も構わず彼女を娘として引き取り、育てあげた。 岡田喜和(おかだ・きわ)60歳・女性 ほんの少女の頃から仁科家で奉公している。ゆき乃にとっては使用人というより祖母のような存在。 主人である仁科政信が拾ってきた異人の赤ん坊を最初は気味悪がっていたが、いつの間にか情が移り「ばあや」と呼ばせて可愛がるようになってしまった。 プレイヤーのコメント: 家族構成のモデルは『はいからさんが通る』の紅緒さんの家です。別に両親がそろっていても良かったんですが、ゆき乃の設定として「出生と外見以外は普通」というのがあったので、異人の捨て子を一生懸命育てるような境遇の親ってどんなもんだろうと考えて、こういう形になりました。 炎龍(えんりゅう)享年44歳・男性 017『深川百鬼夜行』NPC 本名仁科美智雄(にしな・みちお)。炎を操る裏高野の退魔師。ゆき乃の養父の実弟だが半妖として生まれ、関西の密教僧に引き取られた。同じ半妖で捨て子のゆき乃には養父以上に甘かったらしい。ただ“みちお”と呼ばれるのはイヤなんだとか。 清心大僧正の護衛として深川に来ていたが、『聖域』での“長老”らとの対決の際、大僧正をかばって命を落とした。 プレイヤーのコメント: 本名、設定共にマスター側からもらったものです。DRSを申請したはいいが、説得力のある理由付けに苦しみ「若い頃に家を飛び出して退魔師になった」とかいう適当なものをくっつけといたら、こんなに尾ひれがついて(?)戻ってきたので笑っちゃいました。 ちなみに、叔父がそうならその兄も当然そうだろうということで、養父の仁科政信も自覚してないだけで実は半妖であるという裏設定ができてます。記録にはないながらも、仁科家には昔妖の血が入っていて、それがまともに出たのが次男坊の美智雄こと炎龍という感じですね。 ゆき乃との間にはいろいろとエピソードもあったようなので、ぜひ生きていてほしかったNPCです。 ヴァリニャーノ(-)享年27歳・男性 064『帝都斬神列伝』NPC 金髪痩身、美貌の伊太利亜人剣士。多分フルネームはアレッサンドロ・ヴァリニャーノ。 ゆき乃の実の兄。現世での名は仁科名乃介と言ったが、記憶を失い、かすかに残る斬神剣の既視感をもとに剣術を学んで剣術集団『黄金銃士団』を作っていた。が、斬神剣をめぐる剣術杯の中で安土桃山時代の宣教師「ヴァリニャーノ」だった前世に目覚め、親しかった織田信長のために超人となり、照らされざる者に戦いを挑んで死亡する。 プレイヤーのコメント: 最終章だし、この際「実の身内」もひとつくらい取っておこうかなと思ったんですが、採用されたその月にヴァリニャーノはいきなり死亡。再会がそのまま永久の別れとなってしまいました(苦笑)。実はそうなるんじゃないかと思ってはいましたが。 仁科名乃介というのは、DRS採用に伴ってマスターが作った設定ですが、どうも微妙にゆき乃の自由設定とつじつまが合いません。もしかすると自由設定見てないんじゃという気もしないでもないですが、とりあえず物事は前向きに考えようということで、つじつまを合わせるために書いたプライベートリアクションがこの『行李の中から』です。 なお、ヴァリニャーノは安土桃山時代の実在の人物だそうです。 中牟田倉之助(なかむた・くらのすけ)59歳・男性 004『深き海より……』NPC ゆき乃の伯父(養父の実姉が中牟田家へ嫁いだ)。前海軍軍令部総長で海軍大将。 中牟田弥生(なかむた・やよい)23歳・女性 004『深き海より……』NPC 中牟田倉之助の娘でゆき乃の従姉。 新設の看護学校の第1期生でキャリアウーマンのはしりだが、一方ではかなりのお嬢様でもあるらしい。父、中牟田大将が病で倒れたのを皮切りに、兄の隼人は『畝傍』回航中に行方不明になるわ、変な政略結婚の話を押しつけられそうになるわと立て続けに災難に見舞われた不幸な女性。だが、ゆき乃を始めとする人々が、彼女を助けようと陰で東奔西走していたのには果たして気付いていただそろうか? 中牟田隼人(なかむた・はやと)享年25歳・男性 004『深き海より……』NPC 弥生の兄でゆき乃の従兄。海軍中尉。きまじめで熱血、思いこみも激しいらしい。 新造戦艦『畝傍』をシンガポールから回航中に艦もろとも行方不明になっていたが、実はプロメテウスにだまされ、その一員として日本をプロメテウスの支配下に置くために活動していた。最後に自分が間違っていたことに気付くが、直後にプロメテウスの炎で焼き尽くされて死亡する。 プレイヤーのコメント: DRS第1号です。正確には『中牟田弥生と従姉妹の関係』というものですが、弥生と従姉妹なら当然その兄や父とも親類関係になるので、ひとからげで考えています。 やっていて結構面白かったので、以後血縁関係DRSをひんぱんに取るようになります。 三島透尋(みしま・ゆきひろ)享年27歳・男性 040『雪は白く血は紅く』NPC 陸軍大尉。父親がゆき乃の養父の妾腹の弟、つまりこれもゆき乃の従兄。高い攻撃力を持つ特殊部隊『憂国会』及び民兵部隊『祖国防衛隊』を組織し帝都を襲う脅威と戦っている。見かけは涼しげなハンサム系の誰にでも優しい優等生青年だが、作った組織の名前が示すとおり相当なタカ派で、腐敗し始めた政府や軍部に対して強い嫌悪を抱いており、とうとう反乱を起こして新政権を樹立するに至った。 その後、スサノオノミコトと合一、神として日本をまとめあげ、列強(プロメテウス)に戦いを挑もうとするが、逆にスサノオの闇の力に飲み込まれかける。『照らされざる者』の力によりようやく真の意味でのスサノオとの同一化に成功、帝都を襲った怨念の力を自らその身に受け、黄泉へと消えていった。 プレイヤーのコメント: 後にクーデターを起こすNPC、ということで、そういう人物の身内になって困るというのも面白いかと思って取ってみました。こいつはきっと中牟田隼人と同じ道を行く、という読みもあったんですが(笑)。 「妾腹の血縁」というのは、これも炎龍の時と同じく関連づけに困ってくっつけてみたら採用されてたものです。 広瀬健夫(ひろせ・たけお)27歳・男性 004『深き海より……』NPC 海軍中尉。中牟田隼人と同期で友人。秘密部隊『海軍特務攻略隊』隊長でもある。ゆき乃の婚約者。縁談があった直後に偶然同じプロメテウスの事件に関わることとなった。 まじめでどちらかといえば堅実な性格。海外駐在の経験もあるため、男尊女卑の明示では珍しく女性に対する考え方も柔軟。プロメテウスの日本支配計画が挫折した後、再び駐在武官としてロシアへ赴くことになった。 なんだか将来、尻に敷かれそうである。 プレイヤーのコメント: DRS第2号です。正確には『縁談の相手』ということになっていますが、最終回で広瀬中尉がどうやらOKしてくれたようなので、勝手に許嫁に格上げしました。 こんなDRSが通るとは思わなかったので喜んでいたんですが……広瀬中尉がロシアへ行ったっきりマスターが帝都を撤退してしまったので、収集がつかなくて実は結構困っている状態です。まあ、アクションの時に「海軍将校の妻になる女として恥ずかしくない行動を」というPC的な動機付けができるので、使えるには使えるんですが。 永遠にこのまんま、だったらちょっと悲しい関係です。 鳴海綾(なるみ・あや)18歳・女性 033『風の如く影の如く』NPC 政府高官で警視庁名誉顧問鳴瀬剛毅の娘。母タカが赤ん坊だったゆき乃の面倒を見ていたことから(異人の子というので乳母や子守が嫌がって寄りつかず、養父が困り果てていたのを見かねて世話を引き受けた)、ゆき乃とは乳姉妹といってもいい関係にある。 楚々とした雰囲気の美人女学生。033のラストで彼氏(PC)ができた。 プレイヤーのコメント: ネットワールドを見て、てっきりゆき乃より年上だと思ってDRSを取ったら実は2才も年下で、設定のつじつまを合わせるのに苦労しました。そのためかどうもいまいちPC同士の関係が中牟田弥生の時より実感として感じられず、プライベートリアクションなども書けなくなっています。 ゆき乃を介在して綾と弥生は面識もあったはずだし、3人とも年齢が近い上に姉妹がいないということで、仲は良かったとは思うんですけどね。 |