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やたら思い入れのあるキャラクター紹介・その他ゲスト編


 クレアド星  ベルウィック星  タウト星まで  タウト星  ククト星  地球への途中  脇役編 
クレアド星

 准将 (1話)
 クレアド星の地上基地司令官です。異星人の奇襲に際し、迎撃と民間人の脱出の指揮を執りました。恐らく戦死したと思われます。
 どこか悪役っぽい面構えで声も富田耕生という、いかにも「民間人に理解のなさそうな軍人」といった感じの登場だったんですが、奇襲を受けて即民間人の避難を決断し、その護衛に迎撃部隊から兵力を割いても当てるよう指示するなど、いい意味で断固とした姿勢を持つ軍人でした。

 地上基地女性兵士&上官 (1話)
 クレアド星の地上基地で、各方面の部隊に迎撃指示を出していた女性オペレータとその上官(推定)です。きびきびした話しぶりがいかにも「頼れる軍隊」というイメージを出すと同時に、突然起こった戦闘の慌ただしさを強調していました。
 ちなみに、ここの原画を描いた西島克彦氏は『うる星やつら』の大ファンで、この女性兵士も最初はサクラさんにそっくりだったのは有名な話です。

 ミセス・ロビンソン (1〜2話)
 ロディとフレッド、ペンチが通っていた学校の先生です。番組中ではミセス・ロビンスンとも呼ばれています。この話に出てくる女性キャラクターには珍しいどっしり型のおばさんで、子供たちからも慕われているようです。
 異星人奇襲の報に子供たちを学校から帰し自らも避難。軌道ステーションでロディたちと再会します。その後、3人の保護者役としてジェイナスにも一緒に乗りますが、彼らと離れて「軍人たちのお手伝い」をしている時に戦死しました。
 たどりついたステーションに同級生たちの姿がないのに、皆途中で死んでしまったのではと気にするロディ、それをうち消すように明るく「他の所も見てくるわ」と言って探しに行くミセス・ロビンソン。そのふるまいは、子供たちを心配させまいとする優しさと同時に、ロディの言うとおり、生きてステーションまでたどりつけたのは実はこの3人だけなのだという事を見ている側に重たく伝える貴重なシーンでした。

 軌道ステーション司令&少佐(参謀?) (2話)
 軌道ステーションでは、丁度入港していたジェイナスの緊急出港準備を始めると共に、地上からの避難民の収容に努めていました。が、ロディたちが乗ってきたシャトルを最後に地上からの連絡は途絶え、さらに、それまで見逃されていた(?)ステーションにも敵が襲いかかってきます。これ以上は出港を引き延ばせないと判断した司令はジェイナスに即時発進を指示、戦火の中ジェイナスはステーションを後にするのでした。
 なるべく早く出港したいと命令を求めるジェイナス艦長に、まだ2機の避難シャトルが到着する予定である……ただし連絡が途絶えている……ことを告げる司令。艦長はそれを受け、あと30分だけ出港をのばすことに同意します。そして打ち合わせ後、発進準備を進めるジェイナスを窓から見つめながら「ひとりでも多くの民間人を脱出させなくては……ひとりでも多く」と司令はつぶやきます。
 この時、連絡が途絶えたシャトルを待たずに発進していれば、艦長の爆死を始めとする数々の悲劇はまぬがれたかもしれません。ですが、それは後だから言えることです。とにかく民間人の脱出を望んだ司令たちを責めることは、誰にもできないのです。

 ジェイナス艦長 (2話)
 ジェイナス号艦長グレード・バーナス大佐。異星人の奇襲を受けたクレアド星からベルウィック星へ民間人を避難させるべく、ステーション司令と打ち合わせをしながら発進準備を進めていましたが、ジェイナスへ搭乗する途中で幹部共々いきなり爆死。これによりジェイナスは先任士官の中尉を指揮官として緊急発進せざるを得なくなるのでした。
 海軍では、帽子を斜めにかぶるのは、やや型破りなイメージのアピールだそうです。確かに何となく「俺は船乗りだぜ」的なタイプで、ケンツが軍人になって年食ったらこんな感じかもという気もしないでもありません。同じ大佐で艦長なのに、上着まできちんと着込んでいたまじめなクレアの父とはだいぶ印象が違うのがまあなんといいますか……。

 ジェイナス女性兵士A、B (2話)
 ジェイナス号で子供たちの案内や管理をしていたふたりの女性兵士です。金髪クール系、ブルネットに眼鏡のコケティッシュ系のコンビで、年をごまかすおしゃまなルチーナに手を焼かされるBが印象的でしたが、2話で砲座についていて戦死したようです。
 このふたりとマルロ、ルチーナのやりとりはよっぽど評判が良かったらしく、最終回、さらにはOVA『ケイトの記憶、涙の奪回作戦』でも、似たような女性兵士がマルロ、ルチーナとのからみで登場します。

 民間人A(じーさん) (2話)
 軍の経験があるとのことで中尉の要請に真っ先に応じる元気な避難民のじーさんです。まだ敵も来ていないのにいきなり発砲、収束率が悪いと愚痴って中尉に怒鳴りつけられるなど「大丈夫かなこの人」的な感じでしたが、さすがというか、民間人B、C夫婦の砲座を破壊した異星人RVを一撃で撃破しました。が、直後に別のRVから攻撃され、戦死します。
 夫婦の砲座がやられた後涙を浮かべて砲撃していたのが印象的でした。

 民間人B,C(夫婦) (2話)
 ジェイナスに避難した民間人の夫婦です。いかにもインテリな感じの奥さんとそれに押されて目立たない(?)夫のコンビで、夫婦ふたりで一緒の砲座に着きましたが(射手は夫)、接近する敵を補足できないでいるうちに戦死しました。
 中尉から協力の要請があった時、この奥さんの冷静な反応が他の人たちが積極的に応じるきっかけになっています。そういう意味では2話に欠かせない人たちです。

 ジェイナス兵士A,B (2〜4話)
 3話で中尉の命令を受けジェイナスに戻った兵士たちです。40代くらいのおじさんと30代半ばあたりのちょっと若手のコンビで、共にジェイナスに最後に残った軍人となりました。3話までは中尉のインパクトが強くほとんど出番なし、4話でようやく個性が見えてきたと思ったら、小型機に乗ってベルウィック星で地上の先行偵察に出た際「なんだあれは」「うわっ」という言葉を最後に消息を断ちました……。
 中尉の死後、最後に残った軍人として子供たちをベルウィック星へ送り届けなくてはならなくなった彼らが感じていた重圧と緊張は、恐らく想像を絶したものだったはずです。ですがこのふたりはそんなものはおくびにもださず、どこまでもさりげなく淡々と、意欲を持って自分たちの役目を果たしていきました。プロというのはあるいはこういうものなのかもしれません。

 マーティン・バーブランド大佐 (3,42話)
 クレアの父で航宙艦の艦長をしています。ジェイナスより一足先に避難民を乗せて脱出、ベルウィックへ向かう途中でジェイナスに連絡を取りました。ここで、クレアの母とスコットの両親が無事であることが分かります。
 が、敵が接近してきたため大佐は中途で通信を終了。以後連絡が入ることなく安否が不明のままでしたが、避難民ともどもククトニアンの捕虜となりククト星の収容所に送られていたことが後に分かります。

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ベルウィック星

 ベロア大佐 (5話)
 異星人の攻撃によりほぼ壊滅状態となったベルウィック星で、唯一地下に立てこもり抵抗を続けていたジワイメルウ基地の司令官です。救援要請のために訪れたクレーク博士に対し、異星人の奇襲が実は「奇襲」ではなく、クレアド星から撤退するよう事前に通告されていたということを明かします。今回の攻撃は地球側がこの通告を無視したためであり、つまり、この事態の原因は地球人側にあるということが彼の話によって分かるのです。
 そんなどこか悪役めいた部分の一方で、ベロア大佐は子供たちを地球へ送り届けるための人員の手配を嫌な顔ひとつせずにクレーク博士に約束し、即実行に移します。が、そのために飛ばした輸送機は異星人に補足されて墜落、同乗していたクレーク博士は帰らぬ人になるのでした。
 なお、ジワイメルウ基地も10話でとうとう異星人の大攻勢を受けて全滅、恐らくベロア大佐も運命を共にしたものと思われます。

 軍曹 (6話)
 クレーク博士が輸送機もろとも墜落したのは、バルチカンという都市でした。ロディとバーツ、そしてケイトさんの3人はそこへ向かい、やはり輸送機を調べに来たらしい異星人と鉢合わせをします。
 ARVに追われ、都市の中を逃げ回る3人。絶対絶命と思われた時、助けてくれたのは老軍曹の操縦するディルファムでした。
 ところが、彼の任務は子供たちの救出ではなく、輸送機の安否の確認でした。自分たちや仲間を助けてくれないのかと詰め寄るバーツに対し、老軍曹は言います。我々は命令がなければ動けないのだ、と……。
 軍人としては、この答えは当然のものでした。命令もないのに動いては、軍の秩序は崩壊します。軍曹の言葉は決して間違ってはいないのです。
 ですが、バーツの耳にはそれは「理不尽な言葉」としてしか聞こえませんでした。大人と子供の認識の違い、といってしまえばそれまでですが、それだけに、彼の流す涙は一層悲しいものに感じられるのでした。

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タウト星まで

 アデル大尉 (22,23,29,30話)
 ローデン大佐にいつも従っている士官です。多分、副官といったところでしょうが……ジェイナスの艦長席で他の乗組員を指揮したり、トゥランファムのガンナーをやっていたりといまいちはっきりしません。ブリッジ勤務はともかく、RVパイロットは専門の技術職のはずなので、どう見てもそういう立場にないアデル大尉があっさり乗ってしまうのはかなり違和感がありました。
 腹の据わったローデン大佐に対してやや神経質そうなタイプで、大佐にはなついた子供たちも彼のことは苦手だったようです。3話の中尉よりは若く見えること、シャロンにおっさん呼ばわりされてショックを受けていたことを見ると、年齢的にはまだ30歳前といったところでしょうか。士官学校出の将来有望な若手という感じかもしれません。
 30話で大佐と運命を共にします。

 シュトロハイム少尉 (23話)
 ジェイナスにトゥランファムを運んできたパイロットたちのリーダーです。やたら元気のいいおじさんで、出撃前にマルロとルチーナに“激励”され大喜びで手をふりながらRVに乗り込み、アデル大尉に皮肉られたり、敵は新型との報告に「おじさん最新モード大好きだよ」とうれしげにつぶやき、まじめにやれとローデン大佐に叱られたりしています。
 29,30話では登場しませんでしたが、恐らくタウト星の爆発に巻き込まれたものと思われます。

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タウト星

 タウト星通訳 (27,28話)
 タウト星に強行侵入したものの、あえなく捕虜になってしまったロディ。彼は即座にククトニアンの尋問にかけられます。その時登場したのが、このなんともあやしげな地球語をしゃべる通訳でした。
 いちど聞いたら絶対忘れられないこの通訳のインパクトは、ひとえに声をあてた声優さんの熱演……というか怪演というか……のたまものです。わざとらしさの全くないなまりっぷり、というと変ですが、実は本当に外国人がやってるんじゃないかと思うほどリアルに「ククト語なまりの地球語」を演じきった声優さんの演技には脱帽するしかありません。
 それにしても、こんな風に通訳まで用意するククトニアンの周到さには、この戦争にかける意気込みが感じられます。ひるがえって地球人は、軍の一部の人間をのぞいては、敵がどんな姿をしているのかさえ知りませんでした。この“差”が後でどういう結果をもたらすか、それは過去の歴史が物語っているとおりですが……。

 ククト軍将官&副官 (27,28話)
 通訳の後ろで尋問に立ち会っていたふたりです。ロディの答えを聞いて頑固そうな将官が激高し、副官と通訳があわててなだめるという図を見てると、なんというか、軍人ってどこも同じだなあという気がします。

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ククト星

 ミューラァの副官(ウォルクス) (33〜38話)
 ミューラァの上官と並んで、唯一芦田豊雄氏デザインではないキャラクターです。では誰が描いたのかというと、どうもその独特のタッチから推測するに前半でゲストメカデザインをしていた永野護氏くさいです。ちょっとぬぼーとした感じの苦労人っぽいタイプですが、なにかあると先頭に立って飛び出していってしまう隊長ミューラァを見ていると、彼がそんな風なのも分かる気が……きっと事務仕事はあらかたやらされてるんだったりして。
 38話でバイファムを追っかけていってしまったミューラァに代わり、収容所を襲った13人+ククトニアンの対応に当たっていましたが、ジミーがトレーラーの上から落としたバズーカの砲弾が乗っていたジープを直撃して爆死という、なんともやるせない死に方をしました。場面そのものがどちらかといえばコミカルな形で描かれていることから、連続する戦闘シーンの中での息抜き的な効果を狙ったのかもしれませんが、だとしたらスタッフは完全になにか勘違いしています。
 設定では「副官」となってますが、ミューラァ個人の副官ではなく、いわゆる陸軍で言う「連隊副官」、あるいは副隊長的立場にいると思われます。アデル大尉といい、43話で登場するオタといい、どうも作品中ではこのふたつの役職がごっちゃになって解釈されている感があります。ちなみに全く違うので、念のため。

 ミューラァの上官 (33話)
 通信でミューラァを「半分地球人だから地球人相手の任務に手を抜いているのではないか」とネチネチいびる上官です。登場したのはこの回だけだったのは幸いです(もっとも、37話でミューラァが彼の台詞を回想するシーンがありますが)。地球軍にくらべてククト軍の高級将校にはなんだか性格が歪んだ人が多いみたいですが、なぜでしょう。

 メルの両親 (37,38話)
クレーク博士に眉毛がそっくりな父親と、おとなしやかで清楚な印象の母親の組み合わせは、きっぱり“美女と野獣”です。どうやらメルはお母さん似のようで、良かったですね。
 収容所に捕らわれていたククトニアン4人組の両親のうち、中心になって活躍したのがメルの父でした(ガイとユウ、ケイの両親は映像のみちらりと登場)。若干あやしげながらも地球語ができ、かつて軍にも所属していたという彼は、仲間はもちろん、13人に対しても積極的に働きかけ、引っ張っていきます。
 軍にいた時にミューラァのことを知る機会があったようで、彼についての情報を子供たちにもたらすのですが……「彼はなんでも徹底的にやらないと気が済まない性格」って、そこまで把握してるんなら、彼が地球人との混血だということも教えておいてあげれば良かったのに……。

 ガイの両親 (37,38話)
 こちらもむさくるしいおっさんとかわいい奥さんの組み合わせです。芦田氏描くカップルは、どうもこのパターンが多いようです。地球語が話せないためか、あまり出番はありませんでしたが、ガイも大人になったらお父さんのようになってしまうんでしょうか。

 ミューラァの部下A,B (38話)
 収容所からガイたちの親をはじめとするククトニアンたちを逃がすため、囮となってミューラァから逃げ回るロディ。どこまでも執拗に彼を狙うミューラァに、部下たちは何故そこまでこだわるのかと問いかけます。そして「初めて手応えのある奴に出会った」と言う上官の答えを聞くと、彼らは「実は赤ん坊が操縦していたりして」と冗談を言い、ミューラァも「もしそうだったらミルクをプレゼントする」と笑います。
 敵との混血ということで上官の受けは良くないミューラァも、部下からはある程度の敬意と親しみを向けられているようです。まあ部下にしてみれば、いい上官であれば地球人だろうが何だろうが別に構わないわけで、そのあたりの「割り切り」がこういう気楽なつきあいを生んだのかも(そして、39話での変わり身の早さにつながったのかも)しれません。
 しかし、この部下たちの妙に下卑た話し方はなんとかならなかったんでしょうか……これじゃ軍人じゃなくてそこらのちんぴらです。

 ルオト・ガンテス少佐 (39話)
 本編及びムック本ではロード・ガンテスとかロード・ガンテツとか各種書かれていますが、どうやら『ルオト・ガンテス』が正しい名前表記のようです。登場したのは39話のラストわずか数分だったにもかかわらず、そのすさまじいインパクトによってバイファムのイロモノキャラクターNo.1の名を不動のものとしました。
 廃墟の街でとうとう13人を発見したミューラァ。必死で逃げる子供たちと迫るミューラァ隊との間で熾烈な追撃戦が展開されます。と、そこにいきなり「ガンテス少佐参上!」と高笑いと共に乱入してきたのが、変形自走砲ARVディゾを率いる第3特務機動部隊のガンテスでした。なんの脈絡もないこの登場にミューラァは度肝を抜かれ、彼に向かって自分の指揮下に入るよう厳しく促します。が返ってきた答えは「ご意見無用! ワシの流儀で作戦を完遂するのみよ! ウワハハハハハ!」というこれまた強烈なものでした。
 さすがに呆れた(良く分かります)ミューラァは、部下に彼らには構うなと指示し、なおも13人を追おうとしますが、ガンテスの敵も味方もへったくれもない砲撃に事態はすでに収拾不可能なまでに混乱していました。それでもミューラァはかろうじてあと1歩のところまでバイファムを追いつめますが、いつの間にか接近していたジェダさんたちの部隊に逆に撃破され、捕虜になってしまいます。そして、肝心のガンテスはどうなったのかといえば、同じ時に集中砲火を受け、あっけなくお亡くなりになっていたのでした。
 このガンテス少佐、どうやらスポンサーの意向でディゾを出すために無理矢理作られたキャラクターのようです。してみるとあのとんでもないハイテンションは、29話のスリングパニアーのコンテナのバ○ダイマークと同じく、スタッフのヤケクソっぷりが表れたものだったんでしょうか?

 シャル・サライダ (34,40〜44話)
 科学者で、ククトのリベラリストの一員です。また、幼少時に両親を失ったミューラァを引き取り、育てた人でもあります。ムック本の中には『マスケ・サライダ』なる田舎者のよーな名前になっているものもありますが、正しいのはこちらです。
 リベラリストの組織内では指導者的立場にあるようですが、どちらかといえば組織の一角を借りてジェダさんに無理な要求をされつつ淡々と開発研究をしている学者という印象です。もっとも、子供たち(視聴者)が見ていない所ではまた別の面も見せていたのかもしれませんが。
 ミューラァからは嫌われている、というか、かなり苦手意識を持たれているようです。確かに、彼のことを「戦争の犠牲者」と言いつつ「何故ククトと地球の架け橋とならないのか」と要求したりしているのを見ると、さもありなんという気もします。ミューラァがサライダ博士のもとを出ていき軍に入った本当の原因は、もしかすると、半分地球人ということよりも、博士がこうやって無意識に与えていた重圧にあったのかもしれません。
 だとしても多分、博士は一生気付かないことでしょうが。

 グレダ・デュボア (42〜46話)
 リベラリストの一員で、サライダ博士の助手をしていました。ケイトさんとはまた異なる包容力のあるお姉さんタイプで、子供たちに対していちばん親身になって接しており、特にカチュアとは次第に保護者であり相談相手といった形の関係となっていきます。親切ながらもどうしても行動に打算がからむジェダさん、ミューラァで駄目だった(当然なんですが)「地球とククトの架け橋に」という自分の理想を13人に投影しがちなサライダ博士と違い、本当に「気にしないで、優しくしてあげたいからしているだけなのよ」といった感じの大人なデュボアさんの姿は、ずいぶんとほっとするものでした。

 ククトニアンのリベラリストたち (29,30,34,40〜46話)
 なぜデュボアさん以外は男しかいないのかというのはさておいて……。
 彼らは平和を望み、自由な社会を望み、地球人と手を取り合ってこの戦争を終わらせようと活動している人々です。その一方で、捕虜にしたミューラァを外気が吹きこむような牢に入れ(ククトの気候は寒冷です)、情報を得るために拷問します。そして、止めに入ろうとしたロディを「地球人の君には関係ない」と一蹴します。
 彼らが置かれている立場を考えると、それは仕方がないことなのかもしれません。ですが、そういう部分を見ていると、政府軍と一体どこが違うの? という気がしてくるのも確かです。

 美形ゲリラ (40,43話)
 設定書の注釈に「主役なみの美形」と書いてあるというただそれだけの人です(笑)。なぜそこまで美形だったのかは謎です。

 アイゼル (42〜45話)
 ミューラァがリベラリストの捕虜になった後、彼の基地にやってきて司令官におさまりました。地球人のククト侵攻が本格化するのを前にして、エクストラ力線を無効化する技術が開発されたという名目で地球人との混血であるミューラァを解任し、最後には騙してリベラリストもろとも殺そうとします(正確には、ジェダさんたちがミューラァとの戦闘に気を取られている隙に『味方の損害を度外視』で砲撃をしかけたんですが)。
 閣下と呼ばれているので多分将官クラスの人物だろうと思われます。ミューラァを「奴は軍人には向かん」と喝破するなど、必ずしも無能ではないようですが、やってることは実にせこいのがなんとも……。

 オタ (42〜45話)
 アイゼルの腰巾着、というのがいちばんぴったり来そうです。ミューラァの後任として隊長職につきましたが、機動兵器に乗るわけでもなくただ騒いでいるだけのどうも良くわからん人でした。
 多分階級はミューラァと同じ少佐で、言葉遣いからするとミューラァのほうが先任だと思われます。どうもお互い妙なライバル心を持っているようで、ミューラァが指揮をしている最中のオタのところにわざわざやってきてよせばいいのに茶々を入れ、負けじとオタもイヤミで応戦する姿には悪いと思いつつ笑っちゃいました。なんなんでしょうねえ、このふたり。

 ククト軍パイロット(オタの部下) (43話)
 解任されたミューラァに代わり、基地の部隊の指揮はオタが取ることになりました。彼の訓示にパイロットたちは「地球人共のスティックを1本残らず引っこ抜いて新任隊長にプレゼントしますよ」と媚でも売るかのように応じます。それを聞いて満足そうに笑うオタ。
 オタを「新任隊長」と言うからには、彼らはもしかするとかつてはミューラァの部下だったのかもしれません。ですがこの時すでに彼らの頭からミューラァのことはきれいに忘れられているように見えます。
 ミューラァが部下に嫌われていたというなら、この事態も別に驚くことではありません。ですが、38話には部下がミューラァと冗談交じりの雑談をするシーンがあり、そこから推測する限りでは、彼と部下の関係は決して悪くなかったはずです。それがいきなりこんな風になってしまうとはかなりつらいものがありました。見ているほうがこれだけつらいんですから、ミューラァ本人の心の内はどんなものだったでしょうか……。

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地球への途中

 バンガード乗組員 (46話)
 ジェダさんたちのシャトルから地球軍の駆逐艦『バンガード』に移乗した13人を、乗組員たちは「小さな英雄」と呼んで喝采で迎えました。恐らくまだろくに戦闘を経験していないであろう彼らにとっては、孤立無援のまま敵地で戦い続け、勝利してきた彼らはまさに見習うべき英雄なのでしょう。
 13人の戦争はここで終わり、これからは「大人の戦争」が始まります。その戦争の中で、今度は乗組員たちがなにを見ていくのか、彼らの無邪気さを見ていると興味もあり、気の毒でもあります。

 ギャラクレー大佐 (44,46話)
 ジェダさんたちとコンタクトを取り、13人を収容した地球軍の駆逐艦『バンガード』艦長です。とりあえず名前のインパクトの強烈さが先に立ってなにをした人かいまいちよく覚えられていませんが、子供たちが旅立つカチュアとジミーへのはなむけに主砲で紙飛行機を発射するのを(そして、そのためのたくさんの紙飛行機を乗組員に作らせるのを)許可した人です。最終回の影の立役者と言ってもいいでしょう。
 許可を出すとき、大佐は「わたし個人としても賛成したい」と言いました。一見なにげない言葉ですが、ここには大きな意味があります。このひとことにより、カチュアとジミーに贈られた紙飛行機は、残った11人からだけでなく、バンガードの全員からのものにもなったからです。
 見知らぬ子供、しかも、地球へ来ようとせず、ククトニアンと一緒に去っていってしまう子供を暖かく見送ったギャラクレー大佐とバンガードの乗組員たち。こんな風にしてくれる大人たちがいるのだから、戦争は絶対に終わる……子供たちの笑顔と大佐の言葉に未来への希望を見ながら、バイファムは静かに終わります。

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