忘却の彼方

 ふとひも遊びがしたくなったらしいぎっくちゃん。
 カゴにぶら下げてある遊びひもにいそいそと寄っていき、さてやるぞとばかりに片足でむんずと掴んだが、そこでふと足の何かが気になったらしく、ひもを放すとおもむろに足のお手入れを始めた。
 そしてそれが終わると、何事もなかったかのようにひもから去っていってしまった。
 ……どうやら、足のお手入れをしている間に遊びたかったことを忘れてしまったらしい。

「何笑ってるの?」
 ちなみに、ぎっくちゃん以外の鳥たちの名誉のために言っておくと、鳥頭というのは実は俗信で、実は鳥は結構物覚えはいいそうな。

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