戦う人形たちのお話

『9 九番目の奇妙な人形』を見てきた。
「機械の反乱」によって人類が滅びた地で、“生き残った”9体の小さな人形(外見は布を継ぎ合わせただけだが、多分中身はメカニクス的な構造が入ってる)が、天敵の機械と死闘の果てに勝つというそれだけの話。
 もともとは10分ほどだった短編を、基本的な構成は変えないまま、人類が滅んだ経緯の説明を加えたり、敵の出現を多段式にしたりすることで95分まで伸ばしている。テンポがいいので冗長な感じはしないが、逆に話がサクサク進みすぎて物足りない感じがするのは、今時の複雑なストーリーの物語に慣れてしまっているせいかもしれない。
 でも、9人という、決して少なくないメインキャラクター、しかも外見は皆似たような(かわいいとは言えない)人形ということで、一歩間違えば観客が混乱しかねないところを、きちんと全員の特徴の印象付けを行い(登場した瞬間に性格や考え方が分かる)、さらにそれぞれに応じたかっこいい見せ場が作れているのはうまいと思った。
 あと、キャラクター同士のボディタッチ、例えば肩に触って慰める、抱きしめる、他の者を背中にかばうといった、、多分人間なら別に何とも思わないようなこれらの仕草が、なぜか妙に優しく印象に残るのが不思議といえば不思議。
 そういえば、メンフクロウの映画はやっぱり気持ち悪いです……。

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