しつけ

 さて、長門にはふたつの悪い癖がある。
 ひとつはこれまでも時々書いているが、他の鳥のカゴに行ってちょっかいを出したがること。
 もうひとつは、部屋干ししてある洗濯物の上にとまりたがること。
 どちらも見つけ次第引き離しているのだが、しばらくするとまた行ってしまうので、ちょっとやりかたを変えてみることにした。
 名付けて「そんなことする子はもう知りません作戦」。
 ……いや、単に、長門が他の鳥のカゴや洗濯物に行くと、人間様は部屋から出てってしまうというだけなんだけどね。
 この鳥は自分の好き勝手やりたがる割にはベタベタしたしたところがあって、人間様が手を出して呼ぶとどこにいても飛んでくるし、姿が見えなくなると呼んで探し回る。
 それを利用して、他の鳥や洗濯物に行くと人間様がいなくなってしまって淋しいからやめようという条件付けをしようと考えた次第。
 で、今の状況というと。
 人間様が背を向けて部屋から出ていこうとすると、長門は泡を食って飛んでくる。
 そして肩にとまって甘えてるのかご機嫌を取っているのか、身体をすり寄せながら何やらごにょごにょ言ってくる。
 で、しばらくはそのまま大人しく遊んでいるのだが、じきに忘れるらしくてまた他の鳥の所や洗濯物に行ってしまう。
 以下何度かループ。
 最後は業を煮やした人間様が長門をカゴに入れてしまって終了。
 ……まあ、一朝一夕では無理なことは分かっているから。

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