名古屋のポートメッセとセントレアで開かれている「国際航空宇宙展」に来ている。
これは4年に1度、航空宇宙関係の企業や団体が、小はプラグひとつから、大はヘリまるっと1機までセールスする見本市みたいな物で、そもそもは業界関係者向けの催しなのだが、12~14日の3日間はパブリックデーとして一般にも開放してくれる。
2008年に横浜でやった時に行ってとても面白かったので、また行こうと開催を待っていた次第。
……実は日程が丁度観艦式とぶつかっちゃってどうしようかと思ってたのだが、幸か不幸か行けたのが8日だったので、いそいそこっちに来たのだった。
まず今日はポートメッセなごや会場。
こんな感じでまさに展示会という雰囲気。
なにしろふたつの会場がそれぞれ名古屋駅をはさんで反対方向に電車で30分とか、およそひとつのイベントとは思えない位置関係にあるので、1日でどっちか片方しか行けない。
でもよく考えたら、実機展示がメインでおまけにブルーインパルスなんかまで来ちゃうセントレア会場は絶対混むので、そっちを今日見ておけば良かったような気もする。
ボーイングのブース。
ここに限らず海外の企業は、ブースがでかい割には展示内容がとりあえず模型飾っておきました感漂う感じのところが多い。
ビジュアル的にはわかりやすいので写真ネタとしてはいいだけど、日本の企業ブースの全力投球っぷりと比べると見劣りするのは確か。
左:バブル期の斜め上に浮かれた感じ満載のデザインの航空機が、現実的かつ無難なデザインに落ち着くまでの変遷。財団法人日本航空機開発協会のブース。
右:海上自衛隊が使うために作られたUS-2は現在軍用機扱いなので、海外に輸出ができない。ただ、滑走路がなくても数百メートルの水面さえあれば運用できるという、非常に使いどころの多い機体ではあるので、こうやって民間に転用して海外輸出もできるようにしたいという動きが出ている。
「テイルローターもメインローターと一緒につけちゃえば、1軸になって機体がもっと安定するんじゃね?」というありそうでなかった発想のヘリ。
使い道はこれから考えるらしい。
先週見たな……。
三菱重工。
手前はH2-B。奥のケースはわかりにくいけどこの間大気圏突入した「こうのとり」。
容器をX軸、Y軸、Z軸で絶え間なく動かし続け、重力の方向を一定化させないことで、結果として無重力と同じ状態を作るという装置。
培養なんかに使われて、一定の効果も上げているそうな。
実はこのイベントの真骨頂は、こういう小さな技術が非常に面白いという部分にある。
ぶっちゃけた話、飛行機の模型とか数分も見ていれば飽きるが、こういうのは中の人をつかまえて話を聞いているだけでごはん3杯はいける。
向こうもパブリックデーは素人が来ると分かっているので、わかりやすく丁寧に説明してくれるし。
こういうのを展示してどこから商談がくるのか不思議なロッキード・マーチン。
世界の商用ロケット。
こんなのも展示されていた。
明治に日本で初めて飛んだ飛行機のレプリカ。
現物は日本に1基、世界にも2基しか残っていない太平洋戦争中に日本海軍が開発してたターボジェットエンジン。
会場が広い上に小さなブースが多くて、意外と最後は疲れてしまった。
知らない技術のことを知るのってすごい楽しい。
工業地帯が夕日に映えてとてもきれいだった。
○おまけ
ここはこういうのとは無縁の世界だと思っていたのに……。
AGENT: Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.4 (KHTML, like Gecko) Chrome/22.0.1229.94 Safari/537.4
無重力と同じ状態を作る装置って、動いてるんですか?
展示では流石に止まってるのですか?
どんな動きなのか見たい!(笑
夕日の工業地帯、綺麗ですなー。
AGENT: Mozilla/5.0 (Windows NT 5.1; rv:16.0) Gecko/20100101 Firefox/16.0
動いてました。
独立した回転軸で支えられた枠が3つ、入れ子みたいになってますよね。
それぞれがプログラムに従って、個別にゆるりゆるりと回っている感じです。上手く説明できないけど(笑)。
自由落下とかみたいに、その時点ですぐ「無重力!」というのではないんですけど、例えば数日間動かし続けると、結果として無重力状態でいるのと同じ効果が得られるというしくみになってます。
丁度こっちが影になって、向こう側にだけ夕日が当たるという絶好の時間帯でした。
みんな写真撮ってました(笑)。