くらまは相変わらず飛べない。
まあ、カゴから出してもらうと床に落ちているエサ粒や糸くずをつっついて歩き、飽きると人間様の膝によじよじ登ってきて手の上で頭を掻いてもらってうっとりしているなんて鳥として駄目すぎる生活を送っているから当然と言えば当然なのだが、病院の先生にそれを言ったら、先生はくらまの翼を調べて一言。
「肩の関節が固くなってますね。このままだともう飛べないかもしれません」
……くらまの場合、元々の翼の変形や、例によってメガバクテリア感染に伴う発育不良などもあるので、必ずしも横着しまくった生活が原因というわけではないのだが、それにしても体重が増えすぎて飛べなくなった挙げ句、鳥として終了宣告されるのはいくらなんでも情けなすぎる。
よしこれから特訓だ! と思ったら、先生に釘を刺された。
「翼が弱いのに無理に飛ばすと、着地の衝撃で足を痛めたりするので気をつけてください」
……そういえばこの鳥、腰にも奇形があったっけ。
難儀だのう。
本人はまったく気にしてないみたいだけど。
くらまのつばさ
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