御嶽山救助に行ってた中の人に聞いてみた

 知人の自衛官が御嶽山救出活動に行っていたので、ニュースとかを見て気になってたことをちょいと聞いてみた。
(報道でやってるようなことは聞いていないので、そういう部分を期待してたらすみません)
*これは人間様が現在委嘱されている東部方面隊オピニオンリーダーとしての活動の一環です。
*問い合わせや確認については、このエントリへのコメントにてお願いします。自衛隊への問い合わせはしないでください。なお、御嶽山の救援活動は現在も継続中であり、その関係上、一般的な記述のみとしている部分もありますので、ご了承ください。
*著作権上、引用、利用等については必ずご連絡ください。

*総火演のチヌークをイメージ写真として使用しています。
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質問
 救助にあたっている自衛官の皆さんは、松本駐屯地の第13連隊だそうですが、普段何をやっている人たちなんですか?
答え
 第13普通科連隊は、東部方面隊第12旅団の隷下部隊で、平素は長野県の防衛警備及び災害派遣を担任する部隊として松本市に駐屯しています。
このため、任務遂行に必要な教育訓練を実施し、その練度の向上に努めています。
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 普通科というのは、いわゆる歩兵です。第13連隊は長野県にあるためか、優秀な山岳部隊として名を知られているそうです。
 でも多分、噴火の最中の火山での行動というのはしたことないと思います。
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質問
 救助隊の皆さんは毎日松本駐屯地から現場まで通って来ているんですか?
答え
 自衛隊の災害派遣部隊については、幾つかの地域に分散して効率良く活動が出来るようにしています。
 第13普通科連隊を主体とする地上部隊(第12旅団隷下の複数の災害派遣部隊を含む。)は、王滝村に複数の活動拠点を設けるとともに、第12ヘリコプター隊は、松本駐屯地を活動拠点として災害派遣任務を遂行しています。
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 つまり王滝村近くにベースキャンプを設営して活動しているようです。
 地図で見ると松本駐屯地から近いので、通ってるんだと思ってました。
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質問
救助活動は早朝から日中ずっとやっていることもありますが、食事やトイレはどうしているんですか?
答え
捜索救助活動を行う御嶽山の登山道から山頂には、利用できる公衆トイレはありません。このため、活動拠点で予め済ませると共に活動に専念できるように、各人毎、飲食の摂取量をコントロールしています。
食事は、携行食(戦闘糧食等)を配分されていますが…活動地域での喫食の有無、要領については承知していません。
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 つまり我慢していると……。
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質問
 ヘリはどこの部隊のものですか?
答え
 前述もしましたが、第12旅団隷下の第12ヘリコプター隊(相馬原:CH-47、北宇都宮:UH-60)です。また、先日、要救助者を山頂から松原スポーツ公園まで空輸するために、航空自衛隊(小牧基地)からもUH-60が1機参加しました。
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 空自もひっそり参加してたんですね。
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質問
 ヘリは山から帰った後、火山灰の洗浄とかが必要かと思いますが、何機かをローテーションしているんですか?
答え
 ローテーション等の運用については承知していませんが、当日の任務開始前及び終了後の点検・整備・清掃(エンジンの洗浄を含む。)は確実に実施しています。
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 前に行った空自の松島基地でヘリ専用巨大シャワールームを見ましたが、多分歩兵部隊の基地の松本駐屯地にはこんなものはないでしょうから、毎回手洗いしてると思います。
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質問
ヘリは火山灰を防ぐためにどんな対策をしているんですか?
答え
 以下は、飛行隊長より聞いた内容です。
機体に対して直接的に何かを施すということはしていません。
山頂部付近で活動するときは、以下の点に留意して活動しています。
・火山灰の降灰がある風下で活動しないようにする。
・予めダウンウォッシュで、火山灰を吹き飛ばしてから着陸する。
・搬送(空輸)任務機(UH-60又はCH-47)の他に、空中監視専任機(OH-6)をもって活動を行う。
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 開口部にフィルタとかをつけるのかと思っていたら、特にそういうことはしてない模様。ていうかあのUHやチヌークの勇姿の陰には、ひっそり付き添うOH-1の存在があったのね。
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質問
 警察や消防の救助隊とどういう風に役割分担をしているんですか?
答え
 捜索救助活動に投入する勢力、装備など総合的に判断して、捜索救助活動範囲等を割り当てて実施しています。
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 適宜適材適所でということのようです。
 どの組織にとっても未経験の状況なのでなかなか難しそうです。

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