東部方面隊の統合防災演習「ビッグレスキューあづま」に行ってきた。
……うん、ネーミングは勘弁してあげて。
これは去年までJXR(Joint Exercise for Rescue)という名でやっていたもので、指揮官を中心としたシミュレーション演習と、部隊の実働演習、さらに各自治体や海自空自、米軍との連携演習を統合して行うもの。内容はものすごく硬派なんだがちょっとつける通称を間違えちゃった感じ。
ブリーフィングで投影された説明資料。
まあそういうものだと思っておけばいいと思う。
とりあえず地域によっては半数近くという南海トラフ地震の想定死者数に戦慄するが、これって裏を返せば自衛隊自身も稼働不能になる可能性があるって事なんでは? と内心思ったのは黙っておくことにした。
家族支援TTXというのは、東日本大震災の時、被災地の自衛官は被災した家族を放置する形で任務に出なくてはならなかったことから、家族の安否確認や支援を家族同士で行おうというプログラムのこと。
シミュレーション演習。いわゆる大戦略。
去年までは(去年は見てないけど)、実際の演習を見学させてもらうので、臨場感はあったが、数日かかる演習の中の十数分とかだけ見ても全体像が把握できるかと言えばできなかった。
今年は実際の演習は見れないけど、見学者用に構成した演習展示が用意されていて、効率よく説明と実演をしてくれたので、だいぶわかりやすかった。
次に緊急輸送演習。これも実際のものではなく見学者用の演習展示。
病院での治療が必要な患者を、救援にやってくる航空機に振り分けて被災地外の病院に搬送する訓練。いつ、どこの航空機に何人の患者を乗せて送り出すかという情報共有に始まって、搬送する患者の決定、搬送までのケアといったひととおりの流れを見せてくれる。
最後に音楽隊の慰問演奏展示。これは本当に演習なのかという気もしないでもないが、まあ気にしない。
被災地での慰問演奏は、会場の広さや電源の有無など、条件によって様々に楽器の構成を変えて行いますということで、会場が狭く電源が使えない場合(クラリネット四重奏)と、ある程度の広さと電源がある場合(シンセサイザーなど場所を取らない最低限の電子楽器が加わる)、制限がない場合(フル構成)と、3通りの構成でそれぞれ演奏してくれた。
今回は実際の演習を見るのではなく、演習で何をやっているかについてのシミュレーションや展示を見るというのが、これまでと大きく違っていた。
演習の規模が段々大きくなり、一部だけ切り出して見せる事が難しくなっているための苦肉の対応だとは思うが、見る側としてはむしろわかりやすいのでこっちの方がいいかもしれない。