荒れる箱根

 御殿場は台風の影響で朝から風が強く、時々にわか雨も降ってくる。
 普段は帰りがけに箱根に寄るのだが、こんな天気だし大人しく帰ろうと思って御殿場駅まで行ったところ、強風の影響で電車が徐行運転をしているため、御殿場線が遅れに遅れているらしい。
 いつ来るか分からない電車を待つ上に乗ってからもノロノロ運転を我慢する苦行について検討した結果、箱根回りで帰る事に決定した。


 標高が高い乙女峠はさすがにガスと雨がすごかったが、ガラスの森あたりになると、風は強いが雨は時々思い出したように降る程度になる。
 そしてまた寄ってしまった。
 今回の企画展示はあまりぱっとしないので、それほど見たいとも思わないのだが、ショップに何か新作が出てたりしないかなとちょっと思ったのだ。


 強風の中昼寝を試みるカモ。
 ちょっとうとうとすると風に煽られてあらぬ方向に流れていってしまうので、寝るポーズのまませっせと足で水を掻いている。
 そこまで頑張らなくても普通に陸で寝ればいいのに。


 今回は19世紀のベネツィアのガラス工房の名門、バロヴィエール家の作品展。
 これは極細の脚でゆらゆらと揺れる「風にそよぐガラス」。
 実用どころか埃を払うことすらままならない物にどういう存在意義があるのか分からないが、多分技術力の高さを示したかったのだろう。



 全部ガラス製。


 インスタ蠅に人気のクリスタルのススキ。
 とにかくここはインスタ蠅、特に台湾だか中国だかから着飾って飛来しているのが多い。
 普通の記念写真ならさっと1枚撮れば終わるが、インスタ蠅はいちいちポーズだアングルだ表情だとこだわって長時間占有するのが困る。


 その後、バスで強羅駅についたあたりから、それまで降ったりやんだりだった雨が本格的に降り出した。
 しかも豪雨。
 幸い、すぐに箱根登山鉄道に乗れたので被害は被らなかったが、駅でドアを開けると車両の真ん中ぐらいまで風雨が吹き込んでくる勢いだった。
 でも、箱根湯本から小田原に向かうにつれて雨がぴたりとやみ、何事もなかったかのような青空が広がったので、それはそれでびっくりした。

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