東国三社を楽してめぐる……つもりだった

 鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の3社巡りの後、国立博物館で「大和と出雲」「高御座と御帳台」を見てきましたが、疲れて眠いため明日アップします。

 というわけで、いわゆる東国三社巡りに行ってきた。
 鹿島、香取の両神宮と息栖神社を回るのだが、県境をまたぐせいか(鹿島と息栖は茨城県、香取は千葉県)、三社間の公共交通機関が貧弱で、車がないとちょっときつい。
 バスツアーも複数あるが、提携店への立ち寄りや、絶対おいしくなさそうなグルメ昼食に時間を使われて自由時間が短かったりするので、どうしたもんかと思っていたら、割高ではあるものの提携店への立ち寄りどころか昼食時間すらない(自由時間中に各自で済ませる)かわりに、比較的長時間の自由時間が確保されている「四季の旅」というツアーがあったので、申し込んでみた。


 鹿島神宮。主祭神はタケミカヅチ。
 古事記や日本書紀によれば、天照大神ら天つ神が大国主命ら国つ神に地上の支配権を明け渡せと迫った時に、交渉役として武威を示して活躍した神らしい。


 拝殿は地味だが後ろの本殿はきらびやか。
 後ろの杉はご神木。


 本宮から奥宮までの参道。まっすぐな道なので流鏑馬が行われたりもするらしい。
 前はもっと鬱蒼と暗かったのだが、去年の台風で木がだいぶ間引かれてしまい、ここまで明るくなったとか。


 ここにも神鹿がいた。
 一生懸命見つめる先にはエサ(ニンジン)を売っている売店がある。


 雨に濡れてクアッカワラビーみたいな顔になっちゃってる子鹿たちも一生懸命見つめている。
 ちょっとかわいそうになったので買ってあげたのだが、子鹿にやろうとすると牡鹿が割り込んで横取りをはかるので大変だった。


 1頭だけいた垂れ耳の子鹿。
 売店のおばちゃんの話では、生まれつきのもので病気ではないという。
 ということは、この子鹿が大きくなって子供を作ったら、新しく垂れ耳鹿の血統ができたりするのかな。


 奥宮。
 元々は徳川家康が建てた本殿だったが、15年弱で秀忠がもっと豪華な本殿を寄進したので、そちらはタケミカヅチの和魂を祀り、家康が作った方は奥宮としてタケミカヅチの荒魂を祀ることにしたらしい。
 確か秀忠って、家康が建てた江戸城も十数年で建て替えちゃってたよね?
 どんだけ父親にマウント取りたいの?


 御手洗池。
 昔はお参りする人はまずここで禊ぎをした場所。
 湧き水で奥の湧出口の水は飲むこともできるが、この時は翌日の大寒禊の準備のため立ち入り禁止だった。
 ちなみに池の方は鯉が泳いでいたりするので飲むのはやめたほうがいい。

 次に行くのは息栖神社。
 由来は調べてないけど、海上交通の神らしい。多分鹿島や香取と肩を並べるんだから由緒ある神様なんだろうと思う。


 社殿は昭和38年の火事で焼けてしまい、コンクリートで作り直されているのでちょっと庶民感漂う感じになっている。


 常陸利根川の船だまりに面した一の鳥居。
 両脇にあるのがご神体でもある男瓶、女瓶というふたつの井戸。


 男瓶。
 このあたりは汽水らしいが、鯉が泳いでいるので分かるとおりこの中は真水。


 女瓶。

 で、最後が香取神宮。


 ここには小さな仲見世があって、お団子なんかを売っている。
 もう雨だし寒いしでここらあたりになると食欲もなくなってるから素通りしたけど。


 楼門。
 そういえば、鹿島神宮と香取神宮の楼門に掲げてある名前の看板を書いたのは、東郷平八郎らしい。
 どういういきさつがあって書いたのかは、説明がなかったので分からないけど。


 赤い楼門を1歩入れば黒塗りの拝殿と社殿。
 どっしりした低い構えとも相まってなにこれかっこいい。


 ぽつんと隅っこに錨があったのでなにかと思ったら、練習艦「かとり」の錨だって。
 今の練習艦「かしま」の先代にあたる。

 というわけで、3社一気に回って帰ってきた。

 結論から言うとこのバスツアー、ツアーとしてはまあいいが、バスの席が最悪。
 もともと自由時間の長さを基準にして決めたので、この点は合格。この三社は土産物街もほぼなく、完全に神社を見るためだけに時間を使えるので、むしろ長すぎるぐらいだった。鹿島神宮でついたボランティアガイドがちょっと話が長かったが、時間がほしければ適当に離脱して個人で回れたのでリスクにはならなかった。
 添乗員がパワースポットマニアなのか、やたらとパワーパワー連発してくるのがちょっと微妙だったが、まあそういう人いるよね、で聞き流していればすむレベル。
 ただ、バスの席が最悪。申し込みが遅かったからなのか直前割引料金だったからなのか、座らされたのは最後尾。しかも、通常シートは2席を1人使いか同行者同士隣合わせなのに、それでなくても狭い最後尾シートだけ、なぜか赤の他人の隣同士でめいっぱい押し込まれた。普通、通常シートは相席にしても、窮屈で条件の悪い最後尾はそれなりに配慮すると思うのだが、完全に逆の扱い。
 さらに、隣の女子が幅を取っただらしない座り方が習慣になってるらしい女子で、隙あらば腕とか肩とかのポジションを巡って領土合戦みたいになる。
 今回は比較的乗車時間が短かったから耐えられたが、長時間ツアーは無理だな、ここは。

 で、東京駅についたのが17時前なので、ついでに上野に足を伸ばして、国立博物館の「出雲と大和」と「高御座と御帳台」を見てくることにした。
 しかし国立博物館て、気づけば皇室ゆかりの展示が割と多いよね。
 実は皇室と関係がある施設なんだろうか? と思って調べたら、戦前は宮内省の所管だったのね。


 出雲と大和。
 数百に及ぶ銅剣や銅鏡が圧巻……ではあったが、出雲に行った時に古代出雲歴史博物館でもっとすごいのを見ていたのだった。
 でも青いガラスの勾玉はすごくきれいだった。
 あと、古代中国の武人みたいな四天王像もかっこいい。

 まあそんな感じでつらつらと見た後、高御座へGO。


 実物は映像から想像する以上に大きくて華麗だった。


 椅子の象眼と金細工よ……。
 隣の漆の入れ物もすごい。


 高御座のてっぺんにいる鳥。


 御帳台のてっぺんにいる鳥。
 しっぽがくるんとしているのが違う。


 御帳台の椅子。
 これもすごいな……。


 屋根の金飾り。
 高御座の方には鳥がとまっている。


 後ろ。


 高御座の鳥の尻。


 御帳台の鳥の尻。


 敷物。
 絹かな……。

 美しくない所が全くない。もう眼福以外の何物でもない。
 勢い余って2回も見に行ってしまった。

 他にも、侍従たちが来ていた装束や道具の展示があった。


 武官。


 帯の刺繍がきれい。
 欲しい。


 文官と武官。
 奥の武官の装束の紺色がいい色だった。


 リアル十二単。

 うん、見に行って良かった。
 もしかするともう1回ぐらい見るチャンスがあるかもしれないけど、見に行けるかどうかは分からないからね。

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