善通寺にて

 自衛隊の基地見学で四国に来ている。
 本来は毎年1回あるなのだが、コロナで中止が続いていたので、実施は実に3年ぶり。
 久しぶりの自衛隊分補給だ。まだまだ前の通りとはいかないけど、いろいろと見れるといいな。


 瀬戸大橋! 生まれて初めて!

 今回の目的は善通寺の陸自善通寺駐屯地。
 歴史をたどれば、乃木希典が初代師団長を務めた明治31年創設の陸軍第11師団にまでさかのぼるという、由緒ある駐屯地で、関東方面ではもうなくなってしまったような歴史的構造物も結構残っている。
 東京方面からだと新幹線を使っても4時間ぐらいかかるのが難点だが。


 まず司令部でブリーフィングを受ける。これは司令部の玄関と16式。
 ここはいわゆるまあ南方からの脅威に対して、素早く部隊を展開して対応する機動旅団が中核になっている。
 いつも思うんだけど、機動旅団ってすごく強そうな響きじゃない?


 ブリーフィングを済ませるともうお昼なので、一旦駐屯地の外に出て偕行社で昼食。
 通常だと隊員食堂で体験喫食になるのだが、コロナの影響で部外者が隊員と一緒に食事をすることは、現在できなくなっている。
 なお、偕行社というのは、陸軍の将校クラブ。海軍の水交社と同じもの。
 ほとんどの偕行社は終戦後に取り壊されたけれど、ここは進駐軍が使ったりしていたので、残ったらしい。
 ちなみに隣にあるのは市役所。


 お上品そうなホール。重要文化財らしい。
 一部はカフェに改装されて、ご近所の憩いの場になっている。


 ご飯を食べたら駐屯地に戻って、装備見学。
 さっきの16式のエンブレム。黒地の四国をバックに牙をむく白い狼(?)。かっこいい。


 最新式の短SAM。


 最新式の浄水装置。
 いわゆる南からの万一に備える「最前線」であるこの部隊には、新しい装備が優先的に配備されているそうな。
 なおこの浄水装置、海水かららも真水を作れるので、災害時にも大変役に立つらしい。


 最新式……かどうかは分からないけど、新しい銃。
 重さ3.2キロでとっても軽いので、女性も扱いやすいらしい。


 中距離多目的誘導弾。略して中多。
 これは割とあちこちで見るし、総火演でもおなじみ。


 とまあこんな感じで現代の装備を見た後は、歴史を見に行くことになる。
 乃木希典が団長を務めていたので、やっぱり乃木関係の話が多い。
 なおここは明治に作られた赤レンガ倉庫(現役)。


 旧師団司令部の2階を乃木関連の資料館にした「乃木館」
 ちなみに旧師団創設時に建設され、2006年まで司令部庁舎だった。
 現在も1階は音楽隊の施設になっている。
 長持ちしすぎ。


 素敵な階段。
 非常に雰囲気があるので、ここでウェディング写真を撮るカップルが多いらしい。お、おぅ……。


 業務用ハンコ。
 「済」とか「受領」とかいわゆるそんなのから、司令官印、部隊長印といった重要な物まで一通りそろっている。
 経緯は不明ながら、終戦後にここではなく高松で発見されたらしい。


 司令官室の机。
 右の小さな椅子は、乃木希典が使っていたもの。質素が好きなのでこういう椅子になったらしい。
 思うんだけど、乃木って形から入る人だよね。


 そしてなぜか飾ってあるF86(後ろはチヌーク)。
 なぜ陸自の駐屯地に空自の戦闘機なのか、全く経緯が分からない。
 非常に聞きたかったのだが、時間がなくて聞きそびれた。

 この後、音楽隊のミニコンサートを聞いて見学は終了。
 時間は短かったけどすごい面白かった。


 そしてこの後は善通寺にやっていた。
 そう、これもちゃんとした見学なのだ。
 前は旭川駐屯地のついでに旭山動物園を見学した事もあるので、駐屯地の後に寺見学が入ってきても全くおかしくない。
 ちなみに、駐屯地から五重塔が見えるぐらい近くにある。

 ここは空海の生誕地に建てられた寺院なんだって。
「善通寺」という寺及び近隣の地名は、空海のお父さんの名前「佐伯善通(さえきよしみち)」にちなむとか。


 門の上の謎のレリーフ。
 なにこれ……。


 五重塔。
 2階まで作ったところで資金が底をつき、中を上がって展望台みたいに外を見られるようにして入場料を稼ぎながら、こつこつと残りの3階を作っていった。
 なんか苦労がしのばれるな。


 金堂。大きな薬師如来がある。


 御影堂の山門からお堂に至る回廊。なかなか風情がある。

 案内のお坊さんがすごくいろいろ話してくれたので、大幅に時間をオーバーしてこの後の自由時間がなくなり、その時に行こうと思っていた金毘羅宮に行けなくなってしまったが、話がとても面白かったのでいいや。

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