外国艦艇一気見してきた

 今回の観艦式は国際観艦式なので、かなりの数の外国艦艇が参加する。
 その一般公開が横須賀であったので、行ってきた。


 恒例の行列。開場1時間前でやっぱり1000人ぐらい並んでいる。
 それでも、今回は横須賀地方隊独自の企画という扱いなのか、情報が出たのが直前で、やっぱり今日行われる軍楽隊パレードとも関連づけられていないので、少ない方ではあるのかもしれない。
 何しろ米軍以上にめったに見れない外国艦艇なのだ。もっと大々的に告知されていたら、これでは済まなかったはず。


 そしてなぜ上の写真の皆さんが揃って右を向いているかというと、丁度潜水艦が出港していたから。


 岸壁からバックで広い所まで来ると、くるっと方向転換してそのまま出ていった。
 いってら。


 で、見慣れない艦でぎっしりの吉倉。
 あふれた自衛隊の艦はどこにいるかというと、船越に行ってたり、沖止めになってたり、横浜や木更津に泊まってついでに一般公開したりしている。


 公開されるのは実に11隻。全部回れるかな……。
 なお、実は船越でもマレーシア、ブルネイ、韓国、オーストラリアの潜水艦などがいて、そのうちマレーシアとブルネイ、インドネシアが一般公開していたらしい。
 なにそれしまった知らなかった……。


 とりあえず、こういうのは素人さんは大体手前の艦から並んじゃうので、奥の方がすいている確率が高い。
 奥へと歩いていってみよう。


 インド。


 ニュージーランドとオーストラリア。
『ホバート』は小さいので隠れちゃっている。


 シンガポールとパキスタン。


 というわけで最奥のシンガポールは『フォーミダブル』から見学開始。見立て通り行列は一番少ない。
 ……と思っていたら、ここと隣のパキスタンは見学者を10人-15人ぐらいずつ、ツアー形式で案内する方法をとっていたため、回転が非常に悪く、行列人数の割には待ち時間が長かったのだった。
 まあそれでも1時間ぐらいで乗れたけれど。


『フォーミダブル』は撮影できるのが後甲板とヘリ格納庫のみ。
 まず最初に日本語の艦内でのご注意ビデオを見てから、艦橋を含む艦内を案内される。
 そして説明は全部英語。頑張ってヒアリングしたよ!
 なお、乗員は中国系が多いのか、日本人と同様の東洋人が多くて親しみやすかった。


 風になびくシンガポール海軍の旗と隣のパキスタン海軍『ナスル』。


『ナスル』は補給艦らしい。


『フォーミダブル』の尻。
 そういえばこの名前、どこかで聞いたと思ったら、何年か前に寄港してたのを目にしてたわ。
 当時は変な形の艦だと思ったけど、今やこれがスタンダードになりつつあるんだもんなー。


『フォーミダブル』が終わったので、今度は『ナスル』『シャムシール』の列に並び直す。
 古そうな艦だと思ったら、就役は1986年らしい。
 調べてみたらパキスタン海軍の艦艇は、イギリスやアメリカ、フランスの中古を購入して編成しているのね。それは古いはずだわ。
※訂正『シャムシール』『ナスル』共に中国設計、製造の新造艦でした。


 なんて書いてあるのか全く分からないけど、きっとコーランの一節な気がする。


 最初は90分並ぶと言われてたのだが、1時間ちょっとぐらいで乗艦直前までやってきた。
 左の『ナスル』の乗員の人、立派な髭の上から無理にマスクをしていてちょっと大変そう。

 そしてこの2艦は乗艦中は撮影禁止。やっぱり英語の解説を聞きながらツアー形式で回るのだが、実は『ナスル』は通過のみで、ちゃんと見せてくれたのはフリゲートの『シャムシール』の方だけだった。
 そして自由に人を入れない訳も分かった。小さい上に甲板上にごちゃごちゃいろんなものが設置、増設されていて、足元を中心にほとんど広い空間がなく、危なくてしょうがないのだ。
 これではとてもお子様やお年寄りを自由に歩かせるわけにはいかない。


『ナスル』と『シャムシール』の大きさ対比。
『ナスル』の甲板が異様に低いので、これだけ大きさが違っているのに移乗用ラッタルの高さがほとんど変わらない。

 よしこれで3隻。
 次はオーストラリアとニュージーランド列に並ぼう。


 なんかここもすごいな……。
 ニュージーランドの『アオテアロア』は明治時代の艦みたいな艦首してるし、オーストラリアの『ストールワート』はバウが丸見えになってるぞ。

 調べたら『アオテアロア』は2020年就役で韓国製の補給艦、エンジンはロールスロイス。『ストールワート』はスペイン製のこれも補給艦で2021年就役と出てきた。
 同じ補給艦でも製造国によってずいぶん変わってくるんだな……。


 なぜか信号旗の赤の色が揃って独特な3隻。


 ここも90分待ちとのアナウンスだったが、1時間ほどで乗れた。
 まずは『アオテアロア』。ハワイの言葉みたいな艦名だと思ってたら、マオリ語のニュージーランドの国名らしい。
 というか、自分が知ってる補給艦と違う……工場地帯みたいなこの構造なんだこれ……。


 かっこいいエンブレム。


 すごいクレーン。


 艦橋。下のガラス張りの部屋は多分荷物の積み下ろしの監視用じゃないかな。


 後ろ側から。


 隣に泊まるインドの『シヴァリク』。
 確かこれも何年か前に見てるんだよな。


 ここからはオーストラリアの『ストールワート』。こっちは何となく見慣れた構造。


 艦橋。
 軍艦というより民間の輸送船みたいだ。輸送船なんだけど。


 久々の艦橋から前甲板。


『ストールワート』から隣の『アオテアロア』と岸壁を隔てて『シヴァリク』。
 ちょっと分かりにくいが、『シヴァリク』には招待されたとおぼしきインド学校の生徒らしい制服の子供達が数百人、日本人の一般見学者の間に割り込むようにしてどんどん乗っていくので、甲板上がちょっとしたカオスになっている。


『ストールワート』から駆逐艦『ホバート』。


『ホバート』の艦橋は公開していなかったので、窓から覗いた。


 もうちょっと何を撮ったのかわかんなくなってきた……。


 放置されていた救助訓練人形くん。どうした。


 後甲板。ここから『ストールワート』に戻るのだが……。


 移乗用ラッタルがずれて落ちそうになってきているとかで、急遽設置しなおしが始まり、降りれなくなった。
 20分ぐらい待ってようやく開通したが、少し前には『シヴァリク』でやっぱり乗降用ラッタルが海に落ちたそうだし、やっぱり海外は安全に関してアバウトなのかな。

 さて次はインド……と思ったのだが、インド艦は先に書いた学生さんの集団乗艦により、待ち時間が180分とかになっている。
 さすがにそんなに待っていたら見学時間が終わってしまうので、やむを得ずここは飛ばしてタイとカナダを見ることにした。
 そして、後でこの判断が正解だったことが分かる。


 まずは待ち時間が短いタイの『プミポン・アドゥンヤデート』。
 数年前に死去して日本でも話題になった国王にちなんだ名前を持つ最新フリゲート。親日国のタイがわざわざ一番権威のある艦名の艦を送ってきてくれたのかもしれない。


 ヘリ格納庫。解説ビデオを上映していた。


 お触り自由だった機銃。
 ここは撮影OKだったが、魚雷発射管などの主要装備は全て写真不可になっていた。


 艦内。
 2019年就役だそうで、まだ新しくてピカピカ。


 後甲板。


 タイの軍艦旗と、次に乗る予定のカナダのフリゲート『ウィニペグ』『バンクーバー』。
 実は『ウィニペグ』はもう2回ぐらい乗った記憶があるんだけれど。


 外観もいかにも今時の艦という感じの凹凸のない構造。


 でも艦名版は木なのが伝統的っぽい。

 と、ここでカナダ艦の乗艦列を15時で締め切るとアナウンスがあった。
 さらにシンガポール、パキスタン、インドはすでに列に並ぶの終了。まだ時刻は14:40ぐらいで、本来は15:30まで受付のはずだったのだが、あまりに人が並びすぎたので終了時刻を早めたらしい。
 とりあえず慌ててカナダの行列に加わるも、こちらも乗艦ができるのは15:30までで、それを過ぎたらたとえ並んでいても打ち切ると言われる。
 通知に来た自衛官「分かった人手を上げてー」待機列「はーい」という謎のやりとりの後、引き続き並び続ける私たち。


『ウィニペグ』のシンボルはバッファローらしい。

 そして並んでいるうちに、インドの艦が強風で危険なため見学強制終了という放送が流れてきた。
 うわこれもし並んでいたら今頃タイもカナダも見れずに帰る羽目になってたやつだ。
 飛ばして良かった。


 そしてなんとか『ウィニペグ』に乗ることができた。これは搭載ヘリ。今回ヘリまで見せてくれたのはカナダだけ。
 実は15:30を過ぎても状況が分からないまま並び続けさせられ、しばらく係員がぐだぐだしていてちょっとイラッとしたりしていたのだが、まあ終わりよければ全てよしかな。
『バンクーバー』の方はすでに終了してしまっていたけれど。


 隣に見える『バンクーバー』。シンボルは黒豹らしい。
『ウィニペグ』と同型艦なので、まあ1隻見れば両方見たと言えるかもしれない。


 艦橋。
 そういえば『ウィニペグ』も結構古い艦なのだった。


 世界の艦橋から。


 ……北斎……?


 置いてあったので何となく撮った帽子。

 これで終了。
 9時から16時までぶっ続けで並んでは乗りを繰返したのだが、人が多すぎてコンプリートは無理だった。
 昔は横浜の新港、大桟橋、山下埠頭をハシゴして横須賀とか、船越と吉倉をハシゴとか、そういう力技ができたんだけれど、今はとにかく行列時間が長くてそんなことはできなくなってしまった。
 まあしょうがないのかな。

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