古代中国のおっさんたちの群像見てきた

 上野の森美術館の「兵馬俑と古代中国」展に行ってきた。


 おっさんたちの群像。

 始まって2日目だし、天気は悪いしでそんなに人もいないだろうと思っていたら、えらい混んでいた。
 並ばず入場できるけど、中には人がみっしり居て(会場が狭いのもあるけれど)展示品は人の頭越しに見ないとならないレベル。
 これはテレビとかで特集やったらもっと混むな。早く来て良かった。

 展示は2部構成で、1部は始皇帝陵以外の兵馬俑やその他の古代中国の出土品。こちらは撮影禁止。
 テーマ的にほぼ副葬品ばかりだし、どうしても青銅器や土器が中心で、古代エジプトやメソポタミアみたいなきらびやかさには欠けるけれど、どれも家にひとつは欲しいセンスの良さがあって面白かった。
 ただ、原材料名が「石」とか「玉」とか割とおおざっぱなのがちょっと気になった。何の石か、軟玉か硬玉かも知りたいのよね、こういうのは。

 で、2部が噂の始皇帝陵の兵馬俑。こっちは写真撮影可。


 展示室に入るといきなり待ち構えているのが、この巨大な馬車。
 皇帝専用車らしい。馬の首の向きとか微妙に変えて作られているのがすごい。


 なんかキングダムとコラボしてたけど、不倫にうつつを抜かしてレベル下げた漫画家という印象しかないなー。


 そしてここから兵馬俑。これは石弩の射手。
 一番ポーズがかっこいいので真っ先に見える所に飾られていた。


 馬の世話係。
 なんかルーブルの書記座像に通じるプロっぽさがある。
 大好きなんだよねあの像。


 拳法やってるみたいなポーズだが、弓の射手。
 左手に弓、右手に矢を持ってつがえようとしている所だそうな。


 鎧を着た軍属の文官らしい。
 なので髷姿の兵士と違って冠をかぶっている。


 偉い人。将軍とのこと。
 鎧姿じゃないんだ……?


 騎馬の槍兵。本来この後ろに馬がいて、右手で槍を持ちながら手綱を引いて立っている図らしい。
 馬に乗る時邪魔にならないように鎧の裾が短い。なるほど。


 兵馬俑は全員髷を結っているんだけれど、これが人それぞれで面白い。
 すごい複雑な編み込みやってる……。


 バレッタ?


 弩弓の人は髪型も独特。


 実は横から見ると結構頭でっかちで、良くこれで自立してるなと思うバランスだった。
 あと、等身大というのは嘘。実際には一般的な人間より明らかに大きい。でも馬とかは等身大なんだよね。


 元々はこんな風に彩色されていたのだけれど、発掘の時にほとんど失われてしまったらしい。

 現地ではこれが8,000体もいるんだとか。どれだけスケールが大きいんだろう。
 1体1体、実在した人に似せてわざわざ作り上げたそうな。当時は人形を人に似せると魂を持っていかれるという迷信があり、これは事実上の殉葬という見方もあったそう。
 とはいえ、8,000人を殉死させるよりは人形を埋めた方がまだ穏便ではあるよね。
 そこまでやる価値観が分からないけれど、おかげで当時のリアルな情報が現代にまで残ったのだから、歴史は面白いと思う。

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