松本駐屯地73周年記念行事。
会場に入ったのが開始直前だったので、すぐに入場行進が始まってしまった。
松本駐屯地は長野県唯一の駐屯地で、普通科連隊と教育隊、アルプスを擁するその土地柄から山岳レンジャー部隊を持っている。
レンジャーというのは実は強行偵察などを行う特殊部隊の総称で、さらに主な活動内容によっていくつかの種類に分かれている。
例えば、良く知られた習志野のレンジャーは空挺レンジャーという、空挺降下の技術を持っているレンジャー部隊になる。
そしてその他にもレンジャーには、山岳地帯の登山スキルが高い松本の山岳レンジャー部隊、真冬の積雪地帯で行動する事に特化した真駒内の冬季レンジャー部隊がある。
ここでチヌークが飛び立っていく。
今日の彼には、唯一の航空部隊として観閲式に臨んだり、模擬戦闘で隊員をロープ降下させたり、その後は地上で展示物になったり、いろいろ役目があって忙しい。
観閲官である基地司令の巡閲。
統一地方選投票日だったせいか、現役大臣を始め国会議員が何人も来賓で来ていた。そのため警備の隊員に混じってスーツのSPが何人も目を光らせている。
いつぞやのように、何かあったら一般国民に被害を押しつけてでも議員を守るんだろうなあ。
巡閲が終わると司令の訓示。その後は議員や議員や大臣やその他偉そうな人達の祝辞とか、祝電披露とか来賓紹介とか、諸々スマホいじって時間つぶしをする案件が続いて、ようやく観閲行進が始まった。
このあたりは相馬原駐屯地の12旅団からのゲスト参加。
なお、沖縄で亡くなった8旅団長の前の任地がこの12旅団だった。
同じ東部方面隊なので、多分、何かの行事で会ってたことあると思うんだよね……。
最後に徒歩で山岳レンジャー部隊と教育隊が行進する。
歴戦の強者の貫禄のレンジャーと、緊張しながら一生懸命な教育隊の子達の対比が微笑ましかった。
これで行進は終わり。
音楽隊の演奏と自衛太鼓の休憩を挟んで、模擬戦が始まる。
自衛太鼓は松本駐屯地に加えて滝ヶ原駐屯地、入間の空自がゲストでやってきた。
写真は入間。どちらかといえば太鼓と言うよりお囃子のパフォーマンスでとっても華やか。空自はほんとこういうの得意だな。
太鼓ではなく笛がメインになっている時点で、太鼓のみで演じる本来の自衛太鼓とは完全に違った物になっちゃってるんだろうけれど、これはこれで楽しいのでいいんじゃないかなとも思う。
バイクを盾にして戦闘。
でもガソリンに引火したら危ないんじゃないかな……。
ここから部隊を展開して模擬戦。
なおすでに撮影より見る方に熱心になっちゃったので、ろくな写真を撮っていない事をあらかじめお断りしておきます。
今日ふたつめのチヌークのお仕事。隊員降下。
最初に女性隊員を4名降下させているんだけれど、そのせいか降下の高度が低いし、いやに安全確保とかの手順が長かった。
そこまで無理させないでもいいんじゃないかな……。
火砲もや迫撃砲や擲弾筒。
なお、16式とFHは実際に撃っているのだが、ことごとく撮り損ねた。
思えば砲撃を生で体感するのは何年ぶりだろう。ほんとこういうのができるようになって良かった。
行事が終わると、今度は駐屯地の敷地内で装備品展示やパフォーマンスが始まる。
じっくり見たいんだけど、今回は団体での招待で来ているので、帰りのバスの時間もあってあまり見ることができない。
うーん……。
とりあえず、音楽隊の演奏と自衛太鼓を見ることにした。
さっきは遠く離れた観客席からだったけど、今度はほんとに間近。
ここまで近いと、太鼓なんか全身に響いてきてすごい迫力。
その後はレンジャーの壁パフォーマンス。
レンジャーがいろいろな降り方をしながら壁を降りてくるだけなのだが、それがいちいち尋常ではない。
これも一見普通に見えるが、降りてくるスピードが異常に速い。あっという間に地上にいる。
下の部屋にテロリストがいるので、制圧するという設定。
途中まで普通に降りてきて、くるっと下向きになって銃を構えている。
この後、突入部隊がさーっと降りてきて窓(のビニール)をぶち破って突入していった。
いやー、やっぱりレンジャーってすごいわ……。
後はぶらぶらと装備品展示を見て回る。
このパワーショベル、キャタピラと運転席の間に油圧装置が入っていて、傾斜地でも運転席とショベル部分を水平に保って作業できるんだって。
でもうっかり自分が傾斜地にいるのを忘れがちになるのがちょっと危ないって隊員の人が言ってた。
最後のお役目、展示になっているチヌーク。
今日は大活躍だったね。
子供だましのなんちゃってかと思ったらさにあらず。
ロープ渡りとか機材の取り扱いとか隊員がつきっきりで指導とサポートをしながら、結構本格的にやらせてくれる。
もちろん大きいお友達も参加OK。やりたい……すごくやりたい……でも今日はよそいきスカートとジャケットなのだ……。
ここで時間切れで帰らなくてはならなくなったが、面白かった。
久々の記念行事だからか、とにかく人が多くて売店のあたりとか芋洗いみたいになってたけど、やっぱりみんな来たかったんだろうな。