古代のメキシコを眺める

 7/5に国立博物館の「特別展 古代メキシコ」に行ってきましたが、帰りが夜遅かったため翌日のアップです。


 というわけで古代メキシコ。

 いつもこの手のに行くのは土日なのだが、今回は、各遺跡に関係の深い3人のキュレーターが、自分の推し展示品について語るトークショーつきのチケットを買ったので、平日に会社をちょっと早く切り上げての上野行きとなった。
 トークショーは18時開始で1人15~30分ほど、それぞれティオティワカン、アグアダ・フェニックス、メキシコシティの3つ遺跡についてのものだったが、やっぱり現場を深く知っている人の話は面白い。
 料金は5400円だが、2800円の図録とエコバッグのおまけがついてのこの値段なので、通常の前売り券2000円と比べるとむしろお得。

 そして、トークショーが終わると、閉館後の会場内を一般の人がいない状態で見ることができる。
 少ない人数で貸し切りウェーイと思っていたのだが、実際にはトークショーの参加者が200人以上、ほとんどがトークショーから会場になだれ込んだので、混雑度合いは通常と全く変わらなかった。世の中早々甘くない。


 青がきれいな貴族の像。
 この後もいくつか出てくるが、南米の文明は共通して青と赤が本当に良い色で出ている。
 あと写実的な美しさを持つ物が多い。デフォルメされた神様の意匠の印象が強いのでちょっと意外だった。


 おすもうさん……ではなく、ゴムのボールを腰のあたりで弾ませてやりとりする古代メキシコ式サッカーというか蹴鞠というか、そういう競技をする人。
 イケメン。


 小さな石をすき間なく汲み上げて作った石像。
 30センチぐらいの大きさだけど、石と石の間にすき間ひとつない。


 やだかわいい。と思ったら生贄用ナイフだった……。


 生贄と共に埋められていたという石像。


 嵐の神様の壁画。


 王様の像。
 20センチぐらいなんだけれどすごく作り込んであって迫力がある。
 今回一番気に入ったのがこれ。


 なんか良く分からないけどものすごいインパクトのある鳥。


 尻は地味。


 しょっちゅう出てくる蓋付きの巨大香炉。
 色彩のセンスが秀逸。


 骨壺とのこと。古代メキシコというとそのまんま埋めていた印象しかないけど、火葬もしてたんだ。
 一見獣面人身の神かなにかに見えるが……。


 横から見ると、人間が口に獣の口を模したマスクをしているのがちゃんと分かる芸の細かさ。


 光を通しそうな程に薄いアラバスターの容器。
 欲しい。


 サルとカカオの実の意匠の容器の蓋。
 手とか見ると確かにサル。


 今回の展示の目玉、バレンケの赤の女王の仮面と装身具一式。
 実際にこういう形で埋葬されていたものを復元した。
 人形も服も全部赤いのは、発見された時に大量の辰砂で遺骨も棺の中も真っ赤に染まっていたから。
「赤の女王」の呼び名もそれに由来する。


 ツタンカーメンの仮面とかと同じで、これもある程度死者に似せて作ってあるんだろうな。
 かなり小さいのが意外だったけど、当時の成人女性の平均身長は150センチだというから、こんなもんなのかな。


 これもすごいモザイク。鏡だって。


 バンザーイ……ではなく建物の柱を支えていた像。


 イケメン。


 びっしりと文字が彫られたマヤの石版。
 当時の王様の即位とか何をしたとかいう記録らしい。


 マヤには日本の書道のように文字を芸術、装飾として楽しむ文化があったそうで、これも彫り線1本1本の流れの美しさまで意識して作ったんであろうことが伺える。

 よくよく考えたら、古代メキシコ文明って、インカとかマヤとかアステカとか所々断片的な事は知っているけれど、全体を時間軸とか地域軸とかで体系的に眺めた事ってなかったんだった。
 今回そういうものまで追いながら見れたので、とても面白かった。あと単純に、想像以上に洗練されていて驚いた。

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