国立劇場さよなら公演の「長谷寺の声明」に行ってきた。
長谷寺は5月の連休に行ったあの長谷寺。今回は大般若経の転読が中心になる。
……多分延暦寺の時ほど眠くならないと思うんだよな。転読だし、あれよりアクロバティックなはず。
どんなものかはファンシイダンスで読んだだけだけど。
転読とは、蛇腹状に畳まれた経典のタイトルだけを読み上げ、後はアコーディオンを広げるみたいに経典を上から下にばらばら流して終わりにする読み方。
大般若は玄奘三蔵がインドから直々に持ち帰って翻訳した600巻にも及ぶ超大作で、まじめに読んでいるととてつもなく時間がかかるため、いつ頃からかこういうお手軽方式がとられるようになったらしい。
ちなみに、この大般若の真髄を300文字弱にまとめたのが般若心経。
やっぱり結構混んでいる。
この時はまだ空席があるが、開演時には満席だった。
そういえば、5月にあった東大寺の声明(お水取りで有名なあれ)なんて、チケットが発売日に一瞬で売り切れてたしな。
意外と固定ファンがいたりするのかしら、声明。
まあ今回も大部分が読経、しかも普通に聞くお経と違って独特のゆったりした抑揚で唱えられるお経なので、前半いい子守歌になってしまったのは否定できない。
が、延暦寺の声明より言っている事が分かりやすかったのと、やっぱり密教の真言宗なだけあって、鐘や錫杖など鳴り物がいいメリハリを出しているので、なかなか面白く見ていられた。
今回舞台の上で転読を行ったのは30人。この転読そのものに破邪の要素があるそうで、30人の僧侶が口々に巻名を大音声で読み上げながら蛇腹を上から下にばーっと広げ、終わるとバン! と音を立てて経典を置くのは、なかなかカオスな迫力があった。
あと、いつも思うんだけど、般若心経ってアップテンポで読むと盛り上がるし、スローテンポで読むと何となく心落ち着く感じになるし、万能のお経だよね。
さすが大般若の真髄。
特別に来ていた本尊十一面観音の絵姿の1/3バージョン(実物大だと大きすぎて飾れないため)。
本家長谷寺でたまに行われる特別拝観では、直接足に触れて拝むことができるのだが、それが再現されている。
実は5月に特別拝観をしているのだが、これも何かの結縁なので並んでまた触ってきた。