最終日は山形にある新町駐屯地を見学。
宮城、山形、福島の3県を防衛する第6師団司令部がある場所。
第6師団は地理的な関係から、外国の脅威というよりも、国内の災害などに対応する事が多い部隊で、そのために何かあったら日本のどこへでもすぐ駆けつけられる即応機動連隊という部隊(多賀城駐屯地)を持っている。
また、去年は海自の海賊対処の拠点の警備のために、ジブチまで部隊を派遣したりしていた。
駐屯地は山形空港のすぐ近く、リンゴ畑とサクランボ畑に囲まれていて、この時期フェンスの外には真っ赤なおいしそうな実をたわわにつけたリンゴの木がたくさん見える。
ちなみに最寄りJRの駅の名前は「さくらんぼ東根」駅。佐藤錦の生産日本一なのだそうだが、それにしてもさくらんぼ推しすぎ。
師団についてひととおりブリーフィングを受けた後は、特殊武器防護隊の装備を見学。
化学兵器、生物兵器、放射線などに対応する専門の部隊で、東日本大震災では福島第2原発に関連して活動していた。
防護服2種。右が一般隊員用(使い捨て)、左が防護隊用(洗浄すればまた使える)。
一般隊員用は活性炭入りでとっても軽い。使えるのがそれほどひどくない汚染地域に限られるが、特に冬とか着心地はそれほど悪くないそう。
一方防護隊用はゴム製で言わば完全密閉になるので、着ている人がどうなるかはお察し状態。
一般隊員用は日々改良されて着心地が良くなっているが、部隊用は昔からずっと改良されないこれのままなんですって担当の人が言ってた。
右端の丸っこいのが生物兵器の検出器。真ん中と左がセットで放射線検出器。
NBC偵察車。
N(核)、B(生物)、C(化学)物質がある可能性のある地域に行って、サンプルの採集とか検出とかをやる車。
完全密閉されていて、これだけで小規模なラボぐらいの設備があるらしい。
もちろん中は機密。
後ろ。ちゃんとナンバープレートもウィンカーもテールランプもついている。
除染車。左の切れているのもそう。
その名の通り、地面の汚染物質を洗い流す車。
この後は、土地ゆかりの歴史資料などを展示した資料館を見て、お昼を食べて研修は終了。
神町駐屯地は旧陸軍由来だけれど、近くの山形空港は元々海軍航空隊の基地で、その関係から回天隊員の資料なんかもあった。
基地祭とかで防護隊の装備は何度か見たことがあるが、こんな風に詳しく説明してもらったり、実演してもらったりという事はなかったので、面白かった。
意外と単純な事が最も効果があるんだなあという感じ。