帆船と徳川家

 お台場の国債客船ターミナルに、ドイツ海軍の輸送艦とフリゲートが来ているので、見に行った。
 ……朝すでに出港していた。
 しかも横須賀の船越に入ったらしい。
 あー、昨日こっちに来て、今日軍港めぐりにすれば良かった!
 最初はそうしてたのに、横浜から行くなら横須賀の方が近いから変えちゃったんだよ!

 でもなんか入れ替わりに、イタリア海軍の練習帆船が入港してくるらしい。
 海自や関係者が歓迎の準備をしているし、見送りデッキにはカメラやスマホを持った人達が鈴なりになっている。
 うーん、じゃあちょっと待っててみようかな。


 30分ぐらい待っていたら姿を現した。
 海保とタグボートにエスコートされるイタリア海軍練習帆船『アメリゴ・ヴェスプッチ』。
 進水したのは1931年というから今年93歳。建造以来ずっと現役で海軍の士官候補生達を乗せて航海していたらしい。ほんとヨーロッパにとっては帆船は文化なんだな……。


 そして実はここからが長かった。
 向かい風でスピードが出せないのか、なかなか近づいてこない。
 暇を持て余して、上が羽田空港の航路で時々飛行機が上を横切るので、その度に写真を撮ってみたりする。
 気付けばカメラを持った皆さんがみんな同じ事をやっている。
 

 これは飛行機2機のパターン。
 後ろのはまさに着陸寸前。


 風の塔と飛行機と帆船。


 岸壁では海自や関係者がお迎え準備をしている。


 ジェットフォイルとすれ違う帆船。


 ガントリークレーンと帆船。

 そんなこんなで1時間ほど眺めていただろうか。
 ようやく岸壁近くに到着した『アメリゴ・ヴェスプッチ』は着岸体勢に入った。


 タグに助けてもらって回頭。


 そのまま押してもらって岸壁に近づこうとするが、風と潮に流されてなかなかうまくいかない。
 この時、海自の音楽隊が歓迎の音楽の演奏を始めていたのだが、あまりにも時間がかかるので準備していたレパートリーが尽きたらしくて、とうとう宇宙戦艦ヤマトとか演奏し始めていた。


 船の上では作業のための打ち合わせをしているっぽい。


 ウミネコが飛んでる。


 そんなこんなで30分ほどかかっただろうか。
 ようやくもやいを渡せる距離にまで近づいてきた。
 最近は手で投げるんじゃなくて、射出銃を使うのね。


 作業員の人が発射されたロープをたぐり寄せて、つながれていたもやいをボラードにひっかける。


 そして舳先の上では、入港した印に旗を揚げている人がいた。
 これ、下は海なんですよね……。


 やっとここまで近づいたよ!
 ここまで来ると、次々とロープが投げられて岸壁に固定され、船側のウィンチで引き寄せることができるのであっという間。


 入港!
 帆船もだけど、思うように動かない帆船を一生懸命押したり引っ張ったりしていたタグの皆さんお疲れ様でした。

 いやー待った。
 スッと来てスッと着岸してくる護衛艦に慣れてるから、ほんといつまでたっても進まないし着岸できない帆船大変だなって心から思った。
 でも、待ったけどなかなか楽しかった。
 ドイツ艦は残念だったけど、これはこれで面白かったからまあいいや。

 その後、時間があったので、六本木のサントリー美術館に「尾張徳川家の至宝展」を見てきた。


 その名の通り、徳川家が設立した財団法人徳川美術館が所蔵する尾張徳川家の宝物の展示会。
 なにしろ尾張徳川家なので、歴史的にもお宝的にも貴重な物がこれでもとばかりに展示されていて、普通に面白かった。

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