帆船をまた見に行こう

 午後休みを取って、イタリアン帆船『アメリゴ・ヴェスプッチ』の船内見学に行ってきた。
 一般公開はしないが、事前に時間で予約をしておくと見ることができる。
 たまたまイタリア大使館のツイートを見ていて知ったので、即予約してきた。


『アメリゴ・ヴェスプッチ』は世界一美しい帆船と言われているらしい。
 個人的には『クアウテモック』の方が好みだけど、確かに均整が取れていて、軍艦特有の力強さもあるデザインだと思う。
『クアウテモック』は比べるとちょっと華奢すぎる感じかな。


 並んではいないが結構人がいる。
 なんだか嫌な予感がするぞ。
 あともう夕方なのでちゃんと「ボナセーラ」って挨拶して入った。

 船内、めちゃくちゃごったがえしていた。
 上甲板をぐるっと回るだけらしいのに、ラッタルなどでは渋滞が起こっている。人を避けるだけでもういっぱいいっぱいの感じ。
 それでも来たからにはちゃんと見ないと。


 すごい舵輪。
 舵が重いのかな。


 後甲板。日よけのシートで空が塞がれているのが残念。
 きっといい景色だっただろうに。


 ちょっとした結束用のシートにも、こんな感じでオシャレな絵や文字が入っている。


 搭載艇だってオシャレ。


 ドアだってオシャレ。
 これ、ガラスも90年前のなのかな……。


 イケメンお兄さんが海図を記入していた。


 ちょっとした器具もいちいち芸術品ぽくなっている。
 確かに、世界一美しい船を自認するだけの事はある。


 マストとロープ留め。
 多分こうやってどの部分のロープなのかが全部分かるようになってるんだと思う。
 まあそうじゃないと混乱するよね。この数だし。


 船首とクレーンと飛行機。


 多分天測用の羅針盤じゃないかと思うんだけど、海の上につきでてるんだよね……。


 幹部がいるか不在か示すやつ。
 変な角度なのは、あまりにぴかぴかなので正面から写すと自分が写り込んじゃうから。
 なお艦長は外出中らしい。


 乗船から下船まで約30分弱。
 特に時間制限などはなかったのでいくらでも見ていられたのだが、あまりにも人が多すぎるのでちょっとげんなりして降りてしまった。
 今日も風が強いので、景気よく旗が翻ってる。


 船首像は船名由来のヴェスプッチ提督らしい。


 ターミナルの送迎デッキに上がって見下ろすと、こんな感じ。
 人すごい。
 隣で写真を撮ってた若い女の子二人組が「帆船かっこいい、あんなコンテナ船なんかよりずっといいよ!」とかさかんに言っていた。コンテナ船かっこいいじゃないか、馬鹿にするな……。

 早く船を下りてしまったので、結構時間が余っている。
 ターミナル内で船やイタリア軍グッズを売っていたので、じゃあちょっと買おうかと思って入ったのだが、普通の裏起毛パーカー(胸に『アメリゴ・ヴェスプッチ』の刺繍入り)が26000円、同じく刺繍入りの速乾Tシャツが12000円、晴雨兼用傘が16000円と、とんでもない値段がついている。
 結局、ペラペラのトートバッグ(2600円)と帆布を使った特製しおり(2500円)を買ったのだが、しおりはともかくトートバッグは日本なら500円ぐらいで買えそうな代物。
 いやこれ米軍以上のぼったくりじゃない? 円安でなめられてるな日本……。

 なお買った物を入れてくれた紙袋が一番良かった。

 そしてあたりをうろついていたら、同じくターミナルでイタリア海軍軍楽隊のコンサートが始まるというので、見に行ってみた。
 事前の応募者か招待者対象らしいが、そうでない人も後ろの方から立ち見で見ることができる。
 30分ぐらいのミニコンサートだろうと思って気軽に見始めたら、1時間以上かかる本格的なやつだった。もちろんずっと立ちっぱなし。足が痛い。


 演奏したのは「アイーダ」の序曲とか、マーチいろいろとか、オーソレ・ミオとか麗しのトレントとか、あと名前は分からないけど多分イタリアの曲とか。
 さすが世界を回る軍楽隊なだけあって、いい音だし演奏もきれいだった。音にまったくムラや雑味がないのね。
 いい物を聞いたわ。


 コンサートが終わるとライトアップが始まっていた。


 そしてターミナルもライトアップしていた。
 上に突き出ている『アメリゴ・ヴェスプッチ』のマストの色と、ターミナルの色が丁度同じなのが、多分偶然だろうと思うけどいい演出。

 うーん、もうちょっと船を見れたらよかったんだけど、まあ仕方ないか。
 でも音楽隊は良かったし、楽しかった。

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