ランと古代日本人を追って

 国立科学博物館の「古代DNA」展に行ってきた。


 ……の前にサンシャイン60でやっていた「オーキッド&ボタニカルフェア」へ。
 欲しいランがあったのだが、まだ育成中との事で出品していなかった。
 でもなんやかんや買ってしまった。

 さて、楽しくランを買ったのでDNA展へ。
 田町の工事で一部路線が運休しているので、利用者も少ないだろうと思ったら、運行区間もダイヤが10分に1本ぐらいに間引きされていたのでむしろいつもより混んでいた。


 到着したのが16時半ぐらい。
 土曜日は19時までやっている。
 結構じっくりみるつもりだが、2時間半もあればさすがに大丈夫だろう。


 アフリカから6万年かけて世界中に広がっていった人類。
 こうやって見るとすごいなあ。何が人々をそこまで前に進ませたんだろう。


 今回話題の石垣島の白保人骨。2万年前の日本最古の日本人(多分)。
 復願もあったのだが撮り忘れた。あー沖縄にこういう顔立ちの人いるわって顔だった。


 この間のサイエンスゼロではすごい大盛況! みたいな話だったので、覚悟しながら行ったのだがめちゃくちゃすいてた。
 でも17時を過ぎたら、閉まった動物園や美術館から流れてきたとおぼしい人達で混み始めた。


 礼文島で発見された縄文人の女性の頭骨。
 これをDNA分析で外見的特徴を再現して復願すると……。


 こうなる。あれ? 割と美人じゃない?
 くせっ毛で目の色は茶色。肌にシミができやすく酒に強かったらしい。


 3200年前の皿。
 ちょっとほしい。


 多分歌っているらしい人を描いた壺。


 6000年前の人形頭部、とのことだけど……。
 ……この顔さあ、多分死んだ人の顔を写したものだよね……。


 土器棺。


 とその中で見つかった新生児の骨。
 家の前に埋められていたらしい。やっぱり寂しくないようにかな。


 シャチの土器。かわいい。
 5000年前には日本近海にシャチがいたのか。


 アワビとイカと巻き貝の輪切りの土器。再現性が高すぎる。


 弥生時代になると、朝鮮半島から渡来人がやってきて、混血と文化の流入が激しくなる。
 縄文系の弥生人男性と、それより600年ほど後の渡来系の弥生人女性の頭骨比較。こうやって見ると結構違う。
 でも縄文系の男性が朝鮮半島に由来する墓に葬られていたり、渡来系の女性が縄文の文化を色濃く残す葬り方をされていたり、まあ要するに隔てなく暮らしていたということらしい。


 石の剣。とってもなめらかできれい。
 なんだろう、シルト?


 2世紀頃の高坏の足。
 近世の物といっても通用しそう。


 ここからは古墳時代。4世紀に水銀朱をかけられて埋葬された女性。
 虫歯がひどくなりすぎて、顎の骨まで一部溶けていた。こわい。
 古代人は割と虫歯の人が多いんだけど、そんな糖分取るような環境じゃないのになんでだろう? 衛生状態が良くない上に歯を酷使してエナメル質がすり減るから、ちょっとしたことでひどくなるのかな?


 男女の埴輪。


 この辺になると見知った世界になってくるな。


 三浦半島の海蝕洞穴(波の浸食などで海沿いにできた洞穴)遺跡で見つかった骨製品。
 実は三浦半島には、縄文前期から中世期まで40ヶ所以上の海蝕洞穴遺跡があり、内容も作業場跡から墓地まで様々な物が出土している。
 行ったことないけど。


 犬と猫の歴史もあった。
 これは各地に残されていたニホンオオカミの頭骨。


 最近DNAが抽出されて話題になったニホンオオカミの歯の根付。


 上野動物園にいたというニホンオオカミの剥製。
 頭でっかちに見えるのは、頭をこちら側に曲げているため。


 縄文時代の犬の復元。シュッとしていて今の日本犬とかなり違う。
 この頃の犬は日本で遺伝的にほとんど孤立状態にあり、アジアの古い犬の形質をそのまま残しているんだとか。


 弥生時代になると、犬にも縄文系と、朝鮮半島から連れてこられた犬と混血した渡来系が出てくる。
 手前の黒いのが縄文系、奥の茶色いのが渡来系。
 骨だと結構違いがあるが、肉と毛皮がつくと良く分からない。


 ネッコが乾いていない土器を踏んで足跡をつけてしまったもの。猫あるある。
 実は今の日本猫は、平安時代に中国から入ってきた猫がルーツで、それ以前の事は良く分かっていないらしい。なぜなら、猫の骨はヤマネコなどの野生種と飼育種で骨に違いがなく、遺跡などで見つかってもどっちなのか判断できないからなんだとか。
 そういう意味では犬も野犬と飼い犬の区別がつかなそうだが、こちらは食べていた物とかが明確に違うっぽい。


 江戸時代の猫の供養塔。
 いつの時代も人間が考える事は同じ。


 沖縄などの南方と、アイヌなどの北方については、特にコーナーが分けて展示されていた。
 これは縄文時代の沖縄と九州の貝殻などの交易路。沖縄の貝で作る腕輪が九州で珍重されて、わざわざ航路が拓かれたらしい。
 あの時代にこんな壮大な航路があったのか。すごいな。


 これが話題の貝腕輪。
 今ではこんな白くてガサガサになってしまっているが、イモガイもゴボウラも複雑な模様があったりつやつやピカピカしていたりで、これを身につける事は当時の人的には最先端の映えるオシャレだったんだろう。


 そして北海道はおなじみアイヌ。
 柄にクマがついたスプーン。


 ここにもイモガイの腕輪。何年も、もしかすると何十年、百年以上もかけて人の手を渡り、北海道にもたらされた、あの沖縄のイモガイ。


 クマー!


 今回登場した古代人の皆さん。
 ありがとうございました。

 割とすいていてじっくり見れたからでもあるけど、DNA解析がブレイクスルーになって、どんどん古代の日本人像が変わっていっているのがとても面白い。
 また10年後ぐらいには何か判明しているのかなあ。楽しみ。

○おまけ

 売店で売ってたネッコのグッズ。かわいい。

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