USSブルーリッジと運慶とおまけにノリタケ

 昨日大寝坊をキメて楽しみにしていた第2術科学校のオープンスクールに行き損ねたので、横須賀米軍基地のフレンドシップデー(コロナで3年ぶり)に行くことにした。
 ここ数年、軽くて艦艇見学数時間待ち、下手すると基地へすらも入れないという大行列が毎回発生しているが、今回は空母は北朝鮮を牽制するのに外出中だし、公開するのは築50年、横須賀駐留30年の『ブルーリッジ』だしで、まあ大丈夫なんじゃないかなーなどと思っていたのだが……。


 甘かった……。
 開場1時間前で、すでに1キロほどの行列ができている。
 しかも列はみるみる伸びて、開場時間には2キロに達しようとしていたらしい。
 みんな、今日は空母じゃないよ! お年寄りもいい所の『ブルーリッジ』なんだよ!
 なんでそんなに並んでるの!

 なお夜には横須賀開港祭の花火大会があるのだが、花火目当ての人は大体午後からやってくるので、今並んでいる人達は本当に艦が見たいのだと思われる。


 ようやく入場ゲートがある三笠公園が見えてきた。
 ここまで1時間ちょっと。


 さらに身分証明と持ち物検査で30分ほど待って、ようやく入場。
 この時点で10時半。

 なお、米軍基地に入るには、身分証明証の提示が必要になる。
 写真付きマイナカード、写真付き住基カード、学生証(学生のみ)、パスポートなら問題ないが、それ以外の身分証明証については、本籍地を証明する書類も一緒に見せないと認められない。
 そして案の定というかなんというか、運転免許証のみで入ろうとして断られる人が続出していた。
 事前に結構何度も注意喚起されていたんだけどな。
 公開艦が『ブルーリッジ』だと知らない人も結構いたし、みんな何を見て来ているんだろう?


 英語のマクドナルドのメニュー表記に新鮮な感動を覚えている皆さん。


 横断幕。


 消防車。前にもいたな。


 入口から『ブルーリッジ』までは約1キロほど歩く。
 ようやく見えてきたと思ったら……。


 また行列だった。
 しかも見ての通り、相当遠くから行列になっている。
 次は何時間待つんだろう……お腹すいてきた。


 1時間たってようやく艦の全景が見える場所まで近づくことができた。
 でもまだ行列的には半分程度。まだまだ先は長い。


 USSデファイアント(違う)。


 艦名。
 ええ、暇だから写真ばっかり撮ってるんですよ。


 おざなりな感じで愛想をふりまきながら、マスコットキャラが通過していった。


 この愛国心の強いサンタクロースといった風情のおっさんもマスコットキャラらしい。
 米海軍の広報とかに時々イラストが載っているのを見るのだが、何者なのかは全く分からない。


 そして、基地の外に並び始めてから実に4時間後、ようやく『ブルーリッジ』が手の届く所にやってきた。
 長かった……そして昼も食べずに並んでいるのでお腹がすいてたまらない。
 でももう少しだから頑張ろう。


『ブルーリッジ』の後ろには、駆逐艦『ラルフ・ジョンソン』が泊まっている。
『ジョン・S・マケイン』と交代して去年横須賀に来たばかりの新人くん。こっちも見せてくれるのかと思ったら非公開だった。残念。
 2艦公開して分散させれば良かったのに。


 コロナの影響か、昨今の世界情勢を反映してか、単に人が滞留するのがいやだったのか、今回公開しているのは上甲板だけ。
 まあでも『ブルーリッジ』は特殊な艦なので、上甲板だけでも見ていると楽しいのだけど。
 これは甲板に出た所におもむろに置いてあった車両。


『ブルーリッジ』は揚陸指揮艦という種類の艦で、日本に配備された米海軍第7艦隊の旗艦でもある。
 全艦隊を指揮するための通信能力に特化した艦で、武装は最低限しかないが、各種通信用のこういうドームやアンテナが、甲板上の至る所に立っている。
 そしてとにかくデカいので安定感がある。


『ブルーリッジ』のエンブレムと、消防用品の展示。


 第7艦隊と何かのエンブレム。


 艦橋。
 めっちゃ広そう。


 上からの眺めもいい。


 そしていまだに続く行列。
 アメリカ人はアバウトなので、日本みたいに並ぶときに詰めさせない。なので並ぶ側も割と適当な感じになっていて、ちょっと列を抜けて写真を撮ってまた戻る、なんてことをしたりしている。


 通信用ドームと降り口。
 最初何だか分からなくて、立ってた水兵さんに「Down?」と聞いたら、どうやら日系だったらしいその水兵さんに「そうです」と返答されてちょっとほっこりした。


 断って撮らせてもらった艦内。さすがに築50年だと年季が入ってるな。
 そして何がすごいといって、床が木なんですよこれ。
 あまり最前線に出ない指揮専用艦だからの内装なのかも。

 あれだけ並んだのに、艦内にいたのは20分ほど。まあ上甲板だけだししょうがない。
 実は『ブルーリッジ』は子供の頃から横須賀にいるのに、見るのはこれが初めて。楽しかった。
 今度は中が見れるといいな。

 この後は、うっかりブルーリッジの物販でメダルを買ったり、うっかり消防隊の所でバスタオルを買ったりしながら戻ってきた。
 お昼を食べないままになっていたので、何か欲しかったのだが、飲食関係の店も屋台はどこもかしこも大混雑なので、結局諦めて基地を後にした。
 この後も行きたい場所があったし。
 本当は基地でしか買えないとんでもない色のジュースが欲しかったんだけど。

 で、次に行きたかった場所はここ。


 金沢文庫の称名寺。
 実はこの隣の歴史博物館でやっている「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」が目当てだったんだけど、隣にあるこのお寺も鎌倉幕府由来なので、見てみようかなと思った次第。


 ……想像以上に美しい寺だった……。

 ここは北条義時と伊賀の方の孫に当たる北条実時が開いた寺。
 池の中の小島にかけられた橋を渡って金堂に至る形式は、この間行った平泉の毛越寺と同じで、この時代の流行だったのかも。


 橋で近所の小学生が鯉にパン屑をやっていたら、猛烈な勢いで近づいてきたカモとおこぼれを狙うアオサギ。


 パン屑をやり終えた小学生が行ってしまった後、期待に満ちた雰囲気をこちらに向けてくるカモとアオサギ。
 こっち見るな。


 緑色のきれいな目の黒猫。
 これも近所の小学生に「クロ」と呼ばれて可愛がられていたので、寺に居着いている猫なのかも。


 無縁仏とキジバト。

 駅からちょっと離れているのが難点だが、およそ住宅地のど真ん中にあると思えない自然豊かで閑静な場所だった。
 小学生が遊びに来たり、バードウォッチングしているおじさんたちがいたり、人々の暮らしのすぐ隣にある優しいお寺だと思う。


 そして隣の博物館で運慶祭り。

 前に横須賀美術館で同じ展示会をやっていたので、その縮小版かと思われる。
 横須賀を中心に、神奈川にある運慶関連の仏像と、それに関連する金沢文庫の収蔵書物を併せて展示したもの。
 実家の近所の寺のが結構あって、その辺の寺だと思っていたら実は由緒ある大寺だったというのが分かった。すいません。

 さらにこの後、横浜そごうで今日が最終日の「アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン オールドノリタケ×若林コレクション」を見て帰ってきたのだが、さすがにちょっと疲れて適当に流してしまった。


 撮影OKのをかろうじて1枚撮ってた。

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