無情な戦い

 雑居禽舎で生まれて血統の分からないくらまだが、どうやらパイドの血が入っているらしい。
 よく見ると、微妙に一部が白い羽が生えてきている。

 パイドは年を取ると白い羽が増えていくから、くらまもこれからもっと白くなるのかな。
 本日、くらまがいずもに完全敗北した。
 例によって人間様の手でくつろぐくらまにいずもがちょんちょん寄ってくると、また例によってくらまは戦いを挑んできた。
 ところが、いつもは適当に流しているいずもが、この日は真っ向から受けて立ち、2羽は激しいどつきあいを開始。
 大きさこそ同じぐらいだが、体格が華奢な上につつくしかできないいずもに対して、スピードには劣るが鋭いくちばしとパワーで勝るくらまが圧倒的に有利かと思われたのだが、なんと開始早々、いずもがくらまのくちばしに噛みついて人間様の手から引きずり出してしまった。
 そしてチチチチ! と悲鳴を上げるくらまを空中にぶらさげ、そのまま床に落としたのだった。
 まさかの結果にショックを受けたらしいくらまは、その後しばらくおとなしくなっていた。
 文鳥恐るべし。

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