雨降る日光白根山

 今日は日光白根山へ。
 雨が降っているのでさすがに無茶はしないが、2000メートルまではロープウェーで上がれるので、状況に応じて適当に遊んでこようと思う。

 日光白根山へは、バスを使ってアクセスできる。
 湯元始発で、中禅寺湖とは反対側の金精道路という道路に入り、山を縫いながら群馬県の沼田へ抜ける路線があって、それを使うのだ。
 だがこの路線、標高の高いところを通るため(始発の湯元からすでに1500メートル、途中の日光白根山は1800メートル)、毎年12月~4月の間は全面閉鎖されてしまう。
 なのでこれまで通る機会がなかったのだ。


 金精道路に入った途端、この状態である。
 大丈夫か。


 ところが、途中にある金精トンネル(日本で3番目に高所にあるトンネルだとか)を抜けたら、雨は降り続いているのだがいきなりガスがなくなった。
 まさに国境のトンネルを越えると状態。雪じゃなくてガスだけど。


 1時間ほど山間の道路を右へ左へ揺られて、ロープウェーに着きました。

 正確にはここは「丸沼高原」という。
 冬はかなり規模の大きなスキー場、夏はキャンプや高原アクティビティなどを運営するリゾート地である。
 ロープウェーはその中の1施設。


 600メートルの高低差を15分かけて一気に駆け上がる。
 途中で垂直に上っていくみたいになってるところも何カ所かある。
 そしてこれは晴れていたらとても眺めが良かったやつだ。
 

 そして着いた先はまさかの無人。
 えっ待って、この天気だけど暇つぶしに上がってみようかみたいになる、大抵どこにでも出てくる物好きなカップルとか友人同士とか、1人か2人ぐらいはいないの?


 白根山も見えない。
 なお日光白根山の標高は2578メートル。あと578メートルがとてつもなく遠い。


 このあたりはロックガーデンとして整備されていて、いろんな高山植物を見ることができる。
 休憩用の四阿もあったり、足湯もあったりする。
 もちろんカフェやレストランも抜かりない。
 ……まあ今日は誰もいないんですけどね。


 とりあえず、二荒山神社を勧請したという神社にお参りする。
 この雨よ。


 二荒山神社から戻ってきて、さてどうしようかと考えていたら、あちこちにコマクサの大規模な花壇がしつらえてあるのに気づいた。
 しかも今を盛りの満開。高山植物の女王をひとりじめ見放題! やったー! 来た甲斐があったー!


 コマクサ、地上はこんな可憐で繊細なのに、根っこは1メートル以上のびるらしい。
 まあ、吹きっさらしの礫場とか、最も過酷な環境に生える高山植物だそうだし。
 逆に言えば、徹底して過酷な環境じゃないと生きていけないので、間違っても取って持って帰って生ぬるい地上の環境で育ててやろうなんて思わないように。


 30分ぐらいうろついただろうか。
 存分にコマクサを愛でて満足したので、レストラン(右側、左はロープウェー)でカレーを食べて降りることにする。
 ここのスタッフの1人が東南アジア系の女の子なのだけれど、今日初めて現場に出たのか、挨拶の言葉から品物の出し方から、ひとつひとつ挙措を直されながら一生懸命対応してくる。
 口には出さなかったけど、心の中で応援しといた。

 なおこの時になると、雨装備の登山者が数人、ぽつぽつと戻ってくるのを目撃した。
 この天気の中白根に行ってたのかな。まあ山好きな人にとって天気は関係ないらしいけれど。

 さて、そんなわけで下に戻ってきたが、実は帰りのバスまで3時間以上ある。
 ここには日帰り温泉施設があるので、そこで時間を潰せばいいやと思っていたのだが、この施設、本当に温泉と脱衣所、10畳ぐらいの休憩場所しかない。どんなに長湯をしても粘れるのは1時間程度が精一杯。
 温泉ランドみたいのを想像していたのだが、完全に当てがはずれてしまったぞ。
 しょうがない、もう1回コマクサ見に行くか。


 出発する時は1回目より小雨になってきていたのだが、逆にその分雲が上がってきた。


 これが地名の由来の丸沼。
 ダム湖らしい。


 やあ、また見に来ちゃった。


 コマクサはよく見るピンクの他に白、赤もあるらしい。
 きれいだなあ。本当に来て良かった。


 カラマツ林とコマクサ。


 白根山の山頂が見えるようになってきていた。


 もちろん、コマクサ以外にもいろいろ花は咲いている。
 こちらも盛りできれい。


 ロープウェーとコマクサ。


 キヤノンのコンデジだと、どうしてもどちらか一方にピントが合ってしまうので、iPhoneで撮り直してみた。
 絵はがきっぽくなった。


 そんなことをしているうちに丁度いい時間になったので、またロープウェーで降りてバスに乗って帰ってきた。
 楽しかったなあ。コマクサは本当に眼福だった。


 湯元でバスを降りたらいたので、またお前らかと思ったが、どうやら母親と子供のペアで昨日とは違うらしい。


 背中どうしたの、猫。

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