5機関合同防災訓練

『ひゅうが』が大桟橋ふ頭にやってきた。
 防災の日の一環として、大地震を想定した海保、陸自、神奈川県警、横浜市安全管理局と合同で負傷者の救難、搬送訓練をやるとのこと。
 ちょっと珍しいので見物に行ってきた。
 主な訓練はヘリによる負傷者の輸送、艦内での処置訓練だが、本日くじらのせなかは危険防止のため『ひゅうが』の艦首あたりから立ち入り禁止。しかもヘリの発着艦は甲板の後方(海側)から行うしいので、おそらくほぼ確実にくじらのせなかからでは見えない。
 というわけで、対岸にあたる『氷川丸』から見ることにした。

『ひゅうが』1隻で大桟橋ふ頭の半分以上を占拠している。
 ふ頭に見える白い構造物あたりから先へは本日立ち入り禁止。

『ひゅうが』のまわりでは海自やら海保やら県警やらの小型艇が総出で警戒にあたっている。

 左:なんか打ち合わせをしている海自のタグと輸送艇?
 両方ともその場でくるくる回れる運動神経の持ち主なので、こんな風に艇同士をくっつけて話すのも簡単。
 右:県警のパトロール艇が見守る中、開始に備えて海自のヘリが発艦していく。

 相変わらずのダウンウオッシュ。
 実はこの訓練は13時から16時まで、3時間に渡って行われる。
 一般に見せるためのものではないのでペースも非常にゆっくりしていて、なにか暇つぶしがないと間が持たない。
 自然、人間様のカメラは眼下の海面でたむろするウミネコへ……。

 普段から水の中にいるくせに、なんでわざわざ水浴びするんだろうこいつら。
 しかも海水で……。

 そんなことをしているうちに、訓練の第1陣である陸自のヘリがやってきた。
 チヌークだったら迫力あるだろうなあと内心ちょっぴり期待していたのだが、やっぱりチヌークじゃなかった。

 艦尾側から進入すると、くるりと向きを変えて着艦。
 護衛艦のグレーの上では、迷彩塗装はむしろ目立ちまくり。

 5分ぐらいたつと離艦。
 これを3回繰り返すと次のヘリがやってくる。
 そして待っている間のウミネコ劇場。

 ブイに生えている海草をついばんでいる1羽。
 どうやらまだ若いらしく、小柄で羽も茶色っぽい。

 そこへでかいのがガンつけにやってきた。
 びびりながらも懸命に威嚇する小さいの。

 でもあっさり追い立てられてしまった。

 で、次にやってきたのが青がきれいな神奈川県警航空隊。
 これは陸自とは違い、向きは変えずにそのまま着艦。

 でしばらくすると離艦。
 これをまた3回。
 ……さて、『ひゅうが』上でそんなことをやっている間も、海面では各警戒艇が遠慮も何もなくやってくる民間船の対処に大わらわ。
 いちばん動き回っているのは、やはりダントツに機動性のいい海自のタグと輸送艇。

 左:港湾の無法者、プレジャーボートに睨みをきかせたり……。
 右:すぐそばの山下公園乗り場から『ひゅうが』をかすめて出入りするシーバスを見守ったり……。
 ちなみに後ろに写っているのは米軍の音響測定艦。

 時には自分が他の船の邪魔にならないように気を配ったり……。
 本当にご苦労様です。

 そんなこんなで、3番目にやってきたのは横浜市安全管理局。

 これもくるっと回って着艦した。
 回るヘリと回らないヘリになんの法則があるんだろう?

 発艦。

 その頃、やっぱり下では大わらわ。

 海保はおとなりの基地から直接やってきた。

 艦尾側から回り込むようにして着艦。
 機体が大きいのでダウンウオッシュも目立つ。

 やっぱり離着艦を3回繰り返すと、すぐ隣の基地に着陸して終了。
 多分今回いちばん飛行距離が短かった人たちだと思う。

 海保のヘリが去ってしばらくすると、甲板の前部にいた海自のヘリがプロペラを回し始めた。
 置いてあるだけかと思ったら、どうやら飛ぶらしい。

 左:発艦。
 右:艦橋をかすめるようにして後方へ去っていく。
 ここまでで、予定していたヘリは全部登場したことになる。
 まだ15時ちょっと過ぎだが、飽きたので『氷川丸』を降りてくじらのせなかに移動することにした。

 貴賓室のいつものインコ。
 モモイロインコだろうか?
 ところが、山下公園をてくてく歩いている時に、さっき飛び立っていった海自のヘリがもう戻ってきてしまった。

 かろうじて着艦の撮影に成功。

 いつもの正面顔を撮ろうとしたら、着艦したヘリからの負傷者輸送訓練を行っていた。
『氷川丸』にいたら見れなかったからちょっとラッキー。

 というわけで正面顔。

 左:大桟橋についたら、丁度横浜安全局のヘリが帰ってきたところだった。
 間近で見るだけあってさすがの迫力だが……。
 右:降りると見えなくなってしまった。

 手前の手すりがくじらのせなかの縁、奥右側の手すりが『ひゅうが』の甲板。
『ひゅうが』座高高っ!

 でも甲板上の構造物がほぼ同じ高さから撮れるのでちょっとうれしい。
 左:艦橋上部のレーダーやらなにやらがこんなに近い。
 右:機関砲も正面から撮れるよ。

 今度は県警ヘリが戻ってきて、やっぱり艦橋の向こう側に着艦。
 ここで日差しと強風に耐えられなくなったのでくじらのせなかから逃げることにした。
『氷川丸』では風通しのいい日陰にポジションを取れていたので分からなかったが、実は今日は相当暑かったらしい。
 ところが……。

 赤レンガ倉庫に移動している最中、陸自ヘリが来たのを発見。
 しまった、これはもう少し待っていれば良かった。
 そんなわけで、面白かったのか退屈だったのかいまいちよく分からなかったが、それなりに見られないものが見れたのでよしとしよう。
○おまけ

 なんというシュールな風景。

5機関合同防災訓練」への2件のフィードバック

  1. 一之瀬美六

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    こんにちは!
    すばらしいレポートありがとうございます
    ウミネコ劇場が良かったですよ
    ヘリ空母ということだけあって大きいですね~
    行政のヘリが16DDHに降りるのは初めてなんでしょうね
    通信の手順とか確認していたんではないでしょうか?
    航空無線は普通に聞けるのでひゅうがからの誘導を聞きながら着艦をみるのも楽しみかもしれません
    来年はいってみたいと思います

    返信
  2. 深度測定長

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.1.2) Gecko/20090729 Firefox/3.5.2 (.NET CLR 3.5.30729)
     普段あんまりないコラボがいろいろ見られて面白かったです。
     避難民収容とかいうのがあるんだったら、是非とも参加したかったところですけども(笑)。
     横須賀地方隊のサイトを見ると、Y150がらみのようなので、来年はあるのかな? でも『ひゅうが』は様々な組織と連携して活動できるというのがひとつの売りでおあるみたいなので、来年もあるといいですね。

    返信

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