防衛大学校の開校記念祭に行ってきたため、後追いでアップします。
防大祭とは何かというと、防衛大学校の文化祭である。
実はこれまで地元だけど一度も行ったことがなかった。なぜならものすごく混むから。
まあ混むだけならどこの駐屯地祭も基地祭も同じなのだが、この防大が他と違うのは、立地が山の上で道が1本しかないという、ほぼ陸の孤島状態であるという事。
交通も不便で、電車なら最寄り駅の馬堀海岸から歩いて20分以上(しかも大半が坂)、直通バスは1時間に1本、多くて2本という不便さ。さすがに学祭の日は馬堀海岸から防大まで臨時バスが10台以上寄ってたかってピストン輸送をしてくれるが、そもそも馬堀海岸駅そのものが各駅停車しか停まらない。
昔東京は築地にあった海軍兵学校が、はるばる広島の江田島に移転したのは、繁華街が近くて勉学の妨げになるという理由だったそうだが、防大もそれを狙ってこんな所にあるんじゃないかと思ったりするぐらい、行くのが大変な所なのである。
そして学祭となれば、そこに一気に数万人が押し寄せるのだ。それはもうどんな事になるか推して知るべしとなる。だからこれまで避けていた。
が、いろいろあって見に行く事担った次第。
防大祭も学祭なので、一般の大学みたいに、サークルや部活があちこちでいろいろ発表や展示をしている。
ただ、やっぱり防大なので、そのへんは自衛隊っぽい特殊な催しもあったりする。それが防大生による観閲式と、あの有名な棒倒しになる。

観閲式前に、会場の競技場横で準備をしている学生達。お互い身だしなみを整え合ったりしている。
本当はこの前に女子学生による「棒引き」がある予定だったのだが、雨で中止になった。
安全上、女子は棒倒しには加われないので、代わりの競技ということで、おととしあたりから始まったらしい。
中央に置いてある数本の棒を取り合って、多い方が勝ちというゲーム。女性は割とこういう時は男性以上に容赦ないので、なかなかすごい展開になる予想しかない。
もし来年機会があったら見てみよう。

会場に整列して時間待ちをしている。今年の学生の総数は1,260人だったかな?
実際には運営とかの裏方に回っている子も多いので、ここに出ているのはもっと少ないだろうけど、それでも揃いの制服でずらりと並ぶ姿はなかなか壮観。

プログラム的には、大人の自衛官と全く同じ事をやる。
そして防大は防衛大臣直轄の組織なので、観閲官は学校長とかではなく(学校長は民間人だし)防衛大臣……の代理の副大臣。
へー、小泉進次郎来ないんだ? 地元なのに? 防衛大臣になって初めての晴れ舞台なのに? カッコいい僕アピールの絶好のチャンスなのに?

例によって祝辞とか校長の訓示とか来賓紹介とかいろいろやった後、行進に向けて一旦退場。

準備の間、各自衛隊からの航空機の祝賀飛行がある。これは陸自のAH-64。
シャッタータイミングのせいでテイルローターがないみたいになった。
ちなみにパイロットは全員防大出身者で揃えてきた。
なお、天気が悪くて中止になったが、この後空挺降下もある予定だった。降下するのもやっぱり防大出身者だったのかな。

ただ、演奏しているのが陸軍分列行進曲なのがちょっと微妙。
学徒出陣を連想するから好きじゃないんだよね、あの曲……丁度年代も同じぐらいだし……。

なお、拳銃を下げて警備をしているのも学生。一般の自衛官もサポートに入ってはいるが、基本学生が全部役割を担って運営している。
これだけの規模の物を回すのすごいな。しかも大臣とか来るレベルの催しだし。
これで観閲式は終わり。
次が例の棒倒しだが、始まるまで1時間ほど間があるのでちょっぴり展示を見ることにした。
特に当てはなかったのだが、たまたま入った校舎が留学生たちのグループの展示だった。なにそれ面白そう。

もっと他にもいろいろあったのだが、織物の展示がとにかくきれいで、気付けばそればかり写真に撮ってたフィリピン。
刺し子みたいのとかジジムっぽいのとか、バラエティに富んでいて見ていると欲しくなる。でも「すごい高い」って学生の子が言ってた。

インドネシアはミリタリー寄りの展示だった。これは軍で使ってる装備一覧。
1国あたり教室半分程度で、決して広いスペースではないんだけれど、それぞれ特色を見せようとして頑張っているのが偉い。
他にも何カ国かあったようだけど、棒倒しの時間に合わせて終了ということで、全部見れなかったのがちょっと残念。


そして競技場では棒倒しの応援が始まっていた。なんかすごいな。
防大では全ての学生が「大隊」と呼ばれる4つのグループに属している。その4つが150人のチームで対決し、残った2つがこの日に決勝を行う。
試合に出るのは男子のみだが、女子も敵側の情報を探ったり、こういった応援やらで活躍するらしい。
オレンジのチームの攻め方がうまいなと思っていたら、開始後1分30秒ほどで青チームの棒を倒して勝利した。
(夢中で見ていて写真は撮り損ねた)
試合時間は2分何十秒だかの制限があって、そこで決着がつかない場合は、攻め方や反則の数などから総合的に判断して勝者を決めるらしいが、今回は分かりやすく勝敗が決まった感。なお、殴られたりシャツが破れたりした子はいたが、大きなケガはなかった模様。
なかなか面白かった。
また来る機会があったら、展示もきちんと見てみたいな。
なお、帰りがまたバス待ちの大行列で大変だったことを、ここに書き添えておきます。


















