夜とピリカ

 最近、ピリカが明け方になるとジャンプ大会を始めるので困っている。
 ただ跳ねるのではなく、蓋がわりのシャワーキャップに全力でぶつかってくるので、シャワーキャップが太鼓みたいにボンボン鳴っている。
 そして音に目を覚ました人間様がお休み布をめくってなだめると、一旦は納得するのか静かになるのだが、またしばらくするとまた全力ジャンプが再開、キャップもボンボン鳴り始める。
 これが数時間に渡って続くので、ここ数日人間様は寝不足で遅刻気味。このままではいろんな意味でまずいので、かなり真剣にネットで対策を探してみた。
 すると、夜中の大運動会はウズラでは割と珍しくないらしく、似たような目に合っている飼い主の相談が何件か引っかかってきた。
 どうやら、ウズラは自分が目を覚ました時に暗くて周囲が見えないとパニックになり、飛んだり跳ねたりするらしい。インコや文鳥ではそんな話は聞いた事もないから、ウズラどんだけデリケートなんだと思ったが、とりあえず無印良品で小さなライトを買ってきて、一晩それをつけたままピリカを寝かせてみることにした。
 すると、その晩からぴたりとジャンプ大会がなくなった。

 多分、これはウズラが家禽として野外や外の明かりが入る小屋で飼われている時には、起こらない事象なんだろうと推測。なぜなら、ウズラが目を覚ます時にはあたりも薄明で明るくなってきているから。
 ペットとして室内で飼われて、カーテンや雨戸、またはお休み布で、ウズラの生活リズムに関係なく暗くされることで、本能が環境についていけなくなっているのだろうと思う。


 そして今日も会社から帰ってきたら、絨毯のど真ん中で座って人間様を待っていた。
 お前……。

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