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なすど

「名取と行く那須どうぶつ王国日帰りツアー」を利用して、那須どうぶつ王国に行ってきた。
 名取が何か全く知らないし興味もないのだが、新宿からバスで直行し、現地に5時間半滞在後新宿に戻るだけという、本当に那須どうぶつ王国で遊ぶ事に特化したツアーだったため、参加してみる事にしたのだった。
 実は那須どうぶつ王国は車がないと大変行きにくい。
 一応最寄り駅は新幹線の那須塩原、黒磯、新白河のどれかという事になるのだが(距離的には新白河が一番近そう)、路線バスが全くない上に、送迎バスも開園と閉園に合わせて1日1往復、那須塩原駅から出るだけで、しかも片道1時間以上かかる。
 そんな那須どうぶつ王国に、新宿からバスで往復できるのだ。これはもう名取が何かを差し置いても参加するしかないではないか。


 来た!

 名取とはVtuberで、バスに乗っている間、往復合わせて計2時間ほどガイドと称した自分語りや歌(の録音放送)を聞く羽目になったが、それが意義のコラボツアーらしいのでそこはまあしょうがない。
 とりあえず、着いてしまえばあとはこっちのものなのだ。


 まずは入口からすぐ、ニホンリスが放し飼いされている屋外禽舎に入ってみる。
 なお、今回はいつものキヤノンのコンデジではなく、ソニーのα6000にタムロンの18-300をつけた物を持ち込んでみた。
 考えてみたら、自衛隊関係以外に本格ズームつきのミラーレスを持っていったのはこれが初めてじゃないだろうか。


 手をちょっと出せば触れるぐらいの所にリスがいる。
 もちろん触ってはいけない。そっと見るだけ。

 なお、王国内は、入口からすぐの主に室内展示を中心とした「王国タウン」と、少し離れた家畜の屋外展示と野外パフォーマンスが見られる「王国ファーム」のふたつのエリアで構成されている。
 要するに上野動物園と同じ構造なのだが、上野と違って2エリア間にはかなりの高低差と距離があり、歩くとちょっとしたハイキングになってしまうため、移動するには専用のバスまたはリフトとトラクターバスを使う必要がある。
 とりあえずはタウンをひとまわりしてみようか。


 プレーリードックちゃん。
 敷地全体で多分100匹以上いるのではないか。


 そしてその格好はどうなのか。


 次に、熱帯の森という建物に入ってみる。
 外にケア(ミヤマオウム)のケージが併設されていて、窓から何をやっているのか見ることができる。
 思ったより小さい。ボウシインコぐらいの感じ?
 なんかこっちを眺めていた。


 ガマグチヨタカが寝てい……るふりをしてこっちを見ている。
 実物初めて見たわ。


 2羽いた。


 ミナミコアリクイ。かわいい。


 ピグミーマーモセットは放し飼い。


 オオバタンも放し飼い。


 羽繕いしているオウギバトと挟まっているリクガメ。
 放し飼い多いな?!


 建物の中央には池がしつらえてあって、グッピーとかが泳いでいる。
 50センチはありそうな巨大なリュウキンがいるなと思ったら、ヒレナガニシキゴイというコイとのこと。
 確かにヒゲがある。そしてヒゲまで長くて枝分かれしている。
 なんだこの生物……。


 フタユビナマケモノも放し飼いだが、さすがに池で客とは隔てられている。
 大人しいんだけど爪がね。うっかり子供とかがちょっかい出して掴まれちゃったりしたら大惨事になるからね。


 もう1回ケアを見たら寝てた。
 もふもふ。

 次に入ったのがウェットランドという建物。
 ここも熱帯の森同様、鳥や動物がほぼ放し飼いされている中を人間が歩きながら見ていく形になっている。


 入った途端に飛んできて交尾を始めたカモのカップル。
 もう1羽いるオスは多分割り込みたくてチャンスを狙っている。


 足。


 エルフ耳のイノシシ。
 アカカワイノシシというらしい。こんなイノシシいるんだ……。


 いろいろいる。


 卵だって抱いてる。


 多分ミゾゴイ。


 なんか仕切りの上とか壁際とかにもいっぱいいた。


 ジャガーはさすがに隔離されてた。


 わちゃわちゃしているコツメカワウソ。
 固まってぎゅっとなったり水中で組んずほぐれつの追いかけ遊びをしたり、かなり活発だった。

 テレビでも時々やっているのでそこそこ知られていはいるが、このどうぶつ王国では、稀少動物の保存や繁殖に力を入れている。
 次に入ったのはそういった動物が集められている保全の森という建物。


 ツシマヤマネコ。窓際で寝てた。


 スナネコ。
 実家の猫もこんな感じで寝てるな……。


 ニホンライチョウ(夏仕様)。


 こちらは上野動物園にもいたスバールバルライチョウ。
 かなりの高齢なのだそう。だから首の後ろがハゲているのだろうか。


 アムールヤマネコ。ポーズや表情がいちいち凜々しい。

 とそんな感じで見ていたら、ファームでやる鳥のパフォーマンス「BROAD」の時間が迫ってきたので、移動することにした。
 バスかリフトか迷った挙げ句リフトを選択したのだが、これが大正解。


 涼しい風と緑の中を空中散歩。
 リフトは音がしないので、鳥のさえずりや木のざわめきまではっきりと聞こえてとっても気持ちがいい。


 リフトを降りると次はトラクターバス。小岩井牧場でも乗った奴。
 急坂をグイグイ行くので楽しい。

 そんな訳で会場に到着。


 鷹匠の要領で訓練された猛禽類が、縦横無尽に飛び回るパフォーマンス。
 すごく低い所を飛んでいくのでかなりの迫力。


 ミミズクだって飛ぶ。


 獲物を空中で捕まえるパフォーマンス。


 ヨウムはものまねを披露。
 男の人が訓練したのか、名前がシルヴィアなのに言葉が完全に男性のダミ声なのがちょっと面白かった。
 これも登場の時はちゃんと飛んでくる。とまっている時には分からない赤い尾羽がとても鮮やかだった。


 多分敷地が広いからできるハクトウワシの飛翔。
 2メートル以上もある鳥が、数百メートル離れた森からこっちに向かって飛んでくる。


 ハヤブサの狩りパフォーマンス。
 疑似餌につけてた肉をあっという間に食べちゃって、もっと欲しそうな顔をしているのがかわいい。


 最後はコンゴウインコの飛翔。
 緑の森を背景にした巨大で色鮮やかなインコがとても印象的で、そういえばうちのセノーテが飛ぶのは、恐いものから逃げたい時ぐらいだなあと思いながら見ていたら、なんだか分からないけれどちょっと涙が出てきた。

 航空祭で飛行機を追っているので、鳥ぐらい余裕と思っていたのだが、前の方に座ってしまったのでうまくカメラで追い切れず、結局ピンボケ写真ばかりを量産する羽目になってしまった。
 後ろの列に座るべきだったなこれ。


 最後に鳥たちがお見送り。
 この子はショーには出ないが、人に慣れるよう連れてこられていた。
 肉をむさぼっていてそれどころじゃなさそうだったけど。


 ショーのごほうびにおいしいものをたくさんもらったコンゴウインコ。


 ばんざーい。

 とりあえずショーを堪能したので、ファームをぐるっと回ってタウンに戻るとするか。


 ショー用以外にも猛禽が結構いた。
 コンドルになぜかガン見される。


 馬とかラクダとか。


 子羊かわいい。
 どこに目があるのか分からないけどかわいい。


 丁度牧羊犬のパフォーマンスに行き当たったので、ちょっとだけ見てタウンに戻ってきた。
 なお、帰りもトラクターとリフトを使いました。だって楽しかったんだもん。


 さてBROADを見るために中断した所から見るか。
 ……マヌルネコだった。


 いつ見てもでかいアムールトラ。


 カワウソ。何のカワウソかは忘れた。


 もう何の動物かすら分からない。


 レッサーパンダ。


 山の中なのになぜかペンギンが大量にいる。
 餌やり体験もできる(やった)。
 切った小アジをトングで投げ与えるのだが、高く掲げてやるとみんなぐぐぐっと前のめりになるのが面白い。


 手を伸ばせば触れる場所でエサをねだっているのだが、近すぎて逆に目に入れてもらえない可哀想なペン。


 これもなぜかいるゴマフアザラシ。
 飼われているのは淡水だろうか、海水だろうかとどうでもいい事が気になったりして。


 パフィン。明らかにカメラを恐がっているんだけど、でも好奇心もあって目が離せないでいる。
 曇っているのはアクリル板が傷だらけのため。


 もう1回保全の森に行ったら、ツシマヤマネコが起きてた。


 スナネコも起きてた。


 ライチョウはなんかすごいこっちを見ていた。
 そういえばライチョウは人を恐がらないんだっけ。


 エサの時間が近いのか、飼育員さんが出てくる扉のあたりをひたすらうろうろしているスバールバルライチョウ。


 野生の目。


 鳴くケア。


 羽繕いするケア。


 ボウルで遊ぶケア。


 止まり木に移動したケア。


 のびをするケア。

 ひたすらケアを見ているところで時間終了。
 楽しかった。
 基本的に動物達は放し飼いになっていて、その中に人間が入っていくという形になるので、すごい近い目線で動物のことを見られる。
 また来たい。でもどうやって来るかが問題だな……。

○おまけ

 気持ちは分かるがそれはオカメインコではない。

おニューなレンズ

 久々にカメラのレンズを買ってしまった。


 タムロンの18-300mm。
 ズームというだけでなく、マクロまで撮れるので、これさえあれば、わざわざレンズを複数持って歩く必要がなくなるかなと思ったのだ。
 が、重い。
 このスケールのレンズにしてはすごく軽いんだろうけど、単体で600グラム、α6000につけるととてもバランスが悪い。実はレンズ2本持つ方が軽いんじゃないかこれ。
 まあとりあえず頑張ってみよう。


 試し撮り、最大広角。


 試し撮り、最大望遠。
 ちょっとピントを失敗した。

 想像以上に明るいレンズだなこれ。

朝のバラ咲く庭園にて

 横浜イングリッシュガーデンで、バラの季節を迎えて早朝特別公開(割増料金付き)が始まっていたので、行ってきた。
 住宅展示場の一角を、2200種以上のバラをアジサイやクレマチスなど、様々な植物と組み合わせた庭園に仕立ててある。
 本来開園時間は10時なのだが、この季節だけ朝8時から入れる特別チケットを販売している。


 まだちょっと早いかと思ったが、日当たりのいい場所ではかなり咲いていた。
 いろいろな開花時期のバラを集めてあるので、真冬以外は割といつ行っても花がありそう。


 バラ以外の草花も結構咲いている。
 全体的にここは配色センスがいい。


 ビオラとクレマチス。


 ……ジギタリス……?


 一番の映えスポット。東屋と池と赤いバラ。
 一見ほとんど人がいないように見えるが、すでに200人ぐらい入場していて、結構混雑している。
 カメラを何台も首からぶら下げて、彼女(多分)をモデルみたいにして撮りまくってる人や、人形を抱えて歩き回り、ひたすらバラと並べて撮り続けている人もいたりする。
 確かに、入場者が多い通常の営業時間帯ではそういう自分の世界の追求はできなそうだね……。


 これはクヌギ? にデンドロビウムを活着させてある。野外でこんな風にしてあるの初めて見た。
 あと、つるバラを桜の大木に這わせていたりとか、面白い見せ方が多い。


 ここは白バラの区画。
 これだけ真っ白だと壮観。


 ここは黄色いバラの区画。


 こういった雑木林のエリアもある。
 主に日陰を好む植物で構成されていて、バラもあるがシャクヤクとかシャクナゲが華やか。


 アヤメと赤バラ。こんな組み合わせあるんだ。
 どちらも色が強いからお互い引き立ってていいな。

 バラの種類もバラ以外の植物の種類も意外と多いので、じっくり細かく見ていると時間がいくらあっても足りないが、雰囲気を楽しんだりするだけなら多分30分もあれば満足できる。

 ひととおり見終わって、妹にこんなん来てると写真を送ったら、今まさに母親と一緒にこっちに向かっているところだと返信が来た。
 どうやら母親が行きたがったらしい。
 まあそれならというので母と妹が到着するまで待って、一緒に再度回って昼を食べる事にした。
 で、その後は別れて、昨日見たかった川崎大師の護摩祈祷にGO。


 境内の池で石を占有して悠々と寝ていたカモ。
 ひなたぼっこによさそうだね。


 かわるがわる首をのばしてこっちを伺ってくるハト。

 うん、やっぱり真言宗の祈祷はかっこいいなあ。
 あと、護摩祈祷は有料で、後でお願いに応じたお札をもらうのだが、併せて赤札もまたもらえてしまった。
 あー、お参りの証に授与するんだから、確かに祈祷でももらえるな。
 というわけで、赤札行列に並ぶのが大変という人は、お金を払って護摩祈祷という方法もあるよ。
 祈祷受けるとすっきりするしね。


 そういえば昨日門の写真を撮ってなかった。

○おまけ

 セキスイハイムの新築モデルハウスに、阿部寛から祝花が届いていた。
 ハイムさん律儀だな。

10年に1度の1ヶ月

 川崎大師の大開帳に行ってきた。


 回向柱あった。
 これって全宗派共通なのかな?

 このご開帳は10年に1度で、期間は5月いっぱい。善光寺より長周期で期間が短い。
 というか、川崎大師がご開帳やってるなんて今まで知らなかった。


 実は午前中は仕事してた。
 風は涼しいし、時々薄雲がかかって日差しはそれほど厳しくないし、良い午後。

 お参りの後は、1日6回の護摩の時間に合わせて参拝客に配られる「赤札」をもらいに並ぶことにする。
「南無阿弥陀仏」と赤い字で手刷りしてある小さなお札で、一生持っていていいものらしい。
 ネットで見ると、全ての護摩の時間に配られるわけではなく、配布はその時の「貫首の感得」次第とのこと。要するに偉い人の気分次第って事か。
 でも、参道や境内のあちこちの出店で、もらった赤札をしまっておく「赤札入れ」が売られているので、期間限定ではあるけど数限定というわけではなさそう。


 というわけで並びまーす。


 1時間ぐらい並んだら配布時間になった。
 ただ配るだけじゃなくて、本堂に入って本尊を拝ませてもらえる。
 拝んだ後は混乱を避けるために渡り廊下で別の棟にある出口に誘導され、そこで赤札をもらう。
 出口にはお坊さんが20人ぐらい待機していて挨拶をしてくれる。
 なにこれ楽しい。


 夕暮れの川崎大師。


 赤札はこんな感じ。ケースはもらった後に買った。
 赤札入れは店によって紙製とか布製とか何種類かあったのだが、これはクリアファイルのチケットホルダーを赤札に合わせた超ミニミニサイズにしたもの。
 アイデアが秀逸。


 ちゃんと記念品感も出ている。

 今度は護摩にも出てみよう。

お風呂は文化に行ってきた

 パナソニック汐留美術館の「テルマエ展」に行ってきた。
 去年、山梨県立美術館で始まり、大分を回ってここに巡回してきたもの。
 山梨での開催を知った時から見たかったのだ。
 


 続編読んでます。

 テーマは「お風呂でつながる古代ローマと日本」となっているが、展示の大部分は古代ローマ関係のもの。
 ポンペイやナポリ他、岡山市立オリエント美術館と平山郁夫シルクロード美術館の収蔵品がかなり入っている。
 浴場だけに限らず、古代ローマ人の文化や生活を広く紹介していて、展示してあるのもお風呂関係はもちろん、カラカラ帝の胸像や剣闘士の兜、ガラスの食器や壁画など多種多様。
 そしてどれもかなりレベルが高い。
 そういえば、ポンペイ展で見た炭化したパンに再会した。


 写真は大部分撮影不可だが、一部の展示は撮影可能。
 これはバッカスのモザイク画。


 ポーズだけで分かるヴィーナス。


 着てる物(ライオンの毛皮)だけで分かるヘラクレス。


 ちょこっとだけ日本の入浴文化の歴史の展示もある。
 昭和を代表する銭湯文化の一品、ケロリン。
 あと、写真には撮らなかったのだが、銭湯での注意事項(タオルを湯船で使わない等)を掲示したホーローの板広告が、全部ナショナルで揃えていたのがちょっと笑った。


 丁度こんなセミナーをやっていたので、ついでに聞いてきた。
 大体は展示品についている解説と同じ話をしているだけだったのだが、聞いた後で再度見るとまた印象が違って新鮮。

 行ったのが14時半頃で、その時はすんなり入れて中もすいていたのだが、見終わって出ようとしたら入口にずらりと人が並んでいて驚いた。
 多分ルシウス効果だと思われるが、ルシウスなくても普通に面白かったのでまた行きたい。

 思いついてふらっと花見に行ってきた。


 観光地ではないので場所は書かない。

 いつもは散り際になって、そういえば……となるのだが、今年は思い出したのが早かったので満開を見れた。
 しかも良く見るとまだつぼみが残っている。
 さすがに週末まで引っ張るのは無理そうだが、あと数日は楽しめる感じ。


 水場でカルガモが一生懸命何かついばんでいた。


 チッチッと舌を鳴らして呼んだら思いっきり警戒された。
 なんで?

 ここは住宅地の真ん中で、見に来るのはほぼ近隣の住民ばかりというような所なのだが、一体どこから聞き込んでくるのか、中国人観光客がちらほらいたのには恐れ入った。
 早速近所のアパートの非常階段に入り込んでカメラを構えたりしていたので、数年後には口コミが広がってここも荒らされる事になるのかな。

春の猫

 お彼岸なので墓参りに行ってきた。


 眠くて足が完全になくなっている猫。


 ちょっとフォトジェニックに撮れた芽吹きの庭と猫。

 でもこの後、足を土で汚したまま家に入ってきて妹に怒られていた。

火祭りの昼

 2/2、3と奈良東大寺の修二会と高野山の火祭りを見るツアーに行ってきたので、後追いでアップします。

 この日は朝から午前中いっぱいかけてバスで奈良から高野山に移動。お昼ご飯を経て13時から行われる高野山の火祭りを見る。
 そしてその後は弘法大師のいる奥の院にお参りした後、またバスで大坂までとって返し、新幹線で帰ってくる。
 昨日に続いて添乗員の段取りが悪いこともあり、結構バタバタの強行軍で、お年寄りの参加者とか大丈夫かとちょっと心配したが、さすがにこういうツアーに参加するようなご老人は普段から歩き慣れているのか、皆さん割と平気な顔をしていた。


 火祭りというと松明を持って練り歩くとか、山焼きみたいなのをやるとかイメージしがちだが、調べたら金剛峯寺前の駐車場でお炊き上げをしつつ、無病息災と世界の安寧を祈願するというものらしい。
 会場はこんな感じ。駐車場の真ん中に四角くしめ縄を巡らせ、結界を作って、そこに護摩木や杉の葉でお炊き上げ用の山をこしらえてある。
 コンクリートの「バス」の文字がなかなかシュール。


 準備をする山伏の人。
 アライグマの毛皮つけてた。


 まずは地元のちびっこ和太鼓同好会みたいな団体が、太鼓を奉納する。向こう側が招待客のいる正面なので完全に後ろ姿。
 子供のやることだと思っていたら、かなり上手でびっくりした。もちろん太鼓も子供が音を出しやすいように調整してあるのだろうが、自衛太鼓と比べてもそこそこ遜色ない感じ。
 ただ、音を出すのに背伸びをしないとならないような小さな男の子たちが宮太鼓を担当し、明らかにもっと背が高くて力がある大きな女の子が全員締太鼓というのがちょっと気になった。
 自分だったら宮太鼓の方をやりたいと思うし。


 太鼓が終わるとお坊さんたちが入場。
 管長(金剛峯寺で一番偉いお坊さん)が来るのに備えて「南無大師遍照金剛」と唱え始める。


 法螺貝を吹く修験者を従えて管長入場。
 場のお清めをして帰っていった。


 この後は、お清めされた場を本堂に見立てて儀式が行われる。
 儀式をする山伏達が、中にいる山伏に入場を求めて問答を交わす。
 錫杖を鳴らしながら大声でやり合うのが面白い。


 無事入場を許可されました。


 多分山伏の偉い人。


 いつの間にか巫女さん達がやってきていた。
 お坊さんと巫女さんと山伏というあんまりない組み合わせ。



 入場を許可された山伏達が、斧、剣、弓でさらに場を清める。
 弓は四方に向かって実際に矢を射るのだが、この矢が縁起物だそうで、外では大勢の人が待ち構えて放たれた矢を追いかけていた。


 最後に祈祷文を読み上げつつ、偉い人が結界を強めて準備完了。


 点火。


 積んであるのが生の葉なので、点火してもいきなりは燃え出さず、まずは煙が出てくる。
 すると控えていたお坊さんと山伏の皆さんが、太鼓や錫杖を鳴らしながら般若心経を唱え始める。


 青空を背景に、日が陰るくらい濃い大量の煙が、うねりながら立ちのぼっていく。
 般若心経の斉唱や太鼓とも相まって、なんとも荒々しい迫力。これはすごい。


 そして風下にいたので思いっきりいぶられた。


 煙の勢いが衰えて代わりに炎が燃えさかり始めると、山伏の皆さんはやはり般若心経を唱え続けながら、手に手に護摩木を持って投げ入れていく。
 さらにおさめられた古札なんかも燃やされる。

 これでひととおりの儀式は終了。
 後はこの火がおさまるまで、ひたすら山伏の皆さんは般若心経を唱えながらお札や護摩木を燃やし続ける。
 そして、先程の煙で清めたお札を配布するという。
 ということは、思いっきり煙を浴びた人間様はお札なみに清められた存在になったということではないか、とちらっと思ったりしながら、とりあえずはお札をもらいに行くことにした。


 特に行列の指示もないため、みんな好きな場所から配布場所に押し寄せて、大混雑になっている。
 ただ、「お札は十分あります」という、まるで特売かなにかのようなアナウンスが繰返されたお陰か、皆さん割り込みや押しのけをすることもなく、少しずつ進む流れに添って静かに待っている。
 そして意外と流れも速くて、20分ぐらいでお札をもらうことができた。

 ここまで1時間半程度。
 ずっと立ちっぱなしだったので足が少々つらいが、真言宗の正式な儀式なんて見たことがなかったのでとても面白かった。
 やっぱり真言宗は勇ましくて盛り上がるなあ。

 と感慨にふける間もなく、次は奥の院のガイド付きお参り。
 奥の院は結構楽しみにしていたので、例によって段取りが悪くて出発まで1時間程度しかない慌ただしいお参りしかできなかったのがちょっとがっかりだった。


 前に来た時は飛行機的なオブジェだったが、ロケットに代わっていた新明和の企業墓(慰霊碑)。


 福助足袋の企業墓。


 ヤクルトの企業墓。
 ……なんか、お墓そのものが一目で分かる広告みたいになってるな……。


 法然のお墓。
 法然は浄土宗、弘法大師は真言宗だが、奥の院そのものは無宗派なので、どこの宗教の人でも入れる。
 キリスト教徒の墓もあったりするらしい。


 浅野内匠頭の墓。


 徳川家康の次男、結城秀康の墓。

 奥の院は例によって撮影禁止。
 ただ、この時点で16時近かったせいか、火祭りの後の割には人も少なくて静かに見ることができた。

お灯明の夜

 2/2、3と奈良東大寺の修二会と高野山の火祭りを見るツアーに行ってきたので、後追いでアップします。

 というわけで、ツアーで東大寺の修二会(お水取り)と高野山の火祭りを見に行くことにした。
 京都まで新幹線、その後は添乗員つきの団体バスで各地を回り新大阪で解散というもの。旅行会社のメルマガでたまたま見つけて、まああまりない機会だからと参加してみることにした。
 ただ、6万円という内容の割にかなり高いツアーなのに、具体的なタイムスケジュールがほとんど分からない。混雑などを見越してわざとぼかしてあるのかもしれないが、これは添乗員の仕切り次第ではグダグダになるなと思っていたら、ついたのがどこからどう見ても完全に新人で、案の定各地でグダグダを重ねる事になった。


 京都からバスで出発。
 よっぽど人気があるツアーなのか、参加者は150人以上。観光バス3台を連ねて修学旅行みたいになっている。


 そしてまずは北野天満宮に連れて行かれる。
 奈良にも薬師寺とか唐招提寺とか、東大寺の近場で見れる自社はたくさんあるのに、なぜ京都の北野天満宮なのか。


 国宝の本殿。
 1時間もない滞在時間の中で、ここと末社をお参りして、御朱印をもらって、梅園も見なくてはならない。


 このところの暖かさで盛りは過ぎてしまっていたが、それでもまだまだ華やかな梅園。


 曲水の宴をする場所らしい。

 頑張って回りきってまたバスに詰め込まれ、次に連れて行かれたのは錦市場商店街。
 ここで自由に昼食を、とのことだったが、やっぱり滞在時間が1時間程度しかなく、しかもものすごく混んでいるので、結局何も食べずにバスに戻る事になる。
 そしてようやく2時間ほどかけて奈良の東大寺へGO。
 なんかもしかしてこのツアー、ものすごい無茶な行程組まれてない? 気のせい?


 東大寺に到着。
 まだお水取りの時間には早いので、ガイドつきで東大寺と春日大社を回るのだが、1時間半ぐらいしかない。
 しかも添乗員が参加者を掌握しきれなくて、いちいち集合するのに時間がかかるし、さあ出発という時になってやっぱり寒いからと防寒具を取りにバスに戻る人が出たり、他の2台のバスのメンバーがとっくに出発してるのにまだもたついている。
 大丈夫かこれ。


 鹿せんべいを買った瞬間、鹿にたかれていたおじさん。
 コートをくわえて引っ張ったりとか、鹿もなかなか容赦ない。


 大仏殿(9ヶ月ぶり3回目)。


 シーズンオフなせいか、今回は正面からの写真もOKだった。
 去年行った時は、恐らく立ち止まって滞留すると困るからだろうが、正面からの写真は禁止になっていたので。


 あんまり気にしたことなかったけど、国宝で奈良時代からある灯籠らしい。


 クラウチングスタート。


 春日大社。

 なんかもう、ガイドの説明を聞きながら歩くだけで精一杯で、写真もほとんど撮れない。
 この後は早めに夕食を取っていよいよお水取りを見るのだが、団体行動ではなく各自で自由に向かっていいと言われたのを幸い、即行で食べ終わって飛び出した。


 おかげでまあそこそこ前方のポジションの確保に成功する。
 陣取ってから20分ぐらいしてふと後ろを振り返ったら、もうみっしり人が押し寄せて来ていた。

 ところで、お水取りというのは、実は修二会と呼ばれる勤行の通称。
 そもそも修二会は国家や国民の安全と幸福を願う行事で、毎年3/1から2週間、11名の選抜された僧侶が様々な行法を行う。西暦752年に初回が行われてから実に現在まで、雨が降ろうが槍が降ろうが戦争が起ころうが大仏殿が焼け落ちようが、1回も欠かさず続けられているらしい。
 で、有名な、大きな松明を持った僧侶が二月堂を走って行くお灯明は、数少ない一般人も見られる儀式の1つになる。
 もちろんこの松明にも意味があって、修二会に参加する僧侶たちが二月堂に上がる時に、足元を照らすためのものなのだ。


 火の粉を散らしながら走って行く僧侶。
 本当は暗闇の中、提灯と松明だけが浮かび上がる幻想的な光景だったのだが、iPhoneの感度が良すぎてどうしても明るくなってしまう。


 30分かけて、10本の松明が次々と渡っていく。
 人によって、わざと火の粉を振りまきながら行ったり、足音を立てて走ったり、逆に静かにゆっくり歩いていったりとなかなか個性豊か。
 そして通路には完全防備の消防士さんが待機していて、松明が通った後火の粉をせっせと下に払い落としている。
 燃えたら大変だもんね。


 通路の端っこで、松明を高く掲げて派手に振り回し、燃えさかる火の粉をまき散らす事で消火する。
 どうやらお灯明の大きさも1本1本違うらしくて、大量に落とす時もあればあっという間に消えてしまう時もあり、やっぱり個性豊か。
 この後、11人の僧侶達は午前2時まで勤行をするらしい。

 実際のところ、距離がかなり離れていたし、淡々と松明が通路を横切っていくだけだしで、テレビで見るほど迫力があるかと言えば微妙。
 でもこれは観光用のイベントではなく、勤行の一つなのだから、それはそれでいいと思う。


 帰り道、暗闇から物欲しそうに見つめてくる鹿。


 夜の南大門。

狩る

【閲覧注意】
 本日の写真は、カラスに狩られたハトです。
 動物の死骸等が苦手な方はご注意ください。
 まずはセノーテの写真で空間を取ります。


 スマホがいやでちょっと逃げ腰のセノーテ。

 歩いていたら、カラスがハトを両脚で押さえてついばんでいた。
 死体を見つけて食べる気でいるのかと思ったら、まだハトの足が動いている。
 どうやら自力で捕まえたらしい。
 確かに鳩はどんくさいが、体格的や運動能力はカラスとそれほど変わらないはず。
 それだけの相手を襲うとか、よっぽどエサがないのかな。


 よく見ると、ついばむのではなく、羽をひたすらむしっている。
 食べるのに邪魔なのでやっているっぽい。
 猛禽は肉に羽がついていようがいまいが気にしないようだけど、カラスはそういう判断をするのか。


 もしかするとハトを助けられるかもと、ちょっとカラスを追ってみた。
 が、どうやらハトは頭をやられたらしく、カラスがどいてもただ弱々しく足で空を掻くだけで、もう起き上がる力もない。
 一瞬、首でも折って楽にしてやった方がいいかとも思ったが、野鳥相手にそれだけの事をする高等技術もないので、後はカラスに任せて去ることにした。