有休取って陸自の宇都宮駐屯地と北宇都宮駐屯地の見学に行ってきた。
このふたつ、名前は一文字しか違わないし距離も車で30分ほどしか離れていないのだが、宇都宮駐屯地は陸上部隊の基地で、北宇都宮駐屯地はヘリコプターの訓練部隊の基地なので、中身は全然違っている。
で、まず最初に行ったのが宇都宮駐屯地。
ブリーフィングを受けた後は資料館見学。
自衛隊や旧軍関連、土地にゆかりのある有名な軍人の史料などを集めて展示してあるアレだが、ここのはかなり規模が大きくて建物も立派。


左:入るといきなり置いてあるニューギニア(だったかな)あたりの品物の数々。
右:ここにいたのは旧陸軍第14師団だが、ガダルカナルでひどい目にあったり、ニューギニアでひどい目にあったり、インパールでひどい目にあったり、ベリリュー島で玉砕したりと、かなり悲惨な部隊が多かった模様。

旧陸軍の各種マニュアル。

一体どんな心得をしろというのか……。

那須塩原にお墓がある関係で、日露戦争の陸軍総司令官だった大山巌の史料がかなり充実している。
これはロシアからもらった勲章。上の双頭の鷲がとてもステキ。アクセになったら絶対買うんだけど。

元帥徽章(だったか?)。これも誰かアクセにデザインしてくれないものか。

意外とでかい人だったんだな……。
で、次は現役の装備の展示。

装甲車。

割とあちこちで見かける高機動車……だが、正面顔がこんなにひらべったいのは知らなかった。

何かというと跳んでる偵察用バイク。
ホンダだったのがいつの間にかカワサキになったらしい。

岩手駐屯地でも見たやつ。

総火演で戦車に並ぶ人気を誇る地雷原処理車。愛称はマインスイーパ。そのまんま。
全国に数台しかないのでかなりレアらしい。ちなみに今年の総火演に出るのはまさにこの車両だって。

そして隊員食堂で食べたお昼ご飯はやっぱり餃子だった。
で、昼ご飯の後は北宇都宮駐屯地に移動。
ここはヘリパイロットを希望し、選抜された隊員にヘリコプター操縦の初等教育を行う場所になる。なので「戦車も火砲もありません! あるのはヘリコプターだけです」とブリーフィング資料で強調してた。
ちなみに、見学に来たちびっこたちのお礼の手紙で「宇都宮の航空自衛隊」とかちょっと切ないことを書かれてることもあるらしい。

教育課程の説明。
とりあえずとっても大変なことは分かる。

格納庫で実機も見せてもらった。
説明を受けたのは右に見えるUH-60だったのだが、夢中になりすぎて写真を撮り忘れた。

卵みたいなシルエットがかわいいOH-6D。
ヘリの訓練をする人が最初に乗るいわゆる「赤とんぼ」的な機体。耐用年数が来ているので今後は使われなくなるらしい。

飛んでる姿もこんなにかわいい。


で、OH-6Dのかわりに練習機になるのがTH-480B。アメリカ製で、米軍の練習機用に開発されたものをメーカーから購入した。
購入や塗装の背景にはいろいろ大人の事情があるらしいが、軍用とはとても思えないスタイリッシュ加減なのは確か。
正面顔はハエっぽいけど。

全部で20機購入予定らしい。
編隊組んで飛んだらきれいだろうな。
で、最後に行ったのはこちらも資料館。
宇都宮駐屯地と違い、戦前からあった基地ではないので(戦前は富士工業、今の富士重工の施設だった)あまり充実していないが、それでも少年飛行兵関係の資料を展示したりと頑張っている。



中でも白眉はこれ。
リンクトレーナーという、空気圧を利用したフライトシミュレータなのだが、昭和9年にアメリカで開発されたものを昭和45年に導入し、なんと平成24年まで使っていたとのこと。
シミュレーション用の電算処理装置に使われているのは真空管というから絶句するしかない。
全く性質の違うふたつの駐屯地を一度に見れて面白かった。
起きたのが朝5時だったので、眠くていまいちぴりっとしなかったのが残念だけど。
○おまけ

宇都宮駐屯地にノッツェの出張サービスが来ていた。
国防男子との結婚を夢見る女子はノッツェに登録すればいいと思うよ。
「なんか軍系」カテゴリーアーカイブ
のりものフェスタでお船ちょっとだけ見てきた
「よこすかのりものYYフェスタ」に行ってきた。
暑いし日曜だから混むだろうしで、最初は行く気はなかったのだが(昨日は用事で行けなかった)、一般公開の艦艇が『あさぎり』と『てるづき』と聞いてちょっと重い腰を上げた。
『てるづき』は前にピカピカのを見たので混んでいたらスルーでもいいのだが、『あさぎり』はまだ見たことがないのよね。
あとパンフレットもほしいし。
で、のこのこ横須賀までやってきた。

またアメリカの国境警備隊の船がいた。
『USCGC Morgenthau(モーゲンソー)』という名前らしい。ぐぐったら専用サイトまであってびっくりした。

『あさぎり』
カレーフェスティバルの時ほどでないにしろ、ある程度並ぶのを覚悟していたら全然並ばなかった。
もっとも、かなりぎりぎりのタイミングだったらしくて、この後みるみる後ろに行列がのびていったのだった。

『じんつう』は佐世保の艦。
訓練か何かでこっちに来てるらしい。

このパイプは燃料タンクに通じていて、燃料を入れすぎるとここからあふれてくる。後で掃除が大変。
「そんなことあるんですか?」と中の人に聞いたら「たまにあります」だって。

速射砲の動作展示のためか、甲板の前の方は立ち入り禁止。
前に見えてるのは『てるづき』の構造物。

せっかくだからかっこよく1枚。

ラッパの実演。
ここ何年かで海自や陸自のラッパを聞く機会は結構あったけど、実は上手に吹くのはかなり難しいものだというのが分かってきた。
『あさぎり』は上甲板をぐるっと1周しただけ。前甲板前部やヘリ甲板にも行けなかったし、特に展示物もない非常に地味な公開だった。
パンフレットももらえなかった。聞いたら昨日が6000人、今日が10時の開場から1時間ですでに2000人来たそうで、とてもパンフを用意できる状態ではないらしい。
カレーフェスティバルの時に公開してたイージス2隻は配ってたけど、多分艦ごとの予算とかもあるんじゃないかな。

制服試着の誘引が段々洗練されてきている。

ただいまドックで絶賛座礁修理中の『しらせ』はブースを作って小物を展示していた。
日立ペンギンも出張して広報。

中の人も気になってたようです。

『てるづき』とSH-60Kのおしり。『てるづき』も公開は上甲板だけっぽかったので結局見なかった。
全体的に意外とすいていてまったりできる。

米軍基地。『フィッツジェラルド』『モーゲンソー』、変なタグボート。

そして最近はすっかりおなじみの高速機動艇機動展示。
手を振りながらヴェルニー公園あたりまで走り回るだけなのだが、こんな風に水しぶきを上げながら突っ走ってくるので大人気。
アデン湾の海賊対処とかでも使ってるので、ゴムボートだけどちゃんと自衛艦旗を掲げている。
というわけで、なんかいまひとつ盛り上がらないまま終了。
しかしカレーの時とうってかわってこの余裕はなんだ。
つまり「自衛隊」と「カレー」が触れてはいけない禁断の組み合わせだったって事か。
ちなみに旧海軍の士官の制服着たコスプレの人が、すれ違った中の人からスルーされて「敬礼もしない」とブツブツ怒ってたのを見たのだが、やっぱりあれは暑さのせいだったのだろうか。
まあこれまでの経験からすると、陸海問わず、こういうイベントに制服コスプレしてくる人って、ほぼ全員妙な人だけどね。

で、ふとみたら隣の横須賀駅に古い列車が入っていたので、撮ってみた。
YYフェスタとコラボしたJRのツアーだったらしい。

なんかこの雰囲気知ってる。
小さい頃乗ってた電車はこんな感じだった。

横須賀駅はホームが曲がっているので、特に工夫しなくてもここまで撮れる。

今年もいた作業車。
で、この後はヴェルニー公園をブラブラ。

東北新幹線はやて。コスプレではなく公式の人。
「どんどんパシャパシャしていいですよ~」と言っていたのでカメラを向けたらこんなポーズをしてくれた。

バラはそろそろ終わりに近いが、まだまだ華やか。
片端から鼻をつっこんで匂いをかいでみると楽しい。たまに虫がいるけど。

……イカ?

ああ、これはやばい奴だ。


そしてまた高速機動艇がやってきた。
JRの展示も三笠公園の展示も去年と変わらない感じだったので、ここで帰ってしまった。
なんだか今年は全体的に人も出店も少なくて静かな感じだった。規模を縮小したようには見えなかったけど、なんだったんだろう?
あと出展物が海軍カレーを始め海軍系に偏りすぎなのも気になった。艦これ人気とかをあてこんでるのは分かるけど、それしかないってのはむしろつまらない。
○おまけ

海にカモ……と思ったら、割と普通にいるらしい。
東京ブルー
職場の近くにブルーインパルスが飛んできた。

1番機が切れた。
ニュースやネットで話題になってるが、明日の国立競技場のさよならイベントで行う展示飛行の予行。
上空400メートルと高い上に航過飛行だけでアクロバットはやらないのだが、そもそもこのへんは近くに羽田空港があるため、官公庁のヘリぐらいしか飛行が許可されない空域。
なのでこういうジェット固定翼機が集団で飛び回るというだけでもうすごいのだ。


4種類の隊形で2方向から航過。
もうオフィスでは上から下までみんな仕事そっちのけで窓に貼り付いている。
普段自衛隊に全く関心のない人までも夢中になっている。ブルーの威力すごい。
航空祭だとひたすらストイックだけど、こんな風にみんなでスマホ片手にキャーキャーいいながら見るのもいいなと思ったり。

高度400メートルといいながら、実はビルが高いので、入間とかで普通に地上から撮っているのと感じが同じになってしまっている。
なので風景を入れてみたんだけど、意外と速いのでうまく構図を決められないでいるうちに去っていってしまった。

ちなみにこれは先週仙台基地で買ってきたブルーインパルス飴。職場に置いて眠気覚ましにしていた。
いろんな意味で割と微妙。
東北縦断の旅・三沢編
最終日は盛岡からさらに北上して、空自三沢基地。
この日は良く晴れて気持ちいい天気になったが、風が盛岡よりさらに冷たい。
三沢基地は米軍と空自が共同で使っている。というより米軍基地内に空自が間借りさせてもらっている状態。
なので中ではものすごい制限がある。
写真は本当に展示用の物しか撮れないし、移動中も見通しの良い所は絶対通らない。格納庫から滑走路を眺めるのさえ、空自の人に付き添われてでないとできない。
なので見学としてはとてもつまらない。
厚木や岩国も米軍と共用だけど、ここまでうるさくなかったと思うんだけど、まあ空自はもともと杓子定規なところがあるし、「身内」じゃないっていうのもあるんだろう。

資料館でこんな感じのブリーフィング。
ここの資料館、歴代の三沢航空祭のポスターを展示してあるのが面白かった。
ブルーインパルスがカラースモークを吐いてたり、アクロバットをしているのがF-86だったり(ブルーインパルスですらない)、歴史を見ている感じでこれは飽きない。


格納庫でF-2見学。
置いてあるのがこれだけで、他の機体や機材が一切無いところを見ると、見学用にわざわざ格納庫を全部片付けて1機だけ持ってきたっぽい。
……まあいいんだけどね。
この後は昼食を体験喫食(堅焼きそばと野菜サラダにバナナが1本ついてきた)、地上管制塔見学。三沢基地の管制は、米軍や民間機も含めて(一応三沢基地は三沢空港という民間空港でもある)空自がやっている。
管制塔も写真禁止だがこれはしょうがない。
こんな感じで見学は終了。時間がぎりぎりになって基地での買い物の時間はなし、かろうじて八戸駅で新幹線に乗る前に15分ぐらいお土産を買う時間があっただけだった。
東北は、他地方から見ると東日本大震災でひとくくりにされがちだけど、実際に行ってみると地域によって結構感覚に差があった。
まあ関東でも、東京あたりと大きな被害のあった千葉とかではやっぱり意識は違うから、別に不思議でもなんでもないんだけど、この差をきちんと見ていないと、誤解が出てしまうというのもまたあるなというのは思った。
東北縦断の旅・盛岡編
すみません。21日からオピニオンリーダー研修で東北地方に来ていますが、持参したvaio pro11がネットワークを認識しないため、ブログの更新ができません。
(これはスマホからアクセスして書いています)
帰宅後にまとめてアップしますので、お待ちください。
というわけで、2日目は盛岡の岩手駐屯地を見学。
前日の仙台も寒かったが、北上した盛岡はもっと寒い。
しかもまた雨だし。
この日は74式戦車体験搭乗があるんだが大丈夫か。

岩手駐屯地には特科(火砲)部隊と戦車部隊がある。所属する隊員の80パーセントが岩手出身だそうな。
ここの厚生施設は温水プールはもちろん、トレーニングジムやリラクゼーションルームまで備えた超充実した全国の陸自でも5つしかない施設(予算の関係からそれ以上作れなくなっちゃったんだって)。
人里離れた平坦と言えない山の中腹にある上に豪雪地帯なので、隊員の日常のトレーニングやリフレッシュをどうするかという観点から作られたらしい。

食堂は幹部とそれ以外で通行エリアも別。
ザ・階級社会。



資料館。旧陸軍時代の資料が異常に充実している上に、解説の隊員さんがよく知ってるわ話はうまいわで超面白い。
でもなぜ海軍の資料まで充実しているのかは謎。

館長、沢内ポン太。

実は3佐。司令が1佐なので上から3番目に偉い。
昔は自衛隊が民間支援の一環として農繁期に農家の手伝いに行くということをやっていて、その記念なんだとか。
なんというか、農業国日本らしい話ではある。

そして雨の中、FH-70榴弾砲の展示訓練もやった。これは砲に先立って撃ちこむ地点を観測する部隊。
PR部隊のブルーインパルスは天気が悪いと飛べないけど、これは実戦部隊なので天気は関係なくやる。

ただいま観測中。

観測終了すると、牽引車に引っ張られたFH-70が登場。

自走でも登場。
左に乗ってる人が運転手。というか丸出しで大丈夫なのか。

来たのは全部で3両。距離的には100メートル離れていないと思う。
で、これが一斉に空砲射撃をする。音もすごいけど身体に直接振動がくる感じもすごい。

なのでどうしても撃つ瞬間はびくっとしてしまい、まともな写真が撮れない。

最後は74式戦車体験搭乗。74式そのものは何回か乗っているけど、さすがに雨は初めてだ。というより一般の体験搭乗なら雨が降ったら中止になるよね。
走ったのが一応舗装された場所だったのと、運転手さんがうまかったので全然揺れなかったけど、どうやらこの駐屯地、隣に牧場があるらしくて、走ってる最中牛小屋の臭いがすごかった。




一緒に装備品展示もしてくれた。
上右:94式除染装備。化学汚染なんかを温水や冷水や薬剤で洗い流すやつ。
上左:72式対迫レーダ装置。地上で発射される迫撃砲を逆探知して発射場所を特定する装置。
下右:対迫レーダ装置JMPQ-P13。72式より新しいの。
下左:FH-70の自動給弾装置。ここに弾を置いておくと、前のを発射した反動を使って自動的に装填できるんだって。
この後は盛岡市に戻って、盛岡市先人記念館を見て終了。
新渡戸稲造とか金田一京助とか米内光政とか、盛岡出身の歴史的政財界人、文化人130人を紹介するという資料館。
正直、こういう自画自賛系の資料館はぱっとしないのが相場と決まっているので内心ふーんと思っていたら、意外と収蔵品がすごくてびっくりした。
米内光政が昭和天皇から下賜された硯箱の現物とか普通に展示してあるし。
すごい盛りだくさんだった。盛りだくさんすぎて(あと寒くて)装備の名前とか覚えられなくて、後でネット検索したぐらい。
あと、盛岡の人は郷土愛と自負心がかなり強いということが分かった。
○おまけ

よく見たら運転手さんがピースしていた。

ホテルの植え込みに落ちていたカラスのヒナ。場所が場所なのでうまく歩けず途方に暮れていた。親も心配らしくて近くをうろうろしている。
親鳥が近くに来ると、羽を広げておねだりポーズをしたりするのがかわいい。

あ、眼が合った。
東北縦断の旅・松島編
というわけで、戻ってきたので改めてアップします。
21日から23日まで、オピニオンリーダー研修で東北縦断してきた。
21日は仙台の陸自仙台駐屯地と空自松島駐屯地。どっちも東日本大震災で大きな被害を受けた所。
ちなみにこのラインナップは海自の基地モニターで2009年に行った時と同じ。
2009年3月4日
2009年3月5日

仙台駐屯地。
被害からの復旧はほぼ終わっているが、見えない基礎の部分がやられている建物が後で分かったりとかして、まだ一部工事継続中。

震災で倒壊、再建されたチャペル。
なぜ駐屯地内にチャペルがあるのかという、ここは戦前陸軍基地で、戦後一時期米軍が使っていたから。
ちなみに結婚式が挙げられるかどうかは不明。

倉庫で見つかって磨き直されたという年代物の鐘。
すごくいい音がする。もちろん音は全然違うけど、お寺の鐘と響きの感じが似ている気がする。
ここで駐屯地の概要や震災の時の話などを聞いて、お昼ご飯を食べて(専門用語で体験喫食という)仙台基地へ。
仙台基地ではブルーインパルスが飛んでくれる予定だったんだけど……。

雨でーす。
壁にちょこっと書いてあるのは、津波が到達した高さ。
でも津波の痕跡そのものは、泥水の跡みたいな小さな物も含めて全くなくなっている。
唯一、汚れて窓が完全になくなった状態で放置されている古い小さな倉庫みたいな建物があったぐらい。

思わず普通に見てしまうぐらい2009年の時と変わってないが、実は全部一旦津波にのまれているのだった。

しかし、倉庫の中のブルーインパルスを一生に2度も見ることになるとは思わなかったぞ。

正面顔。

おしり(はぁと)。

増槽
前は触っちゃ駄目と言われたけど、今回は触り放題だったので、調子に乗って翼に肘をついた写真とか撮ってきた。
絶対載せられないけど。
なお、前に行った時に1機だけ格納庫にあったT-2ブルーインパルスが今回なくなっていたので、津波で駄目になったのか聞いてみたら、残っていて別の場所に保管されているということだった。

現在、ブルーインパルスと近くにある救難機の格納庫エリアは、こんな風に土盛りでかさ上げされている。これで10メートルぐらいの津波が来ても大丈夫らしい。
場所は全く変わっていないので、どうやってやったのか質問してみたら、ブルーインパルスの格納庫は、まず屋外整備エリアに盛り土をして、そこに格納庫を家引きという方法でまるっと一時移動、盛り土後元の場所に戻す、救難機のほうはシンプルに盛り土をした後に新しい格納庫を建てるという方法だった。


そしていつもの救難コンビ。
格納庫も仲良く一緒。


左:U-125Aの中、後ろ側。
右:コクピット側。

機体用シャワールーム。海上を低空飛行すると塩がつくので、これで洗い流すそうな。
天井と床の格子からシャワーが吹き出てくる。奥の白いのはシャワーカーテン(本当)。
これで見学はおしまい。
基地のまわりも見る限りは普通に戻っているようだったけど、家や店舗が全部真新しいのがやっぱり普通と違う。
バスでホテルに行く途中、津波が来た沿岸部を通ったが、海に近づくほど草の生えた空き地が増えていって、海沿いになると全く建物がなく、あったと思うと津波にやられたまま放置されたものだったりする。
さすがに当時の生々しさはなくなっているが、一体どれだけの物が失われたのかというのを目の当たりにする思いだった。
○おまけ

松島基地で売っていたブルー制服のくまモン。
もはや熊本関係なくなってるな。

200円のあたりつきオリジナルガチャガチャをやったら……。

ブルーインパルスの生写真(ケース入り)が当たってしまった……。
霞ヶ浦でヘリとかいろいろ
こういう所へ行ってきた。

霞ヶ浦駐屯地開設61周年記念行事。
ニコニコ超会議3にアパッチと一緒にやってきた霞ヶ浦駐屯地の中の人からあると聞いたので、見に行った次第。
まあ、大洗よりは近いし。

入ったらいきなり行列でびびったが、90式戦車体験搭乗の抽選券配布だったらしい。
90式か……北海道で乗ったからいいや。

「記念行事」なんでちゃんと行事がある。
まあやってることといえば、隊員が並んで司令や来賓の言葉聞いたり、巡閲したり、観閲行進したりするおなじみのプログラムなんだけど。


左:例によって隊員が整列。
右:でもここでは事務官(基地に勤務する自衛隊員ではない職員)も一緒に並んでるのが新しい。


左:そして司令が訓辞をしたり……。
右:国旗が掲揚されたり……。

巡閲したり……。
国会議員が祝辞で集団的自衛権について述べたり、国会議員が祝辞で集団的自衛権について述べたり、国会議員が祝辞で集団的自衛権について述べたり(3人いたので3回書きました)、来賓の紹介が十数人分あったり、祝電が披露されたり、まあそんなことを延々とやって式典は終了。


左:観閲のために走って退場。
右:事務官も一緒に走って退場。

準備の間は高等工科学校のドリル展示と音楽隊の演奏。
ドリル展示、武山からわざわざ来たんだ……。

そしてこの後観閲開始。

霞ヶ浦駐屯地は、東部方面隊の物資補給を一手に引き受ける関東補給処と航空学校霞ヶ浦分校を抱える基地なので、輸送とかそういう関係の車両が多い。
……どう見ても一般車にしか見えない白いのは医療関係の車だと思う。多分……。

しかしトラックといえども行列組んでやってくると結構な迫力がある。

そして最後がすごかった。
現れたのはなんとフォークリフトの集団。

しかもなんかでかいのいる!
……同じように見える駐屯地の観閲式も、役割や業務によって実は行進する車両の内容は変わってくるのだが、今回のこれは面白かった。


左:そしてラストに航空学校のヘリ集団が飛んでいく。よく見ると全部違うヘリなのね。
右:あまりに近くて画面からはみ出した。
で、これが基地の中でのイベント。
次に市道を挟んで基地に隣接する飛行場で、OH-1とアパッチの展示飛行が行われるので、せっせとそこまで歩いていく。

青空に映える管制塔。


左:そしてのどかな初夏の風景。ヒバリが鳴いてる。
右:遠くにかすむのは牛久大仏。やばいなんか急にとんでもない所に来ちゃった感がしてきた。

開始10分前にOH-1とアパッチが揃って離陸していく。

そしてまずOH-1が急接近して展示開始。


左:急降下や急上昇、その場で回ってみたりとか、いろいろ披露するOH-1。これも近いのでうっかりするとはみ出してしまう。
右:近所に成田空港があるので、しょっちゅうこうやって航空機が横切っていく。


左:そして次はアパッチがやっぱり機動。OH-1はニンジャと通称される偵察ヘリなのでローター音も身のこなしも身軽だが、こっちは飛ぶ戦車とまで呼ばれる重戦闘ヘリなので何かにつけて重量感と迫力がある。
右:下についてる機銃をぐりんぐりん動かすデモンストレーション。

牛久大仏逃げてー!


展示が終わって着陸。最初がOH-1、次がアパッチ。


入れ替わりに離陸していくのは、やっぱり抽選に当たった人を乗せたチヌークの地上滑走。数十メートルぐらいの高さのまま滑走路内をぐるっと1周してくる。
なぜ飛んでるのに「地上滑走」なのか疑問に思って中の人に聞いてみたら、ヘリの場合、車輪がついていないのもあるので、離陸を宣言せずに空港内を低空で移動している場合、飛んでいるのではなく地上をタキシングしているとみなすんだそうな。
つまりこのチヌークは航空管制的には飛んでいるのではなく、地上をタキシングしながらぐるぐる走り回っている状態なので「地上滑走」ということになるらしい。なるほど。



航空展示が終わったので、地上展示を見て回る。かなり充実していて載せきれない。
上左:大洗で乗り損ねた機雷敷設車。
上右:浮橋。
下:最新式のかっこいい化学消防車。アメリカ製だって。


同居している空自霞ヶ浦分屯地(高射隊)も警備犬の訓練展示で参加。でもお祭りの雰囲気に犬がはしゃいじゃったらしくて結構失敗してた。かわいかったけど。
最後の不審者襲撃はうまくまとめてたけど、不審者役の人が変なチンピラみたいな演技をするのでコントみたいになってた。





正面顔。
すごい充実していて面白かった。特に装備品展示。
このほかにも野外炊事具2号改とか水濾過装置とか、ミサイルの実物とかいろいろあってかなり遊んでしまった。
雰囲気も結構近所のお祭りみたいな感じで良かったけど、招待客とおぼしい人の会話を小耳に挟んだら、やっぱりかなり人が増えてるらしい。
そういえばぴあ増刊の基地祭ムック持ってるにわかマニアとおぼしき人がいたけど、いろんなページにべたべた付箋貼り付けたりしてたなあ。
横須賀サマーフェスタのページにも付箋が貼ってあるのを見た時、あ、ロックオンされたと思ったけど。
○おまけ

中の人に「これなんですか?」と聞いても「さあ、分かりませんねえ……」としか返事がこなかった謎の展示物。
カオスカレー
「第2回護衛艦カレーナンバー1グランプリinよこすか」のカオスっぷりについては、ツイッターやfacebookであちこち拡散されまくっていると思う。
……ええ、行ってきましたとも。
人間様は横須賀基地に行く時、基地に隣接しているJR横須賀駅ではなく、歩いて15分ほどの場所にある京浜急行の汐入駅で降りている。
ここから米軍基地や潜水艦を見ながらゆるゆるヴェルニー公園を歩いていくのが楽しみなのだ。
ところが……。

……え?

なんじゃこりゃ?
駅を出たら見渡す限りの行列。
何かというとイベントのあるヴェルニー公園でなんかやってるのかと思ったら、基地からの行列がここまで来ているらしい。

ちなみにGoogleマップで示すとこんな感じ。
総監部の入り口からドブ板通りのさらに向こうまで、距離にして約1キロ。
しかも見ている間にもどんどん長くなっている。
後で聞いたら、最終的には2キロぐらいになってたらしい。
幸い友人と待ち合わせしていた関係で、ここまで並ばずとも入れたのだが、こんな狂ったような行列初めて見た。
なんでも、前日とかにテレビやラジオでばんばん宣伝していたらしいが、それにしてもおかしい。

中に入ってもこんな感じ。
大変なことになってるな……。
一応、報道関係の知人から関係者向けのカレー優先券をもらってはいるが、むしろカレーより艦が見たくて来たので、とりあえず一般公開されていた『あしがら』と『こんごう』にGO。

みんなカレーに行っちゃってるので、一般公開はご覧の通りガラガラでひゃっほう。
見学コースは上甲板だけだったけど、見放題、乗員さんに質問し放題ですごい楽しい。

なんか旗ロープにのぼりがはためいてる。

艦の横には10メートルぐらいありそうなこんな横断幕もぶら下げている。

左、カレー。右『あしがら』。

『あしがら』を降りてカレー。
中心にご飯、周囲の4つの部分に自由に選んで4種類のカレーを入れてもらう。
これがふたつで1セット(1000円)、合計8種類が食べられるが、今回、コンテストに参加しているのは15艦(正確には14艦+潜水艦部隊)なので、まず選択してもらえるかどうかからが勝負になる。




なので、行列に向かって各艦の乗員が全力で自艦カレーをアピール。
だがみんないろいろとおかしい気がするのはなぜ。



で、食べ終わったら次は『こんごう』。こっちもガラガラ。
実はこのカレーイベント、艦隊集合訓練のために多数の艦艇が集まって来る時期に合わせて開催している。
なので全部のヤードがにみっしり艦艇が停泊しているし、場所がなくて隣の米軍基地に泊めさせてもらっている艦なんかもいたりする。
ちなみに左の写真は『ひゅうが』ではなく『いせ』。『ひゅうが』はどこへ行った。

今回いちばんテンションが上がったのがこれ。訓練用標的。
これをロープにくっつけて艦艇がひっぱっていくのを、他の艦艇が目標にして射撃訓練をするという代物。
普段は積んでいないのだが、たまたま訓練用に佐世保から借りてきたのをそのまま展示しちゃってるらしい。

基地を出たらなんと入場制限をやっていた。どうやら行列が長くなりすぎて、警察が急遽警備誘導のために出動する事態になっていた模様。
実はヴェルニー公園でも小規模なカレーイベントをやっているのだが、基地に入るのをあきらめた人たちが軒並み流れ込んでくるため、こっちも大混乱になっている。
一体何事?
なんかもう、はっきり言って異常。
艦これあたりに萌えた勘違いした人たちが相当数押しかけてきてるだろうとは思っていたが、なんでこんなことになっているのか全く分からない。
中の人もうれしい一方で、かなり困惑していた。
なにしろカレーが全然足りなくなったので。
○おまけ

「危険ですから触ってはいけません」と書いてあるのをわざわざ「触らないでね(はぁと)」とフレンドリーに直す律儀さがいいと思います。
2週目の桜
いつもの桜の会
毎年恒例、今日は田戸台庁舎で海自横須賀地方隊の観桜会です。

並んでいるのは入り口で総監と幕僚長がひとりひとりに挨拶しているから。
この後も会の間中、ご挨拶や名刺交換を求める人に取り囲まれていた。
数千人の人員と広い敷地、いろいろな機械や施設を抱える横須賀地方隊は、地元の各種企業にとって巨大な取引相手であり、それを仕切る総監やナンバー2の幕僚長には、機会があればご挨拶をと思う人たちがいつも殺到する。
多分、偉い人になる時にはある程度社交スキルとかも学んだりはするんだろうけど、でも100人以上の素人さんに常に笑顔で臨機応変の応対を続けるって大変だなあと見てていつも思う。

桜は満開ではないが丁度良い咲き頃。
観桜会に出るようになって結構たつけど、これだけ咲いてるの見たの初めての気がする。

米海軍の人も招待されている。

はしだてはっぴを着て屋台をやっている特務艇『はしだて』の乗員。
『はしだて』は迎賓艇とも言い、例えば海外から来日した重要人物を招いて会場パーティをするためのいわゆるおもてなし船。
料理長はグラン・ボネっていうの? あの高い帽子をかぶった本格シェフだし、乗員はみんな帝国ホテルで接客訓練を受けてきている。
観桜会の料理も『はしだて』が一手に引き受けている。
ちなみに『はしだて』は迎賓艇以外にも、災害時等にけが人を収容する病院船としての役目もあるのは豆知識。

なので料理はいつも大人気。
特に今年は招待者の数が多いらしくて、料理があっという間になくなっていた。
そういえば会場もいつもよりごった返してた気がする。

庭のすみっこにあった穴。去年までこの位置に屋台があったので気付かなかった。
入ってみたら(たまたま近くにいた中の人が入れてくれた)、入り口からすぐに折れ曲がった通路が10メートルほど続いて、その先はやっぱり10メートル四方ぐらいの、かなり頑丈なコンクリートの部屋になっていた。
多分、構造からして防空壕じゃないかな。
この田戸台庁舎が鎮守府長官の官舎だったころ、家族や使用人が避難するのに使っていたんじゃないかと思う。
今も物置かなにかで使われてるのか、きれいに掃除されてた。
田戸台はその名の通り山の上にあるので、たどり着くまで風が強くてかなり閉口したが、敷地内はほとんど無風、でも日差しはポカポカで、しまいに暑くなった。
さすがは鎮守府長官の官舎だけのことはある。


