なんか軍系」カテゴリーアーカイブ

赤煉瓦とピンクの船の風景

 今日は呉で江田島見学研修。
 でも研修は午後からなので、午前中は呉地方総監部の見学に個人で申し込んで言ってきた。
 横須賀以外の呉、舞鶴、佐世保、大湊の各地方隊では、土日に艦艇や庁舎を一般公開していて、事前に申し込みをすれば見学できる。
 前は横須賀もやっていたんだけど、多分9.11あたりからなくなってしまった。


 赤煉瓦の庁舎。
 海軍兵学校と同じくイギリス製の煉瓦が使われていると長年思われていたが、実は秋津で作られた純国産だったことが最近判明したらしい。
 

 庁舎だけではなく、まわりの建物も割と赤煉瓦率が高い。
 それだけで絵になる風景だが、これをオフィスとして使うのは結構大変だろうなという気はする。


 玄関。
 残念ながら内部に入れるのはここまで。


 ファサードの三本の柱は毛利元就の三本の矢にちなむと言われているらしい。そして誰も信じていないらしい。
 多分、前を重厚にしたほうがバランスがいいとか、そんな理由じゃないかな。


 天皇陛下が来るというので大急ぎで作ったけど、結局陛下は脇の坂道を馬車で上ってきてしまったというエピソードつきの階段。
 今は呉花火大会の人気スポットになっているらしい。


 旧日本海軍地下作戦室への入り口。
 ここは総監部見学とは別の日に見ることができる。


 瀟洒な庭園。池には錦鯉が何匹も泳いでいたりする。


 紅葉しかけているのはすべて桜。ここも自衛隊基地の例に漏れず、隠れた桜の名所らしい。
 個人的にはその後ろのガントリークレーンの群れが気になる。

 時間にして30分。総監部の庁舎をぐるっと回っただけの短い見学だったが、説明が面白いので楽しかった。
 なぜわざわざ庭の池で錦鯉を飼っているのかという根源的な質問をしたくてたまらなかったのだが、外の見学者の目を気にして口に出せなかったのが心残り。

 まだ研修の集合期限まで間があるので、大和ミュージアムに行くことにした。
 最初は見る予定はなかったのだが、戦艦長門に関する企画展をやっていたので。


 長門いいよね。

 まあ会場が大和ミュージアムなので、正直規模は知れたものだったが、長門と大和の所有理由の差に由来する扱いの差など、明確に述べられていて面白かった。


 とりあえず定番のこれも写しておくか。


 そしてまだ時間があったので、鉄のくじら館も見てしまった。
 よく考えたら、せっかく近くまで行ったのだから、入船山公園あたり回ってみればよかった。

 そんなこんなで集合時間になったので、フェリーで江田島に向かった。


 これはフェリーではなく、たまたま山をバックに走ってきたタグボート。


 江田島ももう4回目ぐらいになるだろうか。


 おなじみ大講堂。
 坂の上の雲でも使われていた場所。


 今回はその舞台の奥まで見せてもらった。
 舞台の両側にある扉を開くと、華族など高貴な方々の待合室だった部屋に入る。
 このあたりからは一般の見学コースでは見ることができず、今回の研修限定となっている。


 さらに、赤絨毯の敷かれたこれまた見るからに高貴そうな階段を上ると……。


 皇族専用の待合室。
 ここだけ土足厳禁なので靴を脱いで入っている。


 壁には鈴木貫太郎の書。


 天井の金に糸目をつけてない感もすごい。


 待合室はキャットウォークに直結していて、ここから天皇や皇族は卒業式などを見ていた。


 それにしてもいい天気だ。
 いい天気過ぎて暑い。


「同期の桜」の歌の元になったとされる「貴様桜」(推定)。
 もう1本「俺桜」というのも別の場所にある。


 教育参考館(資料館)。
 藤田嗣治の門外不出の戦争画があるので楽しみにしていたのだ。
 あと、横山大観の2メートルぐらいある富士山の大作もあるんだよね。
 ほんと、写真を撮れないのが恨めしい。

 というわけで見学は終了。
 呉まで帰りまーす。


 港やフェリーから呉の造船所が見えるのだが、ショッキングピンクとしか言いようのない塗装の船が何隻も建造されている。
 すべて同型なので何かしら大量発注なのだと思うが、とにかく目立ちまくっている。
 調べてみたら、日本郵船・商船三井・川崎汽船による合同コンテナ事業のための船らしい。なぜこんなLCCのピーチみたいなショッキングピンクなのか……。


 もちろん海自の艦艇もちゃんといた。


 でもやっぱりショッキングピンクが気になる……。

F35とオスプレイを朝霞で見たよ

 風邪で先週熱を出していたのに、この陽気に朝5時半起きで陸自の観閲式に行ったら案の定また体調が悪くなったので、明日書きます。


 関東圏の地本ゆるキャラが大集合してたが、正直、他に金の使いどころがあるだろうという気もしないでもない。

 というわけで復活した。
 本来ならば陸自の観閲式は3年ごとなので、前回2016年の次は来年なのだけど、観閲式の会場になっている朝霞訓練場は2020年のオリンピックで射撃の会場に指定されてるため、来年からその整備で使えなくなってしまう。
 なので、通常なら観艦式だった今年と観閲式を入れかえるというイレギュラーな実施になっている。


 開始時刻は10時半だが、9時半過ぎにはもう受閲部隊が入場してくる。
 ちなみに今回もカメラはCOOLPIX P900。


 全部隊の最後に陸海空合同音楽隊が入場。
 若干明度を上げてあるので奥の海自、真ん中の陸自新制服、手前の空自の色合いの違いがはっきり分かるが、野外では特に海と陸の区別がほとんどつかない。
 袖口に派手な金の模様が入っているのが海自。
 ちなみに、後ろのバッグを抱えた部隊は防衛医大生。


 総理ヘリ到着。


 各自衛隊の偉い人やら議員のセンセイやらがバスで大挙して到着。
 ずらりと並ぶ観光バスがかなりシュール。


 観閲式指揮官が入場したので栄誉礼。
 左の写真に写っている小柄な学生集団は高等工科学校。右が防大。
 そういえば、近くの席に、「私にはミッションがあるから」とか言いながら超巨大ズームレンズでひたすら防大生を連写し続けているおばさんがいて、少々というかかなり気持ち悪かった。
 だって、式典に出席しているただの大学生を、赤の他人の中年女がズームで数百枚も連写してるんだよ。私が親だったらもう学校行かせたくない。
 そもそもなぜ並んでいるだけの学生を連写する必要があるのか……。


 観閲官の総理を迎えるために、儀仗隊が入場してきた。


 総理。


 儀仗隊から栄誉礼を受ける総理と……防衛大臣……?
 ところで、今度の防衛大臣て何やってた人なんだろう?
 今気付いたけど後ろの観客席に海外の武官がいっぱい座っている。


 この後、総理の長い巡閲とか総理の長い訓示とか総理の長い部隊表彰とかを経た後、ようやく行進準備のために一旦退場する部隊の皆さん。


 退場中の間を埋めるために、空挺が空から降ってきた。


 観閲台の正面に見事に着地。
 ちょっと転んだみたいに写っちゃってるが、ちゃんと着地している。


 空挺がパラシュートを片付けて退場すると、音楽隊を先頭に観閲行進が開始される。


 今回、対ゲリラ装備の部隊(普通科部隊の中の対ゲリラ部隊。覆面で有名な特殊作戦群とは違う)も行進していたのだが、全員の頭の上に暗視ゴーグルがぴょこっと飛び出しているのがものすごくシュールだった。


 習志野空挺団。
 水陸機動団のおかげでちょっと影が薄いけどがんばれ。


 ちなみにこんな感じで観閲している。


 海自。


 空自。
 そういえば、海自はゲートルつけてるけど空自は本当に平服に銃担ぐのね。


 女性自衛官。



 続いて航空部隊。陸自のヘリコプター各種。


 こうやって見るとUS2ってかなり細長いんだな……。
 船の機能も持ってるんだから不思議ではないか。


 P1。


 C2はやっぱりみんな内心ではデブだと思うらしい。


 空自の戦闘機はもっと飛んだんだけど、スピードが速すぎて追えない祭りだった。右が噂のF35。


 車輪を出しながら超低速で上空を通過するデモンストレーション。
 なんか脚長くない?


 最後に車両が行進。










 米軍からも祝賀飛行と祝賀行進があった。
 祝賀飛行はいつものオスプレイ。


 陸上は、日米双方の水陸両用車が並んで走る演出だった。
 手前が米軍。奥が陸自。

 これで観閲式は終了。
 後は太鼓や音楽のアトラクションと装備展示を見て帰ろう。


 ……と言いつつ自衛太鼓と高等工科学校のドリルは客席が混みすぎて近づけなかった。
 これは米軍の音楽隊。


 陸自の音楽隊。

 そして展示品装備の場所でも今年はミニコンサートをやっていた。
(そのかわり塹壕はなかった)


 世界のマーチをいろいろ演奏してくれる。


 気付くとゆるキャラがわらわら集まってきている。

 安定のというか、代わり映えのしないというか、まああまり奇をてらうものでもないのでこれはこれでいいのだが。
 そういえば、16式機動戦闘車(21台)と戦車(数忘れた)の物量に圧倒されていたけど、よく考えたら今年は土木機械や偵察用といった支援部隊車両が割と多かったような気がする。
 支援車両も面白いんだよね。

○おまけ


 自衛隊グッズにしてはセンスのいいフェイスタオルがあったので、思わず買ってしまった。
 刺繍の絵柄がワンポイントで入っているだけなので、どこにでも持っていける。しかも安定の今治製。
「いずも」と10式の2種類。

演奏会でバストロンボーン見てきた

 東部方面音楽隊の定期演奏会に行ってきましたが、その後飲んだせいかどうしても寝てしまうので、明日書きます。


 とりあえずプログラム。

 というわけで、今回行ったのはまじめな方の演奏会。
 今回は70回記念ということで、音楽隊が委託して作ってもらったオリジナル作品の特集だった。なので知らない曲しかない。
 しかしなぜ陸自の委託曲でモアイやセイファート銀河なのか……。

 自衛隊用の曲だからかどうか知らないが、なんというか、どの曲もどこかで聞いたような似たようなパターンを組み合わせていることが多いと思った。
 もちろん、1曲1曲はそれぞれ違うのだが、まとめて聞いた時に感じるのは、吹奏楽オリジナルの曲はバリエーションに乏しい? というもの。
 吹奏楽は自衛隊のしか聞いてないから、吹奏楽のバリエーションを知らないだけなのだろうとは思うけど。


 アンコールまで徹底してオリジナル曲だった。
 上のは隊員が作ったもの。
 

総火演(予行)を見てきたよ

 朝の富士山。


 うん、やな感じに雨の予感。

 午前中に総火演(予行)、夜からは夜間があるのだが、台風20号の影響で御殿場も雨予報になっている。
 基本的に総火演は風雨程度ならそのまま決行するが、台風に伴う大雨となると話は変わってくる。例えば見学者が帰れなくなったり、途中で災害に巻き込まれたりする可能性を鑑みて中止ということもありうるのだ。
 まあ昼は大丈夫だろうが、夜はどうなるかわからない。


 会場ではせっせと整地中。


 雨が降るけど水をまく。


 今日もP900を使用。
 大涌谷の噴気孔みたいになっているが、目標を説明するために撃ち込まれた発煙弾。
 距離約3キロ。


 まずは前段の主要装備動作紹介。これはFH70の発射作業。
 射手の手元まで見える。写っちゃいけないものまで写るのではないかとドキドキする(このあたりは多分大丈夫なはず)。


 空中で炸裂する砲弾と、その衝撃波で泡立つ地面。
 直接地面に着弾しなくても地上にあるものを破壊するのは可能というのがよくわかる。


 チヌークから出てきた小火器部隊。


 87式対戦車誘導弾。
 砲口から砲弾を装填し、発車直前まで支えているのだが、踏み台にしているカゴがどうしても気になる。


 ちょこんと頭を下げて発射。


 狙撃兵。後ろにいるのは観測手。
 偽装が完璧すぎてまさかのピントが合わない。


 機動戦闘車登場。
 去年は走り回るだけだったが今年は撃つ気満々。


 撃った。


 砲塔を真後ろに向け、全力で逃げながら最後っ屁をする図。
 上の写真と車体の向きが逆になっている。


 恒例の戦車。
 しかし今回は10式と90式だけで、74式が登場しなかった。
 まあ、すでに主力は10式になっているし、戦車戦力そのものが削減に向かう方向の中で、旧世代もいいとこの74式の出る幕はもうないのかもしれない。
 ちょっとさびしいけど。


 空挺降下をやろうとしばらく雲の中をうろうろしていたけど、あきらめて去っていったチヌーク。
 これも3キロぐらい距離があったかもしれない。



 休憩時間中、後段の戦闘展示に備えて出てきた皆さん。
 シナリオはいつもと同じ島嶼奪回だが、今回は新編成の水陸機動団による強行上陸と、彼我のネットワーク妨害戦の要素が加わっていたのが新しかった。


 距離測定作業(多分)。


 ボートで上陸した水陸機動団が上陸に使ったボートを隠すという設定で、ボートを持って草陰から出てきたと思ったらまたすぐに去っていった皆さん。
 ビジュアルがシュールすぎる。


 そしてお互いに支援しあいながら前進を開始する。


 かっこ悪い水陸両用車来た。


 少しでもかっこよくしたくて兵士と一緒に撮ってみるのだが、どうしてもかっこよくならない。
 ちなみに画面が荒れたように見えるのは、この時土砂降りになっているから。


 UH-60とチヌークの着陸も水しぶきで大変なことになっている。


 走る兵士。


 2台がタッククロスみたいに猛スピードですれ違いながら1台が砲撃をする……のだが、シャッタータイミングを完全に間違えてただすれ値合うだけの写真になってしまった。
 この後も機動戦闘車は会場中を縦横無尽に走り回り撃ちまくっていた。
 多分今回の主役は間違いなくこれ。


 ギャリッ!(擬音)


 やっぱりそろっていない10式の一斉砲撃。


 そして出番が終わると10式と90式はどんどん道を上がって退場してしまった。
 どうやら効果拡張(フィナーレ)には参加しないらしい。


 そして戦車以外の車両でフィナーレ。
 ヘリの航過もややタイミングが遅れたため、かなりしょぼい感じになった。

 機動戦闘車の大活躍のおかげで派手な印象だったが、プログラム全体として見ると予算減ってる感がする展示だった。
 政治家とか一般人向けを圧迫するぐらいいっぱいチケット持ってってばらまいてるんだから、その分もっと予算増やしてやればいいのに。
 特権だけほしがってないでさ。

 その後、雨が強くなって夜間は中止になった。
 まあこれはしょうがないな。

戦車に乗ってきたよ

 毎年恒例の総火演研修。
 今日は駒門駐屯地に見学に行ってきた。
 多分今回で4回目ぐらい? でも毎回見せてもらえるものが違うのでそれはそれで楽しい。


 と言いつつ最初に連れて行かれたのは前にも来ている資料館だった。
 山下奉文の書。なんとなく文字がかわいい。
 ちなみに今回は全部の写真を前回の観艦式以来しまいっぱなしだったCoolpix P900で撮っている。


 10式。


 の隣にずいぶんとコンパクトな感じでしまわれている74式があった。
 こんなしまい方できるんだ……。


 なんとなく万歳してる感じの短SAM(対空ミサイル)。


 車のベースは日産のオフロードカーの近SAM(対空ミサイル)。


 ……を見ていたらP2がパラシュートを引きずりながら演習場のほうへ飛んでいった。
 数キロ離れているのだがP900の威力ですぐ近くにいるみたい。
 でもやっぱり手持ちだと被写体を捉えておくのが一苦労。


 そして最後に74式の体験試乗。


 の前に例のキャタピラダンスパフォーマンス。
 地面に近い場所から撮ると結構な迫力がある。


 そして体験している隣では戦車の教習をやっていた。
 れっきとした静岡県指定の自動車教習場なんだって。

 当然と言えば当然だが、今日は平日なので、見学している脇ではこんな風に隊員さんの日常がある。
 休日のイベントでは見れないその日常をちょっと垣間見ることができるのも、こういう見学の楽しみだったりする。

英軍ミリメシ食レポするよ

 そういえば、先日見に行った『アルビオン』でこんなものをもらっていたのだった。


 試食コーナー近くでいろんなレーションを箱から出してる人がいたので、たまたま目についたのを指して「これなに?」と聞いたら「パスタソース。持ってっていいよ」と言われた。

 ここを見た後で「こういうのをもらっていた人がいた、自分も欲しい」などと乗員にだだをこねる人が出ると困るのであえてエントリーには載せなかったのだが、海外のミリメシなんて初めて。


 パスタソースということだったので、これを用意。
 1袋150グラムって1人用として多いのか少ないのか。
 普段パスタは作らないので分からない。まあ全部ゆでてみよう。


 調理方法が書いてないけど、多分沸騰したお湯に5分とかでいいんじゃないかな。


 やっぱり150グラムは1人用としては多かった模様。ソースも量が多いので結果としてバランスは取れているが、どんぶり飯みたいなビジュアルになった。
 食べきれるんだろうかこれ。
 適当なハーブがなかったので乾燥三つ葉を散らしてみた。さてお味はどうかな?

 ……甘い。

 甘い。とりあえず甘い。
 ポテトとビーンズ、トマトという組み合わせから日本人が連想する味の許容範囲を軽く越えてきている。
 これはやばい。これをおいしいと思って食べるイギリス人やばい。


 本当はソースが欲しかったのだが、切らしていたのでかわりにマヨネーズをかけてみた。
 要するに何でもマヨネーズ味にしてごまかして食べる作戦に出たのだが、そうしたらなんだかお好み焼きの感が増してきてこれはこれで納得がいかない。

 まあ何というか、いい経験ではあったと思う。うん。
 今度食べる機会があるなら絶対別の物にするけど。

女王陛下の揚陸艦見てきた

 晴海に来ている『うらが』とイギリス海軍の『アルビオン』を見てきた。
 実は今日は海自と米軍のよこすかサマーフェスタでもあったのだが、どうせ公開するのは知ってる艦だろうし、毎年やってるサマーフェスタと次いつ見れるか分からないイギリス海軍だったらイギリス海軍見るわと思っていたのだが、実は米軍では『ブルーリッジ』も公開していたことを後で知った。
 また見損ねた……。
 ……横須賀に来た空母は『インディペンデンス』以外全部見てるのに、もう20年以上も居続けている『ブルーリッジ』はいまだに1回も見れてないとか、おかしいよね?


 というわけで晴海のターミナルごしに見える『アルビオン』。海自で言うとおおすみ型にあたる。全長は海自のおおすみ型と変わらないが、ずんぐりしていて座高が高いので相当でかく見える。
 築地から横着してタクシーで行ったんだけど、恐らく艦艇とか全く興味がないであろう運ちゃんが、道路からこれが見えた瞬間「うわぁぁぁぁ! すごい!」と大喜びしていたのが微笑ましかった。

 ちなみに12時公開のところ11時に行ったのだが、すでに100人以上が並んでいた。


 そして、『アルビオン』のみ公開開始が1時間遅れて13時からになったため、再び並び直す。
 でもまわりの景色を眺めていたりすると結構気が紛れるし、とにかくみんなわくわくしているので、待たされている割にはなんとなく楽しげな雰囲気が漂っている。


 13時に公開開始。
 興奮していて入り口の写真を撮り忘れたのでいきなり艦内。高さ3メートルぐらいある巨大なビークル。馬力に任せていろんなものを押して上陸させてしまうらしい。
 運転席の下ぐらいまで海につかっても平気って説明の兵士の人が言ってた。


 全体像はこう。


 これも揚陸用ビークル。
 運転席と貨物スペースを連結する自衛隊にはないタイプ。
 この時は全体像を撮り忘れているが、後で同じタイプのが山ほど出てくる。


 通信用機材一式。お触りオッケー。
 そばにいた兵士の人にこの装備は陸軍? 海軍? って聞いたら海兵隊だよって言われた。
 すみません、日本に海兵隊ないんで頭に浮かびませんでした。


 正面から見てローラーだと思ったら、実は自分で鉄板を敷いてその上を走る奴だった。
 多分、車輪が沈み込んでしまうような不整地にこうやって車が走れる通路を作るんだと思う。
 これも自衛隊では見たことないな。


 船尾側の左半分にはいろいろ車両が並んでいた。
 おおすみ型と同じで、船尾が開閉してそこから上陸用舟艇とかを発進させられる。


 で、これが右半分。
 単なる上げ底かと思っていたら、上陸用舟艇を2隻つなげて展示スペースにしていたのだった。
 ちなみに海自みたいなホバークラフト型ではなく、砂浜に乗り上げると船首がパタンと倒れて通路になる良くあるタイプ。

 
 甲板への移動はエレベーターや階段ではなく、こんな感じの坂道の通路を使う。結構傾斜厳しい。


 後甲板。
 これが連結型のビークル。狭いけど座席はちゃんとクッションがついてるので割と乗り心地は良さそう(ただしエアコンはない)。


 これは似たようなのが陸自にあるな。


 ところで、この艦では甲板の縁に柵もロープもない。
 実際には下にキャットウォークがあるので海へ真っ逆さまとはならないが、それでも自己責任感半端ない。


 服とか装備。



 気象観測用気球、簡易風力計、海に投げ込んで海水の温度を測るやつ。
 揚陸前の情報収集用だって。
 なんのことはない機材なんだけど、自衛隊はこういうのは見せてくれないのでむしろ物珍しくて面白い。
 ちなみにこのへんの写真が赤っぽいのは、天幕の中で展示しているから。


 多分お客様用のテーブルセットとメニュー。真ん中に置いてあるのはブレッド。ネズミの飾りがかわいい。


 船体が壊れて水が入ってきたらこうやって木のくさびを打ち込んでふさぐんだよ、という実演。
 実際にはこの上にさらにおわん型の密閉容器をかぶせてつっかい棒で固定して水をブロックするらしい。
 海自でもこういうのやってみせてくれるといいのに。なんで艦内に木材が置いてあるのか不思議がってる人結構いるから。


 形は同じだけど赤十字が書いてあるところを見ると医療用らしい。


 これは……あの有名な、森羅万象全てがこれひとつで補修可能という万能の存在、ダクトテープ……?



 そして大人気の触って持てる武器展示コーナー。
 自衛隊は左巻きに配慮してやらなくなってしまったが、イギリス海軍はそんなこと関係ないので好きなだけ触らせてくれるし、扱いも教えてくれる。
 大きいお友達から小さいお友達まで、もうみんな目がキラッキラしている。


 海兵隊の出動時の荷物大公開。
 これを全部背負って持っていくんだとか。重さは実に60キロ。


 そしてたとえレーションといえどもイギリス人は紅茶を入れずにはいられないのであった。


 ちなみにレーションもそのまま食べれるものは試食させてくれた。これも武器展示とは別の意味で大人気。特に子供なんか離れようとしない。
 イギリスの食事はまずいそうだけど、どれもなかなかおいしかった。でも袋に入った粉末のトロピカルジュースをおいしいかどうか尋ねたら、んーまあそこそこ? みたいな実に微妙な雰囲気の返事が返ってきたので、もしかするとおいしいのばかり食べさせてくれてるのかもしれないとちょっと思った。


 ぶら下がってた上陸用舟艇。


 これもいじらせてもらえた。


 CIWSってほんとどこにでもいるね。


 艦首のユニオンジャックと、その先に見える『うらが』の構造物。


 生活感……というんじゃないけど日常感あふれてる。
 まあ片付けようがないというのも事実なんだけど。


 エンブレム。かっこいい。

 外国艦艇はいくつか見てきたけど、今回の『アルビオン』は確実にトップレベルの展示内容だった。
 揚陸艦でスペースに余裕があり、展示できる機材も多いというのもあるんだろうけど、機密とか配慮とかを口実に自衛隊や米軍からいつの間にか消えてしまった「見学者を楽しませよう」という心意気を久々に見たという感じがした。

 そんなわけで堪能したので次は『うらが』に向かう。
 とはいえ『うらが』は最近何度か見ているので、あまり目新しい物もない。


 なんでカモメって等間隔でとまるんだろう。


 どこで使うのか謎な巨大足拭きマット。


 風がいい感じに自衛隊旗をはためかせている。
 横に見えるのは『アルビオン』の正面顔。

 艦長はまた解説をしているかなと思ったら、自ら連絡役であちこち行ったり、埠頭でカラーコーンの位置を直したりとまめまめしく働いていた。
 そして、そんなことをしているおじさんがまさか艦長だとは誰も気付いていないのだった。


 最後に『アルビオン』の尻を撮って見学は終了。

 でもまだ時間は3時。
 そういえば上野の東京都美術館で藤田嗣治展をやっていて、めったに見れない戦争画もいくつか今回展示されるらしい。
 よし今から見に行こう。


 というわけで来た。
 17時半閉館なのを20時までやっていると勘違いしていたので、かなり駆け足で見ることになってしまったが、目的の戦争画は見れたのでまあ良かった。
 といっても、出ていたのは「アッツ島玉砕」と「サイパン島同胞臣節を全うす」だけだったけど。どちらも一度見たい絵だった。
 2点とももっと鮮烈な陰影や立体感がある作品のイメージがあったが、実際には両方ともどちらかといえば平面的な押さえた感じで描かれているのが意外だった。


 そして藤田嗣治までマスコットにしてしまう日本の恐ろしさよ……。

 さらにこの後国立博物館の常設展示も見に行ったんだけど、さすがに疲れたのか集中して見れなかったのでほどほどで帰ってきた。

○おまけ


『アルビオン』でビークルの運転席に座って車載機関銃をいじくっていたら、袖口に染みがついてしまった。
 近くのスーパーで買った「トップ 染み取りレスキュー」で取れるかな……。


 取れた!
 まだ少し残っているけど、ハイターで漂白すればなんとかなりそう。

 というわけで、車載機関銃の汚れは市販の染み取り剤で取れるから参考にしてね。

祭りじゃないほうの定期演奏会聞いてきた

 東部方面音楽隊の定期演奏会に行ってきた。
 祭りじゃなくてまじめなほう。


 例によって演奏中は撮影禁止なので開始前。
 でもこっそりスマホで隠し撮りしてるじじいとか実は結構いるんだよね。
 自分の欲望に忠実な性格してるっていうのがすごく分かりやすい。


 プログラム。
 前半はクラシック、後半はミュージカルやアニメのメドレーでまとめた2部構成。

 なんというか、非常に聞きづらかった。
 弱音の時はまだいいんだけど、強音になるとただガチャガチャして聞くに堪えない。はっきり言うと、プロの吹奏楽団の演奏じゃないなあと思った。
 ラストのラ・マンチャの男はさすがにこなれていて、さらに隠し球こと声楽もできるトランペット担当の二曹のテノールが炸裂したのでなんとか格好がついたけど、一番盛り上がったのが結局アンコールでこの二曹が歌った「誰も寝てはならぬ」だっていうのはちょっと恥ずかしいんじゃないかな。

7周年の混成団見てきた

 武山の東部方面混成団創立7周年記念行事に行ってきた。
 ついこの間できたばかりだと思っていたら、もう7周年なのか。
 そりゃ年取るわけだ。

 混成団というのは、教育隊と即応予備自衛官の部隊をまとめてひとつの団にしたもの。
 今年から神奈川県の防衛や災害派遣を専任で担当する(警備区域)ことになったため、より地域密着の度合いが増している……と思う。多分。
 でも、だからといって行事のプログラムが変わるわけではない。


 観閲の指揮官に敬礼。


 観閲官(混成団長)の巡閲。

 この後、団長の式辞や来賓の祝辞や来賓の紹介や祝電披露やいろいろ続く。
 横須賀市長以外の周辺の首長や国会議員がことごとく代理様なのにはちょっと笑った。
 横浜市長代理なんか祝辞の代読に舞い上がって、読んでる間自衛官に休めさせるの忘れているし。


 そんなわけで観閲行進。
 公的に神奈川の担当になったので、神奈川県旗が先頭で行く。


 続いてくるのが教育隊の行進。人数約900名。
 例によって家族に晴れ姿を見せるために全員がしている。
 今年4月に入隊した子たちの部隊とかもあって、姿勢とか銃の担ぎ方とかばらばらなんだけど、それでも一生懸命頑張っている感が微笑ましい。


 女性部隊。


 車両行進。


 戦車来た!
 実は、今年で戦車の教育は混成団を離れ、富士学校に統合される。
 統括部隊でない部隊の車両はこういった行進には来ないので、混成団の行進で戦車が見れるのは今年が最後。

 これで行進は終了。
 次からは訓練展示が始まる。


 教育隊女子の合唱。


 教育隊男子の自衛隊体操。
 覚えてなくてまわりを伺い伺いやってた子がいたのがちょっと笑った。


 高等工科学校のドリル。


 74式のぐにぐに姿勢変更。


 訓練展示のトリは模擬戦闘。
 写真には撮らなかったが、会場内に設定された敵陣地を攻撃、制圧するのがシナリオ。
 ヘリから偵察員が降下するところから始まる。


 流し撮りに失敗したバイクの偵察隊。


 偵察の情報を元に、迫撃砲部隊が陣を張る。


 そして土煙を上げてやってくる戦車。
 この後、味方2両、敵1両の戦車同士が数十メートルを隔てて空砲をドカドカ撃ち合うすごい展開になる。


 ちなみに敵戦車はこの後の体験搭乗イベント用のカゴをつけて戦闘してた。


 制圧に向けてやってくる歩兵車両。


 味方の支援砲撃であたりが煙ってくる(実際は発煙筒)中、張られている鉄条網を開削するために、破壊筒を持って敵陣に向かう爆弾三勇士施設科部隊。


 鉄条網が破壊されたのを確認して歩兵部隊が近づいていく。
 発煙筒炊きすぎ。


 そして突撃。

 今年は火砲部隊が出ていなかったのだが、演出はものすごい派手だった。

 この後の装備展示も見たかったのだが、実はこの日は横須賀でお祭りをやっており、道路事情的に武山のあたりも大渋滞する予感しかなかったので、あきらめて早めに撤収した。

○おまけ

 京急三崎口駅が別の物に変わっていた。

かしま料理を食べてきた

 練習艦『かしま』の実習航海前の艦上レセプションに行ってきた。
 防大や一般大学を卒業して1年間の海上自衛官教育を受けた幹部候補生が、『かしま』他の練習艦隊で数ヶ月の海外航海に行くのが実習航海。このレセプションは、日本を出発する前に、お世話になった皆さんをご招待すると同時に、ぶっちゃけると、その招待客を練習台に、候補生たちが、海外の寄港先で開かれるパーティーでのホストとしての振る舞いを経験するための場でもある。
 なので、艦に乗った瞬間から、受付、会場へのエスコート、話し相手等々いろんな所で候補生に貼り付かれることになる。
 ……はずなのだが、今回は候補生はホスト勤めは必須ではなかったらしく、まじめに接客していた子たちがいる一方で、彼女を招待していちゃついていたり、招待客そっちのけで並んだごちそうをぱくついていたりと様々な候補生模様があった。
 まあこれは自衛官に限らず新入社員全体に言えることだけど、彼らが「自分のふるまいは必ず他の誰かから見られている」ということを実感として学んでいくのは、多分これからなんだよね。


 舟盛りとウェルカムコンサート。
 左端の外国人にも受けそうなかわいらしい和菓子がおいしそうだったのだが、うっかり食べ損ねた。


 カナッペ。


 今年はスイカのカービングが増えていたフルーツ。
 このカービングした奴終わった後どうするんだろう。中の人が食べるのかな?


 こっちは寿司とか揚げ物とかサンドイッチとか。

 このほかにおでんとカレーと天ぷらと焼き鳥の屋台が出ていた。
 大雨で比較的来た人が少なかったせいか、なくなることもなく食べたいだけ食べれた。


 雨の中電飾された『かしま』。
 変な風に切れているのは横須賀駅から撮ったから。