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16℃→30℃

 6/25、26と立山に旅行に行ってきたので、後追いでアップします。

 立山2日目。
 旅先では早起きするに限ると信じているので、朝6時に起きて6:45に朝食バイキングが開くと同時に朝ご飯を済ませた。
 そして、まだ人がいないであろうあたりを歩く事にした。


 昨日のみくりが池とは反対側に行ってみる。とはいえ風景はこれ。何も見えない。

 足元は残雪で不安定だし周囲には本当に誰もいなくてひとりぼっちだし、除雪の重機が走る音しかしないし、転びでもしたら絶対やばいやつ。
 戻ろうか行こうか悩んだが、少しガスが晴れてきて、もう少し歩けば雪もなくなるのが分かったので、そのまま行くことにした。
 そしてホテルの近くまで戻ってきたところで、「ゲー」というオスのライチョウが出すダミ声が近くから聞こえてきた。見回すと、また数十メートル離れた岩の上で、オスが仁王立ちして見張りをしている。
 写真を撮ろうとしたらぱっと飛び立ってハイマツの茂みに飛んでいってしまったので、人を恐れるライチョウもいるのか……と思っていたら、数分後に数羽のカラスが近くにやってきた。もしかすると、これを察知して逃げたのかもしれない。
 昨日の生姿に続いて生声まで聞いてしまった。
 ライチョウは天敵に襲われる危険の少ない天気の悪い日に良く出てくるそうなので、昨日今日の天気の悪さが幸いしたのかもしれない。

 で、ホテルに戻ってしばらく時間を潰し、ライチョウ探し散策に参加しようとしたら、いつの間にか外は雨。しかも本降り。
 雨だけならともかくガスもひどくなってきていて、これは歩いても何も見えないだろうということで散策は中止、かわりにホテルの隣にある自然保護センターでいろいろ見ることになった。


 立山も仏教の場として開かれてきた山になる。
 これは立山各地を天国や地獄に見立てた立山曼荼羅。富山の薬売りの人がこれを携えて全国を回り、立山信仰を広めたらしい。
 そのおかげで、明治の廃仏毀釈までは立山は日本の三大聖地と言われるまでになった。
 確かに、言われてみたら、地獄に見立てた火山地帯の隣に浄土に見立てた青く美しいみくりが池がある位置関係って、恐山と同じだわ。


 ジオラマ。


 ニホンライチョウ(中央)と世界のライチョウたち。
 全部実物大。後ろの方の巨大なのはヨーロッパのライチョウ。キジ? と思うような外見だが、実際ライチョウはキジ科らしい。
 昔はクリスマスとかに七面鳥の代わりに食べられたりしていたんだって。
 なお上野や那須どうぶつ王国で見たスバールバルライチョウは、ニホンライチョウの仲間にあたる。


 かわいい。


 かわいい。どうやったらこんな写真が撮れるんだろう。

 1時間ほどセンターを見ていたら雨が上がってきたので、またみくりが池あたりまで散歩することにした。
 いや、結構時間が余りまくってるのよね。他に行く所ないし。


 こんな感じ。
 この頃になると10時を過ぎていて、下からの観光客も大勢上がってきているので、さすがにライチョウはもう出てこなかった。
 いやーでもこんなに見れるとは思わなかった。願わくばもうちょっと近くだったら良かったけど、でも全然見れなかった参加者の人もいたので、かなりラッキーな方だと思う。

 この後、ホテルで早めの昼を食べて扇沢方面に向かって出発。
 今度は雷まで鳴る大雨になている。下は大丈夫かこれ。


 まずは室堂から大観峰まで電気バス。去年までのトロリーバスからチェンジした。
 なお、正面のエンブレムはトロリーバスからはずしたものをそのまま使っているらしい。


 すれ違いまーす。


 天井にはまだトロリーバスの電線設備が残っていた。


 大観峰から黒部平までロープウェイ。ここでも土砂降り。
 この先黒部ダムで結構歩くんだけど大丈夫かこれ。


 黒部平では少し雨がおさまっていたが、まあこんな調子。


 と心配していたら、黒部ダムはぱらつく程度になっていた。山の天気ってほんと分からない。


 今日から放水開始したてのほやほやダム、


 山水画みたい……。


 反対側から。


 放水口。
 去年痛い目にあったので、今回はぎりぎりまで粘って走るのではなく、早々にきりあげてゆっくり歩いて集合地点まで向かう事にした。

 
 平日だからか、重機が何やらダム湖で作業をしている。
 近くまで見に行ったら、流木の引き上げと処理だった。
 湖面にあった時はそれほどの大きさには見えなかったのに、こうやって引き上げられると絵結な巨木が多い。一体どこからどうやってここまで流れてくるのか知りたい。

 この後、扇沢まで電気バスで降り、そこから別のバスで長野駅に向かって新幹線で帰宅。


 途中、二重な上にきれいな半円を描いた虹が見えた。
 ここだけ見ると完全な青空だけど、ちょっと前までは雨降ってたのかな。

 なんだかんだで見たい物が全部見られてとても楽しかった。
 今度はヒナとか冬毛とか見たいけど、多分チャンスはもうないだろうな。

30℃→16℃

 6/25、26と立山に旅行に行ってきたので、後追いでアップします。

 今回使ったのは、室堂にあるホテル立山に一泊しながら立山黒部アルペンルートを通り抜けるというツアー。
 当然ながらめちゃくちゃお高いが、ホテルでは自由参加で雪の大谷散策と夜の星空鑑賞、室堂付近のライチョウ探し散策に参加できる。
 そう、星空とライチョウが見たくてこのツアーにしたのだ。どうせこんなところに泊まるのも一生に一度だろうし。
 なお、雪の大谷は6/25まで、ライチョウ探しは7/1まで、黒部ダムの観光放水は6/26からなので、実は6/25、26で日程を組むとかなりお得にいろいろ見れるのだ。
 ……もちろん、天気がなんとかなればの話だけど。


 そんなわけで、今回は立山駅からスタート。
 まずはケーブルカーに乗って美女平駅に向かい、そこからバスで一気に室堂まで上がる。
 その標高差実に2,000メートル。高山病が心配。


 立山のケーブルカーは、後ろに荷台がついているのが特徴。


 そして線路はやっぱり急だった。
 そういえば、ケーブルカーの線路のそばにスイッチバックの線路が見えたけど、あれなんだったんだろう。


 美女平でチャーターバスに乗り換えて室堂へ。
 これは途中に見えた称名滝。落差350メートルで日本一とのこと。10万年ぐらい前は立山駅のあたりにあったのが、延々と谷を作りながら後退し続けている。


 なお天気は曇り。もともと雨が降り出す予報だったので、まだ降ってないだけラッキーとしよう。
 星空はすでにあきらめている。


 上がっていくにつれて、残雪や雪渓が多くなってきた。
 あと、樹木も段々まばらになっていく。
 ちなみに、立山から室堂までの道路は途中から有料道路になっていて、料金は路線バスのチャーターで5万円かかるらしい。
 あー今回のツアー、ホテル代を差し引いてもやたら高い訳がわかったわ……。


 これが雪の大谷。4月の開通から2ヶ月たってだいぶしょぼくなってしまっている。


 室堂に到着。
 天気は……うん、まあいいや。

 さすがに1時間ちょっとで2,000メートルを上ってくると体がおかしくなる。
 頭痛は特にしないので高山病というほどではないが、何となく全身が重くてすぐ息が切れる。あと、ちょっとした階段が実にきつい。
 去年扇沢側から来た時はこんな風にはならなかったのだが、考えてみたら、あの時は混雑もあって、各地点の乗り物の待ち時間が相当長かったから、あれがいい高度順応になっていたのかもしれない。

 とりあえず立山ホテルにチェックインしてから、しばらくフリーの時間があるので、室堂のあたりを歩いてみることにした。


 結構雪が残っているが、これでも溶けてしまった方らしい。
 この時点で16時。室堂から下に降りる最終バスが16:20なので、歩いているのは宿泊者だけ。実に静かで心地がいい。
 それでも中国人はいるんだけど。


 高山植物が結構咲いている。


 みくりが池は雪に覆われていた。
 写真だと分かりにくいが、雪から湯気がさかんに上がっている。空気中の水分が雪で冷やされて湯気になっているらしい。
 そういえばこの日の気温は16度でちょっと高い。


 ライチョウがいた!
 時々こちらを眺めながら、草の斜面をのんびり歩いている。
 距離にして数十メートルぐらい。ライチョウは人を恐れないので、場合によってはすぐ足元まで出てくることもあるらしいが、この時は結構離れていた。
 でも見れたからいい。もうミッションコンプリートでいい。


 メスもいる! つがいだ! むくむくしていてかわいい!
 この時期はメスは産卵から抱卵に入っていることが多いので、つがいで見られるのはとても珍しいらしい。


 なんかオスがディスプレイを始めたぞ。まだカップルになって間もないのかな?


 ツーショット。メスがピンボケになったのが実に惜しい。
 なお丁度シャッターを押す瞬間に身震いしたのでもわもわになっている。かわいい。


 そしてメスは草の陰に入っていき、見えるのはオスだけになった。
 なお、写真には撮れなかったが、このほかにもう1羽、別のオスが飛んでいったので、計3羽見れた事になる。

 いたのは10~15分ぐらいだろうか。堪能してしまった。
 そして興奮のあまり、ピンボケ写真を量産したのはまたいつもの通り。


 みくりが池には雪のかたまりが氷山みたいに浮いている。


 地獄谷はまだ閉鎖中だった。いつか行けるようになるのかなあ。

 満足してホテルに戻り、次は雪の大谷のガイドつき散策。
 最終日の夕方なので、もう看板とか観光用のものは全部はずしてしまい、ただの残雪の壁でしかないが、それでもまだ6メートルほどの高さで残っている。


 ここも高山植物。
 あと、ツバメがたくさん飛んでいる。
 速すぎて全く撮れなかったが、我々が良く見るコシアカツバメではなく、もっと小型のイワツバメだった。


 まあこんな感じ。
 開通した時は16メートルだったから、この倍以上の高さがあったことになる。
 縞模様になっている横線の1本1本が雪の回数。

 ガイドさんが先祖代々立山のガイドをやっているという人で、雪の話とか立山の成り立ちとか、いろいろ話が面白かった。

 そして夜の星空鑑賞。
 見てのとおりの曇り空だったので、ガイドさん付きの説明会も中止。早々に諦めて風呂に入って寝る支度などしていたのだが、ひょいと窓から外を見ると、昼間はガスで見えなかったふもとの富山の街の明かりがはっきり見える。
 これはもしや、と思って慌てて着替えて夜間も出入り可能な屋上に飛び出すと、満天……とは言いがたいが、昼間の曇りが嘘のような星空が広がっていた。
 わー!


 かなり頑張った富山の街と星。右の建物はホテル。


 山の稜線から立ち上がる天の川と星。


 雄山かな……良く分からない。


 天頂付近。

 いつまでも見飽きなかったのだが、さすがに気温が低いし風が強くて湯冷めの危険があったので、30分ほど眺めて中に戻った。

 ライチョウも見たし、星空も見たし、気付けば初日で目的を全部達してしまった。
 明日は朝からライチョウ探し散策だし、また見れたらいいな

神様と歴史の旅

 6/18から自衛隊の見学で九州に来ていますが、PCの調子が悪かったため後追いでアップします。

 というわけで九州の自衛隊基地見学。
 いつもは気候の良い秋にやっているものなのだが、今年はなぜか6月になった。天気予報では30度越えとかで、地獄の予感しかしないがまあしょうがない。
 毎回その地方の陸海空の基地をひととおり見学するのが恒例になっていて、今回も18日は空自の新田原基地に行く予定だった。が、先月の練習機の墜落事故の影響で直前で中止。
 もう今は小松基地に移動しちゃったけど、にゅーたはアグレッサー部隊がいたからちょっと憧れてたんだよね。

 で、にゅーたの代わりにどこに行ったかと言うと……。


 霧島神宮に来ました。

 さすがに1ヶ月足らずで他の基地への変更もできなくて、結局名所旧跡見学日になった。


 曇り気味で天気は良くなかったのだが、展望台から桜島も見えた。
 多分噴火してる。


 なんかいっぱい咲きかけてた。マイヅルテンナンショウというらしい。

 霧島神宮の次は、都城歴史資料館にやってきた。


 なんだか城っぽい外観だが、実際にこの資料館は都城という城の跡に建っている。

 都城は縄文時代から人が住んでいて、鎌倉時代以降は後に都城島津氏と呼ばれる島津の傍流が大規模な城塞を築いて拠点としていたそうな。
 そんな古代から現代までの発掘品や資料をまとめて展示してある。
 資料館そのものが小さいので展示数もまあそこそこ? なのだが、やっぱり関東ではなじみのない感じの歴史なのが面白い。そういえばこのあたりは熊襲の土地だったな。
 あと、この地方独特の埋葬方式を、上野のDNA展でも見ていた。

いにしえホテルの百段の階段

 目黒のホテル雅叙園の百段階段の「時を旅する福ねこ at 百段階段」を見に行ってきた。
 例によって行きたがる母親につきあう妹に誘われたのだが、実は現地に行くまで百段階段が何のことやら、何があるのか全く知らなかった。
 そういえば、持ち主の中国系ファンドが突然9月から閉館と言い出して、大騒ぎになったのここだっけ?


 百段階段へのエレベーター。扉は螺鈿。


 これが百段階段。雅叙園が旅館ではなく高級料亭だった頃の廊下と客室が、重要文化財として残されている。
 もともと雅叙園は傾斜地に建っていて、客室廊下=階段で、それが99段あるので百段階段と通称されたらしい。
 天井に絵とかあって、もうすでに高級な気配が漂っている。


 各客室には、テーマに添ったいろいろな猫作品が飾られている。
 なおこの部屋のテーマは忘れた。


 客室の天井はこんな感じ。


 壁はこんな感じ。上の装飾は螺鈿。要するに部屋全体がめちゃくちゃ豪華で芸術的。
 混雑していたので全体が撮れなかったのが悔やまれる。


 スズメかわいい。


 別の部屋。ここは壁から柱から全部の装飾が浮き彫りになっている。
 ちょっとこわい。


 この部屋のテーマは古典の一場面。
 これは猫好き貴族かなにかの話だったと思う。


 枕草子の猫の命婦。


 更級日記でこっそり飼っていた猫。


 今昔物語の恐怖の猫部屋らしい。


 この部屋は山水。
 ほんと部屋ごとに全く装飾が違って面白い。
 じっくり観察するといくらでも見ていられそうだけど、とにかく人が多くてそれどころではない。


 スズメかわいいVer.2。


 ユリカモメの天井画ってちょっと珍しくない?


「ドアからのぞいてくる猫かわいいよね」という展示。
 わかる。


 ここは扇絵がテーマの部屋。

 面白かった。
 作られたのが昭和10年とのことで、それほど古いものではないのだが、ひとつひとつの部屋が全く違う雰囲気になっていて、しかもトータルの水準がとても高くて見ていてとても楽しい。
 ただ、部屋の美しさを楽しむのに企画展が必要かどうかというと、はっきり言っていらないが、多分客寄せには必要なんだろうな……。

 百段階段の後、ちょっとホテルの中も見てみようという話になって、オープンスペースをうろうろしてきた。
 田舎者であんまりこういうホテル縁がないので。


 ガラス天井でオープンカフェっぽいスペースや野外の料亭っぽい感じを出している。


 コイが泳いでた。


 滝があった。人工的に水を循環させているのか、自然の湧き水か何かなのは分からない。

 なんか街かよ、ってぐらい広かった。
 とにかく空間を贅沢に使っていて、屋内なのに屋外にいるみたいな雰囲気になっている。ここ来て散歩してご飯食べて帰るだけでも十分娯楽になりそうな感じ。
 坂道が大変だけど駅から近いし、また何かあったら来ようかな。

フィクションが現実になった映画見てきた

 映画「教皇選挙」を見てきた。
 もともとそれほど注目されていなかったんだけど、まさかのリアル教皇死去で一躍話題になった映画。本来の公開が3月半ばで、この時期はもう終わっている上映館も多く、やっていても上映回数の設定が少なくなっている。そのせいかこの映画だけ満員だった。
 しかもパンフは品切れ中で、入荷がいつになるか分からないとのこと。
「教皇選挙」の原題は「CONCLAVE」。そのまま「コンクラーベ」でも日本では通用するところをあえて「教皇選挙」としたことで、コンクラーベが宗教行事などではなく、まさしく駆け引き、欺き、蹴落としなんでもありの「選挙戦」である事がうまく表現されていると思う。

 内容はぶっちゃけると、カトリックの偉いおっさん達が、教皇の座を巡ってすったもんだやってるだけなのだが、コンクラーベを仕切る重責にピリつく首席枢機卿のローレンスがかもしだす固い雰囲気がそのまま画面を伝わってくるので、一体どうなることかとハラハラする。
 派手なアクションはほとんどなく(1回爆破テロが発生するぐらい)、ほぼ全編おっさんたちが歩いたり座ったり、話し合ったりしているだけなのだが、それでいて状況がめまぐるしく変わっていく。嫌々派閥から押し上げられた人が、根回しがうまくいかず得票が伸びないと途端に得票できないのはお前が悪いと噛みついてきたり、有力候補が過去の過ちを引っ張り出されて失速したり、それを仕掛けた側が証拠を掴まれて自滅したり、死んだ先の教皇が残した思惑の謎も絡んで、一体次は誰が何をしでかすのかと目が離せない。
 そして、最後に誰もがその清廉さと誠実さを認めて教皇に選出したのが、実はカトリックの聖職者として最も不適格な人物だった(信仰に忠実であるが故に不適格となる道を選択していた)といううっちゃり食らった感半端ないラストは、若干尻切れトンボな感じはするものの、確かに、この先までやっちゃうと、見る側に残る印象が制作側が意図するものと違ってきちゃうというのはあるんだろうな、というのはあった。
 そういえば昔に見た「ローマ法王の休日」も最後はぶつ切りみたいな終わり方してたな。あれは、あそこから先をあえてやっても意味はないというのがあったんだろうけれど。

 とりあえずパンフどうしようかな……買うためだけに映画館行くのもめんどくさいな……。


 ところでティカル。その頭の白いの何?
 もしかしてフン?

ランと古代日本人を追って

 国立科学博物館の「古代DNA」展に行ってきた。


 ……の前にサンシャイン60でやっていた「オーキッド&ボタニカルフェア」へ。
 欲しいランがあったのだが、まだ育成中との事で出品していなかった。
 でもなんやかんや買ってしまった。

 さて、楽しくランを買ったのでDNA展へ。
 田町の工事で一部路線が運休しているので、利用者も少ないだろうと思ったら、運行区間もダイヤが10分に1本ぐらいに間引きされていたのでむしろいつもより混んでいた。


 到着したのが16時半ぐらい。
 土曜日は19時までやっている。
 結構じっくりみるつもりだが、2時間半もあればさすがに大丈夫だろう。


 アフリカから6万年かけて世界中に広がっていった人類。
 こうやって見るとすごいなあ。何が人々をそこまで前に進ませたんだろう。


 今回話題の石垣島の白保人骨。2万年前の日本最古の日本人(多分)。
 復願もあったのだが撮り忘れた。あー沖縄にこういう顔立ちの人いるわって顔だった。


 この間のサイエンスゼロではすごい大盛況! みたいな話だったので、覚悟しながら行ったのだがめちゃくちゃすいてた。
 でも17時を過ぎたら、閉まった動物園や美術館から流れてきたとおぼしい人達で混み始めた。


 礼文島で発見された縄文人の女性の頭骨。
 これをDNA分析で外見的特徴を再現して復願すると……。


 こうなる。あれ? 割と美人じゃない?
 くせっ毛で目の色は茶色。肌にシミができやすく酒に強かったらしい。


 3200年前の皿。
 ちょっとほしい。


 多分歌っているらしい人を描いた壺。


 6000年前の人形頭部、とのことだけど……。
 ……この顔さあ、多分死んだ人の顔を写したものだよね……。


 土器棺。


 とその中で見つかった新生児の骨。
 家の前に埋められていたらしい。やっぱり寂しくないようにかな。


 シャチの土器。かわいい。
 5000年前には日本近海にシャチがいたのか。


 アワビとイカと巻き貝の輪切りの土器。再現性が高すぎる。


 弥生時代になると、朝鮮半島から渡来人がやってきて、混血と文化の流入が激しくなる。
 縄文系の弥生人男性と、それより600年ほど後の渡来系の弥生人女性の頭骨比較。こうやって見ると結構違う。
 でも縄文系の男性が朝鮮半島に由来する墓に葬られていたり、渡来系の女性が縄文の文化を色濃く残す葬り方をされていたり、まあ要するに隔てなく暮らしていたということらしい。


 石の剣。とってもなめらかできれい。
 なんだろう、シルト?


 2世紀頃の高坏の足。
 近世の物といっても通用しそう。


 ここからは古墳時代。4世紀に水銀朱をかけられて埋葬された女性。
 虫歯がひどくなりすぎて、顎の骨まで一部溶けていた。こわい。
 古代人は割と虫歯の人が多いんだけど、そんな糖分取るような環境じゃないのになんでだろう? 衛生状態が良くない上に歯を酷使してエナメル質がすり減るから、ちょっとしたことでひどくなるのかな?


 男女の埴輪。


 この辺になると見知った世界になってくるな。


 三浦半島の海蝕洞穴(波の浸食などで海沿いにできた洞穴)遺跡で見つかった骨製品。
 実は三浦半島には、縄文前期から中世期まで40ヶ所以上の海蝕洞穴遺跡があり、内容も作業場跡から墓地まで様々な物が出土している。
 行ったことないけど。


 犬と猫の歴史もあった。
 これは各地に残されていたニホンオオカミの頭骨。


 最近DNAが抽出されて話題になったニホンオオカミの歯の根付。


 上野動物園にいたというニホンオオカミの剥製。
 頭でっかちに見えるのは、頭をこちら側に曲げているため。


 縄文時代の犬の復元。シュッとしていて今の日本犬とかなり違う。
 この頃の犬は日本で遺伝的にほとんど孤立状態にあり、アジアの古い犬の形質をそのまま残しているんだとか。


 弥生時代になると、犬にも縄文系と、朝鮮半島から連れてこられた犬と混血した渡来系が出てくる。
 手前の黒いのが縄文系、奥の茶色いのが渡来系。
 骨だと結構違いがあるが、肉と毛皮がつくと良く分からない。


 ネッコが乾いていない土器を踏んで足跡をつけてしまったもの。猫あるある。
 実は今の日本猫は、平安時代に中国から入ってきた猫がルーツで、それ以前の事は良く分かっていないらしい。なぜなら、猫の骨はヤマネコなどの野生種と飼育種で骨に違いがなく、遺跡などで見つかってもどっちなのか判断できないからなんだとか。
 そういう意味では犬も野犬と飼い犬の区別がつかなそうだが、こちらは食べていた物とかが明確に違うっぽい。


 江戸時代の猫の供養塔。
 いつの時代も人間が考える事は同じ。


 沖縄などの南方と、アイヌなどの北方については、特にコーナーが分けて展示されていた。
 これは縄文時代の沖縄と九州の貝殻などの交易路。沖縄の貝で作る腕輪が九州で珍重されて、わざわざ航路が拓かれたらしい。
 あの時代にこんな壮大な航路があったのか。すごいな。


 これが話題の貝腕輪。
 今ではこんな白くてガサガサになってしまっているが、イモガイもゴボウラも複雑な模様があったりつやつやピカピカしていたりで、これを身につける事は当時の人的には最先端の映えるオシャレだったんだろう。


 そして北海道はおなじみアイヌ。
 柄にクマがついたスプーン。


 ここにもイモガイの腕輪。何年も、もしかすると何十年、百年以上もかけて人の手を渡り、北海道にもたらされた、あの沖縄のイモガイ。


 クマー!


 今回登場した古代人の皆さん。
 ありがとうございました。

 割とすいていてじっくり見れたからでもあるけど、DNA解析がブレイクスルーになって、どんどん古代の日本人像が変わっていっているのがとても面白い。
 また10年後ぐらいには何か判明しているのかなあ。楽しみ。

○おまけ

 売店で売ってたネッコのグッズ。かわいい。

相国寺展に行ってきた

 用事があって有休を取ったのだが、時間が余ったので藝大美術館の「相国寺」展に行ってきた。
 相国寺は足利義満が創建した寺で、あの金閣、銀閣はこのお寺の塔頭寺院ということらしい。
 京都の寺あるあるで何度か火災で全焼しているが、秀吉や家康といった天下人の庇護を受けて権勢を誇り、当然ながらお宝もたくさん集まってきていた。その一部を今回公開している。


 例によって館内は撮影禁止なのでポスター。
 人寄せのために雪舟、応挙、若冲がピックアップされているが、むしろそれ以外が面白かった。

 とりあえずボリュームがすごい。
 芸大美術館はあまり大きな美術館ではないのだが、3つある展示室全てに大小の書画がこれでもかというぐらい詰め込まれていて、じっくり見ているといつまでたっても終わらない。
 そして、おじさんがかわいい。
 寺なので開祖とか関連するお坊さんの肖像画とか、羅漢図とか、いろいろおじさん作品が展示されているのだが、なんかこう、それぞれお人柄が垣間見える顔つきだったり、曲録に威儀を正して座っているのに、足台には履き物を脱ぎ散らかしてる人がいたり、みんなかわいい。このおじさんたちを見るために行っても損はないと思う。

 ただ、平日なのに妙に混んでいたので、土日とかだとちょっと大変かもしれない。

京のお寺のふすま絵見てきた

 国立博物館の「大覚寺展」に母親と妹と行ってきた。
 大覚寺、名前は聞いたことあるけどどこにあるか知らないんだよね。
 昔京都旅行に行った時に近くを通ったような気もするけど。渡月橋のへんだったかな?


 ふすま絵が有名らしい。

 展示は前半が仏像とかいろいろ宗教に関わる物。このあたりは撮影禁止。
 後半がふすま絵とかの美術品で、こっちは写真撮影可能。
 なお、刀剣乱舞で有名な髭切と膝丸が揃って展示されていて、審判者と思われる女子が大量に群がっていた。


 ウサギの障子の絵。
 門跡が子供だった事があって、その子のために可愛らしい絵にしたらしい。


 上向いてるの可愛い。目が変にリアルだけど。


 こっちはおっさんのふすま絵。


 中国の何かの故事なんだろうけど、全く分からない。


 天皇の御座所。
 本家大覚寺では非公開だが、特別に複製を作ったらしい。


 絢爛豪華なふすま絵、と言いたいところだけど、修復が行き届いてないみたいで結構色がはげちゃってる。もったいない。


 メインビジュアルにもなってた牡丹。実に18面もの巨大なふすま絵。


 途中にキジ(?)の親子がいた。


 可愛い。


 1羽母鳥の後ろに隠れてるの可愛い。


 植物のふすま絵。

 ふすま絵はさすがの迫力。大きな空間を惜しげもなく使って展示してあって、国立博物館じゃないとできない贅沢だなあと思った。
 五大明王とか関係者の書とか、撮影できないものもなかなか面白かったけど、でも天皇ゆかりの1000年以上続くお寺の規模にしては展示が控えめというか、あまり数がない感じだった。
 まあ、何回か荒廃したり没落したりしてるみたいだしね。

横須賀の艦と鳥模様

 横須賀に行く用があったので、ヴェルニー公園に寄ってきた。


 ケツ合わせで停泊していた海自の2隻。


 潜水艦。


『陸奥』の主砲の下でひなたぼっこをする鳩の群れ。


 全体的にもこもこしている。


 同じ顔×2。


 同じ顔×3。


 イチャイチャしやがって。


 カメラから逃れようと走っていくハクセキレイ。

 カラスもいたけど撮りそびれた。

樹氷ホワイトアウト その2

 2/16、17と蔵王に樹氷を見るツアーに行ってきたため、まとめてアップします。

 樹氷ツアー2日目。


 ホテルから見た宮城蔵王。空の光点は月。
 天気予報では午前中晴れとのことだったし、今日は期待できそう。

 この日は昨日と反対側の宮城蔵王から、雪上車に乗って樹氷原に向かい、樹氷を見るコース。
 朝いちにホテルを出て、9時出発便に乗ることになる。


 これが雪上車「ワイルドモンスター号」
 ところでお気づきだろうか、空が完全に曇っている事に。


 乗り場到着から出発まで、30分ほど待機時間があった。
 その30分の間にいきなり雪が降り出し、あっという間に吹雪になる。
 いやまあ、そんなこったろうとは思ってたけどさ……予想通りすぎるわ。


 でも雪上車は予定通り(実際には他ツアーの中国人が時間を守らず15分ほど遅れた)出発。
 中国人ツアーも加えて総勢6台で雪中を進んでいく。
 やだ何これテンション上がる。重機の行列大好き(雪上車は分類上重機)。


 進んでいくうちに雪が上がって日も見えてきた。


 なお、乗り場から樹氷原までは雪上車で45分かかる。
 ディーゼルで騒音と震動、そしてガソリン臭がすごいので、スマホなんか眺めていた日には一発で車酔いする。
 もっとも、外の風景と前方の雪上車部隊を見ていれば全然飽きないので平気。


 半分ほど行程を来た当たりで、また空模様が怪しくなってきた(右側)。


 段々木に雪がくっついてくる。


 勾配も段々急になってくる。


 ラスト付近では、同じ隊列なのにこの高低差が生じていた。
 そして写真には写っていないがかなりの雪と風。雪上車に乗っていても風切り音が聞こえてくる。
 大丈夫かこれ。




 そして次第に悪くなってくる視界。
 あっこれ昨日と同じパターンだ。大丈夫じゃないやつだ……。


 とうちゃーく。
 わーいなんにもみえない。




 ここでは、駐車場(?)から斜面を下って、樹氷のすぐ側まで行ける。
 新雪にズボズボはまったり、転んでスマホを雪に突っ込んだりしながらなんとか接近。
 なんかもう樹氷を見てるんじゃなくて雪で遊んでるみたいな感じになったが、そんな事をやっているうちに、なんとなく若干遠くまで見えてきた。
 話には聞いてたけど、蔵王温泉のとは確かに形が違うなー。


 ワイルドモンスター号(大型)。


 ワイルドモンスター号(小型)。

 ここでも自由時間は10分ほどの予定だったが、実際にはもうちょっと長く取ってくれたのではないかと思う。
 雪と格闘していて時間が長く感じただけかもしれないけど。


 やっぱりここでも数百メートル降りるとこんな風に遠くまで見えるようになる。
 山の自然すごいな……。


 荒野を走る死神の列っぽい樹氷列。

 そしてまた45分かけて乗り場まで戻ってきた。
 この後徐々に天候が崩れだして、次の便の人達は樹氷原まで行けるかどうか分からないという感じだったそうだから、間近に樹氷を見て遊べただけ運が良かった方なのかもしれない。

 この後はまたバスで福島駅まで行って、東北新幹線で帰ってきた。
 うーん、行く前は1度見れればいいやと思っていたけど、実際に見るとまた見たいと思っちゃうな。
 また雪が多そうな年が来たら行ってみよう。