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日光で結構と言ってきた その2

 日光2日目。
 湯元から湯ノ湖湖畔を歩き、湯滝経由で戦場ヶ原まで出るのが今日の計画。
 と書くと結構なトレッキングに見えるが、実際は2時間半程度で、スニーカーでも歩けてしまう楽々行程なのだ。


 朝、散歩してたら出会ったふかふかの猫。
 草むらで何やらぱしぱし捕ろうとしていたのを邪魔されて不機嫌。


 そして朝っぱらから堂々と町中に出没する鹿。なんだお前。
 近所のお店のおばちゃんによれば「ほとんど毎朝来るよ」とのことで、子鹿の時から人を見慣れた野生を忘れ気味の個体らしい。


 平気で人んちの敷地に入り込んでくる。
 そしてこのへんは猫が多い。


 猫、鹿、猫。


 しばらく鹿と猫を愛でた後、もう1回源泉に来てみた。
 残念ながらコガモは1羽しか見つからず、しかも即行逃げられた。

 散歩の後は、いよいよ湯ノ湖湖畔歩きに出発。


 湯気が立っているのは、湖のこのあたりだけ温泉が湧いているから。
 何か魚がいるかなと思って覗いてみたら、巨大なコイがうじゃうじゃしていたので後悔した。


 雲一つない天気。
 歩いていると暑くなってくる。


 羽繕いをするシジュウカラ?


 カモが多いのは知っていたが、カワウまでいるとは思わなかった。
 どこから来たんだろう。


 水浴び中。


 鳥を愛でつつ湯滝の上に到着。丁度ここから滝が流れ落ちている。
 なんだ太古の原生林みたいな写真が撮れた。


 横から見ると、結構斜めに流れている湯滝だが……。


 正面から見るとこう。
 斜めに流れてくるため遠近感が強調されて迫力がある。


 しばらく湯滝を眺めた後、いよいよ戦場ヶ原に続く森に足を踏み入れる。
 戦場ヶ原は去年の台風で道が壊れ、一部迂回路が設定されている……のだが、なんだかツキノワグマが出るとかで、所々熊よけのベルが設置してある。
 なにそれ恐い。


 とりあえず用心しながら歩いていたのだが、木立の向こうに何かの気配がした。
 目を向けると不自然な茶色の塊がある。
 茶色いからツキノワグマではないが……なんだろう。
 最大ズームで撮影後、さらに拡大してみたのだが……。


 うわぁぁぁ! 見られてる!?
 切り株だよね? 切り株が光の加減でこう見えてるだけだよね? そうだと言って!

 とりあえず、距離が10メートル以上離れていたので、そのまま立ち去った。


 男体山。
 ピーカンだったのに、雲があちこちに出てきた。


 そして林を抜けると突然広がる草原。
 ここが戦場ヶ原で最も美しい所らしい。


 しかも人が誰もいない。
 戦場ヶ原独り占め。
 感じるのは風と太陽だけ。聞こえるのは草が風でさらさらと鳴る音だけ、鳥の声すらない静かな静かな風景。
 3時間ぐらいここにいたい……と思ったら、15分後に修学旅行の小学生の団体が現れた。
 良かった立ち去るきっかけができて。

 そしてこの後、道路に出てバスに乗り、二荒山神社中宮祠に向かう。
 途中で竜頭の滝に立ち寄った。


 あ、あれ? こんなしょぼかったかな?
 湯滝が想像以上に迫力あったからかな?
 まあいいか……。


 二荒山神社中宮祠。ここから男体山に登山ができるが、残念ながら10月末で閉山しているので、今は入り口までしか行けない。


 本殿。


 登山口。

 ちなみに祢々切丸は興味がないので見なかった。

 そしてもう1ヶ所立ち寄りたかったのが中禅寺、通称立木観音。
 やっぱり勝道上人が開いたお寺で、立木をそのまま彫った観音像がある。
 中禅寺湖の名前はここに由来する由緒ある寺なのだ。

 
 中宮祠からバスで5分、その後歩いて15分。
 途中でカケスを見た。


 ところで、歩いていたら空自のP-3とU-125Aが中禅寺湖上空を通過していったのだが、なんだったんだろう。
 2機とも離陸上昇から旋回して巡航に移っていったけど、どこから離陸したのかな。


 というわけで中禅寺。
 変な角度になっているのは、正面から撮ると逆行で太陽がまともに入ってしまうため。

 ここは立木観音と不動明王が本尊になる。
 そしてまた階段をのぼらされてへろへろになったのはここだけの話。


 中禅寺を出て中禅寺湖バスターミナルにつくと、ふんわりとした雲が男体山にかかっていた。
 ちょっとかわいい。

 そういえば華厳の滝を忘れていた。

日光で結構と言ってきた その1

 11月12日から日光旅行をしていますが、12日がPCをネットワークにつなげない環境だったため、2日分をまとめてアップします。

 というわけで、日光にやってきた。
 多分小学校の修学旅行以来だと思うが、もう記憶もおぼろげで、竜頭の滝と湯元ぐらいしか覚えていない。
 どうもいつも激混みしているイメージがあって、これまであまり行く気にもならなかったのだが、コロナだし紅葉は終わってるだろうしで、少しはましかなと思った次第。


 日光には朝10時前に到着。
 神橋。渡れるのだがお金がかかるので無視した。
 終わってるかと思いきや、紅葉が結構残っている。


 まず来たのが輪王寺。理由は東照宮より近かったから。
 その歴史は1200年以上。東照宮より遙かに古い。
 もともと日光は勝道上人というお坊さんが開いた宗教都市だったのだ。


 護摩堂。木造っぽいが実は鉄筋コンクリート製。
 護摩行で火を盛大に焚くので、消防法上こうなったらしい。
 ……あれ? 比叡山も護摩行するけど、あっちは建物古いままだよね?


 そして紅葉が見事な庭園。

 なお、写真が建物だけなのは、中が撮影禁止のため。
 寺男のガイドさんがいろいろ説明してくれるのはありがたいんだけど、隙あらばお守りとか念珠とか売りつけようとするのはどうなのか。


 続いて隣にある東照宮。
 皆さんおなじみの陽明門。
 平日だからすいているだろうと思いきや、かなり人がいる。
 あと、修学旅行の小中学生が多分10校じゃ済まないぐらい来ていた。
 そうだよね、みんな我慢してたんだし、来たいよね……。


 日の光を反射して非常に贅沢な感じになっている陽明門。
 太陽が比較的低い位置にないとこうならないので、見たければ朝がおすすめ。


 陽明門だけに注目しがちだが、実は左右の塀もものすごく凝った作りになっている。
 動物モチーフが多いので、眺めていて楽しい。


 なんか2対1でケンカしてた。


 楽しそうなおじいちゃんたち。


 陽明門が日暮しの門と言われるのがよくわかる。
 ひとつひとつディテールを見ているといつまでも飽きない。
 いつまでもこれだけ見ているわけにもいかないので、ある程度で妥協したけど。


 そして家康の墓所。ここにリアル家康が葬られている。
 実はここに至るまでに階段を200段昇らされ、へとへとになっているのは秘密。
 御神体でもあるので、今まで1度も調査がされたことはないらしい。


 眠り猫の裏側の雀。


 3ヶ所目は、東照宮の隣にある二荒山神社。
 ここも東照宮より遙かに古く、御神体は男体山そのもの。
 ここではお参りするだけだが、中禅寺湖にある中宮祠からは実際に男体山に登ることができる。


 本殿(裏側)。
 ちなみにここには太郎丸という大太刀があるらしいが、太郎太刀とは関係ない模様。
 あと、中宮祠には祢々切丸があるんだってさ。


 最後は輪王寺大猷院(だいゆういん)。三代将軍家光の墓所。
 おじいちゃんを尊敬しまくっていて、死後もお仕えしたいと望んで東照宮の隣に葬られたとのこと。
 なお、位置的には輪王寺と東照宮を隔てて反対側になるので、こんな訪問順になっている。


 よくわかんないけど、雰囲気のいい庵があった。
 家光に死後もお仕えしたいと望んだ家来が住んだらしい。


 墓所への道。
 また階段か……。


 家光の墓への門。墓そのものは非公開。
 ここだけ様式が唐風なんだよね。

 とまあここまで昼も食べずに回ってしまったわけだが、時間を見ると15時。
 今日は湯元温泉に泊まる予定なので、そろそろバスで向かうことにする。
 いろは坂と中禅寺湖を越えてさらに先なので。


 バスの中から見る戦場ヶ原。

 湯元温泉に到着したのが16時半ぐらい。
 2000メートル級の山に囲まれているのであたりはすでに薄暗く、店もほぼ閉店しているのだが、ちょっとあたりをうろついてみることにする。


 鹿がいた。
 餌付けされてるとかではなく、山からに出てきた完全な野生の鹿。


 気付けばあちこでエサをあさっている。
 完全な野生なので、10メートル以上離れているというのに警戒心満々。


 でもかわいい。


 鹿をなだめながらぶらぶらしていたら、湯元の源泉に出た。
 小屋は各旅館に割り当てられた源泉だが、割とあちこちから普通にお湯が沸き出しているので、人目とぬかるみを気にしなければ足湯も手湯もし放題。
 ただし、非常に熱い。


 そしてここでは野生のコガモの群れがエサをあさっていた。
 こいつらも完全野生なので、人間を見ると躊躇なく逃げていく。


 尻を向けて一目散に泳ぎ去って行くカモたち。
 まあいいんだけどさ。


 夕暮れの源泉。
 山がうっすら白いのは、前の日に雪が降ったから。

 湯元はすでに真冬並みの気温と聞いていたが、確かに寒くて、日陰には雪が溶け残っていた。
 でも夜空が素晴らしかった。
 これだけ寒ければ変質者もいないだろうと夜中に外まで見に出て行ったのだが、天の川なんて久しぶりに見た。

動物と安土桃山パラダイス

 山種美術館と国立博物館に行ってきた。


 山種美術館はこれ。
 アニマルパラダイスの名の通り、ひたすら動物の日本画ばかりを集めた展覧会。
 メインはこの猫だが、他にも犬とかアヒルとかフクロウとか鶴とかウサギとか牛とか馬とか猿とかカエルとか、ふわふわもふもふにあふれていてかなり見応えがある。
 個人的には川合玉堂の猫が良かった。

 動物を堪能した後は、安土桃山を堪能しに行く。


 いかにもメインビジュアルという感じの唐獅子屏風だが、実はこれが展示されるのは11/3の後期から。なので今行っても見られない。
 展覧会には景表法なんて適用されないだろうけど、実際には展示されていない物をさも展示しているかのようにアピールするのは(注釈がものすごく小さい事も含めて)、ぶっちゃけ結構悪質だと思う。
 そろそろこういうやり方は改めた方がいい。

 内容は、うん、安土桃山だった。
 このあたりは日本史でも有名な時代だし、出てくる名前も知っている物が多いので楽に見られる。
 家康と秀吉の書簡が並べてあったんだけど、家康の方が字が下手なのがちょっと笑った。
 あと、秀吉の方は、妻のおねに息子のひろい(秀頼)が生まれた報告をしているらしいんだけど、もうひたすらひろいひろい言ってて親馬鹿感が炸裂してるのも面白かった。

東国三社を楽してめぐる……つもりだった

 鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の3社巡りの後、国立博物館で「大和と出雲」「高御座と御帳台」を見てきましたが、疲れて眠いため明日アップします。

 というわけで、いわゆる東国三社巡りに行ってきた。
 鹿島、香取の両神宮と息栖神社を回るのだが、県境をまたぐせいか(鹿島と息栖は茨城県、香取は千葉県)、三社間の公共交通機関が貧弱で、車がないとちょっときつい。
 バスツアーも複数あるが、提携店への立ち寄りや、絶対おいしくなさそうなグルメ昼食に時間を使われて自由時間が短かったりするので、どうしたもんかと思っていたら、割高ではあるものの提携店への立ち寄りどころか昼食時間すらない(自由時間中に各自で済ませる)かわりに、比較的長時間の自由時間が確保されている「四季の旅」というツアーがあったので、申し込んでみた。


 鹿島神宮。主祭神はタケミカヅチ。
 古事記や日本書紀によれば、天照大神ら天つ神が大国主命ら国つ神に地上の支配権を明け渡せと迫った時に、交渉役として武威を示して活躍した神らしい。


 拝殿は地味だが後ろの本殿はきらびやか。
 後ろの杉はご神木。


 本宮から奥宮までの参道。まっすぐな道なので流鏑馬が行われたりもするらしい。
 前はもっと鬱蒼と暗かったのだが、去年の台風で木がだいぶ間引かれてしまい、ここまで明るくなったとか。


 ここにも神鹿がいた。
 一生懸命見つめる先にはエサ(ニンジン)を売っている売店がある。


 雨に濡れてクアッカワラビーみたいな顔になっちゃってる子鹿たちも一生懸命見つめている。
 ちょっとかわいそうになったので買ってあげたのだが、子鹿にやろうとすると牡鹿が割り込んで横取りをはかるので大変だった。


 1頭だけいた垂れ耳の子鹿。
 売店のおばちゃんの話では、生まれつきのもので病気ではないという。
 ということは、この子鹿が大きくなって子供を作ったら、新しく垂れ耳鹿の血統ができたりするのかな。


 奥宮。
 元々は徳川家康が建てた本殿だったが、15年弱で秀忠がもっと豪華な本殿を寄進したので、そちらはタケミカヅチの和魂を祀り、家康が作った方は奥宮としてタケミカヅチの荒魂を祀ることにしたらしい。
 確か秀忠って、家康が建てた江戸城も十数年で建て替えちゃってたよね?
 どんだけ父親にマウント取りたいの?


 御手洗池。
 昔はお参りする人はまずここで禊ぎをした場所。
 湧き水で奥の湧出口の水は飲むこともできるが、この時は翌日の大寒禊の準備のため立ち入り禁止だった。
 ちなみに池の方は鯉が泳いでいたりするので飲むのはやめたほうがいい。

 次に行くのは息栖神社。
 由来は調べてないけど、海上交通の神らしい。多分鹿島や香取と肩を並べるんだから由緒ある神様なんだろうと思う。


 社殿は昭和38年の火事で焼けてしまい、コンクリートで作り直されているのでちょっと庶民感漂う感じになっている。


 常陸利根川の船だまりに面した一の鳥居。
 両脇にあるのがご神体でもある男瓶、女瓶というふたつの井戸。


 男瓶。
 このあたりは汽水らしいが、鯉が泳いでいるので分かるとおりこの中は真水。


 女瓶。

 で、最後が香取神宮。


 ここには小さな仲見世があって、お団子なんかを売っている。
 もう雨だし寒いしでここらあたりになると食欲もなくなってるから素通りしたけど。


 楼門。
 そういえば、鹿島神宮と香取神宮の楼門に掲げてある名前の看板を書いたのは、東郷平八郎らしい。
 どういういきさつがあって書いたのかは、説明がなかったので分からないけど。


 赤い楼門を1歩入れば黒塗りの拝殿と社殿。
 どっしりした低い構えとも相まってなにこれかっこいい。


 ぽつんと隅っこに錨があったのでなにかと思ったら、練習艦「かとり」の錨だって。
 今の練習艦「かしま」の先代にあたる。

 というわけで、3社一気に回って帰ってきた。

 結論から言うとこのバスツアー、ツアーとしてはまあいいが、バスの席が最悪。
 もともと自由時間の長さを基準にして決めたので、この点は合格。この三社は土産物街もほぼなく、完全に神社を見るためだけに時間を使えるので、むしろ長すぎるぐらいだった。鹿島神宮でついたボランティアガイドがちょっと話が長かったが、時間がほしければ適当に離脱して個人で回れたのでリスクにはならなかった。
 添乗員がパワースポットマニアなのか、やたらとパワーパワー連発してくるのがちょっと微妙だったが、まあそういう人いるよね、で聞き流していればすむレベル。
 ただ、バスの席が最悪。申し込みが遅かったからなのか直前割引料金だったからなのか、座らされたのは最後尾。しかも、通常シートは2席を1人使いか同行者同士隣合わせなのに、それでなくても狭い最後尾シートだけ、なぜか赤の他人の隣同士でめいっぱい押し込まれた。普通、通常シートは相席にしても、窮屈で条件の悪い最後尾はそれなりに配慮すると思うのだが、完全に逆の扱い。
 さらに、隣の女子が幅を取っただらしない座り方が習慣になってるらしい女子で、隙あらば腕とか肩とかのポジションを巡って領土合戦みたいになる。
 今回は比較的乗車時間が短かったから耐えられたが、長時間ツアーは無理だな、ここは。

 で、東京駅についたのが17時前なので、ついでに上野に足を伸ばして、国立博物館の「出雲と大和」と「高御座と御帳台」を見てくることにした。
 しかし国立博物館て、気づけば皇室ゆかりの展示が割と多いよね。
 実は皇室と関係がある施設なんだろうか? と思って調べたら、戦前は宮内省の所管だったのね。


 出雲と大和。
 数百に及ぶ銅剣や銅鏡が圧巻……ではあったが、出雲に行った時に古代出雲歴史博物館でもっとすごいのを見ていたのだった。
 でも青いガラスの勾玉はすごくきれいだった。
 あと、古代中国の武人みたいな四天王像もかっこいい。

 まあそんな感じでつらつらと見た後、高御座へGO。


 実物は映像から想像する以上に大きくて華麗だった。


 椅子の象眼と金細工よ……。
 隣の漆の入れ物もすごい。


 高御座のてっぺんにいる鳥。


 御帳台のてっぺんにいる鳥。
 しっぽがくるんとしているのが違う。


 御帳台の椅子。
 これもすごいな……。


 屋根の金飾り。
 高御座の方には鳥がとまっている。


 後ろ。


 高御座の鳥の尻。


 御帳台の鳥の尻。


 敷物。
 絹かな……。

 美しくない所が全くない。もう眼福以外の何物でもない。
 勢い余って2回も見に行ってしまった。

 他にも、侍従たちが来ていた装束や道具の展示があった。


 武官。


 帯の刺繍がきれい。
 欲しい。


 文官と武官。
 奥の武官の装束の紺色がいい色だった。


 リアル十二単。

 うん、見に行って良かった。
 もしかするともう1回ぐらい見るチャンスがあるかもしれないけど、見に行けるかどうかは分からないからね。

冬の黒薔薇

 ベランダのバラが病気なのではと思うぐらい黒かった。


 黒すぎてピントが合わない。

「黒真珠」という品種で、元々赤黒い花をつけるのだが、それにしてもなんでこんなに黒くなったんだ。
 一緒に咲いてた青バラもかなり青が濃く出ていたし、寒い時期のバラは花色が濃くなるのかな?

もっこりとステマ映画見てきた

「シティハンター 史上最香のミッション」と、ステマが噂の「アナと雪の女王2」を見てきた。

「シティハンター 史上最香のミッション」は、シティハンターが好きすぎるフランスの映画監督が、わざわざ北条司に了承を取って作ったという実写リメイク作品。登場人物は全員フランスの俳優が演じており、名前も冴羽僚はニッキー、香はローラ、海坊主はマンモス、冴子はエレーヌとなっているが、日本公開に当たっては、わざわざリョウ、カオリ、ファルコン(さすがにウミボウズではなかった)、サエコと日本名に変えて吹き替えている。
 役柄イメージもそこそこ原作に寄せてきており、特に海坊主はあらゆる意味でそのまんま。

 内容だが、普通にB級アクションコメディとして面白かった。
 完全なオリジナルストーリーだが、さすが原作大好き監督なだけあって、僚と香の微妙な想いのすれちがいとかもうまく組み込んである。日本の実写にありがちな、変に原作にこだわった結果あらゆる意味で残念な感じになってしまうのではなく、そこは割り切って思いきりオリジナルで振りきったのが成功している。
 思ったのが、下品なコメディをやらせたらおフランス人の右に出る者はいないなという事。原作だと下品なのは僚だけだが、この映画ではオリジナルキャラクターのジルベールが全編に渡って(本人にとっては気の毒な状況で)あれこれお下品をやらかしてくる。まあお子様にはお勧めできないが、どれだけお下劣になっても明るいのもさすがおフランスと言ってもいいかもしれない。
 ただし意外だったのが、あの有名なもっこりが1度も出てこなかったこと。あれだけお下品を炸裂させておきながら、比較的穏便と思われるもっこりは映像的に駄目なのだろうか? おフランス人の基準は良く分からない。
 あと、もう一人のオリジナルキャラクター、パンチョがハムスターを死なせたくだりはいただけなかった。パンチョがどれだけ駄目人間か印象づけるためだろうが、意外とおフランス人は無神経なところがあるなと思った。

 で、次が渦中の「アナと雪の女王2」。
 Twitterのステマ漫画を見る限りでは面白くなりそうな要素が皆無だったので、あまり期待もしないで見たのだが、意外と面白かった。
 少なくとも、マレフィセント2よりはいい出来だと思う。
 ようやく取り戻した家族の絆を二度と手放したくないというアナの願いに応えるために、自分の中の「自由を求める心と魔法」を封じて今の小さな幸せを守り続けようとするエルサ。でもエルサの背負う「人と違う」という運命は、アナが自覚せずに育ててしまっていた姉への依存に現実をつきつけていく……というのが大まかな話。多分大きなテーマはアナの姉離れ。
 前作ではうじうじめそめそしているだけだったエルサが、今回は積極的に、前向きに行動しており、それだけでもずいぶんと高いポイントになっているし、アレンデール王国を出てから自由自在にのびのびと魔法を放つエルサの様は、ラストで彼女が選んだ居場所に説得力を与えている。
 今回は「幼児」という立ち位置を与えられているらしいオラフがちとウザいが、それでも意外と重要な伏線を担っていたりするので、まあ成功しているのだろうと思う。反面、残念なのがクリストフ。アナの心の支えにすらなっていないこいつは本当いてもいなくてもいい。

 とまあ、思っていたより高評価だった「アナと雪の女王2」だが、これもトイ・ストーリー4と同様、これは子供が見て楽しいのか? という感じではある。
 その証拠が、オラフに今回「幼児」の役割を振ったところ。子供が対象だったら、わざわざ子供を象徴するこういう立場の登場人物は絶対に作らないはずなので、やっぱり大人向けにシフトしてしまっているのだと思う。
 まあ、ヒットすると次はいろいろと詰め込みたくなるのも分かるんだけどね、そのあたりは妥協しないで、子供が見ても楽しい作品を作ってほしかった。

寺と神社と鹿とカラス

 帰宅後すぐに寝てしまったため、遅れてアップしています。

 奈良最終日は東大寺と春日大社を回る予定。
 だが、前日の階段と坂道苦行の疲れがまだ残っているらしく、どうも意気が上がらない。
 しかもキャッシュカードを忘れてきていたために手持ち現金がそろそろ底をついてきている。
 最初は、いざとなったらクレカがあるからなんとかなるだろうと思っていたのだが、地方はキャッシュレス決済に対応していない店も多いし、神社仏閣はそもそも現金しか使えない。
 駅からすぐの東大寺と春日大社ならその気になればまた来れるし、無理をしないで適当なところで帰ろう。


 道を間違えたのでショートカットしようと境内を通った興福寺。有名なイケメン阿修羅像のある寺。
 通り抜けるだけなのも何なので阿修羅像含めてちょっと見てきた。


 東金堂。
 本尊、薬師如来が補佐役の日光菩薩、月光菩薩及び弁論に長ける維摩居士、知恵の文殊菩薩を両脇に従え、その周囲を武器を構えた十二神将が固め、さらに壇の四隅で四天王がにらみをきかせるという、なかなか迫力のある配置になっている。
 見ながら「仏の軍隊」なんて単語がちらっと浮かんできてしまったのはここだけの話。


 北円堂。
 ……もともと行くつもりがなかった所なので、下調べしてないんです。すみません。

 阿修羅像ばかりが有名だけど、もともとこれは八部衆という、8人の神様のうちのひとり。
 残りの7人の像も阿修羅に劣らずみんな穏やかでかわいらしい顔をしているので、もっと有名になってもいいと思う。


 興福寺前からバスにのって東大寺へ。
 これは大仏殿の前の池。


 大仏殿。
 写真だとこぢんまりしてしまうが、高さは約50メートル、幅約58メートル。目の当たりにすると本当に圧倒的。
 出入りしている人と比べるとその大きさが分かると思う。
 しかもこれが全部木。これだけの物を作れてしまう日本の木材の豊かさもすさまじい。


 大仏と虚空菩薩。


 大仏様と如意輪観音。

 本当に全てがでかい。


 花瓶の飾りの蝶。かわいいけどやっぱり巨大。


 お水取りで有名な二月堂。


 二月堂からは奈良盆地が一望できる。
 夜景もきれいだろうなー。

 とりあえず見たい物は見たので、帰ろうかそれとも春日大社に行こうか考えながらふらふらそこらを歩いていく。


 大仏殿の後ろの講堂跡と広場。逆光なので色があせてしまったが、黄色と緑と赤のコントラストがとてもきれい。
 同じ事を思う人は多いらしく、写生に興じるおじさんおばさんがいっぱいいいた。


 門の奥に見えるのがあの正倉院。


 生正倉院だ……すごいなあ……。


 林の中に立派な角の牡鹿と20頭ぐらいの牝鹿の群れがいた。


 やや警戒気味にこちらを眺めるボス牡鹿。かなりのイケメン。
 このあたりは東大寺の裏側で訪れる人も少ないことから、角切断の憂き目をまぬがれたと思われる。


 やがて、立ち上がると座っていた牝鹿を追い払い、地面の匂いを嗅ぎ始めた。
 どうやら発情を確かめているらしい。


 イケメンもどこかに消え去るフレーメン顔。
 一方のメスはかなり迷惑そうだった。


 群れがいる林の横には池があって、こんな趣深い風景が撮れた。

 もう正倉院と鹿で満足したので、これで帰ろうかな。
 でもまだ昼前だからもうちょっとぶらぶらしよう。


 東大寺はところどころに、無縁仏の墓標だかかなにかの記念碑だかがまとめられている場所がある。
 こういうのも、由来を調べたらそれなりの歴史がありそう。


 この鹿も角が立派。
 身体の大きさはさっきの牡鹿に負けるけど。


 東大寺から出て少しの所に、いやに立派な門構えの建物があると思ったら知事公舎だった。
 さすが奈良は違うな。



 池のほとりで何やら一生懸命ほじくったり、木の枝を拾っては落としたりしていたカラス。
 何をやっているんだろうと見ていたら、そのうち気付かれて文句を言われたので退散した。
 本人は秘密のつもりだったらしい。

 そして、帰ろうとしていたはずなのに、なぜか気付いたらいつの間にかバスに乗って春日大社に来てしまった。
 あれ? なんで?


 朱塗りにいい感じに日が当たっている門。
 大量の中国人観光客とそうでもない西欧人観光客に、七五三まで加わって結構な賑わい。


 左側が舞殿。ここからでも参拝できるが、実はこの舞殿、本殿からかなり低い位置に建っている上に位置的に斜め、しかも本殿側の御簾が低めに下ろしてあるので、ここからだと本殿が良く見えない。
 でも別途500円を払えば本殿敷地内に入り、正面からお参りできるという、実に良くできた金儲けシステムになっている。
 まあ、じゃあ500円払いましょうか。


 小さな末社とイチョウ。
 奈良に来てから今日まででまた紅葉が進んだ印象。


 本殿。


 藤波之屋という、真っ暗な回廊に釣り灯籠がたくさん灯してある場所。

 うん、まあいろいろ見たし、今度こそ帰ろうかな。


 こうやって道路側を眺めている鹿は大抵人間が何かくれるのを待っている。
 良く訓練された鹿は、人が接近すると物欲しげに見つめるのだが、「ないよ」と両手を広げるとすぐにさっと目をそらして了解の意を伝えてくる。


 顎がかゆい鹿。


 頭がかゆい鹿。
 倒れた杉の枝をかぶってごしごししていた。

 最終日は適当になったけど、面白かった。
 今度は絶対に三輪山に登りたい。

神社とか寺とか鳥とか猫とか

 奈良2日目はちょっと遠出の三輪山。


 おお、ちょっと後光っぽい写真が撮れた。
 幸先いいなー。


 三輪山をご神体とする大神神社。
 三輪山信仰は記紀以前に遡ると思われる古い古い信仰。一体どんなものなのか一度行きたかったのだ。
 が……。


 なんということでしょう。
 大嘗祭当日祭を行うため入山不可。
 そういえば、大嘗祭って皇居だけじゃなくて、全国の神社でも一斉にやるのね。
 まあある意味一生に一度できるかできないかの経験ではあるかな……。


 ちなみにここが、三輪山への入山口を持つ狭井神社。


 まあ山には入れなかったけど、その分珍しいものが見れた。
 何の儀式かわからないけど平安装束で拝殿に向かう神主さんたち。
 外にも、写真には撮らなかったが、朝いちには神楽をやっていた。


 三輪駅からだと二ノ鳥居の所に出るのだが、一の鳥居が超巨大でどうしても撮りたかったので、わざわざ1キロ以上歩いて撮ってきた。


 三輪駅の野良猫、その1。メスでお腹が大きかった。
 人恋しげにニャーニャー鳴いているくせに、近寄ると逃げる行動原理が読めない猫。


 三輪駅の野良猫、その2。顔が大きいので多分オス。
 駅のベンチに居座っていて、隣に座っても逃げないがリュックを落としたら逃げたこれも行動原理が読めない猫。

 次の目的地は長谷寺。
 三輪から電車で20分ほどの所にある山寺で、創建はもちろん奈良時代。
 初瀬という場所にあることから、当初は初瀬寺などと言われていたのが長谷になったっぽい。
 ちなみに、サイトには徒歩15分と書いてあるが、実は近鉄の長谷寺駅と長谷寺は両者谷を挟んで反対側の山腹にあるため、上り下りを考慮すると絶対に15分ではつかない。


 途中立ち寄った與喜天満神社。
 山中にあるため、参道が100段以上の階段だった。
 大変だった。


 しかし長谷寺が一望できる眺めは素晴らしい。
 中央にあるのが山門。右上の大きな建物が金堂。


 立派な長谷寺の山門。


 そしてまた階段。


 階段。

 そう、山の中腹に貼り付くように建っているこの寺は、道がすべて階段か急坂なのだ。
 與喜天満神社で使い果たした脚力にさらにダメージが重なってライフがゼロになりそう。


 でも一方で、五重塔を同じ目線から見るみたいな珍しい体験もできたりする。



 そして紅葉がここでもきれい。
 個人的にはまっさかりよりも、こんな風に色づき始めたグラデーションの時の方が好き。


 一方で十月桜も満開。

 そんなわけで、風景と階段を堪能したので(もちろんお参りもちゃんとした)駅に戻ることにしたのだが、谷を越えるためにまた坂と階段を下がって上がってという苦行を経ないと駅にはつけないのだった。
 もうライフがマイナスになりそう。

 ただ、この時点でまだ15時なので、もう1カ所、橿原神宮に最後に行くことにする。
 これも長谷寺から電車で30分ぐらいなのね。


 橿原神宮の門。
 橿原神宮は、神武天皇が開いた橿原宮の跡地(と言われる場所)に明治になって作られた神宮。なので歴史的な位置づけとしては多分ちょっと劣る。
 そもそも神武天皇は伝説上の存在なのだけど。多分、当時の豪族の中心的存在の誰かがここに拠点を置いたのが実際なんだろう。


 橿原神宮の境内。後ろに見えるのは畝傍山。
 そういえば、初瀬は蝕雷で沈没したし、畝傍はフランスからの回航中に消息を絶ってますね。


 めちゃくちゃ広い拝殿。
 土地を購入した明治政府の力がすごかったのか。
 単になにもなくて安い予算で広い土地を買えたのか。


 キジバト。
 カメラを向けたら逃げるかどうかちょっと迷ったようだったが、何を思ったのか逆にこっちに近づいてきた。


 境内では菊花展をやっていた。そういえば丁度季節だね。
 これは一文字という、皇室のご紋になっている菊。


 隣になった小さなお稲荷さん。
 連なる鳥居がきれい。



 そして神宮の隣の池には小さなカモがいっぱい泳いでいる。
 人を全然怖がらずすぐ近くまで近づいてくる。


 猫もいた。クリーム色で毛艶も良くてきれい。
 獲物には不自由しなさそう。


 とにかく数が多いので、見ていて飽きない。
 眺めていたら近所のおじさんがやってきて餌をやり始めたので、一斉にそちらに向かっていった。


 100羽ぐらい集まってきているが、何しろ小さいのでそれほど迫力はない。
 ちなみにやっているのはかっぱえびせんだった。


 そしておこぼれがほしくておじさんの足元をハトがうろうろしている。


 そして猫までやってきた。
 岸に近づくカモを狙うのかと思ったら、おじさんからかっぱえびせんをもらってカリカリ食べている。
 それでいいんだ……。


 カモVSハト。


 水の上でもなんかケンカしてるのがいる。

 そんなこんなでとにかく面白いので、おじさんがエサをやり終わるまで眺めてしまった。
 最後に猫を撮ろうとしたら、こいつも何かくれると思ったのか寄ってきた。


 ごめんよ、長谷寺で買った草餅しか持ってないんだ。
 求めているのはそういうのじゃないよね。


 そろそろ日も暮れてきたし、帰ろうか。
 二ノ鳥居側から一の鳥居とその向こうの山を撮ってみた。

 帰りは駅の階段すら苦痛だったことを、ここに報告します。

平城京で鳥三昧

 突然だが奈良に来ている。
 実は11月に京都と奈良の自衛隊の基地や駐屯地を回る研修をする予定だったのだが、災害派遣がかさんだために中止になってしまった。
 もともとついでに観光地を見るつもりでいたので、この際自分で奈良旅行をしてしまおうと思った次第。
 奈良なんて小学生の頃家族旅行で東大寺に行ったっきりだな。
 この辺の歴史は割と学期の最初の頃にやるから、むしろ京都より覚えていることは多いのだが。


 というわけで、とりあえずは無難な法隆寺にやってきた。
 着いたのは朝9時半頃。平日なのであまり人もいないだろうと思いきや、10時を過ぎたあたりから小中学生の遠足や修学旅行とおぼしき団体が陸続とやってきて、あっというまにあたりが制服や黄色い帽子に埋め尽くされてしまった。
 まあでもみんな行儀が良いし、ガイドさんの説明をさりげなく立ち聞きして楽しんだりとかできたから面白かったけど。


 金堂。教科書でおなじみの面長の薬師如来像がある。


 大講堂。よくわからない。


 日本最古の五重塔。


 秋に咲く十月桜と紅葉のコラボ。
 急に寒くなったので結構あちこち赤や黄色になっていた。


 寺と紅葉。


 松のてっぺんで一生懸命何かをやっていたカラス。


 日本最古の門。
 日本最初の寺だから当然といえば当然だが、法隆寺にはこういう「日本最古」が無造作にあちこち転がっている。


 鬼瓦かっこいい。


 寺と紅葉。その2。


 聖徳太子の供養のために建てられた夢殿。
 たまたま秘仏の救世観音を公開していて見ることができた。


 ここは法隆寺ではなく、聖徳太子のお母さんに由来する中宮寺。
 もともとは違う場所にあり、1度絶えたがその後今の場所に再建されたらしい。
 本堂は水の上にある珍しい形だが、行った時は掃除中で水が抜かれていた。
 ちなみに、ここの本尊も教科書でよく見る頬に片手を当てた菩薩半跏増。


 寺と紅葉。その3。

 ううむ……なんだろう。思ったより感動はなかったな。
 なんというか……僧侶の姿が全くなくて、受付とか案内とか整備とか、いるのがボランティアのおじさんおばさんばっかりなのですよ。
 一応、聖徳宗という宗派の現役の総本山ではあるのだが、生活臭のない観光地を見ているみたいな感じに見えちゃったのかもしれない。

 それでも結構ぐるぐる回って次の目的地、唐招提寺に行こうとしたのだが、地図を見たら歩いて10分ほどの所に藤ノ木古墳があったので足を伸ばすことにする。
 ここは盗掘を全く受けず、豪華な副葬品がそのまま、しかも人骨とセットで見つかったという希有な古墳なのだ。
 せっかく来たんだからひとつぐらいは有名な古墳も見ておきたい。


 斑鳩っぽい雰囲気の写真。
 斑鳩という地名は、一説によれば鳥のイカルが多いかららしい。


 そして藤ノ木古墳。
 えぇ……。
 いや、作られた当初は確かにこんな感じだったのだろうけど……なんか思ってたのと違う……。

 そして、中に入ることはできないが、出入り口のガラス窓から中がのぞけるという。
 人が近づくと自動で中に照明がつくとのことなのだが、なんと照明が故障中で見えるのはほぼ暗闇。ひたすら見てると遠くに微妙に常夜灯みたいな小さな明かりがあるっぽいぐらいしかわからない。
「ガラスに顔を近づけて目をこらし、闇に目を慣らしてご覧ください」とか書いてあるが、そんな10メートル先の闇を見通すとか超人的な能力はないので、カメラのF値に頼ることにする。
 行け、G9X!


 行った!
 G9X頑張った!

 もっとも、副葬品とかは全部近くの資料館に移されてるんだけどね。
 そこを見てから、改めて唐招提寺に向かうことにする。


 法隆寺から唐招提寺まではバスで40分ほど。
 途中の道路を歩いていたセキレイ。


 唐招提寺の駐車場のあたりにボンネットバスが停まっていたが、なんだろうか。


 唐招提寺。これも教科書で有名な鑑真座像があるお寺。
 普段は公開されてないけれど。


 金堂。


 数々の伽藍からはずれた奥のほうに、ひっそりと鑑真の墓(御廟)がある。


 苔が美しい墓への小道。


 墓。
 あの鑑真がここに葬られているわけですよ。
 教科書でしか知らなかった鑑真とここで向き合ってるわけですよ。
 なんかすごい。


 そんな感動にひたりながら墓の周りを回ると、墓を囲むように作られた池にはカルガモがいっぱいいいた。


 御廟を出て境内をぶらぶらしていたら、すぐ近くまでやってきた鳥。
 調べたらマヒワのメスみたいだけど、あまり人を怖がらないのか、カメラを向けても結構な時間ちょろちょろしていた。


 なんかの建物。
 実はここも僧侶の姿を全く見かけない。
 律宗という宗派の総本山ということなのだが、観光向けの運営は外部やボランティアに任せて、お坊さんたちは本業である修行に集中しているということなのかな。

 そんなわけで、法隆寺と違って感慨にふけりながら唐招提寺を後にしたのだが、この時点でまだ15時過ぎ。
 もうちょっと法隆寺の近所の寺とか神社とか回れば良かったと思いつつ、奈良国立博物館で正倉院展が今日までだったのを思い出した。
 ネットで混雑状況をチェックすると、行列はなし、快適にご覧いただけますということなので、行ってみよう。


 そして現地で、入場料1,100円がなんとご即位記念で無料ということが判明する。
 しかも確かに並んでいない!
 これはもしや超ラッキーな可能性?

 ……結論から言うと、上野の「正倉院の世界展」より若干ましという程度だった。
 まあ、辛抱強く待っていればそのうち前が空いて最前列で見れるので、そういう意味ではそれほど悪くなかった。


 とりあえず鹿撮っておくか。
 鹿ってたてがみがあるのね。

 しかし奈良、想像以上にボリュームがある。
 名所と名所の距離がそれほど離れていないので回るのは割と簡単だが、何しろ数が尋常ではない。
 多分これ、きちんと見ようと思ったら1週間ぐらいいる覚悟でないと駄目だわ。

外国の皇室のお宝と日本の皇室のお宝見てきた

 また「正倉院の世界展」(後期)に行ってきた。
 だって、後期限定展示の白瑠璃椀と紺夾纈絁几褥見たかったんだもの。


 今回はついでにこれも見てきた。
 うん、まあハプスブルクって感じ。
 図録を買う予定はなかったんだけど、好きな絵が絵はがきになっていなかったので結局買ってしまった。


 また来たよー。

 今回は18時頃に入ったのだが、入場規制はしていなかった。
 まあ激混みは相変わらずだったけど。

 白瑠璃椀は写真と全然印象が違った。
 ガラスならではの透明感とか微妙な色とか、1500年前の物とはとても思えない。
 恐らく、当時のガラスがそのまま保存されている世界でも唯一の例だと言うけど、そういう背景を抜きにしても単純に美術品として美しい。
 紺夾纈絁几褥とはこれ
 これを風呂敷にしたグッズを売っていたんだけど、思わず買ってしまった。