その他生物」カテゴリーアーカイブ

北の大地の水族館

 10/22、23と北海道に行ってきたので、まとめて後追いでアップします。

 北海道に来ている。
 10/23に恵庭の演習場で行われる第7師団の戦車競技会を見に行く事になったので、じゃあ前日に北海道入りして見たい所に行こうかな、となった次第。
 その見たい所とは……。


 おたる水族館!

 羽田から朝8時過ぎの飛行機に乗ってはるばるやってきた。
 Youtubeに良く上がっている「言うことを聞かないペンギンショー」を1度見たかったのだ。
 途中、小樽までの電車ががかなり徐行運転&遅延してて、何事かと思ったら前の電車が鹿と衝突してたらしい。
 そんな理由で遅延する電車に乗るなんて、もう一生ないだろうな。


 小樽水族館は地域密着型の水族館らしくて、メインの展示は北海道を中心とした北方の魚たち。
 このエイが北方の魚かどうかは分からないけど、2メートルぐらいあって上でゴロゴロできそうだった。


 事故で右側のひれを全部失って保護されたウミガメ。元気に泳いでた。


 日本でここでしか飼育されていないネズミイルカ。
 顔がまるっこくてかわいい。


 イワナの仲間のオショロコマという魚。北海道にしかいない。
 丁度繁殖期なのかすごくきれいな婚姻色だった。


 なんか必死で泳いでたカレイ。
 どうした。


 爆睡していたコツメカワウソ。
 顔は完全に隠れているのだが、ふかふかの体毛が呼吸ですぴすぴしてて、なかなか癒された。


 なんか異種混合で入ってる奴(手前)と1匹でみっちり詰まっている奴(奥)とゴンズイ玉。
 

 それぞれの水槽の所にはこんな手作りガイドが貼ってあって、これを見るだけでも面白い。
 縦縞ってそうなのか……。


 暖かい地方の魚の水槽とチンアナゴたち。
 このへんは割とよく見る連中だな。


 なんだっけ、多分ブダイの仲間。
 見ての通りいかつくてデカいけれど、胸びれが淡い虹みたいな色彩を帯びていて、そこだけ場違いに優雅。


 なんだか懐かしい雰囲気の大回遊水槽。
 オホーツク海とベーリング海の魚が集まっている。
 ここもいかつくてデカい魚が多いので、かなり迫力がある。


 ……んだけど、なぜか奇妙な格好で岩の隙間におさまっていたり貼り付いていたりする。
 癖のある魚が多い?


 良くここまで見た目も種類もバラバラなのが仲良く集まってるな……。


 この辺は珍しい魚っぽい。
 青がきれいなギンポ。


 赤がきれいななんかの魚。
 実物はもっと紅色に近くて鮮やかだった。


 両方とも同じ種類のフウセンウオらしい。
 ずいぶん色が違う。


 エビちゃん。


 カメラを近づけると警戒して砂の中にもぐってしまうので、ちょっと撮るのが大変だったなんとかギンポ。

 いくら見ていても飽きないけれど、そろそろペンギンショーの時間なので、会場の屋外プールへ行こう。


 野性味を感じる屋外プール。
 ここはペンギンを始めアザラシやトドなど海獣が飼育されているが、冬は海が荒れて波にさらわれたりするので別の場所に移すらしい。
 確かに、見ていると普通にプールの壁を越えて外の波が入ってくる。


 ショー直前のペンギンたち。隣ではオットセイがショーの最中。
 早くもカラスが待機している。


 飼育員さん来た!

 ペンギンは調教する事ができないそうで、だからこれは動物が思い通りにならない事を示すためのショーなのだが、勝手気ままに振る舞う(でもエサは欲しい)ペンギンたちと、それに振り回されながらも何とか演目をやらせようとする飼育員さんの掛け合いが絶妙に面白い。
 そして今日のペンギンたちはやけにやる気満々で、ほとんどの演目を飼育員さんに合わせて自発的に(勝手にとも言う)こなしてみせた。
 ペンギンやればできる子。


 ごほうびの魚を狙って何食わぬ顔でペンギンに混じるカラス。
 カラスとかカモメとか、野鳥が普通に入りこんで、時にはペンギンと魚の争奪戦をしたりするのもこのショーの醍醐味。
 動画も撮っていたのだが、途中ででかい外国人が子供を高く抱き上げて前に来てしまい、視界が遮られたので断念した。

 ペンギンショーが終わると次はすぐトドショーが始まる。
 どうせならこれも見ていこうかな。トドのショーって珍しいし。


 予想以上にトドが近かった。
 本当に柵のすぐそばにいる。くしゃみとかしたら鼻水が飛んできそう。
 むしろ観客の方がちょっと恐れをなして柵から距離を置いちゃってる。


 まずエサをもらう。
 飼育員さんも柵の観客側から魚を投げ与えている。


 吠え声実演。


 うん、これはよく見る奴。
 でも近いので、全体重を支える前ひれの頑丈さとかが良く分かる。


 ありそうで見られない岩を上るトド。


 岩の上の飛び込み台から、5頭のトドが一斉に飛び込む大技。
 すごい迫力。


 目玉企画「鮭は飲み物」。
 1メートル近くありそうな鮭をまるごと1匹つるんと呑み込んでしまう、これもある意味大技。


 ひれで拍手。
 近すぎてべっちんべっちんすごい音がする。
 拍手どころかゴリラのドラミング見てるみたいな気分になる。

 面白かった。とにかく距離が近くてトドの視線や表情まではっきり分かる。
 10分ぐらいの短いショーだけど、すごい中身が濃い。

 なんかすごく楽しくなってきたので、トドの餌やりもすることにした。
 小さなバケツに入ったぶつ切りニシンを、トングでプールにいるトドに投げ与える事ができる。
 お値段は量によって400円、600円、1000円の3種類。
 ここは奮発して1000円にしよう。


 エサやり対象のトドたち。さっきのショーのトドとは別。
 右下の大きいのがボスらしく、一番客に近い所に陣取っていて、とにかく体が柔らかいので投げる魚を器用に片端からキャッチして食べていってしまう。
 ボスに取られないよう、弾道を高めに後ろの小さいのに投げると、たまにカラスが空中でかっさらっていく。
 エサをやっているだけなのに、生存競争の厳しさを垣間見ることができる。

 平等にやろうと試行錯誤しているうちに、エサがなくなってしまった。
 さて、そろそろぶらつきながら出口に向かうとするか。


 なぜ一方に注目しているのかと思ったら、少し離れた控え室から飼育員さんが出てきて作業をしているのだった。
 結構距離があるのに良く分かるな。


 立ってる……。


 井戸端会議するおばちゃんみたいになってる……。


 すごい牙のセイウチ。30歳らしい。
 でも延々泡をぶくぶく吐いているだけだった。


 トドが集まる通称トド岩。
 やっぱり昔はトド駆除のために自衛隊に砲撃されたりしてたんだろうか?

 なんか、北海道版の油壺マリンパークという感じ。小さいけれどすごく面白かった。
 隠れていたりして見れなかった魚も結構いたので、リベンジしにまた来たい。

○おまけ

 すごい分かりやすいようで、実は何の注意喚起をしたいのか良く分からない看板。

ローマの夢の跡を見る

 東京都美術館の「永遠の都ローマ」展に行ってきた。


 高さ1.8メートルのコンスタンスティヌス帝の大頭部。
 確かキリスト教を公認した皇帝で、だからキリスト教基準の世界史では「大帝」って事になってるんだっけ。

 ローマのカピトリーノ美術館の収蔵物の展示会。
 カピトリーノ美術館は、ローマの始まりの7つの丘のひとつ、カピトリーノの丘に建てられた世界最古の美術館。
 ローマを中心にイタリア美術を収集していて、今回も古代ローマをメインに中世絵画なんかが展示されている。
 東京都美術館だからそこそこだろうと思っていたけれど、あの有名な狼から乳をもらうロムルスとレムスの銅像(複製)とか、各皇帝の彫像とか、いろいろあって楽しかった。
 個人的に、イノシシを襲うヒョウの彫像がすごかった。絵はがきが欲しかったけれど、欲しいのに限ってないといういつものパターン。
 中世以降の絵画美術は、知らない人ばっかりで良く分からなかったけど。



 トラヤヌス帝の記念柱に描かれているレリーフの一部の複製。
 実物は高さ34メートル、直径3.7メートルの大理石製。表面にびっしりとこんな感じのレリーフが施してある。
 地震国日本ではまず現代まで残らないスケールの建築物だな……。

 ローマには確か20年ぐらい前にツアーで行ったんだけど、全く何も覚えてないんだよね。
 その時はミラノ、ベネツィア、パドヴァ、フィレンツェ、ヴァチカン、ローマに行って、他の場所はどこに行って何を食べたかまで覚えてるんだけれど、最後のローマだけは街を歩いていたら立哨中の警官がマシンガンを持っていてびっくりした事と、イタリア語が分からなくて立ち入り禁止の市庁舎の敷地に踏み込んで追い出された事、古代ローマの建物を再利用した礼拝堂(名前忘れた)に行ったら、イタリア陸軍の兵士がなぜかは分からないけど大勢いてパイプ椅子を並べていた事しか記憶にない。
 また行きたいけど、鳥どももいるし無理かな。

ペンギン、ペンギン

 吉祥寺美術館の「さかざきちはる ペンギン街に出る」展を見てきた。


 Suicaで有名なあのペンギン。

 実は吉祥寺に行くのは初めて。
 この吉祥寺美術館、商業ビルの7Fにひっそりある小さな美術館で、初見殺しとまではいかないが方向音痴には若干つらい。
 しかも吉祥寺、めちゃくちゃ混んでいる。知っている街で言えば鎌倉ぐらい混んでいる。これが普通なのか何かイベントがあったのかは知らないが(横断歩道にものすごく人が溜まっていたところを見ると、何かイベントがあったのかもしれない)、なんかもう歩いているだけで疲れてくる。
 あとなんかタトゥーを見える所にでかでかと入れてる人率が高い。


 街に疲れた心を癒してくれるペンギン。
 かわいい。

 実はこのペンギンが大好きで、グッズもたまに買っている。
 ペンギンなのにとにかく表情が豊かなのがいい。
 黒い顔に白で目とくちばしがあるだけなのに、なんであんな風に様々な表情を出せるんだろう。

 入場料が300円というので大体察していたが、150平米ないぐらいの展示室1室のみの小さな会場だった。
 そこに「ペンギンと鳥」「ペンギンと色」というふたつのテーマで、10センチ四方程度の大きさの紙に描かれたペンギンの絵が500点、みっしりと飾ってある。
「ペンギンと鳥」はテーマの通り、様々な鳥たちと一緒にいるペンギン。インコや文鳥などのペットから、朱鷺やスズメといった野鳥まで、いろんな鳥とペンギンが触れあっている。中にはペンギンとオウサマペンギンなんてのもある。
「ペンギンと色」は、ペンギンが色をテーマにした物や事柄を一緒にいるイラスト集。例えば「ワインレッド」だとペンギンが赤ワインの入ったグラスを手にしていたり、「グレー」だとヒナペンギンと一緒にいたり「マリンブルー」だと水兵さんの格好をしていたり、など。
 全て1点物の直筆画ではあるが、ほぼ同じもの構図の物もかなりあって、実質的な作品数としては半分ぐらいかな、という感じ。
 でも同じでも見ていて飽きないからいい。
 カタログ(というかペンギンばかりを集めた画集)を買おうと思ったのだが、ほぼ縮小されてしまってしまっていて、原画の独特の雰囲気と良さが完全になくなっていたので、買わなかった。

ポケモン工場夜景

 工場夜景クルーズに行ってきましたが、帰宅が遅かったため、翌日アップしています。

 妹が親を横浜の工場夜景クルーズに連れていくというので、ついでに誘われてきた。
 確か10年ぐらい前、工場夜景がブームになるかならないかの時にちっちゃな交通船で行ったことがあるけれど、コロナとか物価高騰とか、いろいろ環境が変わった今はどうなっているんだろう。


 今回乗る船『ハイドロびんご』。
 水素で軽油のハイブリッドで動く日本で唯一のSDG’s船だが、水素はお高いのでもっぱら軽油ばかり使っているらしい。
 それSDG’sなのだろうか。


 乗船場所は海保の基地のお隣、ハンマーヘッド。
 消防船『ひりゅう』。いつ見てもかっこいいなあ。


 ほどよく暗くなってきた所で出港。
 この日はみなとみらい全体でポケモンワールドチャンピオンシップスという、大規模なポケモンイベントが開催されていて、街中のあちこちにポケモンのオブジェが飾られている。
 これは特別ポケモン仕様のポケモントレーナークルーズ船『にっぽん丸』。別にクルージングするわけではなく、中を参加者に開放しているだけ。


 ライトアップしている米軍の弾道ミサイル追跡艦『ハワード・0・ローレンツェン』。
 別にポケモンとは何の関係もない。


 ベイブリッジの向こうに見えるビルみたいなのは、豪華客船『ベリッシマ』。
 あれが世界を渡る本気の豪華客船か……。


 高速航行で工場地帯の運河に入っていく『ハイドロびんご』。これは火力発電所。
 風が割とある上に結構スピードが出る船なので、うっかり立つと危ないレベルで揺れる。
 お陰でコンデジのピントが上手く合わせられない。


 運河の支流に入ってスピードを落としたのでまともに撮れるようになった。
 実はここまでも結構見どころはあったのだが、暗闇に照明というシチュエーションは愛用のコンデジのオートフォーカスが一番苦手とする状況で、ピンボケ写真ばかりになってしまった。
 これはたまたまうまく撮れたのだが……。


 試しにiPhone14 Proで撮影してみたら、あまりにきれいなのでびっくりした。


 空がやや明るく写りすぎているきらいはあるが(実際にはすでにこの時空は真っ暗)、iPhoneが勝手に判断して美しく調整した写真を量産してくれる。
 こりゃコンデジ完全敗北だな……。


 なんかハウルみたいになった工場。
 うん、これは自分が写真が上手だと勘違いする人も出るわ。
 意図せず美しく撮れすぎる。


 JRの火力発電所。


 緑色にライトアップされている鶴見つばさ橋。


 青くライトアップされているベイブリッジ。


 高速道路。


 ハンマーヘッドに戻ってきた。
 これで入港……ではなく、この後ポケモンイベントで開かれるポケモンドローンショーを海上から(勝手に)鑑賞するのだ。
 数百のドローンが夜空にポケモンキャラたちを描き出すアトラクションらしい。
 ……あれだな、そのへんの観光船が、観艦式に特別料金で勝手に船出して制限海域外から眺めるようなもんだなこれ。


 夜空に展開するドローン。
 これだけでもうSFっぽい。


 ピカチュウ登場。
 静止画ではなく稲妻がピカピカするアニメーション付き。


 ポケモンGOプレーヤーの妹に聞いたら、何かとっても特別な鳥らしい。

 見るのに夢中で写真をほとんど撮らなかったので、他に見たい人はこっちの動画をどうぞ。
 6分ある上に途中から始まって途中で終わっているけど。

 ドローン、想像以上にすごかった。
 こんなのを普通に娯楽として見られる時代が来るなんてびっくりだわ。

 あと、夜景はやっぱり前に比べるとささやかになっていた。
 コースが当時と違っているというのはあるにしろ、もっとたくさんライトアップしていた工場が多かった気がする。
 まあしょうがないかな、このご時世だし。

花の御寺の声明公演

 国立劇場さよなら公演の「長谷寺の声明」に行ってきた。
 長谷寺は5月の連休に行ったあの長谷寺。今回は大般若経の転読が中心になる。
 ……多分延暦寺の時ほど眠くならないと思うんだよな。転読だし、あれよりアクロバティックなはず。
 どんなものかはファンシイダンスで読んだだけだけど。

 
 全部木彫りのすごいリアルな連獅子。

 転読とは、蛇腹状に畳まれた経典のタイトルだけを読み上げ、後はアコーディオンを広げるみたいに経典を上から下にばらばら流して終わりにする読み方。
 大般若は玄奘三蔵がインドから直々に持ち帰って翻訳した600巻にも及ぶ超大作で、まじめに読んでいるととてつもなく時間がかかるため、いつ頃からかこういうお手軽方式がとられるようになったらしい。
 ちなみに、この大般若の真髄を300文字弱にまとめたのが般若心経。


 やっぱり結構混んでいる。
 この時はまだ空席があるが、開演時には満席だった。
 そういえば、5月にあった東大寺の声明(お水取りで有名なあれ)なんて、チケットが発売日に一瞬で売り切れてたしな。
 意外と固定ファンがいたりするのかしら、声明。

 まあ今回も大部分が読経、しかも普通に聞くお経と違って独特のゆったりした抑揚で唱えられるお経なので、前半いい子守歌になってしまったのは否定できない。
 が、延暦寺の声明より言っている事が分かりやすかったのと、やっぱり密教の真言宗なだけあって、鐘や錫杖など鳴り物がいいメリハリを出しているので、なかなか面白く見ていられた。
 今回舞台の上で転読を行ったのは30人。この転読そのものに破邪の要素があるそうで、30人の僧侶が口々に巻名を大音声で読み上げながら蛇腹を上から下にばーっと広げ、終わるとバン! と音を立てて経典を置くのは、なかなかカオスな迫力があった。
 あと、いつも思うんだけど、般若心経ってアップテンポで読むと盛り上がるし、スローテンポで読むと何となく心落ち着く感じになるし、万能のお経だよね。
 さすが大般若の真髄。


 特別に来ていた本尊十一面観音の絵姿の1/3バージョン(実物大だと大きすぎて飾れないため)。
 本家長谷寺でたまに行われる特別拝観では、直接足に触れて拝むことができるのだが、それが再現されている。
 実は5月に特別拝観をしているのだが、これも何かの結縁なので並んでまた触ってきた。

六本木でも恐竜!(2週間ぶり4回目)

 六本木の東京ミッドタウンでやている恐竜科学博に行ってきた。
 やっぱ1回見ると他も見たくなっちゃうのよね。

 ここでは恐竜の復元化石をジオラマ風に展示して、「生きているように」見せるというのが売りらしい。
 今時特に珍しい展示方式でもないと思ったのだが、それをやると福井の恐竜博物館みたいにとにかくみっしり並べて展示するという事ができなくなる一方、展示数が少なくて済むというメリットもある。
 さてこれはどっちに転ぶかな?
 そしてこれ、実はおととし横浜でやってたのを六本木に持ってきただけらしい。
 どおりで、イラストなどのコピーライトが全部2021だから不審に思ってたんだ……。


 ……の前に、サントリー美術館でこんなのをやっていたので、思いつきでふらっと入ってみた。
 虫が出ている書物や装飾品、絵画などをとにかく集めてきて並べたという感じ。なぜかカエルも含まれているのが謎だが、ほぼ確実にいいものが展示されているので見て間違いはない。
 ただ、本当にただ並べただけなのが残念。府中美術館あたりなら、同じテーマでもっと面白い見せ方をするだろうなと思った。

 というわけでさて恐竜を見に行くか。


 冒頭に来るのが、脳腫瘍を患った上に体の各所に怪我や病変を抱えたゴルゴサウルス。
 同時に同種の化石としては屈指の残存部位の多さと保存状態の良さを誇るらしい。


 赤いマークの先が脳腫瘍。
 生々しい。


 いろんな恐竜の足跡。
 中央の蛇行しているのがティラノサウルス。とエドモントサウルス、左側上部がエドモントサウルス、そのさらに左がエドモントサウルスのしっぽがちょっとこすれた跡だそうな。


 ちっちゃい翼竜かわいい。


 ワニに目をつけられたちっちゃいカメ。


 ケツァルコアトルス大好き!
 でも実はこの種類は全身化石は見つかっていなくて、似た種類の他の翼竜を大きくして展示しているだけらしいけど。


 こうやって見るとほんとデカいな……。
 そしてこのポーズで歩きながら餌を探していたらしい。絶対恐いわそれ。


 ここでもラプトルは追いかけていた。


 復元図的にはこんな感じらしい。
 追われているのは鳥で言えばダチョウのような高速恐竜ストルティオミムス。


 鳥びょーん。


 復元図で言えばこんな感じ(エドモントサウルスの上の赤い鳥)だったらしい。


 なんだっけ、忘れたけど鎧竜とエドモントサウルスの骨。
 エドモントサウルスはとにかく良く発見される&群れの状態で発見される恐竜で、恐らく生息数が物凄く多く、さらに大集団を作って生活する習性があったのだろうと推測されている。


 正面顔。


 首長竜の子供……を大人の骨格から類推して作成したもの。化石が見つかっているわけではない。


 モササウルスに追われるペンギンに似た鳥。
 ペンギン逃げてー!


 骨になっていても伝わってくる必死感が秀逸だと思った。


 数年後に新種として出てくるのを期待しよう。


 きめ細かいお肌……そうなんだ……。


 トリケラトプスとティラノサウルス。
 トリケラトプスには「レイン」、ティラノサウルスには「スタン」と愛称がついている。


 躍動感あふれるスタン。


 ティラノサウルスの一生。
 左から赤ちゃん、少年期、青年期、老年期。


 ピヨピヨ言ってそうでかわいい赤ちゃん。


 ティラノの寿命は30年ぐらいなのか……。
 意外と短い。そして模型の老いっぷりがリアルすぎる。

 復元模型ではなく、徹底して「骨」で恐竜の生態を描き出そうとしているのが、なかなか面白かった。
 もうちょっとレプリカ(展示されてる化石のほぼ大部分が実物ではなくレプリカ)の出来が良ければ、さらに魅力的だったかも。

灼熱の最終日

 7/16は福井に行っていましたが、帰宅が夜遅かったため、後からアップしています。

 福井最終日。
 飛行機の時間があるのであまり遠出はできないのだが、午前中は福井から特急しらさぎで15分ほどの敦賀の氣比神宮に行くことにした。
 普通電車でも所要時間は1時間程度なのだが、まあここは例によって時間を金で買うということで。

 敦賀駅から氣比神宮までは大通りを歩いて15分ほど。
 気温が36度越えしようかという日にアスファルトが照り返す道なんか歩きたくないやと思ってバスを探したのだが、なんだか良く分からなかったので結局歩くことにした。
 この大通りは商店街でもあるので、アーケードで日陰になっているし、とりあえず倒れないで行けるだろう。


 歩き始めてすぐ、銀河鉄道999を見つけた。
 なぜ999? と不思議に思っていたら、丁度商店街の観光客向け放送が始まって、敦賀港開港100周年記念に松本零士から許諾を得て、氣比神宮までの道の両側に映画版の999とヤマトよ永遠にの銅像を計28体、商店街で作ったと教えてくれた。
 ……映画版999は分かるとして、なんでヤマトは最初のじゃなくて永遠になんだろう?

 
 陰影が強くてちょっと顔が変な感じになっているけど、なかなかクオリティの高い銅像。


 車掌さん!


 なかなか工夫している時間城とリューズ。


 ハーロック!(とトチローの墓)
 別の場所にエメラルダスもいたけど撮り忘れた。


 女王プロメシューム。
 全く立体向きのデザインじゃないのに、良く立体化したなあこれ。


 アンドロメダを攻撃するエメラルダス号とアルカディア号。
 これもデザインが上手い。


 ラストの別れ。
 ここで銅像をデザインした人のセンスの良さを確信した。

 そんな感じで、暑いけどそれなりに楽しみながら氣比神宮についた。


 日本三大鳥居と言われるらしい大鳥居。
 後の2つが何なのかと思って調べてみたが、いろいろ諸説あって明確ではないらしい。


 拝殿の入口。


 拝殿。
 もともと記紀にも記述が見られる歴史の古い神社で、古代の天皇との縁も深い。
 神宮の格は明治になって与えられたもの。
 空襲で大鳥居以外焼失してしまったので、建物そのものは割と新しい。

 敷地は広いが構成がすっきりしているので、さほど時間もかからずお参り終了。
 さてヤマトを見ながら帰るか。


 トップはヤマトじゃなくてアナライザーなんだ……。


 古代と島。英雄の丘に集合したところだそうだけど、あの時島は月面基地から命からがら脱出してきてボロボロだったはず……。
 古代の髪型が若いときの西城秀樹みたいになってるけど、この髪型立体化するのすごく難しいんだよね、分かる。


 そしてなぜか唐突に突っ込まれてくるスターシャ。
 これ永遠にだよね?


 ユキが取り残されるシーン。すごく頑張ってる。
 でもこれちょっと角度を変えると、古代がハシゴから手を伸ばしてるみたいに見えてしまう……。


 ようわからんものナンバー1。
 サーシャがスカルダートに殺されるシーンと、それを見る古代だそうだが、もうちょっと表現はなかったのだろうか。


 スカルダートは服の部分でヤマトの最後(フェイク)を表現するなど、工夫はしている。


 多分ヤマトの銅像シリーズの中では一番いいデザインだったデザリアム星。
 普通に抽象美術のオブジェとして置けるクオリティ。


 ラストのスターシャとサーシャ。
 3199でもサーシャは死ぬのかな。可哀想なのでやめてほしいんだけど。


 そしてラストを飾るのはなぜか佐渡先生だった。

 うーん、999の方がデザインのレベルは高い気がする。
 とりあえず満足したから福井に戻って、次は一乗谷朝倉氏遺跡に行くことにした。
 実はこの日、福井港では海自の護衛艦『せとぎり』の一般公開をやっていたのだ。
『せとぎり』は見たことがないし、頑張れば行けない距離でもなかったのだが、現地で並んでだりすると間に合わなくなりそうだったので、今回はあきらめてそれより近くて時間の目測が建てやすく、前にブラタモリで見て興味があった一乗谷を選択した。


 一乗谷までは福井駅から1時間に1本直通バスが出ていて、これに乗ると30分ほどで行ける。
 織田信長にあまりにあっさり滅ぼされ、その後忘れ去られたために、町並みや武家屋敷、庭園や城など、当時の城塞都市の遺構がほぼ完璧な形で残される事になった。
 しかし昨日の平泉寺白山神社と同じで、遺跡の場所はご覧の通りの炎天下。暑い。とても暑い。


 武家屋敷の町並みが復元された場所。
 最初はいろいろ見て回るつもりだったのだが、あまりに暑いので段々元気がなくなってきた。
 一応風があるのだが、これもほぼ熱風。


 町人の家。


 たまにこんなのがいてびっくりする。


 武家屋敷。間取りが町人の家と全然違う。


 途中にたくさんの風鈴を使ったオブジェがあった。
 音で涼を感じるというのがどういう事か、この歳にしてようやく分かった気がする。
 風鈴の音を聞くだけで、いくらか気分が軽くなる。


 全体はこんな感じだったらしい。
 人口が数千人というから、かなりの大都市だった。


 門は復元されているが、屋敷は復元されていない。
 庭だったとおぼしきところにぽつんと石だけが残されている。


 城主、朝倉氏の屋敷跡。
 最近建てた門かと思ったら、江戸時代のものだって。


 まあ中はこんな感じなんですけどね。
(暑すぎてすでに義務感で見ているだけ)


 足利義昭を招いて宴を催したという庭園の跡。

 遺跡全体はこんなもんじゃなくて、もっといろいろ見れるのだが、もう暑くてバテかけていたので、早々に切り上げてレストランに逃げ込んでしまった。
 もうちょっと歩くのに適した季節にリベンジしたい。

 これで全行程は終了。
 あとはお土産を買って小松空港に行って飛行機に乗るだけ。


 伊豆半島と富士山と積乱雲と夕焼け。

恐竜!(今年3度目)

 今日は勝山の恐竜博物館へ行くのだ!
 去年12月からリニューアルのため閉館していたのだが、昨日7/14にめでたく復活となった恐竜博物館。
 前々から1回見たいとは思っていたのだが、ぶっちゃけ交通の便がかなり不便なので、まあ何か機会があったら行こうかなと思い続けてはや数年、これは機会だ! と永平寺と組み合わせて行くことにした次第。

 で、まず同じ勝山にある平泉寺白山神社に午前中は向かう。
 平泉寺とついているが、明治の神仏混淆の禁止によって現在は神社のみとなっている。ただいまだに平泉寺と呼ばれているのは、もともと白山信仰のあった神社に717年に泰澄という僧侶が仏教拠点としての位置づけもした結果、最盛期には数千の僧と幾十もの伽藍が立ち並ぶ日本最大の宗教都市となっていたため。
 ただ、これらはすべて戦国時代の一向一揆で焼かれてしまい、今となってはどれほどの規模だったかはほとんどわかっていない。


 交通機関の都合で、着いたのは朝9時前。
 標高が少し高いのもあったまだ涼しいし人はあまりいないしで(それでもやっぱり朝を狙って来ている人はいた)、かなり快適。


 なお、ここは苔寺としても有名。
 永平寺も苔がすごかったけど、このへんの山は湿気が強いんだろうね。


 御手洗池。泰澄がここに寺を開くよう、お告げを受けた場所とのこと。


 拝殿と本殿の近くは、苔が緑の絨毯状態になっていて大変趣がある。
 朝露を吸って苔が生き生きしているせいもあるんだろうな。


 人が少ないので油断していたトカゲちゃん。
 この後もあっちこっちで見かけた。


 本殿。
 鉄骨補強されているのは、多分雪が積もるからだと思う。


 ここも苔。


 本殿のさらに上に、奥宮ならぬ三宮があり、ここから白山への修行道が出ている。
 そして祀られているのは安産の神様。
 お寺と完全に一体化していたせいか、どうも構造が良く分からない。


 三宮。左は楠木正成の供養塔。弟が建てたとのこと。

 一応お参りしたかったところは全部回ったのだが、まだ1時間もたっていない。
 しかし予約している恐竜博物館の入館時間はまだまだ先。
 うーん、見る予定はなかったけど、平泉寺の伽藍跡の発掘現場でも見ていくか。


 一見休耕田にしか見えないが、建物の敷地跡。こういうのがひたすらいくつもあるだけ。
 正直素人が見ても面白いものではない。
 しかも木の深い林の中を行けた神社とは違い、発掘現場は遮るもののない炎天下。
 歩いているとひたすら暑い。


 でも朝で人がいないので、いろんな生き物が近くに姿を見せてくれる。
 ちょっと離れた木立で、モズがしっぽをぴこぴこさせながらこっちを眺めていた。
 あと他にもセキレイとかアオダイショウとかカエルとか、クモに似てるけどクモじゃない足の細いふわふわした生物とか。


 中世時代に作られた石畳の道。ほぼ埋もれて山道みたいになっていたのをここまできれいに発掘した。
 他にも塀の跡とか石段の跡とか、確かにそこに人が生活を営む建物があったという印があちこちにある。
 でも暑い。


 ひととおり回って帰ろうと思った時に、昔の境内図を見つけた。

 遺跡はただ暑いだけだったけど、神社は鄙びた感じが良かった。
 平泉寺が今も存在していたら、どれほど賑やかな場所になっていただろうと思うと、つはものどもが夢の跡、なんて言葉も浮かんできたりする。
 実際、僧兵だけで8000人いたらしいし。うっかりすると戦国最強勢力じゃないかそれ。


 そしてここから実は恐竜博物館へ直通バスが出ているのでそれに乗って一路博物館へ。
 途中こんな恐竜オブジェを町のあちこちで見かける。
 なんかすごい。


 来たよー。


 巨大だし何の恐竜を模しているのか分からないけど、かわいいオブジェ。


 入るといきなりカブトガニの断末魔を見せられる。
(化石のカブトガニが歩いてきて、恐らくは苦しみもがいて死んでいった足跡がそのまま地面に残っている)


 次に発掘現場のレプリカを見る。


 そしていよいよメイン展示。
 うおぉぉぉ!


 これはすごい。
 上野の国立科学博物館にも同じような展示はあるが、ここはとにかく恐竜を大小問わず集めているので、また違った迫力がある。


 あと、さすがというか、展示が丁寧。
 もちろん全部が本物ではなくて、レプリカもかなりあるのだが、本物になるべく近づけたクオリティの高いレプリカを置いてある。


 復元模型もある。
 これが肉食恐竜に襲われて反撃する草食恐竜。
 この場面と同じ再現CGアニメを、少し離れたスクリーンで上映している。


 ギャグ漫画みたいな首の長さだが、本当にこうだったらしい。


 戦いながら砂嵐か何かでもろともに埋もれてしまった2匹。


 恐竜以外の展示も充実している。
 写真を撮り忘れたが、地球の成り立ちから地質、鉱物に関する地質分野の基本もきちんと押さえている。
 これは浦島太郎どころではないアーケロン。右端の人物と比較するとその大きさが分かろうというもの。
 後ろのは数年前まで「プレデターX」と呼ばれていたやつじゃないか?


 もっふりした鳥の祖先。


 鳥のくせにあまりもっふりしていない始祖鳥。


 原初のクジラ。


 右側のは多分ゾウ。
 左側のはサイらしい。

 展示スペースは決して広くはないのだが、そこにこれでもかとばかり情報を詰め込んであるので、じっくり見ているといつまでたっても終わらない。
 だがこの後、有料の特別プログラム「化石研究体験」を予約しているので、途中で一旦切り上げて集合場所に向かうことにする。

 このプログラム、1日に4~5回行われ、実際に化石研究者がやっていることを、簡易的に楽しんでもらおうというもの。
 やるのはティラノサウルスの頭骨復元、化石のクリーニング、CTスキャンした化石データの観察の3つで、トータル120分。
 予約したのが早かったので割と余裕で希望時間を選べたが、今見るとほぼ全部埋まっていた。
 そして参加者は親子連れかカップルばっかりなので、かなり肩身が狭い。


 まずティラノの頭骨組み立て。
 これが外から見えない部分の骨も結構あって、意外と組み合わせるのが難しい。どの向き? どことどこを合わせるの? となりがち。
 複数人のグループでやるのだが、組んだカップルの女性がすごく勘のいい人で、かろうじて制限時間内に終わることができた。


 完成!
 ほぼ実物と同じ精巧な模型だそう。


 次は化石のクリーニング。
 実際に使われているのと同じエアースクライバーで、レプリカの岩の中に埋められたレプリカの化石をきれいに掘り出していく。
 夢中になりすぎて服が石の削りくずだらけになったのはここだけの話。


 どこまで掘り出すかはお好みなので、わざと母岩を残してみた。
 そして掘り出したレプリカは持って帰れる。

 最後のCTスキャンは画面の写真の撮影禁止だったが、これもとても面白かった。
 化石の血管なんかの内部構造が、スキャン画像で色分けしたり、不要な部分を見えなくしたりして細かく観察できる。
 ここまでできるシステムを持っているのは、今のところこの恐竜博物館だけだそうだが、いつまでいじっていても飽きない。

 子供だけでなく、大人も夢中になれるプログラムだった。
 というか、大人のほうが楽しめるかも。
 エアースクライバーとかCTスキャンとか、子供は途中で飽きちゃうっぽいし。


 さて、体験が終わったからまた館内を見ようかな。
 さっきのゾウとサイの続きから。


 人類もちゃんと展示されている。


 なんか良く分からないけど外人4コマみたいなラプトル。ここは収蔵庫区画らしい。


 もう1回恐竜の展示室に戻ってみる。
 ここには回廊があって、上からも化石を見られるんだけど、壁にできる骨格の影も計算して照明を当ててるっぽい。

 うん、これはまた来たいわ。
 お子様が少ない平日とかに、じっくり居座って堪能したい。


 リニューアル翌日なので、祝花がたくさん届いていた。


 竹下景子からグリーンが来ている。
 なぜ竹下景子……?

○おまけ

 勝山駅の駅員さん手書きと思われるアンモナイト。
 かわいい。

福井のお寺に行ってきました

 思い立って(といっても予定を立てたのは2ヶ月ぐらい前だけど)、福井にやってきた。

 新幹線にするか飛行機にするか迷った結果、飛行機で小松空港まで来た後、特急で福井入りすることにした。
 だって小松空港には空自の基地があるんだもん。
 運が良ければ何か見れるかもしれない。


 見れた!
 F15がずらりと並んでる。
 そういえば忘れてたけど、昔小松基地航空祭に来たことあったっけ。


 救難隊のUH-60が飛行訓練をしている。
 超低高度で横に飛んだり後ずさりしたり、本体がゆっくり回転してみたり、航空祭より面白い飛び方をしていた。
 丁度居合わせた飛行機の乗客大喜び。

 そんなこんなで福井駅に到着。
 この後は永平寺に行く予定なのだが、ここで塗り直そうと思った日焼け止めがいくら探しても見つからない。
 どうやら家に忘れてきたらしい。
 永平寺行きのバスが出るまで1時間弱。使っているのはどこにでも売っているアネッサだし、余裕で買えるだろうと思っていたのだが……駅前の商店街をかなりうろついても見つからない。
 しょうがないのでタイムリミット直前に西武(なぜかある)の化粧品売り場で別メーカーのを買ったのだが、そこまで頑張って買った後で、バッグの底から家から持ってきたアネッサが出てきた時にはかなり微妙な気持ちになった。


 まあ、探している途中で路面電車に出くわしてめちゃくちゃテンションが上がったからいいか。
 知らなかった! 乗りたい!


 永平寺。
 横浜にある總持寺と並んで、曹洞宗の大本山。若いお坊さんが実際に修行をしている場所でもる。
 実はファンシイダンスの明軽寺のモデルがここだと聞いて、ずっと来たかったんだよね。


 多分、修行に来る僧だけが入れる門。
 苔むして緑色になった階段がとてもきれい。


 修行体験に来た人の宿泊部屋かな。わかんないけど。


 よくわかんないけど豪華な傘松閣の絵天井の間。
 1994年に改築されたものだが、花鳥風月の天井画は1930年のもの。


 なんか飛びながら一生懸命叫んでいるウズラ。


 ふわふわのスズメたち。


 よく見ると、飛んでいる鳥の図は、ほとんどが下から見上げた形で描かれている。


 まるで野鳥のような顔をしている文鳥だが、日本では飼い鳥としての歴史しかないはずだぞ。


 青がひときわ鮮やかなアジサイとツバメ。


 寒くてもっふりしているカラス。

 いやーこれはいつまで見ていても飽きないわ。
 楽しい。けどまだここは入り口でしかないから、先に進まないと。


 なお、永平寺はほぼすべての施設に、外の通路と屋根のある回廊が併設されている。
 修行僧が頻繁に行き来するから、配慮しているのかな。


 法堂前の廊下。中は撮影禁止だが、修行僧の皆さんが作務衣姿で掃き掃除をしていた。
 しゅみだんしゅみだんきれいになぁれ。


 緑の中の回廊。


 法堂は下から見るとこんな感じ。
 山寺なので各施設の高低差が激しい。
 そして山から緑の香りと共に涼しい風が下りてきてとても気持ちがいい。


 山門から仏像が安置されている仏堂を見上げる。
 ここも池を渡って本堂に行く様式なんだ? と思って調べたら、成り立ったのがやっぱり鎌倉時代だった。


 お寺の脇を流れる永平寺川。
 多分普段は清流なんだろうけれど、ここしばらくの豪雨のせいで激流に。


 湧き水がそのまま小さな滝になっているやつ。
 下が浅瀬になっていて、簡単に入れそうだったけど我慢した。


 何かついばんでいたキセキレイ。
 お尻が黄色い。

 回っていると、ファンシイダンスの場面がどうしても浮かんできてしまうのはご愛敬として。
 小さい頃から鎌倉の禅寺を見慣れていたこともあって、お寺の中では禅寺が一番落ち着くなあ。
 緑と無色の組み合わせって、お互いをひきたてあう気がするんだよね。


 永平寺に行く途中の道路が、鉄砲水か山崩れかで水が大量に流れ出し、片側相互通行になっていた。
 近所の畑にまで水が流れ込んでいて、今日でこれなんだから昨日はもっとすごかったんだろうなあ。

古代のメキシコを眺める

 7/5に国立博物館の「特別展 古代メキシコ」に行ってきましたが、帰りが夜遅かったため翌日のアップです。


 というわけで古代メキシコ。

 いつもこの手のに行くのは土日なのだが、今回は、各遺跡に関係の深い3人のキュレーターが、自分の推し展示品について語るトークショーつきのチケットを買ったので、平日に会社をちょっと早く切り上げての上野行きとなった。
 トークショーは18時開始で1人15~30分ほど、それぞれティオティワカン、アグアダ・フェニックス、メキシコシティの3つ遺跡についてのものだったが、やっぱり現場を深く知っている人の話は面白い。
 料金は5400円だが、2800円の図録とエコバッグのおまけがついてのこの値段なので、通常の前売り券2000円と比べるとむしろお得。

 そして、トークショーが終わると、閉館後の会場内を一般の人がいない状態で見ることができる。
 少ない人数で貸し切りウェーイと思っていたのだが、実際にはトークショーの参加者が200人以上、ほとんどがトークショーから会場になだれ込んだので、混雑度合いは通常と全く変わらなかった。世の中早々甘くない。


 青がきれいな貴族の像。
 この後もいくつか出てくるが、南米の文明は共通して青と赤が本当に良い色で出ている。
 あと写実的な美しさを持つ物が多い。デフォルメされた神様の意匠の印象が強いのでちょっと意外だった。


 おすもうさん……ではなく、ゴムのボールを腰のあたりで弾ませてやりとりする古代メキシコ式サッカーというか蹴鞠というか、そういう競技をする人。
 イケメン。


 小さな石をすき間なく汲み上げて作った石像。
 30センチぐらいの大きさだけど、石と石の間にすき間ひとつない。


 やだかわいい。と思ったら生贄用ナイフだった……。


 生贄と共に埋められていたという石像。


 嵐の神様の壁画。


 王様の像。
 20センチぐらいなんだけれどすごく作り込んであって迫力がある。
 今回一番気に入ったのがこれ。


 なんか良く分からないけどものすごいインパクトのある鳥。


 尻は地味。


 しょっちゅう出てくる蓋付きの巨大香炉。
 色彩のセンスが秀逸。


 骨壺とのこと。古代メキシコというとそのまんま埋めていた印象しかないけど、火葬もしてたんだ。
 一見獣面人身の神かなにかに見えるが……。


 横から見ると、人間が口に獣の口を模したマスクをしているのがちゃんと分かる芸の細かさ。


 光を通しそうな程に薄いアラバスターの容器。
 欲しい。


 サルとカカオの実の意匠の容器の蓋。
 手とか見ると確かにサル。


 今回の展示の目玉、バレンケの赤の女王の仮面と装身具一式。
 実際にこういう形で埋葬されていたものを復元した。
 人形も服も全部赤いのは、発見された時に大量の辰砂で遺骨も棺の中も真っ赤に染まっていたから。
「赤の女王」の呼び名もそれに由来する。


 ツタンカーメンの仮面とかと同じで、これもある程度死者に似せて作ってあるんだろうな。
 かなり小さいのが意外だったけど、当時の成人女性の平均身長は150センチだというから、こんなもんなのかな。


 これもすごいモザイク。鏡だって。


 バンザーイ……ではなく建物の柱を支えていた像。


 イケメン。


 びっしりと文字が彫られたマヤの石版。
 当時の王様の即位とか何をしたとかいう記録らしい。


 マヤには日本の書道のように文字を芸術、装飾として楽しむ文化があったそうで、これも彫り線1本1本の流れの美しさまで意識して作ったんであろうことが伺える。

 よくよく考えたら、古代メキシコ文明って、インカとかマヤとかアステカとか所々断片的な事は知っているけれど、全体を時間軸とか地域軸とかで体系的に眺めた事ってなかったんだった。
 今回そういうものまで追いながら見れたので、とても面白かった。あと単純に、想像以上に洗練されていて驚いた。