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くまの詣で(3回目)

 海自横須賀基地へ、護衛艦と潜水艦の見学に行ってきた。
 潜水艦はほんと久しぶりだなー。

 といっても、護衛艦が『くまの』で最新鋭艦なのでほぼ撮影禁止。
 潜水艦は当然ながら完全撮影禁止なので、撮ったのはこの2枚だけ。


 ほとんどバス移動で、外からの撮影チャンスがなかったというのもあるんだけど。


 補給艦。最近は艦番号を見えにくくしているので、艦名は分からない。
 あと、この角度だと見えないが、奥にイギリスの哨戒艦『スペイ』が泊まっている。
 ダズル迷彩をしているらしくてもっと近くでちゃんと見たかったのだが、さすがに行かせてはくれなかった。
 何でも故障か何かで、海自の人によれば「もういつからいるか分からない」ぐらいずっと前から泊まりっぱなしらしい。
 そんなことあるんだ……。

 昼ご飯は米軍基地のオフィサーズクラブで食べたのだが、相変わらずアメリカンサイズで量がやたらと多い。おいしいけど。
 レモネードを頼んだら、まずグラスでグラスで普通に持ってきて、飲み終わった頃さらにピッチャーでおかわりが出てきたのにはびっくりした。

13年目の創立行事

 武山駐屯地の東部方面混成団創立13周年記念行事に行ってきた。
 武山は地元に近い事もあって、これまでの何度か混成団の行事は見ているけど、ここ数年はコロナですっかりご無沙汰だった。
 久しぶり。

 混成団というのは曹士と女性自衛官の教育隊に、即応予備自衛官で編成される第31普通科連隊を加えたもの。
 なぜ教育部隊に予備自の部隊が入っているのかというと、予備自は一般人(元自衛官もいるが)が、1年に決まった日数の訓練を受け、いざという時には自衛官として任務につくものなので、訓練の管理の都合上、教育隊と同じカテゴリにしておく方がやりやすいんじゃないかな。


 日差しはじりじり暑いけれど、湿度は低いし風があるのでそれほど汗はかかない。


 整列して待機する皆さん。


 隊員から敬礼を受ける混成団長。


 巡閲。


 なぜか来賓の横須賀市長も続いて巡閲。
 別に自治体の首長は自衛隊に関して指揮統制に関わる権限を持っているわけではないので、ちょっと意味が分からない。

 この後は、団長の訓示や市長の祝辞や政治家からの祝電やのいつもの流れで、式典は終了。
 この後は展示になるが、今回は隊員や車両の行進は全くない。
 武山駐屯地は基礎訓練をする場所なので、元々普段からその手の車両を所持していなくて、こういう行事の時は他の駐屯地からわざわざ運んできていたのだが、そういう余裕も最近はなくなってきたんだろうか。


 というわけで、いきなり訓練展示。
 まずは高等工科学校の吹奏楽部の演奏。
 そういえば、今日の式典の音楽はいやに音をはずすと思っていたのだが、この子達が全部やっていたらしい。
 まあ生徒ならしょうがない。


 でも正直学徒出陣のイメージが強い「抜刀隊」は、こういう年頃の子には演奏してほしくなかった気もちょっとするな。
 陸自は戦後に作られた行進用楽曲の「大空」よりも、こっちの方が好きらしいけどね。


 次はおなじみ自衛太鼓。
 まずは31連隊。


 次に高等工科学校。
 やっぱり若い子がやるからか、リズムがちょっとバンドのドラムっぽかった。
 あとやっぱり音が荒削りだけど力強い。


 最後は合同で1曲。


 最後は教育隊の自衛隊体操。人数実に300人以上。
 そうそう、こうやって走り込んでくるんだよね。初めて見た時は度肝を抜かれた。


 以前は、男性は体操、女性は隊歌合唱という良く分からない区別があったのだが、いつの間にか女性も一緒に体操するようになってた。
 確かに、こっちの方が自然。


 これで自衛隊の訓練展示は終わりなのだが、今回はゲストで横須賀の在日米海軍が、警備犬と爆発物処理の展示をした。
 まずは3頭の警備犬。お兄さんがいい笑顔。


 この犬はめちゃくちゃはしゃいでお姉さんにじゃれついていた。
 待機中もお姉さんの顔をずっと見ている。
 かわいい。


 展示は1頭につき1種類。合計3種類をやる。
 これは不審人物対処。
 デカい米兵が噛みつかれて振り回されている。これ日本人だったら初撃で倒されてるな。
 あと、なんかシェパードも日本のより大きいみたいなんだよね。
 米兵も同じレベルで大きいからあまりそうは見えないんだけど。


 これは基礎行動。一緒に歩いたり伏せや座れをさせたりするやつ。
 犬のこの嬉しそうな顔よ。


 爆発物探知。特定の臭いの布が入った箱を当てるやつ。
 この犬は結構せわしない系でしじゅうちょろちょろしていたけれど、最後にはちゃんと正しい箱を嗅ぎ当てていた。


 次は爆発物処理。これは多分防護服。
 なんかこんな感じの宇宙服が出てくる映画なかったっけ。


 後ろに続く探知ロボット。


 不審物(自己申告)を調査に行くロボット。
 レントゲンや赤外線で内部を確認して、爆発物かどうか判断する。
 こっちは何でもなかった模様。


 不審物(自己申告)はもうひとつあった。
 こっちは爆発物の反応があったので、爆破処理して完了。
 割とでかいロボットなので、取り回しが悪そうだと思ったけれど、小回りは効くしきびきび動くしで全然そんなことなかった。
 最後はカメラ部分でお辞儀をしながら帰っていった。かわいい。

 これで展示は終了。
 行進はなかったけど、米軍の展示なんて珍しいものが見れて良かった。


 終わった後に犬やロボットの撮影会をしてくれた。


 変なお面をしているのは不審者役の人。
 犬に噛まれても大丈夫なようにモコモコのを着てるんだろうけど、暑そう。


 ロボットと防護服のお兄さん。
 中身はイケメンだった。
 コントローラも見せてもらったけど、やっぱりゲーム機のアレだった。
 実際にあるのを流用しているのか、操作性をゲーム機と同じにして軍用に作ってるのかは分からないけど。
 ゲストの米海軍の10歳とその下ぐらいの姉妹が、コントローラをすぐに使いこなしてハンド部分でペットボトルを持ち上げたりして遊んでた。すごいな子供。


 なぜか展示が終わった後の広場にとんびが群れで降りていた。
 何かあるの?


 陸自も、行進はしなかったものの装備展示をいくつか出している。
 みんな大好き野外炊事具。


 重さ11キロ。肩にかついで発射するらしい。


 こっちは地面に据え付けられるもの。


 最近は自衛隊もあちこちでドローンを使っている。
 能登半島沖地震でも、ヘリなどの空中偵察だけではどうしても限界があり、ドローンなくしては情報収集もままならなかったらしい。


 みんな大好き狙撃銃。


 車両たち。


 神奈川地本のマスコットキャラ、はまにゃん。
 ツイッターもといXで金曜カレーになみなみならぬこだわりを持つ猫。

○おまけ

 もはやこの椅子より年下の隊員もいるのではないか。

咲いてない桜

 用事のついでに、朝霞駐屯地の一般開放に行ってきた。


 全然咲いてなかった。

 まあ、今日暖かくなったからといって、急に咲くわけないもんね。


 AAV7とちょびっと咲いてた桜。


 機雷敷設車とちょびっと咲いてた桜。


 りっくんランドは大盛況だった。
 前々から思ってたのだが、ここはご近所の手軽な娯楽スポットになってるっぽい。

4年ぶり64周年

 朝霞駐屯地で行われた陸自東部方面隊64周年記念行事に行きましたが、寝落ちするので明日アップします。

 復活しました。

 というわけで、東部方面隊64周年記念行事。
 前は記念行事は10月にやっていたのだが、いろんな大人の事情で11月、12月と後にずれにずれ、ついに去年と今年は2月開催になってしまった。
 しかも、去年は屋内で集まっただけだが(入院中で参加しなかったけど)、今年は演習場での式典になるらしい。
 2月の吹きさらしの演習場なんて地獄の予感しかしない。


 とはいえ、前日とはうってかわって青空が広がっている。
 日差しがあるのでいくらか暖かいが、吹きさらしなのは変わらないので足元とか結構寒い。
 そしてさらに、座席が正面から太陽をもろに受ける位置で、この季節なのに日焼けの危機。


 各部隊指揮官入場。
 今年は整列する隊員を囲むように装備が配置されるという、今まで見たことがない形式。
 恒例の行進展示をするのか、しないのか、するとしたらどういう形になるのか、全く分からない。


 ちなみに今回の観覧席。後ろの席は全部ひな壇なのに、なぜか人間様が座らされたここだけひな壇ではないいわゆるアリーナ席になっている(全席座席指定)。
 前の席にまだ人が来ていないのでここまで見えるが、この後、招待者のおじさんたちがどやどやとやってきて前に座ったため、ほとんど視界はふさがれてしまった。


 観閲官(総監)巡閲と敬礼。
 ここからは、かろうじて空いている通路から撮っている。


 音楽隊とラッパ隊の合同演奏。


 そして、演奏が終わると行進抜きでいきなり演習展示が始まった。
 敵国が攻めてきたので遠近火力で漸減していって、最後に戦車で突撃して仕留めるいつものプログラム。
 これは海上偵察にやってきたら、レーダーで捕捉され近SAMで撃墜される敵機。


 会場に並んでいる装備が、自分の順番になると入れ替わり立ち替わり中央に出てきていろいろやってみせるスタイル。
 これは近SAM。


 次に敵はドローンを投入してきたが、妨害電波で全部落とされる。


 双輪装甲車で強硬偵察。
 このあたりから前の列のおっさんが段々通路側にかしいできたので、この後ほとんどの写真におっさんの頭が写りこむことになる。


 射撃の実演もやった。
 すごい近い! 手元の動きまで分かる!


 人員を降下させるUH-1(下)と、周囲を警戒するUH-1(上)。


 降下。
 開始まで時間がかかったので、多分下りたのは女性隊員。


 アパッチ来た!
 相変わらずかっこいい。


 最後は戦車ではなく16式が射撃で撃退。

 これで展示は終了。
 行進を実演展示に置き換えて、寒い中での式典時間短縮と見応えアップをはかった感じ。
 東京オリンピックとコロナを挟んで実に4年ものブランクがあり、経験者によるノウハウが失われてしまった中の新しい試みで、正直微妙なところも多かったが、これからブラッシュアップされていくのかな。
 あと、アリーナ席は絶対にやめてほしい。ほんとやめてほしい。

○おまけ

 予算が増えたので方面隊は自前でオシャレバスを買ったらしい。
 まあ、隊員は常に輸送トラックの荷台に乗って移動というわけにもいかないし、4月から民間のバスは勤務時間の縛りが厳しくなるからチャーターもしにくくなるし、大型特殊の免許持ってる人がたくさんいるから、買った方が安く効率的に運用できるのかも。

朝霞の音楽のまつりにて

 陸自東部方面隊の「東部方面音楽まつり」に行ってきた。


 開演前の舞台。
 今回のテーマは「音楽の魔法による光り輝く世界の演出」。うーん、分かるような分からないような……。
「音楽で世界を光り輝かせる魔法」ならフリーレンあたりにありそうだけど(そうかな)。


 プログラム。
 どうぶつ自衛隊がかわいい。チュー隊長好きなんだよね。
 今回グッズが売っていたのでつい買ってしまった。

 前半は各音楽隊単位ではなく、楽器セクションごとに編成して楽曲を披露する珍しい構成。
 ただ、選曲がちょっとこう、古い世代からすると尖りすぎてて見事に全く分からなかった。
 せめて1,2曲、全年齢層的に分かる曲を入れてくれたら良かったと思うんだけど。

 前半と比べて後半は分かりやすかった。「海を越える握手」とか、米軍と合同演奏する時の定番曲みたいなものだし。
 それにしてもゲストで歌った杉並児童合唱団の破壊力の高さよ。完全に音楽隊を食っていたわ。
 子供に勝てないというのは、音楽の世界でもあるんだなあ。

百里の滑走展示祭り

 百里基地航空祭に行ってきた。
 本番は17日なのだが、16日は地元の人や関係者だけに公開される、昔で言えば予行というやつ。
 知人が誘ってくれたので、最寄り駅の石岡に前泊して頑張って行ってきた。


 とはいえ、百里はこんな天気。
 曇っているのはともかく、全体的にガスがかかっているのが嫌な予感しかしない。
 滑走路の視界が悪いと、離着陸ができないから。


 しかも、F35を見ていたら突然雨が降り出した。
 結構な大雨で、屋根のある場所に逃げ込むまでにずぶ濡れになる。
 着ていたのがダウンコートだったので、中まであまり浸みなかったのが幸いだが、この後どこへも座れない状態になってしまった。


 30分ほどして雨が上がったので、また展示機を眺めに行く事にする。
 見慣れない機があると思ったら海自のP-1だった。


 U-4。


 C-1。
 パンフレットではC-2となっていたが、天気が悪くて来れなかったのかもしれない。

 そして、なんとなく好転しそうだった天気が、この後急に悪くなった。
 曇が厚くなっただけでなく、ガスの量も増えて視界が白っぽい。
 これは飛べるんだろうかと危惧していたら、やっぱり飛べなかったらしくて、プログラムは全機地上滑走祭りとなった。


 UH-60とU-125Aの救難コンビが仲良く地上滑走。
 ヘリは車輪を持たない事も多いので、地上十数メートルぐらいなら飛んでも滑走扱いになる。


 でも茨城空港からのスカイマークはちゃんと飛んだり降りたししている。
 まあ民間機は計器誘導できるからね。
 そして離陸直後に雲の中に消えていく。どんだけ低いんだ雲。


 滑走のためにタキシングしていくF-15。
 飛ばないけど発進手順だけはきちんと守っているのが切ない。


 走り出したと思ったらもうエアブレーキかけてる。


 そして戻ってくる。
 おかえりなさい。


 そして、滑走だけで飛行展示がなので、時間があまりまくっている。
 退屈なので売店を見に行ったら、警備犬の展示をやっていた。
 こちらはリードを放されてはしゃぎながら、しっぽをブンブン振ってお客に愛想を振りまく警備犬。かわいいけれどいいのかそれで。


 こちらは隊員の人と一緒に歩く警備犬。
 ものすごく嬉しそうに隊員を見上げてぴったりくっついている。
 犬って本当に感情が分かりやすい動物だなあ。


 しばらく犬を見てからエプロンに戻ったら、UH-60が今度はちゃんと離陸していた。
 プログラム的には救難展示の時間だが、やっぱりU-125Aが飛べないので、とりあえずヘリだけで何かやることにしたらしい。


 そして何をやるのかと思ったらダンスだった。
 例によって横移動や後ずさり、おじぎをしたり自分が回転したり機首を回転軸にして円を描いてぐるぐる回ったり、いつもながらどういう操縦をしてるんだろうなあと思う。


 滑走のためにタキシングしていく(以下略)。


 そのそばでエプロンを清掃していた清掃車。
 一部分だけ一生懸命掃除していたんだよね。前にそのあたりに燃料車がいたから、何かこぼしたのかな?


 滑走するF-2。


 戻ってくるF-2。
 お帰りなさい。

 本来ならこの後は米軍のF-35の機動展示が予定されていたんだけれど、日本人を楽しませる義理のないアメリカさんがこの天気でやるわけもなく、中止になった。
 これ以上居ても特に何もなさそうなので、あきらめて午前中で帰ってきてしまった。

 明日の本番は晴れるらしいので、多分今日みたいな事にはならないと思う。
 まあ、滑走しかしない航空祭とか珍しいと言えば珍しい体験できたし、それはそれでいいかな。

くまの詣でふたたび

 海自の横須賀基地へ艦艇見学に行ってきた。


 補給艦『おうみ』がいた。
 奥には『とわだ』も入っているから、補給艦が2隻集まっている事になる。
 ちょっと珍しい。


 正面顔。

 いつも吉倉桟橋に岸から背を向けて泊まっているので、こうやってじっくり顔を見たことがなかった。
 ずいぶん特徴的な顔してるんだな。

 予定では、幕僚長から周辺国の海軍力整備状況や、海自の現在の状況について講話を聞いた後、『くまの』を見学、その後タグボートで港内クルーズ。
 しかし、風がめちゃくちゃ強いので、安全上港内クルーズは中止。『くまの』を見た後は基地庁舎で総監公室と屋上を見せてもらえる事になった。
 庁舎には何度も入ってるけど、屋上を見るのは初めて、ちょっと楽しみ。


『くまの』来ました。
 この時点で15時を過ぎているので、光がそろそろ夕暮れの気配になってきている。
 ていうか去年の一般公開で見てるんだよね……。


 まあでも、少数で乗員の人にじっくり説明してもらいながら見られるので、それはそれで面白い。
 一般公開と違って艦橋にも入らせてもらった。外から見る通り狭いし、計器類がほとんどモニタ表示になっている。
 ミサイル艇とか海保の巡視船と似たような印象。

 ちなみに写真撮影は前と同じく前甲板と後甲板しかできなかった。
 ついでに米軍基地の写真を撮るのもNGなので、折角来ていたミサイル追跡艦を良い角度で撮れなかった。


 砲塔についてた三本足のカラス。
 ちょっととぼけているけど熊野本宮大社のシンボルマークと同じデザインなので、お守り代わりにわざわざ描いたのかも。


 後ろのヘリ甲板。
 一般公開の時は人がいすぎて気付かなかったけど、微妙に角度がついている。
 これはくまの型だけの仕様で、スペース確保の関係でそうしたらしいが、そのせいでヘリが着艦しにくくなっちゃってるので、次に作る改良型からは他の艦同様平らになる予定らしい。

 港内クルーズがなくなったおかげで、じっくり長時間見ることができて面白かった。
 でも、見れば見るほど、いろいろと乗員の負担が大きくなりそうな艦だなあと思う。
 今後の海自はこれと、もう少し大きい次世代型を主力にするらしいけれど、やっぱりちょっと不安しかないな。


 夕焼けの中の『おおなみ』。
 もはや一番の古参となってしまった。


 補給艦のこの給油装置大好きなんですよね。


『おうみ』の横を通りかかったところで、丁度旗下ろしの時間になった。


 総監公室。いわゆる応接間。


 そして庁舎屋上。
 座高の高い『おうみ』がいるせいで景色は全然見えなかったけど、補給艦をこんな高さから見るの初めて。

 良く考えたら、オータムフェスタに行かなかったので、艦艇を見るのは丁度1年ぶりだった。
 意外と艦艇もちょっと見ないと配置が替わったりして様変わりしてしまうので、もうちょっと機会をとらえて見に行く事にしよう。
 それにしても、もらった海自のパンフレットを見たらいつの間にか海自が独自にC-130を導入していたのがびっくりだった。

さくらんぼの街の駐屯地

 最終日は山形にある新町駐屯地を見学。
 宮城、山形、福島の3県を防衛する第6師団司令部がある場所。
 第6師団は地理的な関係から、外国の脅威というよりも、国内の災害などに対応する事が多い部隊で、そのために何かあったら日本のどこへでもすぐ駆けつけられる即応機動連隊という部隊(多賀城駐屯地)を持っている。
 また、去年は海自の海賊対処の拠点の警備のために、ジブチまで部隊を派遣したりしていた。
 駐屯地は山形空港のすぐ近く、リンゴ畑とサクランボ畑に囲まれていて、この時期フェンスの外には真っ赤なおいしそうな実をたわわにつけたリンゴの木がたくさん見える。
 ちなみに最寄りJRの駅の名前は「さくらんぼ東根」駅。佐藤錦の生産日本一なのだそうだが、それにしてもさくらんぼ推しすぎ。


 司令部の看板。

 師団についてひととおりブリーフィングを受けた後は、特殊武器防護隊の装備を見学。
 化学兵器、生物兵器、放射線などに対応する専門の部隊で、東日本大震災では福島第2原発に関連して活動していた。


 防護服2種。右が一般隊員用(使い捨て)、左が防護隊用(洗浄すればまた使える)。
 一般隊員用は活性炭入りでとっても軽い。使えるのがそれほどひどくない汚染地域に限られるが、特に冬とか着心地はそれほど悪くないそう。
 一方防護隊用はゴム製で言わば完全密閉になるので、着ている人がどうなるかはお察し状態。
 一般隊員用は日々改良されて着心地が良くなっているが、部隊用は昔からずっと改良されないこれのままなんですって担当の人が言ってた。


 放射線防護用の鉛の防護服。
 重さ20キロだって。


 空気中の化学兵器を検出する機械。


 右端の丸っこいのが生物兵器の検出器。真ん中と左がセットで放射線検出器。


 NBC偵察車。
 N(核)、B(生物)、C(化学)物質がある可能性のある地域に行って、サンプルの採集とか検出とかをやる車。
 完全密閉されていて、これだけで小規模なラボぐらいの設備があるらしい。
 もちろん中は機密。


 後ろ。ちゃんとナンバープレートもウィンカーもテールランプもついている。


 除染車。左の切れているのもそう。
 その名の通り、地面の汚染物質を洗い流す車。


 洗浄!


 人が持つ洗浄機もある。
 洗浄!

 この後は、土地ゆかりの歴史資料などを展示した資料館を見て、お昼を食べて研修は終了。
 神町駐屯地は旧陸軍由来だけれど、近くの山形空港は元々海軍航空隊の基地で、その関係から回天隊員の資料なんかもあった。


 海防艦に現役で使われていた軍艦旗。

 基地祭とかで防護隊の装備は何度か見たことがあるが、こんな風に詳しく説明してもらったり、実演してもらったりという事はなかったので、面白かった。
 意外と単純な事が最も効果があるんだなあという感じ。

松島で三度目の正直

 自衛隊の見学研修で宮城と岩手を回っている。
 本当は昨日からだったのだが、仕事が終わらなくて初日に参加できず、2日目から現地合流となったのだった。
 しかも研修先のホテルでも仕事をしている。
 つらい。

 それはさておき、今日は松島基地でブルーインパルスを見る……前に、石巻のみやぎ東日本大震災津波伝承館を見学する。


 左が伝承館、右に見える廃墟は震災遺構の門脇小学校。


 門脇小学校は、1階が津波にやられ、2階から上が津波で燃えながら流れ着いたがれきで類焼した建物。
 学校にいた生徒や職員は、裏の山に避難して全員無事だったが、たまたま休んでいたり帰宅したりした生徒が全員亡くなったとのこと。


 伝承館の周囲は公園として整備されているが、ここは全部震災前は住宅地だった。
 当時の様子を撮影した看板。
 遠くに見えるのは、震災当時爆発炎上していた工場群(多分)。

 ここで語り部の人から、津波の時の状況や今後の教訓などの説明を受けた。
 多分NHKとかでも散々やってる内容ではあるのだけど、やっぱり現地ならではの伝わってくるものというのはある。
 
 そして空自の松島基地へ。


 お久しぶりです。


 お久しぶりです。

 実は松島は朝から大雨だった。
 昼頃になってようやく雨は上がったが、今度は風が強くなってきている。
 一応、ブルーは飛んでくれる予定にはなっているのだが、多分無理だろうなあと思っていたのだが、どうやらやるらしい。
 多分15年ぐらいごし、3度目にしてようやく見れるのか……!


 エプロンではすでに離陸準備を完了していた。
 6機並んでいるが飛ぶのは4機。
 ちなみに少し離れた柵の外には、飛行機を撮りたいマニアの人やブルー追っかけの女性の皆さんが大集合していた。


 パイロットが手を振ってくれるサービス。
 いってらっしゃい。


 滑走準備に入る。
 4機なので通常5,6番機が担当するソロがなくなるのかと思っていたのだが、この配置を見ると編隊飛行を3機で行い、4番機がソロの役目をするっぽい。


 3機の編隊飛行。
 ここでもiPhoneが大活躍している。


 曇っているので水平の展示だけになるかと思ったら、意外と雲が高いのか垂直の展示もがっつりやってくれる。




 たまに日の光が差して神々しい感じになったりする。

 結局ほぼフルプログラムやってくれた。
 訓練飛行なので航空祭の時のような音楽やアナウンスはないが、普段からあんまりその辺は聞いていなかったのであまり気にならない。


 着陸。
 左の車が気になる。


 4機そろっておかえりなさい。


 そしてブルーに続いて通常型のT-4がひっそり降りてきた。
 多分天候観測機だと思う。
 こっちもおかえりなさい。


 この後は格納庫見学。
 といってもほとんど全機外に出ているので、予備機しかいない。


 震災の津波で損傷し、前に行った時には格納庫から姿を消していたT-2型ブルーが復活していた。
 良かった。やっぱりかっこいいなあ。

 そしてこちらでも、松島基地が震災と津波で受けた被害と、その後の救援活動についての資料を見た。
 これは自衛隊に限らず、消防や警察もそうだけど、当時救援に当たった人たちは全員が自身も被災者で、家族を亡くした人も多かった中で活動を続けたのだという。
 救助に被災者の生活支援に大活躍していた彼らの裏には、そういう事実も隠れていたということを、改めて確認させられた。

北の大地の射撃競技

 10/22、23と北海道に行ってきたので、まとめて後追いでアップします。

 10/23は第7師団の戦車競技会。
 師団所属の90式、10式を持つ戦車部隊が、同じプログラムで戦車の運用技術の高さを競うもので、一般公開はしていないが関係者は許可をもらって見学できる。


 会場はこんな感じの射撃演習場。
 昨日の雨に加えて戦車が走り回るので完全な泥沼状態。

 この季節の演習場は寒いだろうなあと思ってヒートテックにダウンジャケットまで着てきたら、見学者は暖房の効いたテントの中から見るのだった。
 テントといっても自衛隊仕様だから頑丈で分厚いし、窓には冷気と射撃の衝撃波よけのアクリル板がはめこんである。
 お陰でむしろ暑い。


 競技開始に備えて待機する戦車たち。
 なお左側の線は窓にはめこんであるアクリル板のつなぎ目。

 1小隊4両が1チームで、移動しながらの砲撃、隊列を組んでの前進、敵が現れた時の防御しながらの後退などを行う。
 プログラムは1回15分ほどで、今回は2チーム分見学する。
 つまり、同じものを2回見る形になる。
 イメージで言うと、今の若い人は分からないかもしれないけど、フィギュアスケートのコンパルソリーかな。
 全員が同じ図形を決められた時間で滑って技術を競うやつ。あんな感じ。


 いきなり目の前を通過しながら砲撃。多分100メートルも離れていない。
 耳栓をさせられているので音はあんまり聞こえないが、衝撃波がドンと来てびっくりする。
 その強さといったら総火演の比ではない。


 他の戦車と合流して前進する。
 方向転換の間も砲はぴたりと同じ方向を向いている。
 多分こういう所も採点対象なんだろうな。


 敵と遭遇したので砲撃で牽制しながら後退してくる。
 ちゃんと赤いテールランプつけてたのがちょっと微笑ましかった。

 実は結構写真も撮ったのだが、窓のアクリル板のせいでピンボケしたり、動きが読めずに変な所でシャッターを切ってしまったりして、見れる写真がこの程度しかなかったのだ。
 1回15分程度と時間も短いし。


 一応頑張って動画も撮ってみた。
 今回はSONYのα6000を持っていったのだが、近距離から遠距離、寄りから広角への変化が激しいので、結局iPhoneの方が使いやすかった。


 そして戦車回収車がちゃんと待機してた。

 外部向けの行事ではないので地味だったけれど、普段使いの戦車の様子が見れて面白かった。
 多分、見慣れてくれば、各チームの技量の違いとかも見えてくるのかな。
 もう見る機会があるかどうか分からないけど。