なんか軍系」カテゴリーアーカイブ

土浦で武器見学会行ってきた

 土浦の陸自武器学校の広報地区見学に行ってきた。
 これは一般公開ではなく、基地の広報に日時を指定して申し込みをするものになる。
 なぜ申し込んだかというと、経緯を話せば長いのだが、父親が何やらNHKスペシャルでナベツネの話を見た時に、映像に映った旧日本軍の火砲とかに興味を引かれたらしい。
 で、娘に対して、昔の火砲はどこにあるのかとか見れるのかとかさかんに匂わせ発言を始めたので、しょうがなくて見学の手続きを取ったのだった。
 連れてってもらいたいなら素直に連れて行けと言えばいいのに。


 広報地区は、火砲コーナー、小火器コーナー、車両コーナーの3ヶ所を回る。
 まずは火砲コーナーで戦前戦後の古い火砲を見学。
 これは戦後、警察予備隊とかができた時に米軍から供与されたもの。

 なお、今回の参加者は20人近く。意外と多かった。
 客層も、マニアの友人同士が一緒にというものから、家族連れや夫婦、友人らしきおじさん2人連れなど、結構幅広い。
 この日が小火器コーナーの見学可能日(後述)だったせいもあるのだろうが、WebサイトからPDFの申込用紙をダウンロードし、手書きで記入後広報に電話してFAX番号を聞いて送信するというハードルの高い申し込み方法にも関わらず、これだけ来ているのがすごい。


 日露戦争からWW2に至る旧日本軍の火砲。さりげなく鹵獲品のクルップ砲が混じっていたりもしたが。


 米軍は当然として、旧ソ連の火器火砲が割とある。
 多分、仮想敵国の兵器の研究のために入手したとかなんだろうけど、入手経路が気になってしょうがない。


 1920年代に開発された八九式中戦車。これ実際に走るらしい。なにそれ見たい超見たい。
 例のガルパンに登場して人気になったので、レストアして走れるようにしたらしい。


 三式中戦車。こことアメリカに1両ずつしか残ってないらしい。


 この辺は米軍とか旧ソ連軍とか。


 ひとつだけいやにめかめかしいのがあると思ったら、戦後の陸自の火砲だった。


 小火器コーナー。
 火砲と戦車は申し込みをすればいつでも見れるが、この小火器コーナーは毎月1回、指定日しか見ることができない。
 人間様は正直、あまりこのあたりは興味はないのだが、男性陣は老いも若きも(小学生除く)一様に目をキラキラさせていた。
 そうか皆さんこれが見たかったんですね。


 旧ソ連の対戦車ライフル。
 巨大な銃で力任せに装甲板を撃ち抜いて中の人間を殺傷するものなのだが、戦車を銃で狙撃するって発想がすごい。


 ひとつだけ異彩を放つかわいさだった擲弾筒(手榴弾を打ち出す装置)。


 戦後に武器学校の医務室から出てきたというゼロ戦の照準器。
 なぜ医務室なのかみんな首を傾げていた。


 これ、照準円があらかじめ書いてあるわけではなくて、レンズに光学的に映し出してる光学照準器なんですよ。
 ずっと普通の書いてある照準器だと思ってました。戦前の技術力なめてました。すみません。


 桜花の模型。ここは戦前予科練だったので、その時に教育をしていたらしい。


 最後が野外戦闘車両置き場。


 戦車回収車大好き。


 多連装ロケット砲。上の格子部分にロケット砲が入っていて、次々発射されていく奴。


 変形戦車(正確には対戦車砲)。これが……。


 こうなる。
 なんでわざわざ二連装なのかは不明。


 もちろん米軍の車両も置いてある。
 みんな大好きシャーマン戦車。

 実はこの辺は3年前の創立記念行事の時にも見てはいたのだが、今回は中の人の解説付きだったので、いろいろ注目ポイントとかが分かって面白かった。
 父親も満足していた模様。
 とりあえず、次は走っている八九式が見たい。

練習艦隊お帰りなさい

 海自の練習艦隊入港歓迎行事に行ってきた。
 2月の『たかなみ』の中東派遣の出航以来、5ヶ月ぶりの自衛隊になる。
 東京で感染者が連日200人を越えたりとかしていたので、正直これも外部の参加者はシャットダウンされるのではないかとぎりぎりまでひやひやしていたのだが、どうにか当日を迎える事ができた。
 今年はサマーフェスタも第2術科学校のオープンスクールもないし、各駐屯地の創立記念行事もやらなそうだし、もしかするとこれが今年最後の自衛隊行事への参加になるかもしれないな……。


 すでに入港している練習艦『かしま』。
 隣に同じ練習艦『しまゆき』が目刺しで停泊しているのだが、『かしま』に比べて小さいので全然見えない。


 なんか歓迎の太鼓演奏をしていた。この前には歌もやっていた。
 通常はこういう事はしないのだが、今回この練習艦隊、フィリピンまで航海したはいいが、コロナで上陸できないまま燃料だけ補給して帰ってきたのだった。
 かわいそうなので、ささやかながら何かやってあげようという事になったらしい。


 直立したまま太鼓を聞く実習幹部の皆さん。
 自衛官とはいえ20代前半の子たちが、こういう「歓迎」を嬉しいと思うかどうかは正直なかなか微妙な気がする。


 太鼓が終わったので下船する皆さん。


 最前列の女性から右側は実習幹部ではなく、『かしま』乗員代表。
 女性は号令をかけていたので、先任伍長(下士官で一番偉い)かもしれない。


 一番前の人は練習艦隊司令官。
 後ろの二人は『かしま』と『しまゆき』の艦長かな?
 今は両方とも男性艦長だと思ったけど。

 プログラムは例によって、偉い人の挨拶と花束贈呈、司令官の帰国挨拶。
『たかなみ』の派遣の時はわさわさ国会議員が来てたのに、今回の参加は阿部知子とあともう一人だけ。すごくわかりやすい。
 地元の小泉進次郎も秘書を寄越しただけだった。


 雲行きが怪しかったのだが、式典が終わる頃にはもう本降りだった。
 この後、コロナ対策で小グループに分かれながら『かしま』を見学させてもらえることになっている。
 割と後の方のグループだったので、一旦屋内のPX(売店)で休憩がてら待機することになった。


 右のが今年3月に就役したばかりのピカピカのイージス艦『まや』。
 いつか中を見れる日は来るのだろうか。


『かしま』と『しまゆき』の尻。
 どちらにも実習幹部は乗るのだが、見ての通り『しまゆき』はかなり狭いので、こっちに割り振られると大変らしい。


『かしま』の砲と艦橋。


『かしま』から見下ろした『しまゆき』。
『かしま』は最初から練習艦として作られたのだが、『しまゆき』は古くなった護衛艦を練習艦の転用している。
 なので実践的な訓練は『しまゆき』の方が向いている。


 これは『かしま』の将官用の艇(の船底)。寄港した先々で現地のお偉いさんを迎える事も多いので、特別に用意してある。


 全景はこんな感じ。
 まあ連絡艇なんだけどね。


 並ぶ『かしま』と『しまゆき』の写真。こんなに大きさが違う。


 緑がきれいな『しまゆき』の渡り板? の横断幕。


 ちょっと風があって海自旗がいい感じになびいていた。
 奥の艦は米軍。

 見学は密にならないよう、狭い艦内には入らず甲板をぐるっと一周しただけだった。
 でも久しぶりに甲板を踏めて楽しかった。


 なお今回はパンフ以外におみやげもついていた。
 内容は巾着袋、ミニノート、練習艦隊のメダル、缶バッジ、絆創膏。
 ……多分、フィリピンで現地の歓迎レセプションや、見学に来た人に配る予定だったものなんだろうな。


 そして、久しぶりの海自分に興奮して、PXでピンバッジをあさりまくった。
 レジで7000円とか言われてしまったと思ったのだが、心が弱いのでそのまま買ってしまった。

派遣行事と神社とカラス

 海自横須賀基地での『たかなみ』の出航式典に行ってきた。
 いろいろと大騒ぎになっている情報収集派遣任務とかいうふんわりとした内容の中東派遣、あれを『たかなみ』が担当するのである。
『たかなみ』は昔からしょっちゅう見に行っているし、丁度日曜なだしなので、送りに行ってきた。
 始まるのは10時からだけど、9時過ぎにはデモの交通規制が入るので早めに行った方がいいですと言われて、9時には横須賀駅着。
 でも良く考えたら、横須賀駅からなら基地は徒歩1分なので規制関係なかったじゃん。もっとのんびり出れば良かった。

 で、そのデモだが、何というか、ヴェルニー公園に右翼と左翼が大集合してそれぞれ主張をしているわ、警察や機動隊がほんと数メートルおきに立ってるわ、その間を縫うように海自の案内係がひっそりたたずんでるわで異様な雰囲気。
 なにかの記念に撮っておこうかともちらっと思ったのだが、海自以外のどこを撮っても何か言われそうで恐くてできない。「ママあの人何?」「しっ見ちゃいけません」の意味が実に良く分かった。
 そういえば、子供の頃は空母が来るたびにこんな騒ぎが繰り広げられていたような気がするが(もっとも当時右翼はいなかった)、いつの間にか目にしなくなっていたなあ。


 さすがに基地の中からなら撮っても大丈夫だろう。
 こちらは右翼側。


 なんかヘリが降りてきて偉い人っぽいのが出てきた。
 そういえば今日は総理も来るんだろうか。来そうだな。


 整列する音楽隊。


 総理ヘリ来た。
 今回は報道もすごい。


 巡閲をする総理。


『たかなみ』に乗艦する総理。


 マストにはためく総理大臣旗(紫の方)。
 総理大臣が艦内にいる時にしか掲げられない激レア旗。


『たかなみ』から降りてくる総理。


 この頃になると他の偉い人たちも続々と会場してきている。
 こちらはヒゲの佐藤と小泉進次郎。
 国会議員が10人以上来ていたが、顔を見せているのは総じてパフォーマンス好きな議員ばかりという印象。


 各国の大使や軍関係者も大勢。いろんな制服が見れて楽しい。
 中東各国の大使が参列していたのは分かるが、フランス大使が来ていた理由はなんだろう?


『たかなみ』乗員が登場。


 この横へならえしながらもぞもぞ隊列整えるの好き。


 そして総理と防衛大臣の席は前方3メートルの所だった。1歩前に出て手を伸ばせば肩を叩ける。
 やらないけど。
 むしろすぐ隣にやってきたSPの、持ってる鞄の中身とか握ってるなにかとか背広の中にはやっぱり銃を持ってるんだろうかとかが気になってしょうがない。
(椅子席の後ろに一般人向けの立ち見席があるためで、禁止された場所にいるわけではありません、念のため)


 総理訓示。今回は割と短かった。
 しかしいいスーツ着てるなあ……。


 司令及び艦長の出発申告。


 乗員が『たかなみ』に戻っていく。
 全員が起立してしまったのでこんな写真しか撮れなかった。

 これで式典は終了。
 この後『たかなみ』は出港し、一路中東に向かうことになる。


 最上部から手を振る司令。
 司令がこんなことするの珍しくない?


 出港即旗下ろし待機する人たちと、甲板に整列する人たち。
 もう出港する気満々なのだが……。


 総理他議員たちが家族や参列者との撮影に興じていて所定位置になかなか向かわないので、出港できない。
 まあ皆さん的にはこここそ決めておきたいパフォーマンスタイムなのだろうが、総理たちの後ろを歩く各国関係者も先に進めなくて困惑しているぞ。


 そんなこんなで10分以上待たされただろうか。
 ようやく舫い綱を解いて出港にかかる。


 出港!


 少しずつ岸壁から離れだす『たかなみ』。
 いってらっしゃい。


 どんどん離れていく。
『たかなみ』には横移動できるバウスラスターは装備されてなかったはず……? と思ったら、2隻のタグボートが姿を見せないようにしながら後ろ側からひっぱっていたのだった。


 ゆっくりと向きを変えて……。


 総理を迎えに来たヘリとすれ違い、タグを従えながら港の外へと向かっていく。
 このあたりは家族に混じって見ていたのだけど、やぱり泣いている奥さんとかちらほらいた。
 のぼり旗を振り回し、ひたすら俺たちの誇りだ行ってこい的な威勢のいい支援団体やOB会のおっさん、同じ家族たちが笑顔で写真を求める様にニコニコしていた議員たちには、その姿が見えているかどうかは分からないけど。


 沖で変な方向を向いて泊まったので何してるんだろうと思ったら、どうやら総理ヘリをお見送りしてから改めて出て行くんだったらしい。
 律儀だな!

 とまあそんな感じで出航行事も終わり、これからしばしのフリータイム。
 海自は割と行事が終わった後そこらをふらふらしていても何も言わないので(身内の行事に限るが)、ちょっといろいろ見ちゃおうかな。


 見送りの時に偉い人が並んでいた赤絨毯。
 よく見たら立ち位置に名札が貼ってあった。


 総理と防衛大臣のお立ち台にも立ち位置が貼ってある。


 そういえば気になってたんだけど、普段米軍基地にいる潜水艦が珍しく吉倉岸壁にいたのよね。
 米軍基地のいつも泊まっているあたりはオイルフェンスが張ってあったけど、デモ船の立ち入り防止用かな?


 せっかくなので近くに行って撮ってみたけど、こういう撮り方してもただの訳の分からない物体でしかないな……。
 っていうか後ろに写ってるのJAMSTECの『よこすか』じゃない? なんでこんな半端な所にいるのか分からないけど、もっとちゃんと見とけば良かった!


『たかなみ』が去った後の岸壁に、他の艦艇が来るのか緩衝ブイ(正式名称不明)を引っ張っていって設置しはじめたタグボート。
 引っ張っていくとき緩衝ブイがぐるぐるまわってまるで外輪船みたいになってたのがちょっと面白かった。

 さて、堪能したのでそろそろ次の目的地に行くか。
 今日はこの後、観音崎近くの走水神社に行く予定なのだ。
 横須賀駅からバスで1時間弱。決して近くはないが、1本のバスに乗っていれば着くので楽と言えば楽ではある。
 祭神はヤマトタケルノミコトと妻のオトタチバナヒメ。ヤマトタケルノミコトの東征の時、荒れた海を鎮めるために海に身を投げたオトタチバナヒメの物語は、地元では割と良く知られた伝説だけど、この神社はこれまで行ったことがなかった。
 だって実家からだとすごい回り道行程しかないから大変なんだもん。


 走水神社。
 山の中腹にあるが、背中側はすぐ海。
 横須賀に良くある山がすぐ海際に迫る地形に作られている。
 由来や創建は資料が江戸時代の火災でなくなったため不明だが、浦賀水道に面しているので、航海の安全を祈るとか海難事故で死んだ人を慰めるとか、そういう意味合いがあったんじゃないかな。
 社の裏にある崖をくりぬいた小さなほこらに、観音像とおぼしき像や東京国立博物館で見た阿弥陀三尊仏龕っぽい浮き彫りの痕跡が残っていたし。


 そしてロシアの機雷なんかが献納されていたりする。すごいなオイ。
 上村彦之丞って日露戦争で第二艦隊司令官だった人だよね?


 本殿からさらに山道を登ると、神明社、須賀神社、諏訪神社の三社神社がある。
 途中に開けるのはこんな眺望。これはいい所だ。
 手前が漁港、先の方のタンカーとかが行き交っているのが浦賀水道、その先の陸地は房総半島。
 もしかしたら『たかなみ』が浦賀水道を下っていくのが見えるかも? と思ったが、時間的に無理だった模様。


 東郷平八郎や乃木希典その他軍関係者が奉納したという石碑。


 海を見つめる三社。小さい祠だけど静謐な感じ。


 住み着いているらしいカラス。人を脅威だと感じてないようで、すぐ近くの木立に止まっている。
 仲よさげだがつがいなのか兄弟なのか不明。


 上空をトンビが通った。


 微妙にシンクロしている。


 木の間からも海が見える。
 こういう景色を見ていると、昔の人がこの場所に神様を置いて祈りを託した理由が分かるような気がする。

 うん、楽しかった。
 最近ぼちぼちパワースポットとして有名になってきているらしくて、女子旅バスツアーなんかもできているようなので、行くならなるべく早めの女子力高い人たちが押し寄せる前をおすすめする。


 帰りに横須賀駅から見たら、『たかなみ』がいた場所には『いずも』が来ていた。
 あれ? 見かけなかったけど沖留めしてたのかな?

本物の訓練見てきた

 朝霞駐屯地の日米共同方面隊指揮所演習(YS-77)を見てきた。
 これは陸自と米陸軍が共同で行う日本が侵略された時の対処演習。指揮所演習なので、実際に部隊が動く訳ではなくて、ネットワーク上の処理だけで作戦とかがシミュレーションされるもの。毎年1回、各方面隊持ち回りでやっていて、確か5年ぐらい前にも1回見ている
 総火演みたいな見せる用の展示ではなくて本当の訓練なので機密性も高く、カメラやスマホは受付の時に預けなくてはならないし(ブリーフィングすら撮影禁止になっていた)、訓練が行われている建物とかはまわりに鉄条網が張り巡らされていて、見学者であることを照明する身分証をぶら下げた上でいちいち検問を通らないと出入りできない。
 あちこちに迷彩服を着た陸自や米軍(たまに海自とか空自とかカナダ軍とかオーストラリア軍とか)がウロウロしているし、駐屯地内の広場には多分100近くカーキ色のテントが作られていて壮観だった。


 受付のこの看板だけ撮影OKだった。
 送迎バスの中からこっそり撮ってSNSに上げてる人もいたけど、そういう事するから縛りが厳しくなっていっちゃうって気付かないんだろうな。

 訓練の内容は、日本海側数ヶ所から侵攻を受けたので、日米が共同で叩き出すというもの。訓練そのものは12/3に侵略の兆候を察知するところから始まっていて、今日あたりは丁度上陸してきた敵部隊とガチで戦闘している所だった。
 当然ながら、こういう場合は戦闘部隊だけ動けばいいという訳ではなくて、後方でも、物資輸送や負傷者救護はもちろん、法的トラブル回避、航空部隊が動くための空域管制の調整、広報、果ては戦死者や捕虜の扱いといったものまで、本当にいろいろな活動をしている。かいつまんで見ただけだが、日本のようにどこにでも人が住んでおり、土地は必ず誰かの物である場所で戦争をするのは本当にややこしいんだなというのが良く分かった。


 非公開だけどパンフレットはある不思議。
 まあ実際は結構見学者がいたからな。


 誰がデザインしているのか、やたらかっこいいエンブレム。

さよならファントムこんにちは代々木

 百里基地航空祭(特別公開)と自衛隊音楽まつりをハシゴしてきましたが、さすがに疲れたらしく頭痛がするので後でアップします。

 復活しました。

 というわけで、百里基地航空祭(特別公開)と自衛隊音楽まつりに行ってきた。
 特別公開というのは、一般公開の前日に近隣住民限定で希望者に公開される事前予行。知人が基地側から招待され、域外の人も同伴可ということで連れていってもらった。
 なお、百里基地の最寄り駅、石岡駅から今回音楽まつりをやる代々木体育館最寄り駅原宿まで、常磐線特急を使えば約2時間。基地祭が14時半終了なので、基地祭名物大混雑をなんとかかわして頑張れば間に合う計算ではある。


 時刻は7時。朝日を浴びるブルーインパルスとF-4ファントム。
 というか寒い。気温は氷点下3度らしい。
 ファントムは実に50年以上に渡って使われてきた機種で、おじいちゃんと呼ばれて親しまれているが、さすがに耐用年数やらなんやらの関係で今年度いっぱいで全機退役が決まっている。
 なので、こういう姿を見られるのはこれが最後。


 偵察機型。カラフルなのは迷彩。


 ファントムを見ていたら、海自のP-1が展示されに厚木から飛んできた。


 百里基地でP-1がブルーインパルスの後ろを通っていくという、割とシュールな風景。
 ついでに、左端に見える山は筑波山。雲一つないのでブルーがスモーク引いたら筑波山からでも見えそう。
 ちなみに、丁度P-1と重なる位置にあるブルーの垂直尾翼に番号がないが、どうやら不具合で代替機を使っているかららしい。



 始まるまで1時間半以上あるので、展示機をぶらぶら見に行ってみる。
 四季のモチーフをペイントしてあるF-2がきれい。



 正面顔シリーズ。ずんぐりしたのがC-2、しゅっとしたのがP-1、まっすぐなのが多用途支援機というふんわりしたカテゴリのU-4。


 基地防衛用の対空砲も展示してた。


 オープニング飛行の準備のためにタキシングに入るファントム。


 次々と離陸していく。


 ついでに茨城空港から特別塗装のスカイマークも離陸。


 オープニング飛行が来るまでの間観覧車(とプログラムには書いてある)でも撮っていよう。
 F-35の方はミサイル積んでたりブルーの方は実機と機体番号をちゃんと合わせていたり、無駄に作りが細かいな……。


 オープニング飛行来た!
 この百里基地でしか見れない、しかも今年が最後のファントムの6機編隊飛行。
 ていうか全機増槽つけてるんだけど、今日は一体どれだけ飛ぶつもりなんだろう。


 そしてファントムが通り過ぎた直後にやってきた別の編隊。
 かなり受けてた。


 遙か上空を飛ぶ民間機の近くを通り過ぎるファントム。


 そして着陸すると出てくるかわいいパラシュート。
 大好きなんだけど、これも今日で見納めかー。


 続いて百里救難隊によるいつもの救難展示。
 災害が増えてるから大変そうだな、彼らも。


 どれだけたくさんの機種を1枚の画面に入れられるか試してみた結果。
 右のF-15が切れたのが悔やまれる。


 ずらりと並んだサメ顔ファントムと、高度を下げて着陸していくH-60の後ろ姿。
 他の基地だとすーっと垂直に降りる事が多いから、こんな風に固定翼機みたいな角度で着陸するのはちょっと珍しい。


 F-15。
 今日はファントム祭りなので、飛んだのはこの1回だけ。


 そしてブルーのパイロットが整備員と一緒に搭乗準備をし始めた。
 この基地祭ではブルーは午前中に飛ぶ。
 観客がブルー目当てとファントム目当てに明確に二分されるので、ブルー目当ての客を早めに帰して混雑の分散を狙っているのではないだろうか、と思うが定かではない。

 ブルーといえば、救難展示の間、1人だけ展示には見向きもせず全然違う方向にカメラを構え続けている多分アラサー女子が近くにいて、何だと思ったらブルーを整備する整備員をひたすら撮り続けているのだった。
 しかも大きなズームレンズで、整備員の一挙手一投足を、執拗に何枚も何枚も。
 なにそれこわい。

 閑話休題。


 準備を終えて手を振りながらタキシングしていくブルー。
 そういえば、プログラムには通称儀式ことウォークダウンがあったが、実際にはそんなものやらずにパイロットたちはさっさと乗って出発してしまったな。
 本番じゃないからかな?
 まああれ退屈なだけなんで、ないならないで全然かまわないというか、むしろありがたいんだけど。


 タキシング中の全機尻。
 誘導路の場所と角度によっては見れないちょっと珍しい構図。


 ……と思ったら、滑走前の最後の点検で3番機に異常が見つかったらしく、今回の展示は5機体制となった。
 5機が離陸した後、とぼとぼと戻ってくる3番機。
 パイロット一番張り切ってたのになあ……気の毒に。

 とはいえ1機足りないだけで、天候には全く問題なかったので、プログラムは6機いないとできない星とかを除いて予定されていたものは全部実施になった。


 整備員に囲まれる3番機の上空を粛々とスモークを吐いて通過していくブルーインパルス。


 しかしやっぱり1機足りないと微妙にバランスが悪い。


 そして地上ではただごとではない感じになっているが大丈夫か。


 太陽光の加減か、スモークの陰影が強調されて絵画みたいな雰囲気になっている。
 入間ではこんな写真撮れたことないな。太陽の高さとか関係するんだろうか?


 筑波山とブルー。


 これまで狙っても撮れなかったタッククロスに初めて成功。


 2番目に好きなやつ。
 ちなみに1番好きなのはコンバットブレイクだが撮り損ねた。


 帰ってきてからもパイロットたちは無造作に退場していった。
 ちなみに3番機のパイロットもさりげなく混じって帰って行った。


 午後はファントムの独壇場。
 模擬スクランブル発進と機動。黄色いのは特別塗装機。
 スクランブル機動では、上の方で写真を撮った対空砲(写真とは別のもの)が上空のファントムを空砲で迎撃し、対するファントムは爆撃とバルカン砲の地上攻撃動作を行うという大変シュールな模擬戦闘が行われた。
 実は対空砲見たかったのだが、距離が離れていていけなかった。残念。


 そしてトリを務めるのはまた偵察型。



 同じ頃、地上では3番機がひっそりドナドナされていっていた。


 パラシュートも撮り納めかな。
 同じシステムは実はF-2にもあるそうだけど。

 これで飛行展示はおしまい。
 後は地上展示をぶらぶら見ながら代々木第一体育館に向かうことにする。


 こちらは今回飛ばなかった展示機。


 機体に描かれている年号は、ファントムがデビューしてから退役までの歳月。
 艦艇だって30年そこそこが寿命というのに、これだけ長く使われているということは、やっぱり名機なんだろうなあ。

 なお、百里は来年は航空観閲式。
 再来年の航空祭では、F-2が代わってやってくるらしい。

 というわけで百里を後にし、今度は代々木へ。
 一緒に行く予定の妹と合流し、会場に入ったのだが、なんだか今回手荷物検査が厳しかった。
 いつもはバッグのメイン部分をを開けてひととおり見せればおしまいなのだが、今回は収納可能な場所は全部開くように言われ、手を入れて中まで探られた。
 百里基地で買った羊羹とかぎんなんとか芋がらとか(地元のおばちゃんが野菜や果物を商品に出店していたのだ)を晒す羽目になって非常に恥ずかしかったのは言うまでもない。


 ちょっと時間が遅かったので2階席。
 楽屋裏?で最後の練習をしている人たちが見える。


 オープニング。
 代々木体育館は会場を挟んで観客席が両側に分かれている。
 正面は赤い貴賓席がある場所なので、基本的に演奏者はそちらに向かって演技をする。ちなみに今回座ったのは反対側。
 一応、こんな風に反対側も向いてやってくれる場合もあるのだが、大体は演奏者の背中を見ることになる。


 人文字「令和」。


 陸自と儀仗隊。


 海自は今回、ベートーヴェンのメドレーをピアノコンチェルトで演奏という変わった演目だった。
 でも最後はいつもの通りの軍艦マーチだったけど。


 在日米陸軍。


 米海兵隊。


 陸海空時と合同演奏。
 楽しそうだ。


 ゲストバンド、ベトナム人民軍総参謀部儀礼団軍楽隊。
 国旗の星を人文字で描き、その名も「ベトナム」という歌を高らかに歌い上げる姿に、何というか確かに共産主義国家だなと納得してしまった。



 こちらもゲストバンド、ドイツ連邦軍参謀軍楽隊。
 ベルリン・フィルとも共演できるレベルの高さらしいが、それ以外にも人文字が非常に巧みだった。
 3枚目で「日本♡」と書いてきたり、退場時には軍の紋章である鷲の姿を描いて羽ばたかせながら去っていったり、さすがベルリン・フィルのお膝元だけのことはある(違う)。
 ちなみに妹がエーベルバッハ少佐と同じ制服だと感動していたが、そこか? そこなのか?


 空自。
 パターンは毎年一緒なのだが、毎回華やかに見せてくる演出力はやっぱりすごい。



 ゲストバンドと陸海空勢揃い。米軍が相手の時とは違って今度はまじめ。
 しかし真ん中の箱ドラムの意味が分からないのだが、何だろうか?


 太鼓。


 フィナーレ。


 指揮者退場。

 背中ばかり見る羽目になった割には、なかなか面白かった。
 しかし、来年もここでやるなら、もうちょっと両面に配慮した構成にしてほしいな。


 退場者の波。
 一応流れてはいるようだが、あの状況だと会場の外は大混雑しているのではないだろうか。


 とりあえずコロコロの儀式を見ながらすくのを待って帰ろう。

中央の音楽聴いてきた

 公募で当たったので、陸自の中央音楽隊定期演奏会に行ってきた。
 各方面隊(いつも行ってる東部方面隊とか)は各方面総監の管轄だが、中央音楽隊は防衛大臣直轄で言ってみれば格が高い。これまで東部方面音楽隊の演奏会しか聞いたことがなかったので、ちょっと楽しみにしていた。


 パンフもそこはかとなく東方音楽隊よりオシャレ感が。


 君が代とスラヴ行進曲しか分からん。

 仕事を抜けられなくて前半は最後の曲しか聴けなかったのだが、東方音楽隊では時々見られる曲によるできのムラがないのはさすがだった。
 というかこれは指揮者の問題なんだけど。
 指揮者といえば、後半のメインとも言える2曲を客演ということで民間の指揮者が振っていた。カラヤンのアシスタントから各地の交響楽団の常任指揮者を務めたというそうそうたる経歴の人で、確かにレベルが違う美しい演奏だった。
 奏者にとっても隊長ばかりでない別の指揮者の指揮を受けることはいい勉強になるんだろうし、こういう経験をさせてもらうところが地方の音楽隊と中央音楽隊の差なんだろうけど、自衛隊の音楽隊が外の指揮者に振ってもらって演奏会というのは、なんだか慣れない立場からするとかなり奇異に見える。

 あと、席が指定席だったんだけど、なんだか天井桟敷みたいな3階席で、舞台がほとんど見えなかったのに閉口した。
 音響がいいホールだったので聞くには不自由しなかったが、周囲を見ると座っている人もまばらだし、寝てるのを見られたくない立場らしい人たちがわざわざ移動してきてるし、もしかするとオーバーブッキングかなにかで慌てて作って押し込んだ席? なんて邪推が働いてしまうような席だった。

恒例の陸自夏祭り

 総火演予行に行ってきましたが、寝落ちするため明日更新します。

 復活しました。
 というわけで、本番前の練習ということで、発射タイミングがずれたり着弾地点が予定とだいぶ違っていたり、そもそも砲が故障したりとなにかとやらかしてくれる総火演予行。
 今年は何が起きるだろうか。


 整備中。


 曇ってはいるが、雲底は丁度一番遠い着弾地点の上あたりでとどまっている。
 晴れると写真映えはするけど死ぬほど暑いので、実際に見るにはむしろこのぐらいの天気のほうが楽でいい。
 なお、今年から、各着弾予定地点に番号や数字が直接表示される(看板ともいう)親切仕様になっていた。
 毎回「3の台を狙います」とかアナウンスされてもどこだかわかんなかったので、これはポイントが高い。


 見たことない車両が出てきたと思ったら、今年制式化されたほやほやの19式装輪155ミリ榴弾砲だった。
 これだけの砲を普通の車から撃てるとか、どんなサスペンション装備してるんだろ。
 砲の付け根部分の色が違うけど、これが駐退機なのかな。
 右の写真とか、前方に写ってるFH70と比べると発射機構がずいぶん複雑。


 そして見せただけで去っていく155ミリ榴弾砲。まあまだ試作機らしいのでしょうがない。
 ところで砲手はそこに乗るんですか。

 今回も写真は適当に撮っているだけで、プログラム的にも飛び飛びなのだが、去年に比べて新しい展開が多かったため、ちょっと真面目にしておけば良かったと後悔している。


 前段。自走して撤収するFH70とすれ違いに会場入りするCH-47チヌーク。
 去年まではチヌーク登場はもっと後だった。



 迫撃砲を牽引したジープが出てくる。これも今年初めて。


 砲弾出てる。


 毎年1台だった87式自走高射砲が今年は3台。
 もっとも手前の1台は撃たずに砲塔をくるくる回しているだけだった。


 戦車壕(これも今年初めて)から砲撃する10式戦車と、その後ろでお片付けの準備をしている高射砲。


 10式と連携しながら会場につっこんでくる16式機動戦闘車。
 通りすがりに気軽に撃っていくので音がすごい。


 そして唐突にチャフを撒いたのでびっくりした。


 でかいので何をやっても迫力がある90式。
 履帯に鉄の泥よけ(というか攻撃よけ)がついてて走行音にカタカタキシキシ金属音がするのが10式との区別ポイント。


 いつもの風景。

 ここで前段終了。
 今回は複数の種類の違う装備が一緒になにかをするパターンが多いので面白い。



 後段に登場した見せるだけ機材。
 はっきり名前を言わなかったんだけど、どうやら電波妨害とか敵の通信の傍受と周波数解析とかの電子戦を行うための装備らしい。


 シナリオは今回も島嶼部に攻めてきた敵を撃退する話。
 この10式は、上陸しようとする敵の船団を狙っている。
 これ以外にも空自のF2による爆撃とか、海自の護衛艦による対艦ミサイル攻撃とかがあるのだが、天気が悪いのでF2は来なかったし、海自に至っては陸に上がれないので、会場に設置された説明用のスクリーンに投影されただけだった。


 攻撃をかいくぐって上陸してくる敵を文字通り水際で食い止めるために、かっこ悪い水陸機動車に乗った人たちが阻止線を形成する。


 水陸機動車が敵に対している間に、AH-1コブラに護衛されたUH-60が偵察隊を降ろすために着陸する。



 続いてチヌークが2機。
 最初のはロープで隊員を直接、次が着陸して車両を降ろしていく。
 この辺になるとめまぐるしくて何が起こってるのか良く分からなくなってくる。


 またチャフ。
 今年は大盤振る舞いだな。


 偵察装甲車と偵察用バイク。
 バイクは今年は飛ばなかった。


 こちらはヘリが来るとき常にこれもくっついてきてるんだけど、ちょっと離れて飛んでいるので写真に入りきらない事が多いかわいそうなOH-6。


 10式と装甲戦闘車(真ん中の砲が細いの。履帯だが戦車ではなく普通科兵器)が一緒に陣を組んで戦闘をする中、兵士を乗せた96式装輪装甲車が走り込んできた。


 続いて90式がわらわらと。


 いつものフィナーレ。

 前に行った富士学校の時と同じでやたら解説しているだけというのが多く、最初は退屈だったが、後半に景気よくいろいろ登場するので面白くなった。
 そういえば、今年は着弾地点が予定と違ったぐらいではっきり分かる大失敗案件はなかったな。
 あと、異機種連携はいい試み。実際にこういう事をやるのかどうか知らないけど、来年もやってほしい。

 そして、今年は夜間演習があったのだ!
 直前まで雨が降ったりやんだりしていたので、半分あきらめながら会場に行ったのだが、雲がそれほど低くないということで決行になった。


 照明弾でよく分かる雲の高さ。
 手前の緑色の明かりはずらりと並んだ戦車や装甲車や迫撃砲。


 照明弾の位置が近いので、さらに車両のシルエットまでもが見えている。

 夜間も少しやり方が変わっていて、暗闇の中での車両機動が加わった。
 前はあらかじめ決められた場所に並んで撃っているだけだったのだが、今回は真っ暗闇の中、暗視スコープだけを頼りに移動してきて所定位置にぴたりと停める技も見せてくれた。

 おまけ。

 なんか会場の照明の上に乗ってた。

恒例の富士に行く

 毎年この時期の風物詩、駐屯地見学と総火演(予行)。
 今年の駐屯地見学は北富士駐屯地。


 ここにいるのは火砲の部隊。
 昭和35年に地元の誘致活動からできた駐屯地であり、山梨県唯一の駐屯地でもあるんだって。

 着いたのが昼だったので、ご飯を食べたり駐屯地の概要について説明を受けたりした後、訓練の見学。
 陸自で唯一、この部隊だけが担う礼砲発射を今回は見た。


 礼砲発射待機中。
 海自の礼砲と違うのは、海外の偉い人がやってくる空港に都度出かけていって撃つこと。
 海自は観音崎に専用の場所があって、そこを艦艇が通過した瞬間に撃つのだが、この部隊はこんな風に空港に待機していて、飛行機のドアが開いて偉い人が姿を見せた瞬間に撃ち始めるんだとか。


 迷彩服に白手袋がシュールだが、実際にやる時は制服着用に白手袋となる。

 実際に撃つとこんな感じ(ちょっと長い)

 撃ち始める場所を間違えたり、ズームとパンを間違えたりしてるのは内緒。


 散らばっているのは撃ち終わった後の空薬きょう。


 普段は、終わった後の接近タイムにはいろいろと隊員の人から話が聞けるのに、この部隊はこうやってじっとしたまま微動だにしない。
 いわゆる儀仗隊と同じようなスタイルなのだろうが、なんというか非常にやりにくい。


 我々が離れて体験乗車などやり始めたら、ようやく姿勢を解いて片付け始めた。


 お疲れ様ー。


 そしてこれに乗ってきた。

 礼砲も発射手順は普通の砲と変わらないらしいが、儀仗の意味もあるためか、ひとつひとつの動作がきれいに儀式化されていて面白かった。

戦車と神様

 陸自富士学校の創立記念行事。
 富士学校とは、主に幹部や曹に対して戦車や火砲の訓練をする学校で、その名の通り富士山のふもとの須走にある。
 何しろ御殿場駅から路線バスだと30分、しかも来るのは1時間に1本程度と交通の便が異常に悪いので、10年近く前、試しにバスツアーを使って来てみたことがあるのだが、今はどうなっているのだろうか。
 というかなんか風が強いし雨がぱらつくしで寒いんですけど。


 とりあえず真っ先に目についたのが、遊具化されている16式機動戦闘車。
 中がエアクッション状の滑り台になっている。当然ながら小さいお友達限定。
 一体どんな発注して作らせたのか気になってしょうがない。


 式典までちょっと時間があったので、ぷらぷらと展示品を見て回る。


 式典会場ではすでに隊員が整列していた。
 式典が終わったらすぐに乗り込んで行進ができるよう、最初から車両が後ろに待機している。
(あと敷地が狭くてここしか置き場所がないというのもある)


 式典でやるのはまあいつものとおりのプログラム。
 学校長の巡閲とか、学校長の訓示とか、来賓祝辞とか来賓紹介とか祝電紹介とか……。


 やっと終わったので、行進に向けて車両に駆け足。



 一斉に乗り込むとエンジンを吹かして順番に行進開始位置に移動していく。


 行進始まるよー。


 なんかシートがかかったまま行進していった何か。
 雨に濡れたらいけないものなのか、見せたらいけないものなのか不明。


 無人機(の尻)!












 後はとりあえず適当に。
 さすが学校なだけあって、戦車回収車とか架橋車とか普段あまり生で見れない物を揃えている。

 で、この次は訓練展示なのだけど……正直あまり面白くなかった。
 前に来た時は(10年近く前だけど)、ちゃんと敵味方に車両が分かれて戦ってくれたのに、今回は味方側が何もいない陣地に撃ち込むまねを(放送の効果音つきで)するだけというのはほとんど。より実態に即したプログラムではあるのかもしれないけど、逆に具体的なイメージが掴みにくくなっている感じだった。


 風が強いから航空パートはなしだろうと思っていたら、ヘリがちゃんと飛んできたのに驚いた。
 やれば出来る子。


 歩兵と機動戦闘車。


 偵察隊。
 いつも思うんだけど、バイクを盾にしてガソリンタンクとかに被弾したら大惨事じゃない?


 バイクに次いで、降下しての偵察隊もやってくる。


 ミサイル(撃つまね)。


 機動戦闘車(本当に撃っている)。


 最後の方になってようやく敵車両が突っ込んできた。


 と思ったら近すぎる位置でいきなり戦車が撃ち合いを始めた。
 なんというかすごい。というか最初からこのノリでやってくれれば。


 最後は味方側増援の10式やら装甲車やらが10台以上乱入してきて、敵車両を取り囲んで終了。


 10分程度そのままでいてから、ゾロゾロと退場を始める車両たち。
 これはこれで圧巻。


 日頃牽引されているFH70も、「自走できるんだ!」と見ていた人たちから驚かれながら帰投。

 この後、ここでは装備品展示が行われるのだが、準備に多少時間がかかるので、歩いて10分ぐらいのところにある富士山東口本宮浅間神社まで散歩に行くことにした。


 いくつもある富士周辺の浅間神社のひとつ。
 やっぱり皆さん同じ事を考えるのか、明らかに富士学校からやってきたっぽい人達が参拝していた。

 
 さて、戻って装備品を見るか。


 ……まさかの展示保存されているM24チャーフィー軽戦車に乗れるサービスを発見。
 これは乗るしかない。


 というわけで30分並んで乗ってきた。
 乗るだけでなく中も見せてくれた。

 なお、隣ではM4シャーマン中戦車や、61式戦車にも乗れていたのだが、さすがに時間がなくて断念した。
 シャーマンに乗ってたらちょっと自慢できたかも。だってシャーマンだよ?



 そして式典会場での装備品展示……は意外と少なかった。
 でもとりあえず架橋車が見れたからいいか。

 ここは公共交通機関が不便なため、バスツアー率とご近所の人率がものすごく高いという割と変わった見物人構成になっている。特にバスツアーは、多分1000人ぐらい来ているのではないかと思う。朝など到着したツアー客が入り口に一気に押し寄せて大混雑になっていた。
 とりあえず今後もバスツアーは増えていく一方だろうし、下手をするとツアー客だけで基地祭のキャパシティを超えるという日もそう遠くないと思うんだけど、どうするんだろう自衛隊側は。

音楽隊と黒服映画

 東部方面音楽隊の定期演奏会に行ってきた。


 恒例の開始前の舞台写真。
 今回はドラムがずいぶん前の方にあるな。


 プログラム。
 今年は前半に隊長が指揮してお堅い系、後半は音楽班長(良く分からないけど副隊長代理みたいなもの?)がエンタメ系と分けてきた。
 正直、全く知らない曲をやられても寝るだけなので、知ってる曲をやってもらえるのはありがたい。
 唐突に吹奏楽コンクールの課題曲が入っているのは、招待している近隣の吹奏楽部の学生が参考にできるようにという配慮かもしれない。

 そして終わった後は「メン・イン・ブラック インターナショナル」を見に行った。
 うーん、ちょっとこれはないな。
 まず、「地球はド派手に裏切られる」とあるからどれだけ派手なのかと楽しみにしてたら、全然派手じゃなかった。むしろレベルとしてはせこい部類に入ると言っていい。
 あと、今作から主役になったエージェントH(クリス・ヘイムズワース)とエージェントM(テッサ・トンプソン)コンビの役割バランスが決定的に悪い。
 前作までのエージェントK(トミー・リー・ジョーンズ)とエージェントJ(ウィル・スミス)の時は、優秀なベテランだが堅物で感情を表に出すのが苦手なKと、お調子者で経験不足故に状況に振り回されがちだが、身体能力と頭は切れるJがうまくお互いを補い合っていた。
 が、今回は、英雄とまで言われる割には無能で人の話を聞かないウザいチャラ男のHがやらかしまくるのを、新人だが出来る女のMが活躍して結果オーライというパターンが頻出する。実はHの変貌には過去の事情があるらしいが、作品中では全くそこには触れられないので、見ていて割とイライラする。
 あと気に入らないのが、HもMも自分に都合のいい状況を作り出すために嘘を平気で使うこと。切り札としての嘘ならありだが、同じような事を何度もやられるとさすがにまたかよとなってくる。まあ、研修生が口先だけの嘘でベテランのパートナーとして現場に出ていっても誰も気付かないような組織だから、スパイが何年も入り込んでいても分からなかったんだろうし、さらに、こんなエージェントが優秀と言われるのなら、KとJの時代に比べてエージェントの質も落ちてるんだろうなとか、そんなことまで考えてしまう。
 とりあえず、金の無駄まではいかないにしろ、全体的に作りが雑で出来具合はかなり微妙。