カメラに向かって果敢に威嚇し続ける五十鈴と、黙ったまま謎の上下運動をしているだけのいずも。

　いずも、お前やる気ないなら五十鈴に任せて奥に入ってたら？

　いずもの巣の中で、人間様が呼んでくれるのを黙ってじっと待つ五十鈴。

　呼ばれたら即飛び立てるよう身を半分乗り出しているのが、圧力感半端ない。

　そして、奥でぬくぬくしているくせに、五十鈴を呼ぶと自分も待ってましたみたいな顔で飛び出してくるのがいずも。
　こっちは割とずうずうしい感。

　相変わらずひっつき虫な文鳥ども。

　いずもへんな顔。

　でもこんなだから人間様をないがしろにして自分らだけキャッキャウフフするかというと全然そうではなく、むしろ人間様を巻き込んで2羽で先を争ってどちらがいっぱいかまってもらうか競争をやるので、それはそれでめんどくさい。

　まだ人間様の新しいパジャマに慣れなくてカゴから外に出られないいずも。
　一方、そんなことを全く気にしない五十鈴は普通に外に出てきては、カゴに入ったままこちらを眺めるいずもを不思議そうに見ている。

「なんでいずもお兄ちゃん出てこないんだろう……」

　この場合、いずもが神経質で五十鈴が鈍いのか、いずもが頭悪くて五十鈴が賢いのか、一体どっちなのだろうか。

いっちょ前に威嚇してくるが、カメラと目を合わせない五十鈴。

　なんで上を見てるのさ。

　いずもと一緒だとやたら気が強くなる五十鈴だが、まあこのへんが強気の限界らしい。

　いずもと五十鈴のケンカ。

　むしろ後ろで興奮してぴょこぴょこしているパムが気になってしょうがない。
　ちなみにずっと続いている甲高い声はブロッサム、通称ちびころ。

「でも僕たち仲良しだから」

　はいはいそうですか。

　換羽が来たので、いずもにちょっと冷たい態度を取るようになった五十鈴。

　普段はいずもがひっついてきても我慢してつきあってるのに、今はこっちに向けた背中から寄るなオーラが満載。

　そんな顔してこっち見たって仲を取り持ってなんかやらないよ、いずも。

　同じ文鳥でも、巣の使い方は人それぞれ。

　完全に奥におさまるのが好きないずも（昼間限定）。

　出入り口のあたりでとまって寝る五十鈴。

　五十鈴のほうが若干用心深い性格だからかな？　この差は。
　自信ないけど。

　どうやら文鳥どもは2羽とも新しいつぼ巣にすっかりなじんだ模様。

　……幸せそうだね、お前たち……。

　いずものつぼ巣が分解してきたので、新しいのを入れてやった。

　早速やってきたのはなぜか五十鈴。
　本来の住人であるいずもは見慣れない巣が恐くて近寄れないでいる。

　カゴの上を見切れながらうろうろしているいずもを尻目に、好奇心むき出しで観察している。

　しかし同じ鳥でも性格が違うなあ。